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【 2009/04/17 】
第15回総合福祉展「バリアフリー2009」レポート
〜ロボットスーツ「HAL」や本田技研工業の歩行アシストも体験できる
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第15回総合福祉展「バリアフリー2009」レポート
〜ロボットスーツ「HAL」や本田技研工業の歩行アシストも体験できる


インテックス大阪で「バリアフリー2009」開催
 4月16日(木)〜18日(土)の3日間、第15回総合福祉展「バリアフリー2009」がインテックス大阪にて開催されている。開場時間は10:00〜17:00で入場無料。主催は、社会福祉法人 大阪府社会福祉協議会とテレビ大阪。

 急激な少子高齢化が進む日本では、テクノロジーを活用して高齢者・障がい者の自立を支援し快適な生活を提案することが期待されている。第15回目を迎えた本展示会には、269社・団体が出展している。会場でリハビリ支援システムの充実や、視聴覚障がい者向け機器の小型化・性能向上にテクノロジーの活用が進んでいることを実感した。


移動をサポートする技術

 会場で注目を集めていたのが、大和ハウス工業株式会社とCYBERDYEN株式会社のブースで行なわれた自立支援用ロボットスーツ「HAL」のデモンストレーションだ。間近で見られるだけではなく、希望者1名が体験できるとあって黒山の人だかりだった。

 ロボットスーツ「HAL」は、高齢者や脚に障がいがある方の脚力・歩行機能をサポートするシステムで、本誌でも何度も取り上げている。「HAL」は、人が身体を動かそうとした時に脳から筋肉に伝えられる神経信号を、皮膚に貼った生体電位センサーで読み取る。腰部分にあるコントロールユニットに内蔵されたコンピュータが、瞬時にデータを解析し、各パワーユニットを制御してユーザーの動作をアシストする。

 今回は、男性スタッフが、両足タイプを装着して歩行や階段昇降、腰掛けたり立ち上がったりするデモンストレーションを披露した。筆者は、体験希望に真っ先に手を挙げて選んでもらった。体験といっても、「HAL」を装着して歩行するのは事前準備が大変なので、腕に電極を取り付けた簡易体験だ。筆者が腕を曲げ伸ばしするのに合わせて、スタンドに設置された「HAL」も動く。歩行時のアシストパワーは体感できないものの「ロボットを動かそう」という意識もないのに、自分の動きに合わせて動く不思議な感覚を味わえた。現在「HAL」は介護・福祉施設、医療施設へリース販売を行なっている。


自立支援用ロボットスーツ「HAL」 腰にコントロールユニットを装着 足裏のセンサーまで一体化しているため、ユーザーは「HAL」の重さをほとんど感じないという

【動画】腕にセンサーをつけ「HAL」を体験してきた 【動画】歩行のデモンストレーション 【動画】ゆっくりと椅子に腰を下ろす動作

【動画】階段の昇降デモ 片足装着タイプを静展示

 本田技研工業株式会社は、福祉車両展示の横に歩行アシストの体験コーナーを設けていた。整理券を入手すれば、誰でも体験できる。筆者は昨年「バリアフリー2008」で体験したので、今年は遠慮したが午前中だけで40名以上が体験する人気コーナーになっていた。歩行アシストの開発背景や技術に関しては、こちらの記事が詳しい。製品化についてはまだ決まっていないという。


本田技研工業の歩行アシスト S/M/Lの3サイズ

多くの来場者が体験していた 歩行アシストシステムの解説

 安全器具メーカー株式会社プロップは、エアバッグを内蔵したベスト「着るエアバッグ」を展示した。一見、ただのベストだが、腰部分に加速度センサーが内蔵されており転倒を検知すると、わずか0.2秒でエアバッグが膨らみ腰と首の部分を衝撃から守る。


株式会社プロップの「着るエアバッグ」。一見普通のベストだが、転倒時にはエアバッグが膨らむ 【動画】加速度センサーで転倒を検知し、0.2秒でエアバッグが広がる

 アイシン精機株式会社は、歩行解析アドバイスシステム「歩ビゲーター(ホビゲーター)」の体験を行なっていた。腰に測定器をつけて10歩程度歩くだけで歩行速度や歩幅を測定できるシステムだ。計測したデータをPCに取り込むと、歩行能力やつまずきやすさ等を4段階で判定しグラフ表示する。レベルに応じた推奨トレーニングメニューが表示され、本人の身体状況や環境に応じて選ぶことで、トレーニングプログラムを作成できる。客観的なデータでトレーニングアドバイスができるため、指導内容のばらつきを防ぐことができる。また、測定データや運動メニューの履歴を残せるため、エビデンスとして活用が期待される。


歩行解析アドバイスシステム「歩ビゲーター」 PCでデータを解析し、転倒リスクなどを判断。トレーニングメニューのアドバイスをする 歩行解析画面。グラフで表示して理解しやすくなっている。データを蓄積して運動の効果を実感できる

 インターリハ株式会社は、身体バランスを整えることで日常生活動作向上を目指すプログラム「Shisei Innovation System」を紹介した。フィットネスクラブ ビッグスポーツが開発した姿勢測定器で姿勢の歪みをコンピュータ解析し、一人一人に応じた運動プログラムを指導するシステム。ブースでは希望者の姿勢を測定し、その場でレビューシートを印刷していた。ユーザーは、足圧を感知するプラットフォームに立ち、前後左右の姿勢をカメラで撮影してもらうだけ。しばらくすると、3D画像とグラフで分かりやすく表示したレビューシートが出てくる。

 このデータを元に療法士が運動プログラムを作成する。連携する運動プログラムの「姿勢スリング」は、天井から吊り下げたロープで体を吊るし、重力から解放した状態で体を左右に揺らす運動方法。体重がかからないため可動域が広がり、高齢者も無理なく振り子運動を行なうことができるという。


インターリハ株式会社の姿勢測定システム「Shisei Innovation System」 姿勢の歪みをPCで解析し、レビューシートをプリントアウト。データを元に運動メニューのアドバイスがある

 株式会社三協は、上肢運動機能・視機能認識のリハビリテーション機器「アイタッチ」を展示した。

 パネル上にある36個のボタンを点灯に合わせて押すことで、ゲーム感覚で目と上肢の協調性・認知と動作の評価と訓練を行なうシステム。専用ソフトウェアで、訓練結果をグラフ表示できるようにしたのが特長。パネルを4分割し、認知症や注意障がい者の場合、どのあたりが見えにくいか数値でチェックできる。認知症予防や進行防止、上肢筋力・可動域の維持が期待できるという。


株式会社三協の上肢運動機能・視機能認識リハビリテーション機器「アイタッチ」 橋本義肢製作株式会社のMR流体ブレーキを応用した下肢装具。足裏の圧力センサーとMR流体の応用で歩行をサポートする 【動画】新光産業株式会社の階段昇降機「シュプール」

コミュニケーションをサポートする技術

 パナソニック株式会社が重度障害者向け生活支援機器の開発販売会社として社内ベンチャー支援制度を活用して設立したファンコム株式会社が、障がい者・高齢者の生活を支援する装置を展示した。

 「レッツ・チャット」は、言語障がいと上肢障がいを併せ持つユーザー向けのコミュニケーションツールだ。スイッチを触るだけで、モニタ上に文章を作成し自分の意思を表現できる。操作方法はシンプルでパネルが光っている時に、入力スイッチを押すだけだ。全ての動作に音声ガイドがあるため、視覚障がい者にも対応が可能。50音表示だけでなく、日常生活で必要とする言葉を集めたプレートも用意されている。


【動画】ファンコム株式会社の「レッツ・チャット」 4月下旬発売の「レッツ・リモコン」。テレビの操作を簡単に行なえる 福祉機器コンテスト2008 機器開発部門 特別賞を受賞した「レッツ・サウンド」

 ケージーエス株式会社は、超小型点字ディスプレイ「ブレイルメモ ポケット」のデモンストレーションを行なっていた。「ブレイルメモ ポケット」は、USB接続でPCと接続し、データの送受信も可能。168×80×20mm(幅×奥行き×高さ)で重量300gと小型軽量で、点字本50冊程度の容量を記憶できるため、情報の持ち運びが容易になったという。


ケージーエス株式会社は、超小型点字ディスプレイ「ブレイルメモ ポケット」を展示 【動画】USBでPCに接続しデータの送受信が可能。「ブレイルメモ ポケット」をキーボード代わりにWindowsを操作できる

 株式会社日本インシフィルは、携帯型拡大読書器「サファイア」「オリンピア」を展示。「サファイア」は、新聞や地図の細かい部分などを3.4〜16倍に拡大しモニタで表示できる。本体の底に読み取りカメラがあり、通常は読みたいものの上に設置して使う。モニタを反転させれば、カメラ部分に商品等を乗せてラベルを読み取ることもできる。

 「オリンピア」はピントの範囲が広いため、付属の筆記台に乗せ、モニタで確認しながら文字を記述するといった使用方法もできる。

 株式会社タイムズコーポレーションは、パナソニックの携帯型拡大読書器「アクティブビュー」を展示。「アクティブビュー」はフルオートフォーカス機能が搭載されており、駅のホームで時刻表を拡大して見るなど応用範囲が広い。


株式会社日本インシフィルの携帯型拡大読書器「サファイア」はモニタを反転させて、商品ラベルを読み取ることもできる 「オリンピア」は筆記台に乗せれば、書いている文字を確認できる パナソニックの携帯型拡大読書器「アクティブビュー」。オートフォーカスで遠くの文字も拡大

 トビー・テクノロジー・ジャパン株式会社は、重度障がい者が視線だけで意思表示ができるコミュニケーション補助装置「MyTobii」を紹介した。

 「MyTobii」はモニタの下部にあるステレオカメラでユーザーの視線を検知し、モニタ上に表示されたボタンを、注視時間やまばたきにより操作できるシステムだ。脳性麻痺や重度の脊髄損傷などのユーザーが、スイッチや棒でコンピュータ操作を行なう身体的負担を軽減し作業性を向上する。視線だけでメールやチャット、ゲーム、学習支援ソフトなどを操作できる。

 株式会社エーアイは、高齢者や発話障がい者のための音声発話装置の開発を発表した。

 NAMマイクロフォンを使い、他人には聞こえないような、わずかなささやき声を拡声できる装置。声帯振動を伴わない無声呼気音も、上唇に貼ったNAMマイクが肉伝導音として感知するため、騒音がある場所でも使用できる。スピーカーで拡声するだけでなく、Bluetoothでヘッドフォンや携帯電話に音声を送信してプライベート間の会話も可能。口元を動かしているだけの発話が、ヘッドフォンを通して明瞭に聞こえることに驚いた。


【動画】トビー・テクノロジー・ジャパン株式会社のコミュニケーション補助装置「MyTobii」 上唇にNAMマイク、耳にBluetooth送受信機を装着 株式会社エーアイのNAMマイクロフォンを使った音声発話装置

介護用品の技術

【動画】ナブテスコ株式会社の階段昇降ユニット「J-MAX」
 ナブテスコ株式会社のブースでは、階段昇降ユニット「J-MAX」のデモンストレーションをしていた。「J-MAX」は、専用の手動車いすに取り付けて階段の昇降をサポートするもの。角度センサーによって、車いすの角度を読み取り、正しい角度の時にL字型の昇降フットとセーフティアームが出て、階段を昇降する手助けをする。

 テクニカル電子株式会社は、排泄物自動洗浄器「エバケアー」のデモンストレーションを行なった。

 センサーが排便と排尿をそれぞれ感知し、自動的に処理を行なうシステム。カウント機能があり、排泄の頻度から健康状態を確認できる。見た目が大きく圧迫感がありそうな印象だが、装着体験してみるとさほど窮屈ではなかった。


【動画】排泄物自動洗浄器「エバケアー」 青が洗浄水タンク(5L)、グレイが汚物タンク(7L)。サイドには消臭装置がついている 「エバケアー」装着体験。見た目ほどの圧迫感はなく、左右に身体をひねることもできた

 日本リハビリテーション工学協会のブースでは、過去の福祉機器コンテスト受賞作品やパネルが展示されていた。同協会は、障がいを有する方が豊かな生活を実現できるよう、工学的支援技術を発展・普及させるとともに、技術を通じて学術、文化、産業の振興に寄与することを目的とし、1986年に発足した。福祉機器コンテストは、新しく開発された福祉機器を発掘し、優れた機器を表彰するとともに、学生からのアイデア・研究開発成果を募り福祉分野への理解と啓蒙を促進している。

 今年度は、機器開発部門が6月15日、学生部門(小・中・高校の部、大学・専門・高専の部)が7月15日締め切りとなっている。詳細は公式サイトにて確認されたい。

 会場では、車いすを試乗するコーナーや市販のおむつ製品を比較できるコーナーもある。介護用品を体験することで、バリアフリーに対する意識も変わってくると思う。ぜひ会場に足を運んで欲しい。


URL
  バリアフリー2009
  http://www.itp.gr.jp/bf/

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( 三月兎 )
2009/04/17 19:46

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