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パナソニック、「エボルタ号」公開&壮行会開催

〜三輪車に乗った「エボルタ」が「ル・マン24時間耐久走行」に挑戦


エボルタ号を掲げるロボットクリエイター高橋智隆氏

 エボルタはパナソニック株式会社のアルカリ乾電池「EVOLTA(エボルタ)」のイメージキャラクターとされている、ロボットクリエイター高橋智隆氏が設計した小型のヒト型ロボット。昨年は、アルカリ乾電池「EVOLTA」単3形2本を使ってグランドキャニオン登頂実験を行ない、6時間46分31秒かけて530.4mを登り、成功した。なお「EVOLTA」というネーミングは進化を意味する「evolution」と、電圧、そして満ち溢れようとする力を意味する「voltage」に由来する。2008年は世界で1億8,000万個を販売した。2009年は3億個の販売を目指す。

 今年も単3形乾電池「EVOLTA」2本を動力にして、車両型ロボット「エボルタ号」を走行させる。「エボルタ号」は三輪車に乗った身長17cmの「エボルタ」を意匠とした、車両型ロボット。動力はパナソニック乾電池EVOLTA 単3形×2本。サイズは約30×約20×約20cm(幅×奥行き×高さ)。前を走る3輪電動のカメラカーから送られる赤外線を赤外線センサーで受光して追尾走行する。平地ではおおよそ時速1.3km程度は出るという。車輪を駆動するモーターはDCモーター×2でどちらも前輪を駆動する。後輪は受動回転し、その回転をベルトで伝達してエボルタの足が自転車をこぐように回転する仕組み。

 材質はカーボンファイバーとアルミ、プラスチック。路面からの熱に関してはぎりぎり大丈夫だと考えているという。制御回路はエボルタの上半身部分に入っているので比較的大丈夫ではないかと考えているそうだ。

パナソニック「エボルタ号」 動力は背中に背負った2本のエボルタ 正面スリット内部に赤外線センサーを内蔵
下から Panasonicのロゴがあしらわれた左側面 足は受動回転する後輪の動きに合わせて自転車を漕ぐように動く
前回登攀チャレンジを行なったエボルタとの2ショット 3輪電動カーに取り付けられる赤外線発信装置 かなり広い範囲に赤外線を出し、追尾させる
壮行会当日は会場に設置されたコース上を赤外線装置を手動で滑らせて、それを追尾した 【動画】走行デモの様子
【動画】高橋氏による走行デモも行なわれた。坂を上り、下る様子 【動画】自転車を漕ぐように動く様子やけなげに見える背中が報道陣にも好評だった エボルタ
今年は世界で3億個の販売を目指す 長持ち乾電池としてギネス・ワールド・レコーズに認定されている 使用推奨期限が10年と長いことも大きな特徴の一つ
過去のチャレンジ 【動画】昨年は6時間46分31秒かけて530.4mグランドキャニオンを登った

 世界三大レースの一つ「ル・マン24時間」レースの舞台として知られるフランスの「ル・マン24時間耐久レース」に用いられるコースのうち、ブガッティ・サーキット(コース全長4,185m)を使って乾電池の長持ち実験として24時間走行に挑戦する。同時に、「遠隔操作された車両型ロボットの最長走行距離(REMOTE-CONTROLLED CAR - GREATEST DISTANCE)としてのギネス世界記録取得も目指す。実験日は現地時間で8月5日午前10時開始を予定しており、結果はEVOLTA公式ホームページにて報告される予定だ。

8月5日にル・マン24時間耐久にチャレンジする ル・マン24時間耐久のブガッティ・サーキットを使ってチャレンジする
ロボットクリエイター 高橋智隆氏

 壮行会にはロボットの設計・開発者であるロボットクリエイター高橋智隆氏が出席。車好きとしても知られる高橋氏は、実際に「ル・マン」のサーキットに立ったときには感慨があったという。コースには坂もあるため、そこが難所になる。上り坂を登るスタミナだけではなく、下り坂でもうまくブレーキを利かせる必要があるためだ。実際にテスト走行したときには一周も回れなかったそうだ。夜間のトラブル対応も必要になる。夜間には虫なども多く出てくるそうで、車輪径の小さいエボルタ号はちょっとした障害物でも止まってしまいかねない。テスト時にもカタツムリにぶつかって止まってしまったことがあったそうだ。

 6月に神奈川で行なったテストでは、横風対応や、ブレーキを使った走行の実験を行なった。天候の変化も課題になるという。そのときにもモーターのギヤが欠けたりするトラブルもあったそうだ。2週間前に行なった最終テストでは外装も完成。高橋氏は「エボルタの良いところは安定して電圧が出ることだ。ロボットの開発だけに注力できる」と述べて、電池の性能は信頼しているが、ロボットの耐久性や天候の急変などにはまだ不安材料が残っていると語った。

テストで使った機体。まだ下半身しかない 下り坂もブレーキを使わないと曲がりきれないことが判明 24時間耐久なので夜間のテストも
ブレーキをつけた機体で秦野でもテスト 横風のテスト モーターのギヤ欠けなどのトラブルも発生
美浜でのテスト時には外装も完成 赤外線を追尾した走行テストの様子。実際のチャレンジもこのような形で行なわれる 赤外線発信装置のほうが壊れることも
ギネス・ワールド・レコーズ日本オフィス社長 ラッセル・ウィリス氏

 また、ギネス・ワールド・レコーズ日本オフィス社長のラッセル・ウィリス氏も出席。今回もギネスに挑戦するためだ。エボルタは単三型乾電池として世界ナンバーワンに認定されている。ウィリス氏は「パナソニックは大変クリエイティブで野心的な会社だ。エボルタは世界でももっとも長保ちの乾電池。本日この場に立ち会えることを嬉しく思う」と述べ、続けてギネスに挑戦するための規定を解説した。今回の記録挑戦では市販されている電池を使って、交換せずに走りきること、自分の力で走らなければならず、電池がなくなり動力が得られなくなった場合は挑戦終了になる。車はレールの上を走ってはならない、とされている。最後に「これまでエボルタ号を作るのに長時間かかったと聞いている。がんばってください。グッドラック!」とエールを送った。

 高橋氏は最後にル・マンに行くスタッフたちを従えて「多くの方々のご協力を頂いて夢のあるチャレンジに挑戦することができた。いろいろな苦難を乗り越えて24時間走りきり、その達成の感動をCM等を通じて皆さんと分かち合えたらいいなと思っている。成功に向かってぎりぎりまで開発を続け、成功させたいと考えている。ぜひ応援をお願いしたい」と述べた。実際には20名余りのスタッフがル・マンでのチャレンジに挑むことになるそうだ。

走行距離予想キャンペーン

 同社では現在、走行距離予想キャンペーンを実施中だ(期間は2009年6月12日(金)〜8月5日(水))。ル・マン24時間に挑戦するロボット「EVOLTA」の走行距離を予想し、予想がもっとも近かった人には、ハイブリッド・カー「トヨタ 新型プリウス」1台がプレゼントされる。そのほか電動アシスト自転車などが当選者にプレゼントされる予定だ。現在までの申込者数はウェブ上で16,000件、往復はがきで1,500件程度とのこと。

 なおこれからのテストの様子、チャレンジの生レポートなどは「特命社員エボルタさんのブログ」でも随時更新されるという。同ブログにはこれまでのテストでの苦労話などもいろいろと書かれていて、興味深い内容となっている。ブログを実際に執筆しているパナソニックの「エボルタさん」によれば、チャレンジ当日もリアルタイムに更新する予定とのこと。期待しておこう。

チャレンジするメンバーたち 多くの報道陣に取り囲まれる高橋氏 ブログでレポートしている「エボルタさん」と笑顔の高橋智隆氏。


(森山 和道)

2009/7/24 19:30

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