9月30日(火)~10月5日(日)の日程で開催されているCEATEC JAPAN 2008では、既報のとおりさまざまなロボットの展示がされているが、会場ではほかにもさまざまなロボットが展示されている。今回はそうしたロボットたちを紹介していこう。
● ビジネスデザイン研究所
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ビジネスデザイン研究所のブース
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ビジネスデザイン研究所のブースでは、パソコンのようなロボット(あるいはロボットのようなパソコン)である「PoCoBoT」ほか、これまでのイベントでもお馴染みのロボットが出展されていた。同社が輸入販売している恐竜の子供ロボット「PLEO」は、愛らしい動きで多くの来場者たちを和ませていた。今回のCEATECで、これだけロボットを押し出して出展している会社は他にない。
また、インターネットに接続できるロボット「Nabaztag」を参考出展。うさぎのようなこのロボットは、光る、話す、耳が動くといった基本機能に加え、音声認識機能を持つ。無線LAN環境下では電源を入れると自動的にニュースや天気予報情報を取ってきて読み上げてくれる機能もある。まだ発売は未定とのことだ。
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PLEOはどのイベントでも人気者
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PoCoBoT
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メガドロイドTypeC3
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「Nabaztag」
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光って耳が動く。足はない
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商品化は未定だという
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● 太陽誘電
太陽誘電は、ホビーロボットの「ROBONOVA」を使ったデモンストレーションを今年も行なっている。一般来場者2人でROBONOVAを操縦してボーリングを行なって競うというものだ。体験希望者は頭に「ミッションパネル」をかぶり、そのパネルをカメラ画像から読み取って指定された色のボールをロボットで取って投げる。
ロボットはボールを取ったあとに180度向きを変えなければならないのだが、馴れないロボットの操縦に四苦八苦していた人も少なくなかった。
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太陽誘電のブース
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ROBONOVAを使ったボーリングゲーム
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コントローラでロボットを操縦
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● NEC
NECのブースでは国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」のロボットアーム操作を擬似的に体験できるコーナーがある。宇宙ステーションのロボットアームは10mと大きなものだが、秒速わずか6cmという超スローで、あきれるほどゆっくりとしか動かない。そのイライラ感もそのまま体験できる。ロボットアームはエンドエフェクタも含めてNEC製とのことだ。
また、海底ケーブルやケーブル式海底地震観測システムも展示されている。滅多に見られないものだけに大変興味深い。
なお、NECのロボット「PaPeRo」の姿はNECブースにはないが、DLNAのブースにPaPeRoが1体置かれている。DLNAの技術を使ってPaPeRoが撮影した画像をテレビに送るというデモを行なっていた。
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NECブース
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ゲームパッドを使ってロボットアームを操作
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【動画】秒速6cmなので、この縮尺だとほとんど動いているように見えない
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ISSのロボットアーム
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ISSの「きぼう」実験棟の模型
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海底ケーブルとケーブル式海底地震観測システム
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DLNAブース
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家電と並ぶPaPeRo
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DLNAをアピール
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● シチズン
シチズンは日本遠隔制御(JR)のホビーロボットをマイクロモータの活用例として展示している。
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シチズンのマイクロモータ・コーナー
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JRのホビーロボットを活用例としてアピール
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使われているモータは「SCR174」
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● Tyco Electronics
Tyco Electronicsのブースには「Nanonics DUALOBE」というコネクタが展示されている。火星ローバーに搭載されたコネクタとのことだ。そのほか、ミサイルなどに使われている堅牢なものだという。
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Tyco Electronicsのブース
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Nanonics DUALOBE
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小型で信頼性の高いコネクタ
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● Panasonic
社名を松下電器から変更したばかりのPanasonicは、将来のテレビあるいはテレビを活用した技術シーンの提案を行なっていた。そのなかで筆者の興味をひいたのは「空間ハンドジェスチャー」。トム・クルーズ主演の映画のように、テレビの前でジェスチャーをすることで画面上のオブジェクトを操作する。単に手の部分を認識するだけではなく、距離もある程度認識できるので、手を前後させるアクションも操作に使える。
まだまだ技術的にもこなれておらず操作も見た目ほど直感的ではない。だが馴れてくるとだんだん操作できるようになってくる。すべてが今のリモコンに置き換わるとは思わないが、将来的には、ある程度は似た技術が導入されることになるのかもしれない。
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Panasonic「空間ハンドジェスチャー」
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大画面を操作するためのインターフェイスの提案
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【動画】ためしにやってみた。なかなか面白い
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● 「NICTスーパーイベント2008」が開催中
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NICTブース
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独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は会場内で「スーパーイベント2008」を開催している。講演なども予定されているが、ブースでは、先端的なナノバイオ技術や情報通信関連技術が多数展示されている。そのなかからロボットやロボットのアプリケーションと関連があるものをご紹介する。
ATRからは音声認識翻訳サービスシステムのほか、「視線検出技術を使ったロボット看板」が出展されている。人の顔を認識して目を探し、人が看板のどこを見ているかをシステムが認識して、IPロボットフォンを使ったロボットから助けとなるような音声を出力する。プロジェクター等を使って、注目すべきポイントにスポットライトなどをあてることもできる。今年1月末に、ユニバーサル・シティウォーク大阪にあるホテル近鉄ユニバーサル・シティで実証実験を行なったものだ。本誌でもレポートしているので詳細はそちらをご覧頂きたい。
三菱プレシジョンからは「ネットワーク型VR手術手技教育訓練システム」が実際に体験できる形で出展されている。力覚を呈示するハプティックデバイスを使って、実際に内視鏡手術で剥離手術などをするときの感触を再現できるというもの。実際にやってみると、組織を剥離する時のブチブチという感触をリアルに感じることができた。また内視鏡を使った手術がかなりの訓練を要する手技であることがすぐに分かる。
システムは「生体モデルデータ生成システム」と「手術シミュレータ本体」から成る。生体モデルデータ生成はCTやMRI画像から半自動的にボクセルデータを作り、さらに3次元の有限要素データを生成する。手術シミュレータは計算をPCクラスタで行なっている。横浜市立大学と理研と共同研究している。
日本電子工業からは介護支援用「見守り犬」が出展されている。ぬいぐるみの犬のなかにはマイクとスピーカが仕込まれていて緊急時の呼び出しボタンで、バイタルをモニターしている介護センター側と会話ができる。
グーテックからは、赤外線センサーを使った次世代行動判別システムが出展されている。カメラや人感センサは一長一短ある。このシステムではニューラルネットワークと時系列解析を組み込んだデータマイニングシステムと組み合わせることで、既存の人感センサーと同じ赤外線センサーで、監視対象の状況を把握することができるという。
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視線検出技術を使ったロボット看板
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ロボットにはIPロボットフォンが使われている
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【動画】ロボットの動き
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「ネットワーク型VR手術手技教育訓練システム」の模擬術具
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見守り犬
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赤外線センサーを使った次世代行動判別システム
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● アジアのロボット
CEATECはアジア最大級の展示会である。当然、香港、韓国などからもブースが出展されており、そのなかにはロボットの姿もある。画像で紹介する。
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3C TAE YANGブース
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犬型ロボット「DASA Robot」
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3C TAE YANG社のコネクタが使われている例として紹介されていた
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■URL
CEATEC JAPAN 2008
http://www.ceatec.com/2008/ja/
■ 関連記事
・ ガードロボ、ムラタセイサク君、マイクロロボットなど ~「CEATEC JAPAN 2007」のロボットたち(2007/10/03)
( 森山和道 )
2008/10/01 19:55
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