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「CEATEC JAPAN 2009」のロボットたち

〜今年はロボット出展も少なめ


「HRP-4C」が歌う「ライフコンテンツフロンティア」ブース

 10月6日(火)〜10日(土)までの日程で、アジア最大規模のIT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC JAPAN 2009」が幕張メッセで開催されている。コスプレしてヤマハ「VOCALOID」で歌う産総研「HRP-4C 未夢」、日産による群れで動く移動ロボット「EPORO」、今年も人気の村田製作所「ムラタセイコ」と「ムラタセイサク君」など、ロボットを中心にしたブースについては既報のとおり。この記事では他のロボット関連展示をまとめてご紹介する。ただ今年はそもそも全体の出展社数が前年比7割ということもあり、昨年一昨年に比べると少なめの印象だった。

iRobot社と総販売代理店セールスオンデマンド株式会社

 まずは家庭用掃除ロボット「Roomba(ルンバ)」で知られるiRobot社とその日本の総販売代理店セールスオンデマンド株式会社のブースから紹介しよう。人工知能「AWARE」で掃除する「ルンバ」は本誌読者のみならず最近はあちこちで見かけるのでお馴染みだろうが、今回のブースでは日本未発売のフロア洗浄ロボット「Scooba(スクーバ)」、雨どい掃除ロボット「Looj(ルージ)」、そしてプール掃除ロボット「Verro(ベロ)」なども合わせて展示されていた。
iRobot社とセールスオンデマンド株式会社のブース ルンバ AWAREをプッシュ
Scooba。クリーニング液を使ったモップがけなどを行なう Looj。雨樋に置いて掃除させるロボット。 Verro。水中のゴミや落ち葉を除去、プールの床をブラシで掃除する

KDDIブース

 KDDIブースでは同社が今年9月に発表したコンセプトモデル「Polaris(ポラリス)」が出展されている。デザイナー松井龍哉氏のフラワー・ロボティクス社をパートナーに開発したコンセプトモデルで、携帯電話をライフログ取得端末とし、普段は球体型でパカッと上が開くロボットに携帯電話を載せると、蓄積したユーザーのデータを分析して、ユーザーにアドバイスを提供するというもの。充電も行なう。ロボットと携帯電話は実際にはBluetoothで接続されているので置かなくても両者間の通信は成立する。具体的な販売価格や販売形態などについては未定だ。

KDDIのブース Poralis 【動画】「Poralis」の動き

HRP-4Cだけじゃない「ライフコンテンツフロンティア」

ライフコンテンツフロンティア

 また、ヤマハ・産総研のブースで行なわれているのは「HRP-4C」の歌だけではない。実はここは「ライフコンテンツフロンティア」という名前の、経済産業省で策定されたコンテンツ技術分野の技術戦略マップ事業と連携したブースの一部なのだ。さまざまなシーンの中でコンテンツや技術が果たす役割を、さまざまな事業者が持ち寄って提案するというコンセプトで創られている。初日には増子輝彦 経済産業副大臣も訪れた。

 まず目立つのは「頓知・」によるAR技術「セカイカメラ」関連だが、他にもヤマハのネットワークに接続したピアノ「Disklavier(ディスクラビア)」を使って、新たな音楽の楽しみ方が提案されていた。たとえば自分の子供が演奏した楽曲データをサーバに自動蓄積したり、遠隔からデータを送って生の楽器で再生したりすることができる。また、iPhoneのような携帯端末を使うことで、演奏ができない人でも楽器を鳴らすことができるという提案が行なわれていた。

 「HRP-4C」による歌声も、その枠組みの一つで、HRP-4Cが歌っている(正確にいうと、合成された歌声に同期して動いている)ときも、ディスクラビアによる自動演奏も同期して再生されていた。「HRP-4C」を使ったデモに関してはヤマハの剣持氏によるステージでの解説の動画で丸ごと記事にアップしているので合わせてご覧頂きたい。自動演奏できる楽器も考えてみればロボットのようなものである。
セカイカメラ。空間にエアタグを張るAR技術 楽器演奏時に動画、同期信号、MIDIと時間信号を取ることで動画データと同期させた演奏再生などがデモされた iPhoneを使って本物の楽器を演奏することも
演奏を「セカイカメラ」のタグにして時間を超える ピアノ(あるいはネットワーク上のサーバ)が演奏を覚えることができれば時を超えた演奏再生が可能に ヤマハ「Disklavier(ディスクラビア)」
歌声合成とロボットのモーション、そして楽器による伴奏の同期 デモシステム概要 経済産業副大臣 増子輝彦氏らに解説するヤマハの大島治氏

 なお歌声合成エンジン「VOCALOID」の今後の展開やロボットでの応用について、ごく簡単にだがヤマハの剣持氏にお考えを聞いた。以下、プチインタビューをお届けする。

ヤマハ株式会社サウンドテクノロジー開発センター 剣持秀紀氏。「VOCALOID」の開発者。

――ボーカロイドの今後の展開について教えてください。

【剣持氏】「出音」自体をもっと良くしていかないといけないと思います。ただ「よりリアルに」といってもいろんな切り口があります。合成エンジン自体の問題であったり、データベースであったり、いろんな問題があります。それらをしらみつぶしにやっていかないといけないと思ってます。

 あとは「歌いまわし」の部分ですね。たとえば産総研さんだと後藤先生のグループによる歌声合成の研究があります。あの歌い方は非常にリアルです。「歌いまわし」の部分がやはり違うんです。そこを改良しないといけない。具体的にどうするかは今は申し上げられませんが、そういったところも進めていきます。「もっとリアルに」ということを考えたら重要だと思いますので。

 また、今はリアルな歌声を作っていくにはかなり面倒な作業が必要ですが、誰でもできるように、もっと簡単に操作できるようにならないかと思ってます。でも、やっぱり第一は音質ですね。音質の向上を目指したいです。

 そのいっぽうで、現在はバックグランドでPCが動いていますが、そうではなくて、組み込みボードのような形にできないかと考えています。そうなればロボットなどにも入れやすくなると思います。もちろん口の動きの部分の情報などはどこからか持ってこなければなりませんが。

――ロボットのような実体を持ったキャラクター用に何かを作るということはありえるのでしょうか? たとえばHRP-4Cのようなロボットですと、「この顔」を見たときに想像される声のようなものが、見た人の心の中に漠然とあるようです。今回の声はあまり合ってないのではという意見もありました。確かにそういう面もあるかと思います。どう思われますか?

【剣持氏】なるほど。HRP-4Cは日本人女性の標準的な体型に合わせて作られていると聞いていますので、もしかしたらそれに合うような声があるのかもしれません。でも、それを弊社が作るかどうかはまた別の話だと思います。

――あくまでヤマハとしては汎用のエンジンの開発を行なうということですね。

【剣持氏】はい、エンジンですね。あとは、なかなか難しいことなんですが、「だみ声」っぽい声が出せないかと考えています。アクセントや、パンチを与えるときにはそういう歌い方がありますので。今のボーカロイドはその辺を苦手としてますので、何とかしたいと思っています。まとめると、音質改良と表現力の向上を狙っていきたいと思ってます。

――ありがとうございました。

クリプトン・フューチャーメディアやインターネットからVOCALOIDをライセンスした歌声合成ソフトウェアが発売されている HRP-4Cの顔は産総研女性職員の平均顔をベースにしている 今後の共同研究については未定

 同じ「ライフコンテンツフロンティア」ブースのヤマハコーナーの裏側では、ルンバが床で動いている。こちらは東京大学五十嵐准教授が統括する「JST ERATO 五十嵐デザインインタフェースプロジェクト」による展示。家庭のなかで掃除ロボットを、天井に設置したカメラとカードとを使って簡単にプログラミングする手法や、テーブルに見立てたタッチテーブルでの家電操作、チップ付きのピンを使った任意の家電操作などが提案されていた。また、このブース近くにあるCEATEC10周年の軌跡を振り返ったコーナーにも、ヤマハによるフレキシブルスピーカが出展されている。

東京大学五十嵐研究室「Magic Cards」 ロボット操作のためのカード型作業内容指示インターフェイス CRISTAL。テーブル内に埋め込んだディスプレイによる家電操作インターフェイス
Push-pins ピン型タグによるスマートホーム向けプログラミングインターフェイス フレキシブルスピーカーを使ったCEATECの歴史解説コーナー。

組み込み教材としてのロボット

 神戸にある株式会社ナノコネクトのブースの床では、小型の二足歩行ロボットがリモコン操作で歩き回っていた。同社が展開する組み込み技術者教育カリキュラムの教材例で、中身は大阪のロボットベンチャー・ヴイストン社製だ。同社のサイトではandroidロボットリモコンアプリケーション「ドロコン」の配信も行なっている。今後の展開については未定だが近日にリリースされるという。

 また、ビジネスデザイン研究所もブースを構えて、同社が展開するお馴染みのロボットたちを出展していた。

ナノコネクトの教材用ロボット 【動画】ロボットを制作したのはヴイストン ビジネスデザイン研究所ブース

部品メーカーも面白い

 村田製作所ブースも、もちろんムラタセイサク君だけ展示しているわけではない。ロータリーポジションセンサーや磁気スイッチ、焦電型赤外線センサーなど各種センサー類などがデモを交えて展示されていた。ROHMのブースではジャイロや加速度センサーなどが出展されているのでロボット関係者はこちらも必見だろう。また沖電気のブースでは画像認識技術を使った白線認識や、ジェスチャーインターフェイスへの適用例などがデモされていた。

村田製作所ブース。「センサー+アルゴリズム」がウリ
ROHMブース
沖電気ブース 【動画】画像認識によるジェチャーインターフェイスの例

 このほか、昨年同様にTyco Electronics社ブースではリニアモーターカーを使ったデモが行なわれていた。抽選で乗れるそうなので興味がある方はチャレンジしてみると良いのではないだろうか。また、会場ほぼ中央には、地方のブースがまとめられているゾーンがある。そこでは函館工業高等専門学校がイカ人形などを出展していた。ロボットとは言えないがいちおうゆっくり動く。

Tyco Electronics社ブース 抽選で乗れるリニアモーターカー 【動画】ゆっくりと動くリニアモーターカー
函館工業高等専門学校 函館はイカでPR


(森山和道)

2009/10/8 15:40

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