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ノモケンの「素組でロボット」
バンダイ 1/100スケール MG「RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」(その2)

劇中イメージを重視した最新解釈の“ガンダム”、その構造を見る
Reported by 野本憲一

 このコーナーは「ロボットのプラモデル」を組み立てて、その姿やギミックを中心に紹介していく。作り方は、塗装などをせず、あえてキットのまま組み立てていく“素組(すぐみ)”に限定。ここでは模型としての仕上がりを高めるよりも、キットを手早く楽しむことを優先させるのだ。

 最近のキットは、成型色(パーツの素材色)だけでもかなり色分けされていて、無塗装でも見栄えのする姿に仕上がるものも多い。また、塗装の剥がれを気にせずに動かして遊ぶこともできるのもメリットだ。購入した模型を貯め込まずドンドン組むためにも、レッツ素組!




 1979年より放送されたTVアニメ「機動戦士ガンダム」。作品に登場する戦闘用ロボット“モビルスーツ”のプラモデル、いわゆる「ガンプラ」は、翌1980年に発売が開始された。以来、さまざまな製品、シリーズが送り出され、30年を迎えようとする現在も尚、キャラクターモデルの中心であり続けている。

 1995年より展開された「MG(マスターグレード)」シリーズ以降、「スナップフィット化」や「多色成形」「合わせ目の目立たないパーツ分割」といったスタイルが定着し、この連載で進める「素組」でも十分な完成度が味わえるようになった。また、外観形状の煮詰めや、可動ギミックの進化も大きい。

 その「MG」シリーズも今や「Ver.2.0」として、各モビルスーツのキットが新規開発されている。

 前回に引き続き、「Ver.2.0」となった「RX-78 ガンダム」を製作し、最新のガンプラの凄さを体験する。今回は腕、脚、武装を組み立て、完成させる。


パッケージ
バンダイホビー事業部 1/100スケール マスターグレードモデル「RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」。価格は4,410円
前回の製作状態
前回は、胴体となる頭部から腰までを製作した。内部には「コアブロック」も収納されている
コアファイター
変形し、ガンダムのコクピットになるコアファイター。これだけでも十分楽しめる仕上がりになっている

腕部

 ガンダムの腕は外観上はシンプルだが、そのままでは可動範囲は広く取れない。二重構造で見た目とは違う位置に関節を設けることで、可動範囲を広げている。


腕部全パーツ
白い外装パーツとグレーの関節フレームパーツ。肩アーマーまでも二重構造になっている
ヒジ関節
ヒジ関節を組んだところ。上腕、前腕フレームの端をヒジブロックパーツで挟み込む。さらに四角いシリンダー状パーツもはめ込む。関節移動に合わせてこれもスライドする
ヒジ関節2
ヒジを伸ばした状態の腕フレーム。側面の丸いモールドとは実際の関節位置が異なる

腕フレームと外装
肩関節やアーマー裏も組んだところで、外装共にフレームはめ込んでいく。外装が各段階で“輪切り”のように分割、成型されている。このおかげで「腕の真ん中に合わせ目がある」といった状態を避けている
外装装着
手首を除いた腕が組み上がった状態
ヒジ曲げ
ヒジ関節はこのように180度折れるように曲げられる。外装の隙間をフレームが埋めることで、見た目も補っている

手首全パーツ
手首は各指の付け根がボールジョイントで可動。さらに親指以外は第二関節でも分割、可動する
手首完成
完成した手首で、指を開いた状態。中指から小指のつながっている部分を切り離せば、独立して動くようにもなる
手首握り
銃を持たせるときにはこのように指を動かす。手のひらの「-」突起が武器を持たせる際のガイドになる

手首の曲げ
手首は腕へ取り付けるボールジョイントの他に、手のひらにも関節があるので、このように返すようにも曲げられる
腕部完成
完成した左右の腕。四角断面の腕に見えるが、実際には緩い曲面で構成されている

脚部

 脚部は形状こそ違うが、関節の構造は腕部と似た仕組みとなっている。


脚部パーツ
股関節、モモからスネまでのパーツ。ヒザ関節には連動して動くシリンダーパーツが付く
ヒザ組み立て
ヒザ関節ブロックはモモ、スネ側のフレームを左右から挟み込む。関節軸が見えるので関節の位置がよく分かる
ヒザ曲げ
ヒザ関節を組み付け、折り曲げたところ。こちらも180度近く曲げられる

脚部フレームと外装
股関節と脚部フレームが組み上がった状態。こちらの外装も合わせ目が目立たないように分割されている
足首全パーツ
左から足底面、内部関節構造、足首上面の外装。つま先やカカトまで可動する構造になっているため、パーツ数は多い
足首フレーム
つま先、土踏まず、カカトまで独立して動くフレーム。上面の大きな丸穴は足首関節のボールを受ける

足首外装
フレームに足底、上面の外装とシリンダー状パーツを取り付ける
足裏面
足首の分割構造がよく分かる裏面。4ブロックに分かれ、それぞれ独立して可動。接地性を高めている
足首関節取り付け
足首関節部を取り付けた状態。側面中央の丸い突起部分に足の甲のアーマーとアキレス腱部分の外装が付く

足首の完成
外装を取り付け完成した足首
フレーム接合
スネフレームと足首関節部を接合、この後に脚部の外装をはめ込んでいく
脚部完成
完成脚部。上端の股関節軸が前よりにオフセットされている点にも注目

脚部可動
ヒザを折り曲げ、つま先を曲げた状態
組み上げたパーツ
前回組み上げた各パーツ。手足の関節軸をしっかり奥まで押し込むようにして、取り付ける
ガンダム完成
完成したガンダム本体。プレーンな外観に密度の高いフレームが内包されている。ポイントとなる可動部分は動画で見ていただこう

【動画】ヒジの可動範囲の大きさと共に、シリンダーが追従している点にも注目 【動画】肩は前に引き出し、さらに上に振り上げることが上に伸ばすことができる 【動画】ヒザの可動範囲と共に、モモが腰外装を動かさなくてもかなり前に出せる

武装

 モビルスーツはさまざまな武装をシーンに合わせて装備するのが特徴。このキットにも各種武装が装備されている。


ビームライフル パーツ
主武装となるビームライフル全パーツ。ここでも“半割”を避け、複雑な分割となっている
ビームライフル完成
完成したビームライフル。両手持ち用のフォアグリップ、スコープ、マウントピンが可動する

スーパーナパーム パーツ
ストーリー初期に登場したスーパーナパームはこのキットで初めてパーツ化された
スーパーナパーム完成
弾倉上部のマウントはビームライフル銃身に取り付けるもの

ハイパーバズーカ パーツ
こちらも主武装であるバズーカ。砲身は前後二分割されている
ハイパーバズーカ完成
グリップ部の角度変更で肩にしっかり載せて構えられる
サーベル、ジャベリン
ビームサーベルと、ビームジャベリン(槍)。背中に付いた枝を基に、延びた部分を装着する

シールド パーツ
こちらも欠かせない装備であるシールド。色分けと合わせて前後貼り合わせになる。左側のパーツはグリップ兼、機体への装着ジョイント
シールド前面
上部の四角い窓はシャッターがスライドして開閉する。これは開状態
シールド後面
こちらは窓が閉じた状態。持ち手のジョイントはミゾ部分をスライドして位置を変更できる

ガンダムハンマー パーツ
“鉄球”状武装のガンダムハンマー。チェーンは写真のように連結した状態で成型されている
チェーン端の接続
グリップや鉄球部とチェーンの接続には、チェーンの一コマがスライスされたようなリンクを使う
ガンダムハンマー完成
自由に動くチェーンで、リアルに仕上がっているハンマー

他の付属パーツ

フィギュア
コクピット用の他、立ちポーズのフィギュアも付属。左がパイロットスーツ、右が私服のアムロ・レイ
付属シール
キットには機体各所に貼るマーキングも付属。左はシール。右はこすりつけて貼るドライデカール。今回はアニメ調の雰囲気を優先して使用していない

完成~ポーズ付けを楽しむ

 本体と各種装備が揃ったところで、ポーズを付けて劇中の雰囲気を再現してみる。


全身
まずは基本の立ちポーズ。下からやや見上げたアングルだとアニメ設定の雰囲気が味わえる
背面

ライフル構え
ビームライフルを正面に構えたポーズ。肩を捻るようなポーズも「Ver.2.0」ならば再現できる
ライフル構え2
その状態を上から見るとこんな感じ。左肩を前に引き出している
ライフル構え3
ラストシューティング風ポーズ。上体を傾け、腕を伸ばすような姿勢。肩アーマーが裏返らず、そのまま跳ね上げられる

バズーカ構え
バズーカを肩に載せ、シールド越しに狙うポーズ。このシールドの構えにも肩のひねりが効く
フル装備
シールド、バズーカを背面に固定、ライフルにナパームを装着してキットの装備を満載した状態
ハンマー 構え
人間に近いポーズが取れるので、ハンマーを投げる構えもきまる

サーベル取り出し
背中のビームサーベルにもしっかり手が届く
サーベル構え
長いサーベルも可動する手の指と、手のひらのガイドでしっかり持たせられる

飛翔ポーズ
上体を反らして飛ぶようなポーズ。別売のスタンドと組み合わせれば、こうした姿勢でも飾っておける
悩むポーズ
なんとこんなポーズまでとれてしまった!

 2回にわたり紹介してきた1/100 MGシリーズ「RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」。アニメ調の外観に、人体模型的可動機構を込めたこのキットを動かしてみると「劇中の雰囲気」を色濃く感じることができる。

 TVシリーズや劇場版映像を流しながら、組み立ててみてはいかがだろう。

(C)創通・サンライズ


URL
  バンダイホビーサイト
  http://bandai-hobby.net/

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野本憲一(のもと けんいち)
職業:プロモデラー。1967年新潟市生まれ。プラモデルやトイ、ガレージキット等の原型製作に携わると共に、模型専門誌ライターとしても活動すること20余年。著書に模型製作テクニックをまとめた「NOMOKEN(野本憲一モデリング研究所)」(ホビージャパン)がある。



2009/04/15 14:24

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