ツクモロボット王国にて「“AIBO開発メンバー”と“改造バカ”のトークショー」開催

~スピーシーズ春日CEOとテクニカルライター高橋氏が対談


第1部・第2部ともに40名以上が詰めかけ満席に。立ち見もでて店内はお客さんでビッシリ

 27日(土)に、秋葉原のツクモロボット王国にて「“AIBO開発メンバー”と“改造バカ”のトークショー」と題した、無料のスペシャルトーク&デモイベントが開催された。AIBO開発メンバーとは、元ソニー所属、現スピーシーズCEOの春日知昭氏。改造バカとは、PC系の改造記事などで知られた、テクニカルライターの高橋敏也氏。トークショーは、2回行なわれ、40脚用意された客席はどちらも満席となり、立ち見が出たほどだった(第1部43名、第2部46名)。トークショーは高橋氏との対談の形を取りながら進行。春日氏の考えるロボットが家庭に入っていくための今後のあり方と、スピーシーズの二足歩行ロボット「SPC-101C」を使い、その考えを反映したデモンストレーションが披露された。大型スクリーンなども利用された、その様子をレポートする。

元AIBO開発メンバーで、現スピーシーズCEOの春日知昭氏改造バカことテクニカルライターの高橋敏也氏

なぜソニーを辞めたの? まずは春日氏の経歴に関する質問から

 春日氏はソニーでAIBO開発のメンバーだったのだが、最初からいたわけではないそうで、途中から入ったそうである。AIBOというと、世間一般的にはあれだけ人気があったのに、なんで撤退? という人が多いはず(実際、撤退時は黒字だったそうだ)。しかし、実際のところは最初こそ良かったが尻すぼみとなり、ソニーでは100万台売れないと事業部とは認めらなかったため、AIBOは12~3万台だったので撤退となったという、内部事情的な話からスタート。ダメになるなという感じが見えていたので、撤退の前に春日氏は退社し、もっとロボットの仕事を続けたくて、退社して自らスピーシーズを設立したというわけだ。高橋氏は、それを受けてスピーシーズ製の世界初の燃料電池で動作するロボットの話も出し、春日氏とスピーシーズが先見性のある人物と企業であると紹介した。

 また春日氏は、AIBOのプロジェクトに最初から参画していたわけではなく、発売される1年ぐらい前からだそうで、初めて事業部を訪れた際は、結構面白い光景だったという。床の上をAIBOが歩いていたり、AIBOを誘導しているスタッフがいたり。衝撃的だったのは、パーツが外されて中味がむき出しで、なおかつ分解されてバラバラになって散乱しており、中味は頭蓋骨のようなフレームなどがあるため、結構怖かったという。ちなみに最初は、「来ては行けない世界に足を踏み込んだんじゃないか(笑)」と強い印象を受けたという。ただ、これから新しいものが家庭に入っていくという、新しい時代が来ることを実感したのだそうだ。

スピーシーズで現在考えていることをプレゼンで紹介

 ツクモロボット王国にはスクリーンとプロジェクターも用意されているため、プレゼン資料を使っての春日氏の話もスタート。トークショーというよりは、講義のような雰囲気でもあった。プレゼンのタイトルは、「クラウドコンピューティングによるロボットビジネスの可能性」。企業でのプレゼンで使用している資料から作成したため、硬い感じになってしまったということだが、会場は熱心に聞いている。一般の人ならまず「クラウドコンピューティング」で引っかかってしまうだろうが、ここに足を運んでいる人の大多数は、興味津々だったに違いない。

 最初にスピーシーズのビジョンが語られ、「インターネットロボットの技術で世界的な家庭用エンターテイメント企業になることを目指す」というもの。春日氏は、それがいつになるかはわからないが、今後、インターネットロボットが各家庭に1台入っていくのは絶対に間違いないと考えており、まだ誰がどうやっていくといった解決しなければいけないことは多々あるが、そういう時代が来た時にスピーシーズが生き残っていたい、という宣言である。

 そこで、高橋氏からインターネットロボットとは何かという質問。無線LANなどを利用してインターネットに接続できる仕組みを有したロボットなのだが、なぜそんな仕組みが必要か、そうした技術を搭載すべきと考えている春日氏およびスピーシーズのコンセプトの方がポイント。それは春日氏がAIBOの開発をしていた時にまで遡る。春日氏は、AIBOは「普通の人なら2週間で飽きてしまうと思います」という。それがなぜかというと、プログラムが変わらないから。それに対し、PCがなぜ楽しいかといえば、インターネットにつながってメールは届くし、さまざまな情報を見られるし、多彩なソフトをダウンロードすることができるからということが理由の1つ。春日氏はロボットも同じとしており、いろいろな情報が来るようにしないと、飽きてしまうという。AIBOはその部分をうまくやれていなかったことが、あまり台数が出なかった理由ではないかということである。

スピーシーズのロボットの特徴はインターネットと融合している点今回のデモを担当した、スピーシーズのロボットSPC-101C

 そこで春日氏が考えているのが、ロボットとインターネットを融合したいということ。それによって新しいエンターテイメントや新しいメディアにしたいと考えているというわけだ。春日氏の考えるロボットとは、「ラジオやコンピュータが動いているようなもの」だという。PCのインターネットラジオでも、普通のラジオでもいいが、そういうものが手足を持って動き出した、と考えているそうである。ロボットと考える必要はなく、手足を持って動ける新しいITデバイスと思ってもらえればいいという。

 そして、自分たちがこれから考えなければいけないことは、この動いているものをどういう風にプログラムして、どういう風に動かしてやったら、何が楽しいのだろうということだとも語る。ロボットが家庭に来た時に、何をしてくれれば楽しいのかな、というのはなかなか想像がつかないという。それを考えることが重要なので、新しいエンターテイメント、新しいメディアとして考えていきたいとした。

セガトイズとの共同開発の小型ロボットは来春に発売予定

 スピーシーズ以外のロボットの多くが、格闘技ロボットにしろ、掃除ロボットにしろ、レスキューロボットにしろ、「ハードウェア志向で、目的指向」という。それに対し、スピーシーズのロボットは、インターネットに接続した「ソフトウェア指向」だとする。オープンなAPIの提供、ITとロボットの融合を目指して常に進化していく(プログラムやコンテンツの変更で、ロボットのやれることが変わっていく)などが特徴だ。柔軟性を持たせることで、広い市場性を得たいと考えているとした。では、ハードウェアをないがしろにするかというとそういうことではなくて、両輪として機能することが重要であるというわけだ。

 そのあと、スピーシーズの開発したロボットの話になり、SPC-101Cの以前の機種も紹介されたのだが、ここで高橋氏がカミングアウト。スピーシーズ製の燃料電池で動作する世界初のロボットを数年前の取材で見た際、非常に気に入ったそうである。250万円するけれども、本気で購入を考えたし、取材でバタバタしていてスキがあったので、「どうしてもほしくてこっそり持って帰ろうかと思って、タイミングはあったんだよね。でも、入れるものがなくて断念したんだけど(笑)」とし、高橋氏の取材を受ける際はレアなロボットを無防備に置いておいてはいけないということが判明した(笑)。

スピーシーズのロボットに対するコンセプトとして、ソフトウェアの重要性があるセガトイズとの共同開発も発表され、5万円前後の家庭用低価格機を発売する予定

 何はともあれ、スピーシーズとしては、コンシューマー寄りの方向に持っていきたいということで、サイズ的には大きくてもSPC-101Cの30cm大ぐらいだろうと春日氏はいう。そして、セガトイズと共同開発しているロボットは、既に発表されているが、5万円前後(少なくとも10万円を切る価格で)の小型機を来年春に発売すると語った。どんなことができるかというところは、楽しみにしてほしいとする。

ロボットに必要な3要素とは?

 春日氏は、ロボットに必要な要素は3つあるという。1つは「人とのインタラクション」。人と会話できる(反応する)ことが重要だとする。2つ目は「エンターテイメント」。歌ったり踊ったり笑わせてくれることなども必要とした。最後は「実用機能」。外から家の中やペットの様子を見られるほか、目覚ましやスケジューラー、ニュースの読み上げ、ウィキペディアでの検索などなど。春日氏は、この3つがうまくバランスの取れたロボットを作れれば、非常に浸透するのではないかとした。なお、エンターテイメント部分では、踊るカメラマンや歌う占い師などが挙げられていたが、これはインターネット経由で、随時コンテンツが更新されていく仕組みである。

 ここで高橋氏がぜひほしいとして実用機能の1つとして提案したのが、某巨大掲示板サイトのスレッドの読み上げ機能。それに対し春日氏は、「あれ、何いってるんだかわからないじゃないですか(笑)。炎上したりしている時はどうするんですか(笑)」。高橋氏も、自分で提案しておきながら、「実況スレとかどうなっちゃうんだろう。ずーっとしゃべってますよね。キター、キター、キター……とか」という具合で、独自の表現などをどう扱うかが問題となりそうなことが判明した。

 このあと、そうした機能のデモンストレーションを実際にSPC-101Cを使って披露。もちろん、SPC-101Cは無線LAN機能などを備えているが、マイクの搭載や、音声認識機能は搭載されていないため、コントロール用のノートPCが対応。新型機では、マイクを搭載し、1mぐらい離れても音声認識し、ニュースの読み上げはニュースサイトのRSSが更新されてユーザーがリクエストするたびに行なうようにするとした。この音声認識のデモの様子は、少々長めだが、動画を複数に掲載したので見てほしい。ちなみにRobot Watchではかつて紹介したことがあるが、SPC-101シリーズで有名なモーションの、スピーシーズでキラーアプリとしている「笑い袋」なども収録したので、未見の方はご覧いただきたい。それから、SPC-101Cのカメラ機能は、プレゼン画面に映せないということだったので、こちらもトークショー終了後にノートPCにカラー映像が映されている様子を撮影させてもらった。

春日氏とスピーシーズの考える、ユーザーがロボットに求める3要素【動画】まずは自己紹介。音声認識で動作している様子もわかる【動画】続いてメールとニュース(英語)の読み上げ
【動画】SPC-101シリーズといえばこれ、というほど知られた「笑い袋」モーション笑い袋の様子を、お客さんのすき間だけど、正面から【動画】ダンス。こちらは、トークショー終了後に再撮影
ビデオカメラ機能。スチールカメラを構えた記者がノートPCのモニタに映っているのがわかるだろうか

ロボットは誰もが感情移入できる初めてのIT機器だが問題は?

 デモンストレーションが終わって春日氏が語ったのは、ほかのIT機器とロボットの違い。春日氏は「感情移入できるかできないかの差」だという。AIBOの時にも感じたそうだが、動いていない時はただの機械なのに、動き出した途端にものすごく生命感が出てきて、「感情移入してしまう」と語る。デジカメやパソコンがかわいいという人は少数派だと思うが(高橋氏はパソコンがステキと感じるそうだが)、誰でも感情移入できる初めてのIT機器がロボットだと思っているとした。IT機器の新たな分野が世の中に登場したわけで、いま考えるべきは、どんなソフトウェアを作れば面白くなるのか、という点だとする。ロボットが手足を動かすというのは既に実現しているので、もうこれでよく、いまはその先が重要だというわけである。

 問題は、ロボットが何をしてくれたら楽しいかというところを、まだ誰も考えていない点だという。ロボットが家に来て、何をしてくれたら楽しいかというところを、本当に誰も考えていないので、ぜひ皆さんにも考えていただけると、よりロボット文化が進化(深化)するのではないか、とした。

 そして春日氏らが考えているロボットを実現しようとした時に、問題となることは、すべての機能をロボット単体で実現しようとする考え。あらゆるデバイスを組み込まなければならないとすると、それは技術的にも価格的にも大変なため、とても10万円以下で発売するのは不可能。春日氏は、その価格でなければ売れるわけがないと考えており、ではそれを実現するためにどうするかということで開発中なのが、サーバーサイドを強化するというシステムである。プレゼン画面のスピーシーズのクラウド(サーバー)のくくりの部分、「Robot Information Data Base」、「Human-Robot Communication Engine」、「Robot Advertising Engine」、「Robot-Robot Communication Engine」、[User's Community On Line Sales」でがんばれば、いろいろなことができるだろうとする。ロボットとの会話もサーバー経由でできつつあるし、ウィキペディアの検索なども可能となっている。

スピーシーズ製のロボットが実現しようとしている機能すべてをロボットに搭載せず、可能なものはサーバーサイドに載せようという仕組みを採用

YouTubeで公開中のデモ映像

 続いては、人とのコミュニケーションと、ウィキペディアを用いた情報検索などのデモが披露された。YouTubeにアップされた動画なので、もっとよく見たいという人は、「Natural Communication Robot」でチェックしてみてほしい。仕組みとしては、iPhoneを人が利用するマイク代わりにしており、インターネット経由でスピーシーズの音声認識エンジンにデータが届いてテキスト化し、会話エンジンに転送、そしてそれに対するリアクションをSPC-101C(をコントロールしているノートPC)に返すというわけだ。なお次のモデルでは、これらの機能を集約して搭載する予定となっている。また、デモ映像中の音声は子供の声をサンプリングして、それをベースに音声合成している形だ(ロボット名もロビタという模様)。デモを見てもらえばわかるが、会話もだいぶ自然にこなせるようになってきており、認識もかなりよくなっているので、あとはやはり「ロボットがうちに来て何が楽しいの?」というところが、一番わからなくて難しいと春日氏はいう。理由の1つとしては、こういう動くITが家に来るのは誰も経験がないからということだが、春日氏は重ねて「皆さんと考えていきたいです」とした。

【動画】デモ映像での自己紹介。ロビタは通常のSPC-101シリーズとは若干カラーリングが異なる【動画】ロビタが質問する様子。誕生日を聞くと調べて星座を判別する【動画】今度は、人からロビタへの質問の様子。少しふざけた(?)受け答えをする
【動画】ライブデモでは英語だったが、こちらはNHKのニュースを読み上げている【動画】ウィキペディアで検索した様子。ウィキペディアさんと、「さん」付けしているデモ映像のシステムの概念図

 高橋氏は、こうした技術を見た人の中には「メールやニュースの読み上げはソフトがあればいいじゃないか」という人が必ずいるが、内容によって喜んでくれたり、恋人からのメールなら色が変わったりといったちょっとしたアクションがあるだけでも随分と違うものであるという。人の生活にゆとりができてきて、今後は「+α」がより求められていくと思われるが、そうしたところにその「+α」があるのではないかとした。

 また、会話の中で、体重を聞かれたSPC-101Cが「僕を持ってみればわかるよ」とちょっとふざけた答え方をしているが、それはあえてそうしているという。昔、「シーマン」というゲームソフトがあったが、その受け答えのシュールさには影響を受けたそうで、少しぐらいふざけていたり、少々オマヌケ感があったりするロボットにした方が楽しいのではないかと、春日氏は考えているそうである。

現在面白いかなと思っている機能はロボカメ機能

 身の回りで動いたら楽しいだろうな、という製品のことを皆さんにも考えてほしいという春日氏。例えば、デジカメがロボットになって、歌って踊って司会をしてくれたら、というわけである。すでにSPC-100Cにもカメラ機能は搭載されているのだが、もしロボットがパーティで会場中を回って参加者の笑顔ばっかりを撮影してくれたり、写真を撮る時もちゃんと合図したり、さらには笑わせてより笑顔度をアップさせてから撮ってくれたりするというわけである。デジカメのロボット化というか、エンターテイメント性とデジカメ機能を併せ持たせたロボットの一機能の「ロボカメ機能」として、春日氏は考えているそうだが、これは素晴らしいのではないだろうか。春日氏が考える使い方としては、おいでおいでと集めて、さらに面白いことをいって笑わせておいて、撮影するというわけである。記者的には、参加人数の多いパーティーでこそ活躍できるのではないかと思う。参加者全員、最低でも1枚は撮影するようにロボットに命令して、あちこち移動しては笑わせて撮影していく(盛り上がっていればそのまま合図して撮影すればいい)というわけである。ただ、30cm大のサイズだと弱点もあり、どうしても撮影する角度が下から見上げる形になるし(テーブルに載ったりすればいいのかも知れないが)、混雑する会場だと蹴飛ばされたり踏み潰されたりしてしまう恐れもあるので、そこら辺は何か工夫が必要だろう。

 そんな具合で春日氏は、プリンターがロボットになったら、プロジェクターがロボットになったらと、あらゆる機器がロボットになったらというのを考えると「将来のロボット像が見えてくると思います」とした。ちなみに高橋氏が提案したアイディアは、プロジェクターロボ。秘蔵のエッチなDVDを見ていて、奥さんや恋人、そのほか親とか見ているところを見られたくない人が突然来た場合、「非常モード!」というと川のせせらぎの環境ビデオ的な映像になるという(笑)。まぁ、ビデオにしろインターネットにしろ、エロパワー(笑)が普及の一原動力となったことは誰もが否定できない事実なので、そういうのもありなのではないだろうか。

 また春日氏は、ロボカメはキラーコンテンツになる可能性があるとしており、ターゲットとなるマーケットとしては、玩具、ホビー、キャラクター商品のマーケットと、専用IT機器のマーケットが重なる部分とする。遊べて使える面白い機能を実現し、エンターテイメント性が高く、実用性のある新しい市場を創造していきたいとした。

デジカメの新しい形がロボカメ?ロボカメのターゲットとなるマーケット

7万円台のロボットを一緒に開発してくれる企業を募集中

 最後は、現在はデザインした段階の、10万円を切る価格で想定しているロボットのデザイン画とスペックの一覧表も披露された(セガトイズと共同開発中のロボットとはまた別)。高さ23cmで重さは500gで、チャームポイントはお尻という1台だ。スペックは以下の通り。

【関節数】:18
【CPU】:ARM9 400MHz
【メモリ】:RAM 64MB/フラッシュメモリ 64MB
【スロット】:MicroSD
【OS】:SpeecysOS with NetBSD
【インターフェイス】:Wi-Fi、カメラ、マイク、スピーカー、タッチセンサー
【LED】:頭部および胸部に搭載
【バッテリ】:NiMH AAA×5

 これなら、7万円台で出せるということで、共同開発してくれるパートナー企業を春日氏は探しているということである。

 最後に、これまでのロボットはあまりにも専門的で、ハード指向になりすぎていたので、今後はソフトも充実させたいと改めて春日氏が語った。自分的にロボットに望むのは、「夜中に疲れて自宅に帰った時に話し相手になってくれること(笑)」だそうで、高橋氏から「あまりにも夢がないです(笑)」とツッコミが入ったが、要は、コミュニケーションを重要視しているということだろう。「ハードを人間の肉体だとしたら、サーバーサイドのクラウドの部分は人間の魂の部分。肉体と魂の両方をしっかりと作って、人間と関わっていけるようなロボットを作るのが目的です。形としてはさまざまなものがあっていいと思いますが、共通点としてはフレンドリーで感情移入できる端末であるということと、魂の部分を作っていくというのが、今後のロボットの姿だと思います」とした。

 また、「これからのロボットの楽しさを、理科系、文化系に限らず、みんなでロボットのことを考えていかないと、ちゃんとしたものはできないと思うんですよね。こういうことを考えられる時というのは、逆に少ないと思うんです。例えば、パソコンは何十年と歴史がありますが、最初にいろいろと考えていた時はとても楽しかったんですよね。同じようにロボットもいまが黎明期だから、いま考えることって、10年後には多分当たり前になっていると思うんです。黎明期にいろいろと考えるということはとても楽しいことだと思うので、いまやらないでいつやるの? みたいなところはありますよね。幸い、僕らはそれに関わっていられるので、とても楽しいです。みなさんもぜひ、考えてもらえればと思います」として、終了となった。

7万円台で発売できるとする、新型ロボット。共同開発をしてもいいという企業さんはぜひトークショー終了後は、熱心な参加者に春日氏らは囲まれていた

 家庭用ロボットを何に使うか、どう使うかという話は、誰もが悩んでいるところで、いわゆる「シーズはあるけどニーズがない」というやつである。ロボカメはなかなか面白いと感じたので、この機能はぜひ実現してほしいところである。記者的には、自分の仕事をサポートしてくれるような秘書機能がほしい。取材の度に名刺が増えていくので、渡すと自分でスキャンして名刺データを作って、中でもメールアドレスはPCのメーラーに追加してくれるとか、新聞を読んで、ロボット関連の記事はすべてチェックしてくれるとか。あとは、「原稿アップまだ? 締切過ぎてるよ!」とか、「原稿書き終わる前に寝るんじゃねー!!」などとケツを叩いてくれたり(笑)。頭に来て物を投げつけたりとか、つかんでどこかに叩きつけたりするとなんなので、相当頑丈に作ってもらいたいところだけど(苦笑)。そんなわけで、ぜひみなさんも「こんな機能があったら」があったら、ぜひスピーシーズに送ってみよう。



(デイビー日高)

2009/6/29 20:23