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テレビシリーズ「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」の1stシーズン、リリース開始
~コナー親子を助ける今度のターミネーターは美少女型!?


1月7日発売予定のDVDのVol.1ジャケット
 ワーナー・ホーム・ビデオは1月7日(水)から、SFアクション映画「ターミネーター」(以下、「T1」)および「ターミネーター2」(以下、「T2」)の正統な続編となるテレビシリーズ「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」(以下、「T:SCC」)のDVDおよびBlu-rayの発売とレンタルを開始する。同作品の詳細な情報を得られたので、お伝えしたい。

 「T:SCC」は、1984年公開の劇場映画「T1」とその続編である1991年公開の劇場映画「T2」と同じ時間軸上の5年後からスタートする。両映画と2009年6月13日(土)に国内ロードショー(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給)が決定している劇場映画新3部作の第1章「ターミネーター4」(以下、「T4」)をつなぐ位置づけの作品というわけだ。2003年公開の「ターミネーター3」(以下、「T3」)は時間軸の異なる世界ということで、別扱いということになった。

 「T:SCC」は、米国で2008年1月からFOXチャンネルで放映。本来は2007年12月からの予定だったが、全米脚本家ストライキの影響で、新シリーズが軒並み放映中止に追い込まれるという非常事態が発生。同局の月曜夜の目玉である「24」のシーズンVIIも放映延期となり、その穴埋めとして時期をずらしてのスタートとなった。知名度抜群のSFアクション映画のテレビシリーズということだけあって前評判は高く、18~49歳の男女を対象にした新作ドラマシリーズの視聴率では4.5%を獲得して第1位。同じ年齢層の男女を対象にした全ドラマシリーズの視聴率でも、日系人俳優マシ・オカがブレイクした「HEROES/ヒーローズ」(NBC)の6.5%、医療系ヒューマンドラマ「Dr.HOUSE」(FOX)の5.9%に続き、5.4%で第3位をゲットしている。


「ターミネーター」シリーズのおさらい

 これまでのシリーズを簡単に紹介すると、すべてのベースとなる「T1」は1984年公開。今や米国カリフォルニア州知事となったアーノルド・シュワルツェネッガーが、映画俳優としてスターダムにのし上がるきっかけとなった作品として有名だ。初代ターミネーターのT-800型は、冷酷非情でかつ不死身の人型殺戮マシーン(人と同じ細胞組織が全身を覆っているので、ロボットやアンドロイドというより、サイバネティック生命体という表現がされていた)で、その強面ファッションは日本でも大いに真似され、また数多くの作品にターミネーターをモチーフにしたキャラクターが登場するなど、社会現象となった。また、当時若干29歳だったジェームズ・キャメロン監督が、その才能を大いに評価された作品でもある。制作費650万ドルという低予算ながら、公開3カ月で興行収入3,800万ドルの大ヒットも記録。BOX OFFICE MOJOによると、全世界での興行収入は7,837万1,200ドルで、日本における興行収入は10億6,000万円となっている。

 「T1」のストーリーは、1984年の米国ロサンゼルスを舞台に展開していく。サラ・コナーという女性が、次々と殺害されていく事件からスタート。それは、未来から送り込まれてきたターミネーターの仕業であった。送り込んできたのは、人類に対して反旗を翻した軍事用コンピュータ「スカイネット」。スカイネットは1997年に自意識を有するに至り、人類に対し反乱。人類抹殺計画を遂行し、核戦争を誘発することで、数十億の人類を死に追いやることに成功する。それに対し、生き残った人類はレジスタンスを結成。2029年には、その指導者のジョン・コナーの活躍によって形勢を逆転することに成功する。事態を重く見たスカイネットは、ジョン・コナー抹殺を企図し、1984年のロサンゼルスに刺客を送り込む。ジョンの母親のサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を亡き者にし、ジョンの誕生を阻止しようという狙いだ。そこで送り込まれたのが、シュワルツェネッガーが演じたT-800型ターミネーターで、サラ・コナーという名前しか手がかりがないため、同姓同名の人物を次から次へと抹殺していったというわけである。人類側も、レジスタンスの戦士カイル・リース(マイケル・ビーン)をサラのガードとして過去へと送り込む。かくして、人類対機械の命運をかけた戦いが、人知れず1984年のロサンゼルスで展開していくことになる。逃亡のさなか、サラとカイルは結ばれ、未来の人類の指導者であるジョンを宿す……。


 そして、1991年に続編はまだかの期待のもとに満を持して公開されたのが、未来からの刺客を辛い別れと共に辛くも退けたサラの10年後を描いた「T2」だ。ターミネーター役はシュワルツェネッガー、サラ役はリンダ・ハミルトンというメインキャストと、ジェームズ・キャメロン監督を筆頭とするスタッフは固定のままで制作された。ただし、制作費は「T1」の単純計算で15倍以上の1億ドル、スタッフ数は通常の倍の総勢1,000名という、当時としては目玉の飛び出るような予算とスタッフが動員されての制作となった。当時の最先端のVFXも導入され、T-1000型の何にでも変形できる様子や、液体っぽさは観客を大いに驚かせたことも覚えている人は多いことだろう。興行収入に関しても当時の記録を打ち立てている。1991年7月3日から2,274館(北米地区)で公開され、オープニング・ウィークエンド(5日間)で世界映画史上最高の5,230万6,548ドルとした。全世界規模では、5億1,984万3,345ドルというビッグヒットで、日本の興行収入は95億円。

 ストーリーは、世界の終末が迫っていると訴えるサラが、精神的な病気として隔離入院されているところからスタート。1985年に生まれたジョン・コナー(エドワード・ファーロング)は10歳になっていたが、サラがそんな状態のために里子に出されており、少々すさんでいるという具合だ。そこへサラから幼少時のジョンへとターゲットを変更し、未来のスカイネットが第2の刺客を送り込んでくる。今度は、形状記憶疑似体合金(液体金属)製の新型ターミネーターT-1000型(ロバート・パトリック)だった。しかも、挟み撃ちをかけるかのように、10年前にサラを襲ったのと同じT-800型の別の1体も現れる。ジョンが絶体絶命と思ったその時、T-800型はジョンを援護。2機目のT-800型は、未来のレジスタンスが捕獲してプログラムを改変し、ジョンのガードとして遣わされた、リプログラムド・ターミネーターだったのだ。

 かくして、コナー親子とT-800型の逃亡劇が始まる。T-800型は10年前の警察襲撃を含む連続殺人犯として指名手配されていること(さらに今回も殺人未遂、T-1000型との戦闘による流れ弾で死亡した人など多数の事件を起こしている)や、サラが強引に病院を脱走したことなどから、3人はT-1000型に加えて警察にも追跡されていく。そんな中でも、3人はスカイネットを開発することになるサイバーダイン・システムズ社(公開当時国内では、サイバーダイン・システム社と、複数形の発音がない形で訳されていたが、「T:SCC」表記に準拠)の科学者マイルズ・ダイソンを説得し、研究開発中の新型コンピューターチップなどを破壊、スカイネットによる核戦争誘発の1997年8月29日「審判の日」を回避することに成功する。しかし、強力すぎるT-1000型の前に3人は追い詰められ、最後の決戦は巨大な製鉄所となる……。


「T:SCC」の正統な世界設定と基本ストーリー

 コナー親子とリプログラムドT-800型の活躍により、スカイネットの人類への反乱と、それに伴う1997年8月29日の審判の日は回避された。しかし、現実は厳しく、スカイネットによる反乱と審判の日は先送りされただけだった、というのが「T:SCC」の基本骨子だ。先送りにされたという設定は基本的に「T3」(全世界興行収入4億3,337万1,112ドル、日本興行収入82億円)と同じだが、タイムラインは異なっている。「T:SCC」では、2011年4月19日にニューメキシコ州にスカイネットが完成し、翌々日の21日に反乱。そしてそのまま審判の日となり、核戦争による最終戦争で30億もの人命が失われることになるという設定だ。

 「T:SCC」のストーリーは、1999年からスタートする。「T3」では1997年に審判の日が来なかったことを見届けて、サラは白血病で40歳を迎える前に(1959年と墓標に刻まれているので、37歳か38歳)世を去ったことになっているが、「T:SCC」では他界していない。ただし、正統なタイムライン上でもガンで他界するらしい。

 コナー親子は、マイルズ・ダイソン殺害容疑で全国指名手配を受けているため(本当は殺害していない)、ファミリーネームを偽名の「リース」としてネブラスカ州に潜伏している。サラが半年ほど交際していた相手の救命救急士のチャーリー・ディクソンに求婚されたため、ニューメキシコ州レッド・バレーに引っ越す。そこでジョンは新しい高校に通い出すのだが、そこへ代理教師クロマティとして現れたのが、T-800型の系統に属する新型ターミネーターT-888型だった。教室でいきなり銃を乱射するT-888型からジョンを救ったのが、未来からガードとして密かに遣わされていた、こちらも新型のリプログラムド・ターミネーターTOK715型。なんと、キャメロン・フィリップスと名乗って同級生を演じていた美少女型ターミネーターだったのである。この事件を契機に、サラも身を隠して逃げ延びようとすることをやめ、運命と機械群に対する戦いに挑むことを決意するのであった。

 その後、コナー親子とキャメロンは2007年の未来へタイムスリップし、ファースト・シーズンの主な舞台は現在に近い年代=新たな審判の日に近い時間となる。3人は、FBI捜査官ケスターとなったT-888型と、FBIの敏腕捜査官ジェイムズ・エリソンの追跡を逃れながら、亡きマイルズ・ダイソンの後継者としてスカイネットを開発している人物を捜し出すべく活動していく。また、レジスタンスはキャメロン以外にも戦士を送り込んできており、それがジョンの父親であるカイルの兄のデレク・リースだった。さらに、サラが逃げ出した元婚約者のチャーリーらも絡み、追いつ追われつのストーリーが展開していくことになる。


高校生となったジョンに襲いかかる危機をTOK715型ターミネーターのキャメロンが救う ジョン抹殺のために送り込まれた新型ターミネーターのT-888型

「T:SCC」のキャストとスタッフ

 続いては、「T:SCC」のキャストとスタッフを紹介。まずは、Robot Watch的にロボットからということで、美少女ターミネーターTOK715型のキャメロン・フィリップスから。彼女を演じるのは、元バレリーナというサマー・グローだ。1981年7月24日テキサス生まれで、バレーダンサーとして活躍していたが、「パフィー ~恋する十字架」のスピンオフ作品「エンジェル」のプリマ・バレリーナ役で女優デビュー。2002年のテレビシリーズ「ファイヤーフライ 宇宙大戦争」と、その劇場版「セレニティー」(2005年)などに出演。同映画で、米国のSF・ファンタジー・ホラー映画アカデミーによる土星賞の2006年度優秀助演女優賞(映画部門)を獲得し、また「T:SCC」の演技で2008年の同賞のドラマ部門を獲得している。日本語吹き替えは小林沙苗さん。

 「T1」と「T2」ではリンダ・ハミルトンが演じたサラ・コナーは、歴史アクション映画「300」で王妃ゴルゴを演じたレナ・ヘディが演じる。1992年にイギリスの現代文学の名作を映画化した「秘密」でスクリーンデビューし、初の主演作は1994年の「ジャングル・ブック」という、1973年10月生まれのイギリス人。「T2」でのハミルトンは、ジョンの母親というだけでなく、まさに人類を守る母親ともいうべき、迫力を漂わせた女傑ぶりを見せていたが、その役を引き継いだヘディも、地元ロンドンではボクシングのクラスに通っているという、なかなかの武闘派(?)女優だ。日本語吹き替えは、五十嵐麗さん。

 ハミルトンが演じていないのは、年齢的なものがもちろん大きい。50歳を過ぎているそうなので、女子大生時代に出産した第一子が高校生(タイムライン上は、ジョンは1985年生まれなので1999年時点では13~14歳のはずだが、偽名ということで年齢もいつわっているのか、飛び級?)とするには、年齢的に厳しい。もちろんアクションも体力的に難しいだろう。また、米国のテレビドラマをよく見ている方ならご存知かと思うが、米国ではテレビ俳優と映画俳優が結構分かれている(最近は、かつての人気映画俳優がテレビドラマの主役をやることも多いし、ヘディも映画に出演しているなど流動的になってきているようだが)ということもあるに違いない。ハミルトンの強い女性・母親を期待していた人には残念かも知れないが、ヘディもまた強い女性・母親を演じているので、注目してもらいたい。

 そして、「T2」ではエドワード・ファーロングが演じたジョン・コナーを、テレビシリーズ「HEROES/ヒーローズ」のザック役でブレイク中のトーマス・デッカーが演じる。「T3」では、ファーロングがクランク・インの1カ月前にドラッグ・トラブルで急遽降板となったとされており、ニック・スタールが演じたが、日本でも非常に女性人気の高かった美少年のファーロングとは似てもにつかない顔立ちに、当時映画を見た女性ファンからは納得のいかない声も多かった(男性の目から見ても、ちょっと……というのが正直あった)。今回はその辺りも考慮したようで、ファーロングが成長したような雰囲気を感じさせるイケメン俳優を持ってきたというわけだ。日本語吹き替えは、武藤正史氏。


キャメロン・フィリップス。TOK715型ターミネーター サラとジョンのコナー親子

 そのほか、過去にやってきたレジスタンスの戦士デレク・リース役は、「ビバリーヒルズ高校白書」「ビバリーヒルズ青春白書」のデビッド・シルバー役で大ブレイクしたブライアン・オースティン・グリーン。日本語吹き替えは、奥田啓人氏。FBI捜査官のジェームズ・エリソンは、リチャード・T・ジョーンズが演じる。父親がかつて南海ホークスにも在籍したメジャーリーガーのクラレンス・ジョーンズで、本人は1972年1月16日に日本で生まれており、日本に縁のある俳優だ。「TINA ティナ」(1993年)でスクリーンデビューし、今年公開された「バンテージポイント」にも出演している。日本語吹き替えは、乃村健次。また、第1話で登場するT-888型ターミネーターを演じるのはアーロン・キャッシュだが、前述したように後にFBI捜査官ケスターの姿を手に入れるなど、姿を変えるらしい。過去のT-800型やT-1000型、「T3」のT-Xのように、特定の役者というわけではないようだ。

 メインスタッフは、製作総指揮3名の名前が前面に出ている。1人が「T3」の製作を手がけ、「ターミネーター4」に始まる新3部作もプロデュースするマリオ・F・カサールだ。「チェーン・リアクション」や「宇宙戦争」の脚本を手がけた人物としても知られるジョシュ・フリードマンも参加。最後の1人は、1980年代から「探偵レミントン・スティール」や「刑事ナッシュ・ブリッジス」など、米国の人気テレビシリーズを手がけてきたジョン・ワースとなっている。

 監督は第1・2話を除いて各話ごとに毎回異なり、8人が担当している。第1話「序章」と第2話「汝自身を知れ」がデビッド・ナッター、第3話「ターク」がポール・エドワーズ、第4話「ヘヴィメタル」がセルジオ・ミミカ=ゲッザン、第5話「チェス大会」がマット・アール・ビーズリー、第6話「ダンジョン&ドラゴン」がジェフリー・ハント、第7話「神の手」がチャールズ・ビーソン、第8話「チップの記憶」がJ・ミラー・トビン、第9話「誕生日」がマイク・ロールとなっている。

 ちなみにジェームズ・キャメロンに関しては、「Based on Characters Created by」という肩書きで、エンドクレジットに名を連ねている形だ。


正統なタイムラインと「T3」との差異

 「T1」→「T2」→「T:SCC」→「T4」(新3部作)という流れの劇中の正統なタイムラインと、そのパラレルワールド的な位置として設定されることになった「T3」のタイムラインの差異を続いては紹介しよう。まずは、正統タイムラインからだ。

■1984年:「T1」。サラ・コナー抹殺を目論み、2029年からT-800型ターミネーターがやって来る。サラのガードのため、カイル・リースもやって来る
■1985年:サラ、男子を出産し、ジョンと名付ける
■1994年:「T2」。少年のジョン・コナー抹殺を目論み、スカイネットがT-1000型ターミネーターを送り込む。レジスタンスはT-800型のリプログラムド・ターミネーターを送り込む
■1997年8月29日:本来の審判の日だったが、「T2」のサイバーダイン・システムズ社爆破で未来が変わり、スカイネットの反乱も核戦争も起きない
■1999年8月24日:「T:SCC」。コナー親子、サイバーダイン・システムズ社のマイルズ・ダイソン殺害容疑で全国指名手配中。ネブラスカ州に偽名で潜伏しているが、ニューメキシコ州に引っ越す
■1999年9月16日:「T:SCC」。ニューメキシコ州レッド・バレーのジョンの通う高校に、スカイネットがT-888型を送り込む
■2007年:「T:SCC」。コナー親子、キャメロンが1999年よりタイムスリップする
■2011年4月19日:ニューメキシコ州にスカイネットが完成
■2011年4月21日:審判の日。核戦争で30億人が死亡
■2015年:キャメロンのセリフによると、この年にジョンとカイル・リースはスカイネットに捕らえられ、強制収容所に送られる
■2018年:「T4」。
■2029年:劣勢となったスカイネットが打開策として1984年にサラを抹殺すべくT-800型を送り込む。レジスタンスのリーダーのジョンは、部下のカイル・リースを過去に送り込む


 なお、現在入手している資料によると、「T4」の舞台は2018年。しかし、「審判の日から10年後」という表記と、ジョンが30代という設定も最初期の資料にはあり、「T:SCC」とは矛盾してしまっている(後述するが、「T3」も2004年なので、それとも異なっている)。ただし、「T4」の方はまだ製作途中で、極秘裏に製作が進められており、国内の配給会社であるソニー・ピクチャーズ エンタテインメントにも脚本が届いていないという状況。そのため、今後「T:SCC」とすり合わせての年代の修整などがされるのかも知れない。ちなみにジョンが30代に入るのは、2007年時点で13~14歳なので、2023~2024年となる。また、審判の日から10年後ということなら、2021年である必要がある。よって、「T:SCC」ベースで考えて、審判の日から15年後とすれば2026年なので、ジョンも30代前半。問題ないというわけだ。ただし、「T:SCC」のコナー親子&キャメロンの活躍によって、さらに審判の日が遅れるということもありえる。逆にまったく遅れないとしたら、それはそれで努力が実らないということにもなるので、ストーリー展開としてむなしい気も。その辺がどう整理されるのかは、続報を待ちたい。

 そしてメインのタイムラインとパラレルワールドの「T3」との差異だが、最大の違いは、ストーリー紹介の時にも記したとおり、「T3」では1997年の時点でサラ・コナーが白血病で死んでいる点だろう。ただし、「T:SCC」でも、サラはキャメロンから「ガンで死ぬ」といわれ、それほど寿命は残されていないのかも知れない。劇中でサラが亡くなり、ジョンが未来の人類の指導者として独り立ちする、といった展開なども考えられるだろう。ただし、キャメロンの言葉に従ってサラは病院に検査に足を運んでいることから、もっと長生きすることも考えられる。

 また「T3」の審判の日は、2004年7月24日だ。19歳のジョン(ニック・スタール)が、T-1000型をさらに強化した最新の女性型ターミネーターT-X型(クリスタナ・ローケン)に襲撃される日でもあるのだが、スカイネットがその日に覚醒、審判の日が発動、30億の人命が失われるという筋書きだ。また、未来では2032年7月4日にジョン・コナーがT-800型のバージョンアップ版T-850型(シュワルツェネッガー)の襲撃に、懐かしさのあまりに油断が生じて殺害されてしまうことになっている。それを捕獲したレジスンタンスのサブリーダーで、ジョンの未来の妻であるケイト・ブリュースター(劇中の2004年時点ではクレア・デーンズが演じる)が、リプログラムドして2004年に送り込むとしている。


「T:SCC」のターミネーターについて

キャメロンは従来のターミネーターのパワフルさと、これまでにない柔軟さを兼ね備えた新型
 続いては「T:SCC」に登場するターミネーターについて触れてみたい。「T:SCC」にはキャメロン・フィリップスことTOK715型やT-888型など、複数のターミネーターが登場するが、これまでのシリーズでT-800型の前バージョンのT-600型の話が出たことがあるが、「T:SCC」にもT-600型が登場する模様(残念ながら画像は得られなかった)。「T4」にもT-600型が「最新型」として登場するようだが、デザインや機能が同じかどうかは不明だ。

 キャメロンのTOK715型という型番は、これまでの「T-xxx」を踏襲していないことから、特殊なターミネーターであることがわかる。1stシーズン全9話すべてに目を通したわけではないのと、資料にはあまりメカニック的なことが触れられていないため、なぜそういう型番なのかは不明。同じリプログラムド・ターミネーターだとしても、その誕生には何か特殊な秘話が秘められているのかも知れない。

 キャメロンの機能的な特徴としては、女性型ということで関節が非常に柔軟に作られているということが挙げられる。サマー・グローが元バレリーナということを活かして、劇中でキャメロンがバレエを演じるシーンもあるほどだ。その柔軟さから、T-600、T-800シリーズと続いた頑健さとパワーに比重を置いたタイプとは構造的にまったく異なるコンセプトで設計されていることがわかる。ただし、T-1000型の形状記憶疑似体合金製という、人類の技術では21世紀中にはちょっと生み出せそうもない(スカイネットの力だから可能だったのだろう)技術でできているわけでもない。時間軸が異なるため、正統なタイムラインのスカイネットにおいて開発されたのかどうかは不明だが、同じ女性型の「T3」のT-X型とももちろん違う。T-X型は、頑丈な骨格をT-1000型で採用された形状記憶疑似体合金が覆っている仕組みで、なおかつ時空を超えて未来の武器を過去に持ち込めるようにと骨格に武器を内蔵している仕組みだが、そうなってはいない。あくまでも、女性ならではのしなやかさを骨格に持たせることを重視した設計となっているらしい。

 ただし、パワーは非常にあり、やはりターミネーターと感じさせてくれる。そのほか、大きな特徴としては、キャメロンはターミネーター初の食事も行なう。体内がどのような仕組みで、飲み込んだものがどうなるのかは不明だが、パンケーキを無理して飲み込んでみせるなど、「する必要はないけど無理すればできる」という感じだ。戦闘はもちろんだが、こうしたこれまでのターミネーターとは異なるキャメロンの普段の様子なども要チェックというところだ。


T-888型は冷酷非情な殺戮マシーンぶりを発揮する
 一方のT-888型は、まさにT-800型の系譜に属するシリーズといえる。こちらも、どれだけT-800型と性能的に異なるのかは不明だが、教師やFBI捜査官になりすますなど、T-800型のようにともかく力押しという雰囲気ではない。白バイ警官に化けて追跡したT-1000型同様、追い込むまでは極力目立たないように行動して、最後の最後に一気に襲いかかるという、頭脳プレーを駆使する感じだ。もしかしたら、プログラム面で大きな進歩があるのかもしれない。外見に関しては、T-800型とはかなり顔の造作が違う。これは、T-800型が全国指名手配を受けているなど、行動しにくいということも考慮されているのだろう(もちろん、時間があったとしても、テレビシリーズにシュワルツェネッガーを出演させるのは無理なわけだが)。未来へ情報を持ち帰っているわけでもないのになぜ対処できるのかというのは、スカイネットがおそらく核戦争を勃発する前に、1984年と1994年の事件に関する情報を警察のコンピュータから収集し、どういう事態に陥ったかがわかっていたからなのだろう。何はともあれ、目的遂行のためには容赦のない初代T-800型や、T-1000型のような冷酷無情の殺戮マシーンぶりを発揮してくれるので、こちらも要注目だ。


「T:SCC」のリリースは1月7日からスタート

 「T:SCC」は、第1~2話を収録したDVD「〈ファースト・シーズン〉Vol.1」が2009年1月7日(水)に発売になる。価格はスペシャルプライスの980円だ。その2週間後の21日(水)には、残りの第3~9話のDVD4枚組をセットにした「コレクターズ・ボックス」が発売。Vol.1を収納できる特製BOX仕様となっている。こちらは7,840円だ。また、Blu-ray版も21日に発売予定で、3枚組の「〈ファースト・シーズン〉コレクターズ・ボックスとなっている。価格は1万2,250円。映像特典として、キャストとスタッフによる音声解説(第1、3、9話に収録)、未公開シーン集(第1、3、6、7話に収録)、メイキング集、NG集、スクリーン・テスト集、サマー・グローのダンス・リハーサル、マニマティクスなどとなっている。

 レンタルも行なわれる形で、DVDとBlu-rayの両方が用意される。1月7日にレンタル開始となるのが、「〈ファースト・シーズン〉セット1」。第1~6話を収録した、Vol.1~3のセットとなっている。「〈ファースト・シーズン〉セット2」は、1月21日から開始。第7~9話を収録した、Vol.4と5のセットとなっている。


(C) 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.


「T:SCC」から先の「T4」は?

「T4」のロゴ
 「T:SCC」とは別作品になるが、続いて映画「T4」(原題は「TERMINATOR SALVATION」)に関して、現在入手している情報も紹介しよう。国内での公開は、冒頭で述べたとおり2009年6月13日(土)だ(全米公開は5月22日(金))。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが配給する。なお、6月6日(土)と7日(日)に先行上映が行なわれることも決定している。「T3」が、国内では554館で上映されたが、それを上回る600館以上での公開が予定されている。主役のジョン・コナーを、「バットマン」シリーズの「ダークナイト」で主演を務めたクリスチャン・ベイルが演じる。そして、過去の記憶を持たない謎の男マーカス・ライトを演じるのがサム・ワーシントン。ただし、ムービーでライトは「お前たちとはずっと戦ってきた」といっており、どうもその無表情ぶりからも合わせて考えると、ターミネーターの一種のような感じだ(少なくともスカイネット側と思われる)。そのほか、プライス・ダラス・ハワード、ヘレナ・ボナム・カーターらが出演。監督はマック・G、製作総指揮はマリオ・F・カサール、モーリッツ・ボーマン。

 ストーリーは、タイムラインのところでも触れたが、最初期の資料には審判の日から10年後の2018年、30代のジョン・コナーが活躍するとあり、「T:SCC」とは矛盾してしまっている。しかし新しい資料では、それらの記述がなくなっていることから、もしかしたら修整されたのかも知れない。ただし、まだ制作中の作品であるため、流動的な部分も多く、詳しいことはもう少し待つ必要があるだろう。ストーリーに話を戻すと、2018年の時点でレジスタンスは結成されており、ジョン・コナーもリーダーとなっている(顔もすでに複数の傷に覆われている)。そして、スカイネットは一気呵成に生き残ったわずかな人類に対する総攻撃を仕掛けようとしている状況だ。そんな中で、ジョンは過去の記憶を持たない謎の男マーカス・ライトと出会い、行動を共にすることで、スカイネットの活動の核心に迫っていく。しかし、そこには驚愕の秘密が隠されていた……。「新しい敵が現れたんだ。母のいっていた歴史とは違う!」とジョンが叫ぶシーンもあり、それが何を意味するのかは、見てのお楽しみというところである。

 撮影は、2008年5月に米国ニューメキシコ州(「T:SCC」の舞台で、スカイネットが完成する場所でもある)でクランク・イン。同州に建つ、東京ドーム2個分以上の面積を有するスタジオで、スカイネット内部などの撮影が行なわれている。スタジオ横の広大な砂漠では、野外セットが組まれ、そこでは戦闘シーンや巨大な爆発シーンなどを多数のエキストラとともに撮影している模様だ。今回の制作費はシリーズ過去最高額の280億円となっている。また、シュワルツェネッガーの出演に関してはまったくないと思われていたが、マック・G監督によると、「彼が出演するかどうかの情報を出してしまうのは、映画の楽しみを奪ってしまうこと」とし、結局は遠回しに出演があり得るようなコメントを出している。


右がクリスチャン・ベイル演じるジョン・コナーで、左がサム・ワーシントン演じるマーカス・ライト ターミネーターを撃たんとするジョン。スカイネットの猛攻が人類を襲う

(C) 2008 SONY PICTURES DIGITAL INC. ALL RIGHTS RESERVED.


URL
  ワーナー・ホーム・ビデオ
  http://www.whv.jp/
  ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ
  http://wwws.warnerbros.co.jp/sarahconnor/
  ソニー・ピクチャーズ
  http://www.sonypictures.jp/
  ターミネーター4
  http://www.sonypictures.jp/movies/terminatorsalvation/


( デイビー日高 )
2009/01/05 14:26

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