2009年のロボットシーン総括

Reported by 森山和道

 女性型ヒューマノイド、1/1ガンダム、脳コントロール、秋葉原でのロボットショップ出店、国際ロボット展ほか、盛り沢山の一年を振り返る。

 今年は産業用ロボットの出荷台数が前年比で大幅減となるなど、不況の影響が色濃く残った一年だった。しかし一方で、徐々に新しい風の気配がじわじわと感じられた一年でもあった。2年に一度の「2009国際ロボット展」も開催され、出展規模こそ縮小したものの、入場者数は101,090人を達成した。これは前回(2007、104,211人)とほぼ変わらぬ結果であり、設備投資が減少してもロボットへの期待は変わらず高いことを示している。また食品や医薬品、さらに病院や家庭内など、あるいはまったく新しい形でのロボティクス活用など、新規産業へのロボット導入期待もますます高まっている。

 おそらく来年以降も不況の影響は残る。だが、逆にV字回復するという見込みも、決して根拠の無いものではない。日本の都市部では自動車離れが起きているが、米国や、日本国内も地方では今も必需品であり、車には必ず買い替え需要が発生する。一時的に買い控えたということは、どこかでその買い替え需要が集中することを意味する。環境関連技術への投資も、新規の買い替えや需要拡大を後押しする。また、前述のように自動車業界以外の参入も始まりつつある。これまでロボットは自動車産業にしか入り込めていなかった。産業用途だけに限っても、まだまだ成長余地がある。

 不況の波は広告や売り上げの減少という形で、出版業界にも押し寄せた。残念ながら本誌「Robot Watch」も、本稿を持って更新停止となる。家電メーカー最大手のパナソニックが2015年にロボット事業で1,000億円の売り上げ達成を年初に公言するなど、ロボット業界は今後大きく飛躍すると考えられる。「まさにこれから」のこの時期に、継続的にロボット業界をウォッチできなくなったことは残念である。

 本誌は更新停止となるが、この場を借りて、これまで支えてくれた多くの読者の皆さんに心より感謝を申し上げたい。読者各位、皆さんこそが、まだ見ぬ未来社会を創り出すのである。どんな社会を創りたいのかということを一人一人が考えながら、これからもロボットの研究開発、ロボットビジネスを展開して頂きたい。

 なお本誌のバックナンバーはニュースコラムとも今後も閲覧可能である。ロボットニュースも、今後も不定期ながら「Game Watch」内の「ホビー/ロボットチャンネル」で更新予定だ。引き続き「インプレスWatch」のロボット記事をお楽しみ頂きたい。

 さて、2009年を振り返っていこう。

2009年のロボットビジネス・シーン

 パナソニック株式会社は、9月末に行なわれた「第36回国際福祉機器展」で、同月にリリースした「ロボティックベッド」を一般公開した。来場者たちからの期待の眼差しはすごかった。パナソニックは10月には展開するロボット事業の概要を公開。「CEATEC JAPAN」でも大坪社長が講演を行なった。まず医療事業からロボットを展開していき、2015年にはロボット事業を1,000億円規模に育てたいとしている。

 また、パナソニックは、8月にフランスのブガッティ・サーキットで、ロボットクリエイター高橋智隆氏製作のロボットキャラクター「EVOLTA(エボルタ)」を使用し、アルカリ乾電池「EVOLTA」の耐久実験を行なった。「エボルタ」は無事完走し、ギネスに登録された。また高橋智隆氏個人は10月にも走ったりジャンプしたりできる小型ヒューマノイドロボット「ロピッド(ROPID)」を開発したと発表して各種展示会に出展。話題を呼んだ。

 iRobot社の日本販売代理店セールスオンデマンド社は自動掃除機「ルンバ」新モデルを9月から発売し、価格も下げた。同社はその後、テレビCMや電車内広告などを積極的に打っている。また、ユーザーセミナーも行なった。

パナソニック「ロボティックベッド」EVOLTA(エボルタ)

 トヨタは警備・案内業務用途として6月末から「i-REAL」をセントレア空港内に導入した。日産自動車は「CEATEC JAPAN 2009」でぶつからないクルマを開発中の魚の群れのように走る「EPORO」を出展した。「CEATEC JAPAN 2009」では村田製作所も「ムラタセイコちゃん('09モデル)」を出展、また人気だった。今年のCEATECではロボットはどちらかというと少なめだったが、基調講演「-未来予測2010-2025~Sustainabilityによるエレクトロニクス・自動車産業の変貌~」では、ロボットに関連する話題が取り上げられた。

 ホンダは9月に「ASIMO」開発のなかで得た技術を応用した新型パーソナルモビリティ「U3-X」を発表した。「U3-X」は「第41回東京モーターショー2009」にも出展された。今年のモーターショーはロボット関連展示は少なめ。また10月末には「ASIMO」の9歳の誕生日を祝うイベントを開催した。

トヨタはi-REALをセントレア空港に導入「ムラタセイコちゃん」(左)と「ムラタセイサク君」(右)ホンダ「U3-X」

 安川電機は「国際ロボット展」でも大々的に同社の取り組みをアピール。ロボット展直前に行なわれた「ロボット産業交流会 in 立川」でも、「人」に着目する同社のコンセプトを解説した。

 似たようなコンセプトの双腕ロボットは川田工業も上半身型作業ロボット「NEXTAGE」として開発し、国際ロボット展に出展した。人型ロボット開発で培った軽量化技術で生産現場へ進出を狙う。「NEXTAGE」は国際ロボット展のテープカットも行なった。なお川田工業は、研究用に上体ヒューマノイドロボット「HIRO」も販売している。

 ALSOKは3月に、月額6万円台の企業向け受付けロボット「An9-RR」を発表し、セキュリティショー2009に出展した。7月末には商業施設向けの自律走行型案内ロボット「An9-PR」を発表した。

 米国セグウェイは4月にGeneral Motors社と共同開発した2人乗り可能で座席・ハンドル付きの電気2輪自動車「P.U.M.A.」を発表した。いっぽう、日本SGIはセグウェイ/ロボット事業から撤退を決め、それらの事業を新会社のセグウェイジャパン株式会社へ4月1日付けですべて移管した。セグウェイジャパンは事業提案者に提供する「セグウェイチャレンジ」プログラムの公募など事業を積極的に展開した。

 フラワー・ロボティクスは、同社が開発したマネキン型ロボット「Palette」シリーズのレンタル事業を6月から開始した。イーガーも段ボール製の紙マネキンロボット「D+ropop」を出展、1体47万円から販売している。インタロボットは6月に同社の長期レンタルプログラムを開始した。ココロは国際ロボット展で人体型ロボット頭部組立キット、カメラ付き眼球動作ユニットなどを出展。百貨店の「福袋」としてもアンドロイド制作を受注すると報道されている。

川田工業「NEXTAGE」ALSOK「An9-RR」セグウェイ「P.U.M.A.」

 NECは「PaPeRo」のプログラムを体験するワークショップを大阪「ロボットパーク」8月9日などで行なった。また新型パペロ「PaPeRo R500」を開発し、ソフトウェア開発ツール「PaPeRo Creator」とセットで、有償貸し出しを開始している。また小型無人飛行機による災害監視システムの販売を6月から開始した。

 富士通はリアルタイムで詳細な3次元認識が可能な並列プロセッサ搭載の画像処理モジュールを開発して、7月末から販売を始めた。オリンパスは、国際レスキューシステム研究機構と東北大学による「能動スコープカメラ」をベースに、「自走機能付きガイドチューブ」を製品化、販売を始めた。関西電力株式会社は、東京工業大学、株式会社かんでんエンジニアリング、株式会社ハイボット、株式会社ジェイ・パワーシステムズ、財団法人電力中央研究所らとの共同開発で、遠隔操作が可能な超高圧送電線の活線点検ロボットを6月に発表した。このロボットは「2009国際ロボット展」にも出展された。

 テムザックとアラコムは1月に警備ロボ「T-34」を共同開発して発表した。FOMA携帯電話から操作でき、ネットランチャーを装備したロボットだ。テムザックは3月に西日本工業大学とロボット開発で提携。7月には九州工業大学と人を認識させる共同実験をショッピングセンター「イオンモール福岡ルクル」で行なった。5月には福岡県宗像市に、テムザック・福岡県内のロボット研究者、それにイタリアとドイツの研究者が集まったベーダ国際ロボット開発センターが開設された。ベーダセンターは8月末には、またがって乗る電動車椅子「RODEM」を発表。第36回国際福祉機器展にも出展した。

NEC「PaPeRo」オリンパス「能動スコープカメラ」
テムザックとアラコムによる警備ロボ「T-34」ベーダ国際ロボット開発センター「RODEM」

 株式会社タダノは同社の60周年記念として四足双腕作業ロボット「ROBOTOPS(ロボトプス)」を開発、5月末に発表した。

 ZMPは、カーロボティクス・プラットフォーム「RoboCar」を6月下旬より出荷開始した。9月にはセグウェイと、教育・研究用ロボットプラットフォームの分野で協業すると発表した。

 株式会社ビジネスデザイン研究所は1月下旬からフランスで生まれたネットワーク型うさぎロボット「Nabaztag/tag」を発売開始。仏Violet(ヴィオレ)社のNabaztag開発者も招いて会見を行なった。

 次世代ロボット産業クラスターの形成を目標にしている大阪ロボットラボラトリーは2月に期間限定で「ロボットショールーム」を設置した。ショールームでは生野金属によってエコ・ロボットシステム「SHIZUKU PROJECT」の実証実験なども行なわれた。神戸ロボット研究所は3月に「kobe Robot Meeting 2009」を開催して、平成20年度神戸RT事業開発補助採択プロジェクトの進捗報告を行なった。

株式会社タダノの四足双腕作業ロボット「ROBOTOPS」ZMP「RoboCar」ネットワーク型うさぎロボット「Nabaztag/tag」

 米国のロボットベンチャー・ウィローガレージ(Willow Garage)社は、オープンソース型のロボット・プラットホームの無償提供を検討している。スタッフはたびたび来日し、日本でセミナーデモを行なった。国際ロボット展に出展。また同じく米国ベンチャーのエニーボット(Anybots)社は遠隔操作型ロボット「QB」を開発した。

 独立行政法人 日本貿易振興機構シカゴ・センター、米PARO Robots US Inc.、株式会社知能システムの3社は、アザラシ型ロボット「パロ」の米国仕様版を11月16日より受注開始、12月1日より発送を開始すると発表した。

 研究用小型二足歩行ロボット「Nao」を開発・販売するアルデバラン・ロボティクス社が中心となって進めている産学官共同の「プロジェクト Romeo(ロミオ)」など海外のメーカーにも取材を行なった。アルデバラン・ロボティクス社は「国際ロボット展」で来日。キャラバンを行ない、本誌では大阪大学でのデモを取材した。そのほか、アメリカのロボット各社の動向は、本誌では米国在住のジャーナリスト影木准子氏が「影木准子の海外ロボットニュースダイジェスト」でお伝えした。またイギリス ブリストル ロボティクス研究所の講演などもレポートした。

エニーボット社遠隔操作型ロボット「QB」アルデバラン・ロボティクス「NAO」

 また富士ソフトも12月に「全日本ロボット相撲全国大会」のなかで開発中のヒューマノイドロボットを公開した。CPUはAtom、UbuntuをOSとして採用している。ヴイストンが10月にATRと共同発表したAtom搭載の「Robovie-PC」とコンセプトは似ているようだ。富士ソフトのロボットの正式発表は2010年1月の予定だ。

富士ソフトが開発中の二足歩行ロボットヴイストン「Robovie-PC」

 ロボエンジンは3月に、8種類のセンサーで環境データをロギングするライフログロボット「pyuuun」を発売した。

 介護関連は今年も注目で、第15回総合福祉展「バリアフリー2009」「ヨコハマ・ヒューマン&テクノランド 2009」などでロボットテクノロジー応用機器が出展された。レスキューロボットは「危機管理産業展2009」レポートなどでもお伝えしている。このほか農業用ロボットの開発等も進められている

 robobakkonとロボナブルはロボットビジネスの現状・可能性と、消費者意識リサーチ結果を発表する「ロボット市場クリエイティブセミナー」を12月に開催した。

学術関連

 「科学技術連携施策群 次世代ロボット連携群」は1月にはユニバーサルシティウォーク大阪でEU版ネットワークロボット「DustCart」とのデモを行ない、2月には「神奈川環境プラットフォーム」見学会を開催した。東芝や産総研によるロボットのデモンストレーションが行なわれ、「ユニバーサルデザイン・ウィズ・ロボット」というコンセプトが示された。3月には最終成果発表を行ない、各省庁関係者からの発表が行なわれ、4年間のプロジェクトを締めくくった

 NEDOは、2月半ばに2015年頃の実用化を目指す「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」のステージゲートの結果を発表した。一部は発表当日に、当日持ってこれなかったロボットも「2009国際ロボット展」のNEDOブースに出展された。8月には「生活支援ロボット実用化プロジェクト」を開始した。安全性基準を国際標準とするべく提案することで国産ロボットを海外市場へと展開・普及していくことを目指すという。「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト」と「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」の成果は「国際ロボット」展に出展された。特に株式会社プレックスらによる洗濯物ハンドリングロボットシステムが注目されていた。

 産総研は3月に女性型ヒューマノイドロボット「HRP-4C」を発表した。HRP-4Cはファッションショーのほか、桂由美ブライダルフェアではウェディングドレスを着用してモデルデビュー。愛称は「未夢(みーむ)」ともども、話題を呼んだ。産総研の梶田秀司氏はロボットコミュニティのみならず「日本SF大会」ほかでも講演し、本誌でも開発者座談会をその1その2に分けて掲載した。

 その後、「HRP-4C」は、「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」などのほか、「CEATEC JAPAN 2009」ではヤマハとコラボして「初音ミク」そのほかのコスプレ姿で歌を披露した。10月に開催された「Digital Content EXPO 2009」ではロボット研究者らとダンサーSAM氏によるトークセッションのなかで「ダンスロボットプロジェクト」が始まったことが公開された。一年後には歌って踊るという。

Robovie-IIとEU版ネットワークロボット「DsutCart」による連携サービスの実証実験産総研「HRP-4C」

 産総研は9月には、ゼネラルロボティックス株式会社、茨城県立健康プラザ、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)など、リハビリ介護予防インストラクター補助ロボット「たいぞう」を発表した。9月には上肢に障害のある人の生活を支援するロボットアーム「RAPUD(Robotic Arm for Persons with Upper-limb Disabilities)」を発表。こちらは産総研技術移転認定ベンチャーであるライフロボティクス株式会社へ知財や技術移転が行なわれており、今後、ライフロボティクスから80万円ほどの価格での販売を目指している。国際福祉機器展ほかにも出展された。また「東大先端科学技術研究センター バリアフリーシステム研究拠点オープンハウス」レポートでも障害者支援デバイスの研究開発状況はレポートしている

 理研-東海ゴム人間共存ロボット連携センターは8月に、クマ型の介護支援ロボット「RIBA」を発表した。RIBAはその後改良されて研究が続けられている

産総研リハビリ介護予防インストラクター補助ロボット「たいぞう」理研-東海ゴム人間共存ロボット連携センターによるクマ型介助支援ロボット「RIBA」

 東北大学大学院工学研究科 小菅・平田研究室、同橋本・鏡研究室ほかは、3月に、NEDO技術開発機構の「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」の支援を受けて3年間かけて業務用の食器洗浄作業代替ロボットとして開発を進めていた「食器洗浄・収納パートナロボット」を発表した。

 早稲田大学理工学術院 藤江正克研究室と岐阜大学大学院 医学系研究科高度先進外科学分野の竹村博文教授らは、3月に心臓の拍動に追従、冠動脈バイパス手術での実用化を目指す「心拍補償ロボットシステム」を開発したと発表した。また北九州市立大学国際環境工学部山本郁夫研究室も産業医科大学と共同で「手術用鉗子ロボット」を開発したと4月に発表した。

 早稲田大学理工学学術院グローバルCOEプログラム「グローバル・ロボット・アカデミア」は、「人とRTの共生」を目指す新たな教育研究拠点「RTフロンティア」を開設した。記者公開ではエモーショナル・ヒューマノイド・ロボット「KOBIAN」が話題を呼んでいた。「RTフロンティア」はオープンキャンパスに合わせて一般公開もされた。また早稲田高西研の人間計測センサーシステムはZMPから事業化された。Windows 7の「Sensor & Location Platform」に対応している。このSensor API対応製品は今後続々登場しそうな気配がある。ロボット的な製品が続々登場するのかもしれない。

東北大学大学院工学研究科 小菅・平田研究室、同橋本・鏡研究室らによる「食器洗浄・収納パートナロボット」早稲田大学「KOBIAN」

 6月には「人工知能の父」とも呼ばれるマービン・ミンスキー氏が来日して、早稲田大学ほかで講演を行なった

 ATRは12月に総務省委託研究「高齢者・障害者のためのユビキタスネットワークロボット技術の研究開発」の一環として複数のロボットが連携し、高齢者の生活を支援する実証実験を京都府相楽郡のスーパーマーケットで行なった。

 NPO法人国際レスキューシステム研究機構(IRS)は、「閉鎖空間内高速走行探査群ロボット」の実証実験、などを実施。7月には軽量・小型・高速のレスキューロボット「UMRS-2009」を公開した。

 芝浦工業大学は日本科学未来館で「東京ベイエリアロボフェスタ」を開催した。芝浦工業大学の各種ロボットのほか、産総研の女性ロボ「HRP-4C」が展示され、講演では毛利衛氏が二足歩行ロボットを使った月面探査について述べた

 岐阜大学の矢野賢一 准教授らは食事支援ロボット「MARo」を「イノベーションジャパン2009 - 大学見本市」で初めて一般公開した。

「人工知能の父」とも呼ばれるマービン・ミンスキー氏が来日NPO法人国際レスキューシステム研究機構「UMRS-2009」

 東京大学生産技術研究所千葉実験所一般公開では東大・浦研究室の水中ロボット「TUNA-SAND」のデモが行なわれた。

 日本ロボット学会は3月30日、ロボットを使った教育に関するカリキュラムや教育方法の考察を行ない提言していくことを目指して「ロボット教育研究専門委員会」を設置。「ロボット感動教育シンポジウム2009」を東京大学工学部で3月末に開催した。

 3月にはカリフォルニア州サンディエゴで人間が自然に付き合えるロボットの開発を目指した「ヒューマン・ロボット・インタラクション」の会議が行なわれた。米スタンフォード大学は次世代自動車の研究拠点「CARS」を設立した。トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、フォルクスワーゲンなどが参加しているという。

 理研の谷淳氏は認知ロボティクスの立場から「自己」の問題について東京財団「VCASI」で講演した。また知能の創発を目指す「創発と知能」研究会を理研が開催するなど、ロボットと脳科学研究の融合は徐々にさまざまな方面で進行中だ。

脳科学とロボット技術の融合 BMI、サイボーグ

 脳科学の成果とロボット技術を融合させるBMI(ブレイン・マシーン・インターフェイス)技術も今年、注目を浴びた。3月にはホンダ、ATR、島津製作所が新型のデコード技術と新開発の「EEG・NIRS同時計測装置」を使って脳の活動を読み取り、ASIMOを動かす技術を開発したと発表した。この分野の第一人者の一人であるATRの川人光男氏は、産総研デジタルヒューマン研究センターでの講演でも、より高時間分解能・空間分解能を目指す「ブレイン・ネットワーク・インターフェイス(BNI)」という非侵襲計測技術の研究を行なっていると紹介した。

 いっぽう、理研とトヨタも6月には脳波で動く電動車いすを開発したと発表し、記者会見で実際にデモも行なった。「ブレイン・マシン・インターフェイスによる機能代償システム研究の現状」に関するシンポジウムや、日本ロボット学会第27回学術講演会では一般公開セッションとして「サイボーグ技術は動き出すか?-ロボット技術と人間機能の協調-」と題されたシンポジウムも開催された。

 また、大阪大学の石黒浩氏が拠点リーダーをつとめる大阪大学グローバルCOE「認知脳理解に基づく未来工学創成」プロジェクトは8月にスタートアップシンポジウムを開催した。「情報・機械システムの開発」と「人間の高次脳機能の理解」が同時に進めていく未来工学、「認知脳システム学」をこれから進めていくという。

ホンダ、ATR、島津製作所がBMIでASIMOを動かす実験トヨタは脳波で動く電動車いすを開発

ロボットトイ

 タカラトミーは、世界最小クラスの二足歩行ロボットトイ「ROBO-Q」を2月に発売した。「ROBO-Q」の詳細はレビュー記事に詳しい。1月半ばに開かれたホビーメーカー7社による新製品商談会「トイフォーラム2009」ではトランスフォーマー関連製品が並んだ。タカラトミーはそのほか新製品は出さなかったものの、積極的に講演などを行なって、ロボットとおもちゃそれぞれの技術の融合を説いた。7月からは「マイクロペット-i」も発売した。

 セガトイズは、7月末から、ねこ型ペットロボット「夢ねこヴィーナス」を発売した。

 バンダイは、コミュニケーションロボット「Myドラえもん」を9月3日より発売した。「Myドラえもん」は「東京おもちゃショー2009」ほかでも展示されて注目された。

 なお恐竜型ロボット「PLEO」の開発元「UGOBE」は4月に倒産したが、株式会社ビジネスデザイン研究所は継続して販売を続けた。

タカラトミー「ROBO-Q」セガトイズ「夢ねこヴィーナス」バンダイ「Myドラえもん」

ロボットホビー

前田武志さんが開発した大人が乗れる二足歩行ロボット「OmniZero.9」

 9月末の「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」内で行なわれた「第16回ROBO-ONE」で、予選本戦共に優勝した前田武志さんは、体重50kgを超える大人が乗れる二足歩行ロボット「OmniZero.9(オムニゼロ・テン・キュー)」を開発し、来場者たちを驚かせた。前田さんによれば、大きなロボットでしかできないことは何かと考えた結果、乗ってみようと考えたのだという。

 3月には「ROBO-ONE on PC/Sat.3rd」も行なわれたが、宇宙は相当に遠そうだと逆に実感する結果となった。5月には「第15回ROBO-ONE」が軽量級限定で開催され、優勝は韓国「Bi-Ma」となった。そのほか「ROBO-ONEサッカー」も夏に行なわれた。

 ユーザーイベントも活発で、「ROBO-ONE GP」のほか、8月には福島県郡山市で、キャラクターロボット限定のバトルイベント「サンライズヒーローロボットバトル」が行なわれた。

 そのほか、「わんだほーろぼっとか~にばる」「わんだほーろぼっとか~にばる・ぷち」ロボットプロレス「できんのか!」、「ロボゴング」「ロボファイト」「YOKAロボまつり」1kg以下級二足歩行ロボット大会「U1K」「姫路ロボ・チャレンジ ミニ」などが積極的に行なわれた。

 大阪のロボットフォースらは、初心者から中級者向けの二足歩行ロボットスタンダードクラス競技会ネットワーク構想「JSRC」を提唱している。また7月にはホビーロボットパフォーマンスショー「ロボスター」を開催した。バトル以外の楽しみ方も模索している状況だ。

 メーカー側も積極的に商品展開をしている。近藤科学は2月にジャイロセンサー「KRG-4」、4月にはサーボモーター「KRS-6003HV」、5月には「自律ロボットスタートセット」を発売した。そして、6月に行なわれた「KHR 5th アニバーサリー」では、3年ぶりとなる新二足歩行ロボットキット「KHR-3HV」を発表した。KHR-3HV用サーボ「KRS-2552HV」なども8月には発売。9月にはROBOSPOTブランドで、小型ロボット用サーボモーター「ROS-3101HV」を発売した。

 アールティは、近藤科学製のコントロールボード「RCB-3HV」「RCB-3J」に対応する無線コントロールユニットWiz-XRシリーズを5月に発売した。また9月には着ぐるみ着用型ロボット「RIC」を発表し、「富山ロボットフェスティバル」や『国際』ロボット展で「ネコ店長」として出展した。また姫路ソフトワークスはオリジナルの二足歩行ロボットキット「JO-ZERO」「STD-ZERO」を発表した。

近藤科学「KHR-3HV」アールティの着ぐるみ着用ロボット「RIC」をベースとした「ネコ店長」姫路ソフトワークス「JO-ZERO」

 ヴイストンは教育機関向けに「Robovie-X Lite ものづくりマスターキット」を6月に発売。8月にはモータアンプボード「VS-WRC005」のほか、エントリーモデルの小型二足歩行ロボット「Robovie-nano」を発売した。9月にはオプションも売り出した。10月にはATRと共同でAtomを搭載した「二足歩行ロボット型パソコン」というコンセプトの「Robovie-PC」を発表した。

 クラフトハウスは、1月末に二足歩行ロボット用アルミフレームキット「メリッサ」向けの平行リンク脚セット「マーキュリー」を発売。9月にはロボット用ハンドユニット「メリッサハンド タイプ1」を発売した。また国際ロボット展には「黒田節ロボット」を出展。国内・海外からの来場者たちの注目を集めていた。「依頼があれば各地の『ご当地ロボット』も製作する」とのことだ。

ヴイストン「Robovie-nano」クラフトハウス「メリッサハンド タイプ1」クラフトハウス「黒田節ロボット」

 浅草ギ研は2月にMP3ファイルを再生する音声出力ボード「AGB65-MP3」を発売した。ハイテックマルチプレックスジャパンは2月に「ROBONOVA-I」用の拡張パーツを発表した。ピルクスは11月にアルミケースを採用した高トルク・ハイスピードモータ「」を発表している。

 テクノロードはロボット用マイコンボード「Coron」を8月に発売した。売れ行きは好調のようだ。10月には二足歩行ロボット用物理演算シミュレータ「Go Simulation!」を発売すると発表。「国際ロボット展」等でもデモを行なっていた。現在はまだβ版を無料配布中だ。

 京商とマノイ企画は、「走れ! ポストマン」の番組イメージキャラクター「ポストくん」セットなど、ホビーロボット「マノイ」を使ったビジネスを展開した。マノイ企画の岡本氏は全国各地でデモを行なっている。

 このほか、オライリー・ジャパンの「Make:」誌によるイベント「Make:Tokyo Meeting 03」も人気を博した。テクノロードのマイコンボード「Coron」や、Hotproceedが取り扱っている自作3Dプリンタキット「CupCake CNC」なども人気があったという。まだホビーロボットのユーザーとこのあたりとは交流が活発とは言えないが、将来はより面白いことが起きるかもしれない。

ロボットショップ開店

 また、秋葉原に2軒、新しくロボット専門ショップが誕生したのも今年のトピックスだ。一つはヴイストンによる直営店舗「ヴイストンロボットセンター」。続けてツクモロボット王国・元店長の荒井氏も独立して会社を設立、ロボットショップ「テクノロジア」をオープンさせた。ヴイストンは6月にはショップをリニューアル。商品点数を増やし、アルミや樹脂の加工サービス、ロボット用オリジナルパーツ製作サービスを正式に開始した

 休業となっていた「ツクモロボット王国」も5月末にリニューアルオープンした。6月にはスピーシーズの春日知昭氏とテクニカルライター高橋敏也氏による対談も行なわれた。9月にはツクモパソコン本店からツクモパソコン本店IIの4階に移転した

 このほか、株式会社グローバックスも名古屋市中区に、ロボット専門店「ROBO BASE(ロボベース)」をオープンした。

教材

 レゴエデュケーションは、1月に「教育用NXTソフトウェアVer.2.0」を発売。2月末には教育機関に向けた「レゴ サイエンス&テクノロジー モーター付基本セット」を出した。3月には小学校低学年を対象とした「レゴ エデュケーション WeDo」を発表。7月末には小学1年生から対応する体験型キット「レゴ エデュケーション WeDo」を発売した。また米Agilingua,LLC.は、レゴマインドストームに音声機能を付加するソフトウェア「GoTalk Lite」を発売した。同社は11月に同じ機能をヴイストンのロボットにも適用して発売開始した。

 ヴイストンは2月中旬から倒立振子の仕組みや理論を学習できる「Beauto Balancer」を発売した。そのほか、「VS-WRC003」のオプションパーツなども発売。7月には3,000円を切る安価な教材ロボット「Beauto Racer」を発売した。エンジニアのSNS「エンカフェ」と共同で「ヴイストン Beautoロボコングランプリ」も開催された。10月にはライントレースの制御学習が可能な「Beauto Simulator」の無償配布をはじめた。11月には左右独立モーターにしてライントレースも可能になった「Beauto Balancer Duo」を発表。「国際ロボット展」でもデモンストレーションを行なった。

レゴのロボット教材「レゴ エデュケーション WeDo」ヴイストン「Beauto Balancer」

 ZMPは1月に21種類のセンサー特性を観察できる学習教材「KMC-SEN」を発売した。詳細はデモの記事に詳しい。8月には研究開発用大型倒立二輪台車「e-nuvo POWER WHEEL」を発売した。また同社はロボット教材「e-nuvoシリーズ」を教育現場で活用しているユーザーの事例を紹介するフォーラムも行なった。また12月には日本工業大学に教材として120cmの二足歩行ロボットを納品した

 エスケイパンは1月に教育機関向けマイコンボード「Gogic Basic」を発売。2月には「Motion Processor」「Motion ProcessorHV」用のソフトウェア「MotionProcessor1用 Motion Generator & RG」を発売した。

 ジェイエス・ロボティクスは8月に“紙プログラミング”ができる「てんとう虫ロボット」を発売開始した。同社代表取締役の佐藤仁氏は、「『SUSHI職人』からロボットベンチャーの社長へ」と題して「いたばし産業見本市」で講演した。「いたばし産業見本市」では「関東ロボット連合」主催でロボットコンテストも行なわれた。

ZMPが日本工業大学に教材として納品した120cmの二足歩行ロボットジェイエス・ロボティクス「てんとう虫ロボット」

そのほかロボコン

 ロボコンは変わらず活発に行なわれた。6月末から7月頭にかけてオーストリアのグラーツで開催された「ロボカップ世界大会2009」では小型ロボットリーグ ヒューマノイド(SSL Humanoid)のデモ競技なども行なわれた。日本から唯一出場した千葉工業大学の「CIT Brains」は、キッズサイズで3位、ティーンサイズで準優勝、総合で3位入賞と健闘した。10月には「ロボカップジャパンオープン2009」のヒューマノイドリーグで優勝した坂本元氏が産業技術短期大学で講演とロボットのデモンストレーションを行なった。

 そのほか、「創造アイデアロボットコンテスト」「ロボット相撲大会」「ETロボコン」「高校生ロボットアメリカンフットボール全国大会」「ロボカップジュニア大会」「ロボカップジャパンオープン2009大阪」「第3回水中ロボットフェスティバル」「水中ビークル・フリーミーティング in JAMSTEC」「堀川エコロボットコンテスト2009」「知能ロボットコンテスト・フェスティバル2009」「第16回かわさきロボット競技大会」「第5回全日本学生室内飛行ロボットコンテスト」「電通大杯 ヒト型レスキューロボットコンテスト2009」「第30回 全日本マイクロマウス大会」「つくばチャレンジ」などが行なわれた。

アート

 2009年は、ロボット関連のアートイベントも多かった。日本科学未来館でデバイスアート展が行なわれたり、湯島聖堂では1月に東大・河口洋一郎研による「表現科学知のサバイバル」展が開催された。2月からは日比谷にて「ビーチアニマル」で知られるオランダ人アーティスト、テオ・ヤンセン氏によるアジア初の個展が行なわれた。

 3月末には「六本木アートナイト」が行なわれ、ヤノベケンジ氏の「ジャイアント・トらやん」が六本木ヒルズで火を噴いた。4月には横浜にて「開国博Y150」が開幕。巨大な機械の「クモ」2体が横浜市街をパレードした。少し毛色が違うが、未来館では大道芸ロボットコンテストなども行なわれた。5月末からは六本木ミッドタウン内「21_21 DESIGN SIGHT」にて、プロダクトデザイナー・山中俊治氏ディレクションの「」展が開催された。

 ロボスクエアでは7月に植物型ロボット「himawari prototype」が展示された。このロボットアートは「SIGGRAPH Asia 2009」にも出展された。「HRP-4C」や「パペじろう」はロボット、VR、3Dなど未来技術コンテンツを体感できるイベント「DIGITAL CONTENT EXPO 2009」にも登場し、日本のロボット文化をアピールした。

ヤノベケンジ氏「ジャイアント・トらやん」スペクタクルアート劇団「ラ・マシン(La Machine)」による巨大な油圧式の「クモ」植物型ロボット「himawari prototype」

ロボットイベント

 2月には「あいちロボット技術フェスタ」が行なわれ、8月には「子どもサイエンスフェスティバル」、9月には「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」が開催された。河森正治×山海嘉之×古田貴之×瀬名秀明らのトークセッションも人気だった「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」の来場者数は2日間で1万人超だった。

 2009年は「国際ロボット展」にも大型液晶搬送ロボットが出展されないなど、不況の影響が大きく、どのイベントも出展社集めにはかなり苦労していたようだが、来場者数はそれなりの結果を出した。

宇宙開発

H-IIBロケット試験機の打上は種子島初となる夜間打上げとなった

 本誌では今年、宇宙開発記事にも力を入れた。H-IIAロケット15号機打上げレポート飛島工場での「H-IIBロケット」試験機公開、若田宇宙飛行士が日本人初の長期滞在することになったスペースシャトル・ディスカバリーの打上げ成功、全天周映像「HAYABUSA-BACK TO THE EARTH-」のプレス向け完成試写会H-IIBロケットの燃焼試験つくば宇宙センター特別公開レポート相模原キャンパス一般公開レポート、月探査計画をテーマにしたイベント「Fly me to the Moon in AKIBA」レポート、小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジンが海外展開、二足歩行ロボットも焦点の1つになった「月探査に関する懇談会」第1回会合H-IIBロケットフェアリング分離試験、「第1回宇宙エレベーター技術競技会」、「H-IIBロケット試験機」打上げレポート、バンダイが大人向け超合金の第1弾として発売する1/144スケール「サターンロケット&アポロ11号」、宇宙ステーション補給機「HTV」の一連のミッションについて、「東京国際航空宇宙産業展」レポート、小惑星探査機「はやぶさ」の地球帰還への取り組み、金星探査機「あかつき」のプレス公開、宇宙探査や宇宙開発の現状を紹介する「宙博(ソラハク)2009」などなどについてレポートした。宇宙開発ニュースはロボット以上にネットでは注目もされたようだ。

ロボットカルチャー

 ロボットカルチャー関連も、今年は「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」シリーズのDVDリリースを皮切りにいろいろあった。6月13日に公開した映画「ターミネーター4」のキャンペーンでは、マックG監督に加えてサイバーダイン・山海教授も登場したり、日本科学未来館で企画展「ターミネーター展」が行なわれたり、またABB製の本物の産業用ロボットが映画中に出演したりといった具合である。

 特に印象に残ったのは、なんといってもお台場に期間限定で立った全高18mの1/1スケール「ガンダム」だろう。3月にはバンダイナムコから、『機動戦士ガンダム30周年プロジェクト』の概要が発表され、その後順調にガンダムの建設が進められた。建設途中から既に多くの見物客が集まりはじめたオープニングセレモニーには富野由悠季監督、古谷徹氏、そしてGACKTも登場。展示期間は7月11日~8月31日で、2カ月間での動員目標は150万人~200万人だったのだが、実際にはその2.5倍にもなる415万人に達した。富野由悠季氏は日本外国特派員協会でもトークを行なった。お台場「ガンダム」は会期終了後、解体された。年末になって、産経新聞が移転先が静岡県内に決定したと報じた。バンダイナムコホールディングスによる正式発表は年明けとのことだが、最終的にはバンダイホビーセンター内に建設されるとのことだ。

お台場に展示され話題を呼んだ1/1スケール「ガンダム」オープニングセレモニーには古谷徹氏、富野由悠季氏、GACKT氏(左から)が登場

(C)創通・サンライズ

 いっぽう、震災でダメージを受けた神戸市・長田区では、横山光輝氏原作の漫画に登場する「鉄人28号18mモニュメント」が建設された。7月末に起工式が行なわれ、10月に完成、セレモニーが行なわれた。今後、恒久展示される。

 またバンダイは秋葉原UDXにて開催された「TAMASHII NATION 2009」にて、カーボン/チタン製で200万円のマジンガーZフィギュア「アーバンマテリアル超合金マジンガーZ」を発表した。

 2月に産総研は、「パロ」と「ジェミノイド」をモチーフに人とロボットの関係を描いたドキュメンタリー映画「Mechanical Love」のプレス向け上映会を開催した。国内での上映予定は残念ながらない。

 日本児童文化研究所は「夢のロボットコンテスト」の作品を募集するほか、相澤次郎氏製作のロボットの復元作業を開始した。大阪万博に出展されたこのロボットたちは、神奈川工科大の学生達によって修復され、「ジャパンロボットフェスティバル」にも出展された。40年前のロボットと再会した来場者は当時を思い出していた。

神戸市・長田区に建設された「鉄人28号18mモニュメント」バンダイ「アーバンマテリアル超合金マジンガーZ」故・相澤次郎製作のロボット

まとめ

 2006年5月29日以降、3年半続いた本誌はこれで終了する。だがロボット技術の本格的な社会への導入・応用は、まさにこれから始まるところだ。いまの我々には分からないことやできないことも、未来の人々には当たり前で、たやすいことになっているだろう。ロボット時代の「始まり」をウォッチできたことに感謝して、いったん筆を置く事にする。

 これまでどうも有り難うございました。



2009/12/25 23:59