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(財)日本児童文化研究所、相澤次郎製作のロボットの復元作業を開始

〜ロボットの展示先と情報を求める


 財団法人日本児童文化研究所(所在地:文京区湯島 理事長 大森順方)は、同財団の初代理事長で通称「ロボット博士」と呼ばれていた故・相澤次郎氏(1903-1996)が1950年〜1960年代に製作したロボットの復元作業の準備を開始した。このロボットは昨年12月1日に北海道夕張市にあった「ゆうばりロボット大科学館」から日本児童文化研究所に「里帰り」していたもの。これまで倉庫で眠っていたが、今回、梱包が解かれた。今後、状態を見て、時期を見て動態へと修復。イベント等への貸し出し・展示を行ないたいとしている。

開梱してロボットの状態を見る関係者

「一郎」と呼ばれていたロボット 青いロボット どれも顔がユニーク。見ていると自然とこちらも笑ってしまう
独特なデザイン ユーモラスな頭部 スタンプロボット
一部のロボットは真空管で制御されていた模様 このロボットだけ毛色が違うので、もしかすると別物かもしれないとのこと。

 財団法人日本児童文化研究所は、相澤次郎氏を初代理事長に昭和27年4月に設立。設立の目的は「科学的玩具を通じ、児童福祉に貢献する」こと。相澤次郎氏は小学生のときにロンドンでの博覧会に出展されたマシンボックスに影響を受け、その後、合計800体の人間型ロボットを製作した。相澤氏本人はロボットを「人」と数えていたそうだ。ドーンと太い足に角張ったボディと頭、目をライトで表現し、頭の上にアンテナが生えたユーモラスで人懐っこい姿のロボットは、多くの人がどこかで一度は見た事があるはずだ。ラジコンで「歩行」することができたものもあるというこのロボットは1960年代当時に大いに人気を呼び、たとえば1967年10月22日号(43号)の「週刊少年マガジン」の表紙も飾っている。デパートの屋上やイベントで大いに活用されたという。今も「ロボット」の姿を描いたイラストでは、こんな絵が描かれることも多い。現在の「ロボット」のイメージを強力に決定づけたデザインの一つであることは間違いない。

 相澤氏は漫画家の手塚治虫氏やソニーの創業者井深大氏らと親交があり、両氏は、財団の設立や運営に協力したという。1970年に大阪で開催された万国博覧会「EXPO70」では、手塚治虫氏がプロデュースした「フジパン・ロボット館」に、相澤氏のロボットが出展された。子供たちに大人気だったという。

万博当時の「ロボットステーション」

 手塚氏と相澤氏のロボットは愛知県児童総合センターの「ロボットシアター」で今も見ることができる。なおこの愛知県児童総合センターの建物は、愛知万博敷地跡の「愛・地球博記念公園」内にある。建物は「わんパク宝島・ロボットステーション」だったものを改装したものだ。このロボットはもともと大阪万博の「フジパン・ロボット館(万博終了後に愛知青少年公園に移設された)」で展示されていたものだとのことだ。また、同財団の理事長・大森順方氏が医療法人社団龍岡会の理事長も兼務している関係で、平成17年にオープンした、介護老人保健施設・櫻川ケアーセンターにも一部のロボットが置かれている。

 驚いたことに相澤氏はなんと昭和9年(1934年)に「ロボット」「ROBOT」という言葉を商標登録していたという。ただ「ロボットは皆兄弟である」という考えを持っていた相澤氏は、その名称の普及にも努めたとのこと。以前「学天則」復元のときの記事にも書いたが、カレル・チャペックが戯曲「R・U・R」のなかで労働用の人造人間に対する言葉として「ロボット」を造語したのが1920年、SF雑誌「アメージングストーリー」創刊が1926年、映画「メトロポリス」公開が1927年、オリジナルの「學天則」が「昭和天皇御大礼記念博覧会」に大阪毎日新聞社から出品されたのが1928年(昭和3年)だ。人造人間をイメージしていた「学天則」から6年後には「ロボット」が商標登録されていたというの興味深い話である。

 現在財団は、相澤氏の子息の研一氏が引き継いだあと、現在の大森順方氏が引き継いで運営している。ただ残念ながら、詳しい資料が残されていないため、ロボットの詳細そのほかが良くわからなくなっているのが現状だ。目録の類も残っていないという。今年に入ってもう一度本格的な活動を始めた財団では、ロボットの展示先を探すと共に、ロボットの情報も合わせて募集している。全部で800体製作されたとのことなので、現在でも多くが動態ではないにしても各地に残存していると思われる。情報をお持ちの方は財団までご連絡頂きたいとのことだ。

 日本児童文化研究所の常務理事 石川正子氏は「いまの大人が子供のときに万博で見てすごいと思ってもらったロボットをもう一度見てもらって、大人に未来への希望を取り戻してもらいたい。今の子供たちはよりスタイリッシュなロボットを見ているけれど、それには歴史があることも知ってもらいたいし、その原型としてこのロボットを見てもらいたい。そして親子で語らってもらって、思いを馳せてもらいたい」と語った。

 日本児童文化研究所では「夢のロボットコンテスト」などをこれまでにも企画しているが、今後もロボットに関連した講演やデモンストレーションなどを企画していきたいとのことだ。特に、子供の情操教育と社会貢献を重視し、「技術者の思い」を語ってもらうような講演を主催したり、各種企画への助成や協賛を行なっていきたいと考えているという。

財団法人 日本児童文化研究所
広報担当:石川
TEL:03-3811-3337
FAX:03-3811-3335
robot@robot-foundation.com
http://www.robot-foundation.com/
〒113-0034 東京都文京区湯島4-9-8



(森山 和道)

2009/6/17 13:14

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