「危機管理産業展2009」レポート
~東京消防庁の新型「ロボキュー」や警察庁/警視庁の「爆処理I型」などが公開
21日から23日まで、東京ビッグサイトで「危機管理産業展2009」が開催された。警察庁・警視庁の爆発物処理訓練、東京消防庁の救助ロボットのデモンストレーションや展示が行なわれたので、その模様をお届けする。
●東京消防庁・救助ロボットの救助デモンストレーション
東京消防庁の2代目「ロボキュー」による救助デモンストレーションの様子 |
東京消防庁は複数の消防・救助車両を出展したが、注目はなんといっても、今年の3月に完成し、7月31日から正式運用が開始された(正確には初代から更新された)ばかりという新型の救出ロボットの2代目「ロボキュー」だろう。渋谷区、世田谷区、目黒区を担当する第三消防方面本部消防救助機動隊所属で、今回が一般への初公開ということだ。
ロボキューは、救助隊員が接近困難な災害現状における救助活動能力の向上を図るべく開発されている。2008年の出初式を取材した際に拝見したロボキューは初代で、平成6年度(1994年)から運用されてきた機体。初代は黄色く塗装されたボディだったが、2代目は消防らしく赤く塗装され、全体的な作りも当たり前だが新型感が漂っている。スペックは以下の通り。カッコ内は従来機のスペックである。
全長:1,900mm(3,980mm)
全幅:1,200mm(1,740mm)
全高:1,600mm(1,890mm)
総重量:1,500kg(3,860kg)
操作方式および操作範囲:無線/50m、有線/100m(有線のみ)
動力源:バッテリ+モータ(ディーゼルエンジン)
アームの持ち上げる能力(ハンド部の挟み込む力):20~50kg
移動速度:時速1~4km/h
最大登坂能力:28度
稼働時間:約2時間
カメラ搭載数:6
開発:菊池製作所
スペックをご覧いただければすぐにわかると思うが、非常にコンパクトかつ軽量化されたのが特徴。なおかつ、バッテリを利用した電動車両となっており、エコ的でもある。クローラ駆動で、2本のマニピュレータを備え、車体中央に要救助者を収納できるという構成は初代から引き継いでいる。ただし、初代はマニピュレータで救助する仕組みだったのに対し、今回は地面まで降ろされたベルトコンベアが要救助者をそのまま巻き上げるようにして収納する。
なお、収容した要救助者の収納ベルトコンベアにはエアバッグが備えられ、さらに新鮮な空気を供給できるほか、カメラで様態を観察したり、マイクを通して要救助者に操作員が話しかけたりすることも可能だ。ちなみに現在のところは実際の出動はないという。おそらく必要であれば第三方面の3区以外にも、東京消防庁の管轄であれば出動するであろうし、もしかしたら全国規模でも要請があれば出動するかも知れない、と操縦されていた消防士の方の話である。今回のデモは、まず危険物を除去、続いて要救助者に見立てたダミー人形を収納して救出という流れだ。
新型ロボキュー。先代と比べると非常にコンパクトになった | ロボキューを正面から | ロボキューを真横から |
ロボキューを斜め後ろから | ロボキューの正面、カメラとサーモグラフ | ロボットアーム操作用の左右の補助カメラ |
ベルトコンベアを展開したところ | 【動画】ロボキューが危険物に接近する様子 | 【動画】ロボキューが危険物をつかんで除去するところ |
【動画】続いて、要救助者に接近 | 【動画】要救助者を車体内に収容する様子 |
操作台は5つのモニタと、各種スイッチ、そして左右のアームをそれぞれ操作するためのマスタースレーブ方式の操縦桿、左右のクローラ操作用の操縦桿、同じく左右のクローラを操作できるペダル(両手でロボットアームを操作している場合はペダル操作で移動する)という構成だ。5つのモニタは、メインカメラ、左右のアーム操作用のサブカメラの映像に加え、サーモグラフィ(左下)、状態表示(右下)という内容だ。サーモグラフィの部分には、内部に収納した要救助者の顔色をうかがえる内部カメラ、さらに後方用カメラの映像を切り替えて映し出せる。
操作台 | 外側の2本の操縦桿がクローラ操作用で、中央の2本がアーム操作用の操縦桿 | モニタの様子 |
モニタの左の下側はサーモグラフィ | 足下のペダル | 黄色い装置が、操縦台が故障した際のバックアップの操縦用コントローラ |
運転台の電源ユニット | 【動画】マスタースレーブ式のアーム用の操縦桿を動かすところと、アームの動作の様子 |
●警察庁/警視庁の爆発物処理対策班によるデモ
対テロ訓練も実施しているという警察庁/警視庁の爆発物処理対策班によるデモも実施された。そこで登場したのが、「爆処理I型」と呼ばれる特殊車両だ。1人乗りの建機の一種のような形状だが、全身青に塗られていて、いかにもタダの車両ではない雰囲気を漂わせている。爆発(容疑)物をつかみ取り、別の爆発物処理・運搬用の特殊車両に搭載されている、爆発の衝撃を周囲に及ぼさないドラム缶状の特殊な対爆処理を施した容器に入れるのが任務だ。
爆処理I型の特徴は、象の鼻のように長く伸びた1本のロボットアーム。万が一の時に極力隊員に被害が及ばないよう、できるだけ遠くから爆発物をつかめるように工夫されているというわけだ。運転している隊員を守るため、正面は強固な装甲がある。
スペックなどは警察の特殊車両ということで公開されていないため、どれぐらいの重さの物を持ち上げられるのか、どれぐらいの速度で走れるのか、メーカーはどこかといったことは確認できなかった。なお余談だが、「爆処理II型」という車両も存在するそうである。
「爆処理I型」の勇姿 | 運転手ののぞき窓。前方視界は安全のためにこれだけしかない。たぶん、強化ガラスやプラスチック製のはず | 爆処理I型を正面から |
爆処理I型のロボットアーム | ロボットアーム先端 | 【動画】爆処理I型が爆発容疑物に接近する様子 |
【動画】爆処理I型が爆発容疑物をつかむ様子 | 【動画】最後に爆発容疑物運搬用の特殊車両に積み込む様子 |
●NICTとIRSの共同ブースでは新型レスキューロボットなどを展示
独立行政法人情報通信研究機構(NICT)と国際レスキューシステム研究機構(IRS)が共同ブースでは、新型のレスキューロボットが出展された。
IRSブースは、実際には東北大学大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 人間-ロボット情報学分野の教授である田所論氏と准教授の昆陽雅司氏の共同研究室による出展である。すでに本誌でも紹介済みだが(過去の記事はこちら、首都圏の展示会では初披露というのが「UMRS-2009」(Utility Mobile Robot for Search)。4つのフリッパーをつけたクローラ型のロボットだ。長めのフリッパーをすべて立て、まるで4本足のようにしての走行も可能だ。
UMRS。3次元曲面で構成されたデザインではないけど、青いボディなので、タチコマに通じる気がする? | 【動画】普通にはいつくばった状態での走行の様子 | 【動画】そして立ち上がっての走行 |
そのほかIRSの展示としては、2008年の今年のロボット大賞で「公共・フロンティアロボット部門」を受賞した同じく田所・昆陽研究室で開発された「能動スコープカメラ」もデモを実施。ウネウネと繊毛運動によって推進力を得る仕組みだが、記者は動作しているのを触らせてもらったのは初めてで、ぶいーんと気持ちよくて、凝ってる肩とか首回りに当ててもらいたい感じだった(笑)。
能動スコープカメラの先端。5mもしくは8mの長さがある | こちらが操縦装置 |
そしてNICTが展示していたのが、レスキュー&サーチロボットとしては有名な「Kenaf」の通信機能強化タイプ。2.4GHzおよび5GHzアンテナを搭載し、2つの周波数を利用した切れにくい通信=「コグニティブ無線」を目指した冗長構成となっている。また、複数の無線を束ねてより早い通信を実現する「マルチビーム技術」、電波の飛ぶ方向を変えて通信をつながりやすくする「指向性可変アンテナ」という特徴もある。アンテナのてっぺんまでは約1mと結構高いので、がれきの下をくぐる時は引っかかりそうだが、根元で曲がる仕組みになっているので、そこら辺は考慮済みだ。
そのほか、NICTでは複数のアドホック通信機能を持ったレスキュー&サーチロボットが構築したネットワークを活用して、現場の隊員の見ている映像を後方の指揮官のために送信する仕組みも展示。谷沢製作所が開発して販売中の、カメラおよび通話機能を搭載したITヘルメット「Uメット」を活用したもので、従来は現場の隊員の周辺状況は、隊員が口頭で報告する以外なかったが、見せたいものの方向に向くだけで、その映像を送れるというわけだ。ネットワークは、地震のような大規模で広域に及ぶ災害現場の場合、日常利用されているシステムは寸断されてしまう可能性があるが、ロボットたちが中継器を設置したり、ロボット自身がアドホック通信機能で中継器の役目を果たしたりするため、現場で緊急のネットワークを構築でき、それを利用できるという仕組みだ。
Kenaf通信機能強化タイプ。左の上部が細いアンテナが2.4GHz用で、右の太めものが5GHz用 | Uメットは通話機能に加えて、ヘルメット正面にカメラがあり、取材する時も使えそう(笑) |
また、ロボットではないが、マクセルが開発中の「ポータブル型燃料電池」も参考展示されていた。水とアルミニウム(粉末状)の化学反応によって水素を発生させて発電する仕組みなのがポイント。電池の類だとどうしても長期間そのままにしておくと劣化してしまうが、同燃料電池は水を用意する必要はあるが、固形物なので劣化する心配がなく、非常用電源として長期間しまい込んでいてもいざという時にちゃんと機能するようになっている。
ポータブル型燃料電池 | 朝から夕方までずーっとバッテリライトの電源は入れっぱなしだそうだ |
●新型クローラ型ロボット「Anie S-90 フリッパータイプ」を展示したトピー工業
クローラ型ロボットを複数販売しているトピー工業は、新型機種として、既に発売中の全長40cmクラス級の床下点検用の「Anie(エニー) S-90」のフリッパータイプを披露した。多目的用としている。最大の特徴はメインのクローラ後方にフリッパーを設けたこと。これにより、あまり得意ではなかった階段昇降もこなせるようになった。横幅を広げてロボット上面を広くフラットにした結果、軽量物の搭載がよりしやすくなった。また、上面にはイーサネットの端子も用意してあり、ネットワーク系の機器を接続しやすくなっている。
「Anie S-90 フリッパータイプ」。アクシス製カメラがアーマードトルーパー風味でカッコよい | 別角度から。上面が広くなっており、物を搭載しやすくなった | 上面に用意されたイーサネットの端子 |
それから、全長100cmクラス級の探査用「T-01」に、大型アームを取り付けた、「T-01 アームタイプ1」(仮)も展示。本体を完全に上回る大きなアームを搭載しているのだが、安定的には問題ないようで、がれきの除去などでの使用を考えているという話であった。また、これはあくまでもまだ試作ということで、製品化する際はもっとアームの外見をスッキリとしたデザインにするということである。また、アームが操作しやすいように、必ずモニタの映像内に先端が映るよう、アームを動かすとカメラもそれに同期して動く仕組みだ。
「T-01 アームタイプ1」。本体に対してかなり大型のアームが装備されている | 後方から。運転席のない小型のクレーン車のようなイメージ | アーム部の基部 |
アームの先端。フック状になっている | 【動画】アーム先端を持ち上げる様子 | 【動画】アームを旋回させる様子。本体のカメラが同期して追いかけているのがわかる |
【動画】アーム先端のフックは回転する仕組み |
●米国で導入されている探査用ロボットやアームを出展したリバスト
国内外のロボット系企業の代理店であるリバストは、加INUKTUN社、米MobileRobots社、スイスNeuronics社などのロボット関連製品を展示した。
アメリカでも利用されているというINUKTUN製の探査用ロボットが、「MICRO BGTV」と「MICRO BGTV XTREME」だ。姿勢を変化させられる機構を搭載したクローラ型のロボットで、前者は平らになった低姿勢時が全長317mm×全幅165mm×高さ65mmで、身体を起こした高姿勢時だと全長190mm×全幅165mm×高さ254mmとなる。後者は低姿勢時が全長427mm×全幅277mm×高さ140mmで、高姿勢時が全長216mm×全幅277mm×高さ343mmとなっている。重量はどちらも6.2kgで、速度は前者が最大毎分5m、後者が最大毎分27m。前者は、911テロの時にも利用されたそうである。
INUKTUN製「MICRO BGTV」。結構かわいい | 【動画】変形とその動く様子。狭いところも余裕で入っていける | 【動画】変形して背を高くした状態での移動の様子 |
INUKTUN製「MICRO BGTV XTREME」。MICRO BGTVの兄貴分という感じだが、重量は一緒 | 【動画】かなりシャカシャカと動くのがわかる | 【動画】変形シーン。背を起こした状態から平べったい状態に |
コントローラもコンパクト |
複数のメーカーのロボット製品を、顧客の用途に合わせて組み合わせて販売しているのも同社の特徴で、MobileRobots製のプラットフォーム型移動ロボットに、Neuronics製ロボットアームを組み合わせたロボットもいくつか見られた。プラットフォームの方は4輪型の全地形万能型ロボット「Pioneer3AT」やその3輪車仕様の知能機動型「Pioneer3DX」などで、アームの方は「KATANA」など。この日は複数のロボットがにぎやかに動き回っていた。
MobileRobots製「Pioneer3AT」+Neuronics製「KATANA」の組み合わせ | 【動画】KATANAの動作する様子 | 3輪仕様の「Pioneer3DX」 |
●複数のクローラ型ロボットをラインナップしている三菱電機特機システム
宇宙から防衛産業まで、さまざまな重工業製品を手がけている三菱重工。その系列会社のひとつである三菱電機特機システムは、新製品を2種類含めた複数のクローラロボット「CWD(Crawler Wheel Drive)方式クローラロボット」シリーズの出展を行なった。
今回の新型のひとつは、上下水道などの人が入れないようなサイズのパイプなどの設備点検などを目的とした小型軽量でなおかつ廉価な「CWD LP」。サイズは長さ355mm×幅280mm×高さ225mm、重さは約10kg。カメラはパン・チルト機能を備えている上に、レーザ測距機能も搭載。拡大能力に優れ、0.5mmのシャーペンの芯よりも細いぐらいのヒビも容易に発見できるという能力を持つ。平地での移動速度は時速4km、乗り越え可能段差は約50mm、平地での連続走行可能時間は1.5時間以上となっている。登坂可能斜度は45度。デザインに凝っているのも同シリーズの特徴で、リアの雰囲気はイタリアのスーパーカーにも通じるような感じなのが特徴だ。防水・防塵性能はIP54(全方位からの水しぶきによる有害な影響を受けないレベルと、粉塵の内部侵入を防止し、若干の侵入があったとしても正常な運転を阻害しないレベル)。また、無線LANで操作する方式だ。
LED照明も搭載しており、暗闇でも視界を確保できる | リアビュー。結構カッコいい | 【動画】パイプの中に侵入して壁面のヒビ割れをチェックするデモ。本来の画質はもっときれい |
もう1台の新型が、5種類のラインナップの中で最高級機となる「CWD WAC」。後ろのホイール側にフリッパー(同社では「アクティブサブクローラ」と呼んでいる)を備えており、登坂能力が優れている上に、転倒復帰機能も備えたタイプである。サイズは長さ490mm×幅450mm×高さ165mm(フリッパーを折りたたんだ状態で)、重さは約20kg。こちらも速さは時速4kmで登坂可能斜度は45度だ。乗り越え可能段差は約250mmとなっている。最大積載重量は約30kgで、さまざまなオプションを搭載可能だ。IPは67相当(規定の圧力および時間内で水中に浸かっても有害な影響を受けないレベルと、粉塵が内部に侵入しないレベル)
シリーズ最高級機の「CWD WAC」。積載装備は、上部ユニットを交換するだけの手軽な機構を採用 | CWD WACの色違いバージョン(後方から) |
【動画】WACによる階段登坂の様子 | 【動画】WACによる転倒復帰の様子。約20kgあり、ズシンと迫力があった |
従来から発売されている3機種のうち、階段昇降タイプの「STR」と、標準タイプの「STD」によるデモもいくつか行なわれた。STRはあらかじめ可燃性ガス検知器やガンマ線検知器、カメラなどのオプションを備えた消防用の検知ロボット「FRIGO-M」という形で展示。また、STRの防水のデモもあった。STDは車輪付きの担架を連結した負傷者・病人などの移送用途のオプションを用意したバージョンでのデモを行なった。
「STR」ベースの「FRIGO-M」 | 【動画】FRIGO-Mの特別版による防水デモの様子 | 標準型の「STD」。このほかにも中型の「MID」という機種もラインナップされている |
【動画】STDによる成人男性を乗せた車輪着き担架の牽引の様子 | コントローラ。ケース型で持ち運びが楽 | こちらはノートPCを利用したコントローラ。操縦自体はゲーム用コントローラを利用する形だ |
●そのほか面白かった展示品など
また今回の展示で珍しいところでは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の多目的実験用ヘリコプター「MuPAL-ε」があった。MuPALとはMulti-Purpose Aviation Laboratoryの略。航空機の航法、誘導、制御技術、ヒューマンファクタなどに関する研究、航空機搭載用機器の運用評価などを行なうため、純国産の三菱製ヘリコプター「MH2000A」をベースに改造し、2000年3月に完成した機体だ。
ディファレンシャルGPSと慣性航法装置の複合システム(DGPS/INS)や、ホバリング状態でも正確に機能する超音波対気速度計など、各種センサーを搭載し、機体の飛行状態を高精度に計測することが可能となっている。そのほか、研究者が表示内容を自由にプログラムできる実験用ディスプレイがコクピットの計器板に装備されていたり、外視界を記録するためのビデオカメラなども搭載されていたりするのが特徴。MuPAL-εの操縦系統は機械式リンケージだが、自動飛行制御装置(AFCS)のソフトウェアの変更により、限定的ではあるが可変安定機能も実現している。
MuPAL-ε | MuPAL-εを横から見たところ |
なんとなくテクノロジー好きでなおかつ特殊部隊好きだったりすると、「男の憧れ」と感じてしまうのがナイトビジョンゴーグル。今回はそうした製品を扱っている企業も複数出展しており、阪神交易もそのひとつだ。「ナイトビジョン ゴーグルCGR」という製品を出展。ナイトビジョンゴーグルの専門メーカーの米ATN社製品で、同社は軍事用途の製品も作っているメーカーなのでさぞかし高価なのかと思いきや、同製品は13万5,000円。手を出せない値段ではない(普通の人に用はないけど)。
そのほか、携帯型距離測定器なども展示していた。片手で持てるサイズで、こちらもさぞかし高いのかと思いきや、安価な製品だと定価でも5万円を切るぐらい。最近の製品だと、中には三角測量を用いて、目標物までの直線距離だけではなく、目標物の高さまで算出してくれたりするらしい。このクラスは先のナイトビジョン ゴーグルCGRよりもわずかだが高いくらいだそうだ。
男の憧れ「ナイトビジョン ゴーグルCGR」。ゴーグルは上に上げられ、目視も簡単に行なえる | 米ブッシュネル社製携帯型距離測定器ライトスピード トロフィー」。かなり安めで、5万8,000円 |
最後は、それこそロボットとは関係ないのだが、なんか先進的な感じがしたので、思わず紹介。まるでテクスチャーの貼られていない初期の3Dの格闘ゲームやレースゲームのような、ポリゴンチックなカクカク感がいい味を出しているイエローの「KAKUMET」である。デザイン的な面だけでなく、積み重ねやすいというのも特徴だし、物が実際にヘルメットに当たった際、衝撃が角ごとに減衰していく構造だそうで、従来の丸いヘルメットよりも衝撃がすくないという。内部に衝撃吸収ライナーの入った若干高額のBタイプでも3,150円なので、我が家でも買ってしまおうかというナイスなヘルメットであった。
KAKUMET。ポリゴンのような感じである | KAKUMETを後方から |
ちなみに同社では、もっと収納にスペースを取らない、防空ずきんのヘルメット版というイメージの「タタメット」も発売中。ヘルメットとしてちゃんと機能するのか不安と思うかも知れないが、厚生労働省保護帽規格「飛来・落下物用」合格品ということなので、問題なし。こちらは安価なタイプで4,515円となっている。
タタメット。ヘルメットの常識をぶっ壊したといっていい一品 | たたむとこんなに薄っぺらくなってしまう。逆にどこかへ行ってしまいそうなほどだ |
2009/10/29 21:54