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世界最小級の二足歩行ロボット「ROBO-Q」レビュー
~全高3.4cmの超小型ロボットが自律動作する!

Reported by 石井英男

ROBO-Qのパッケージ。コンパクトだ
 タカラトミーのチョロQシリーズといえば、プルバックモーターを搭載した「チョロQ」に始まり、赤外線操作が可能な「Qステア」やヘリの「ヘリQ」、ホバークラフトの「ホバーQ」、電車の「Qトレイン」、飛行機の「Qスカイ」など、手のひらサイズの超小型玩具として、非常に人気のある製品だ。そのチョロQシリーズのロボット版として登場したのが、「ROBO-Q」だ。ROBO-Qは、2008年10月にパシフィコ横浜で開催された「ROBO_JAPAN 2008」で初めて展示され、来場者の注目を集めた。手のひらに乗る超小型ロボットながら、トコトコと二足歩行(すり足だが)する様子は非常にかわいらしい。

 ROBO-Qは2009年2月28日に発売されたが、筆者も2台購入したので、どんなものか早速レポートしていきたい。ROBO-Qのメーカー希望小売価格は3,675円であり、実売3,000円を切って販売しているところも多い。ロボット玩具としてはかなり安く、気軽に購入できるだろう。


完成済みで買ってきてすぐに遊べる

 ROBO-Qは完成済みなので、組み立て作業は不要。買ってきてすぐに遊ぶことができる。本体が超小型なので、パッケージもコンパクトだ。また、パッケージの一部が透明になっており、ROBO-Q本体を外から確認できるようになっている。ROBO-Qのパッケージには、ROBO-Q本体とコントローラー、専用ボール、取扱説明書が入っているほか、パッケージのベロの部分を切り取ることでプレートとして利用できる。


パッケージには窓があいており、ROBO-Q本体を外から確認できる ROBO-Qのパッケージの中身。ROBO-Q本体とコントローラー、専用ボール、取扱説明書が入っている

パッケージのベロの部分を切り取ってプレートとして利用する プレートを切り取ったところ。全部で8枚ある

 ROBO-Qは「フューチャーホワイト」「フューチャーブラック」「レトロレッド」「レトロシルバー」という、全部で4種類のラインナップが揃っているが、デザインはフューチャーとレトロの2種類で、それぞれカラーバリエーションが2色ずつ用意されている。フューチャーは、ASIMOや宇宙服を彷彿させる未来的なデザインであるのに対し、レトロは、昔懐かしいブリキのロボットのようなデザインだ。デザインによってサイズも微妙に異なり、フューチャーは29.4×22.4×34.5mm(幅×奥行き×高さ)であるのに対し、レトロは29.6×25.3×37.4mm(同)となっている。重量は実測したところ、フューチャーが13g、レトロが12gであった。


ROBO-Qは全部で4種類のラインナップがあるが、デザインとしては、左のレトロタイプと右のフューチャータイプの2種類で、それぞれカラーバリエーションが2色ずつあり、合計4種類となる。右がASIMO風デザインの「フューチャーホワイト」で、左が昔懐かしいデザインの「レトロシルバー」 ROBO-Q本体とSDメモリーカード(左)とのサイズ比較。ROBO-Qの全高はわずか37.4mm(レトロの場合。フューチャーは34.5mm)で、SDメモリーカードとほとんど変わらない大きさだ

レトロシルバーと付属のコントローラー フューチャーホワイトと付属のコントローラー。レトロシルバーに付属するコントローラーとは、透明パーツ部分と印刷のカラーが異なる

ROBO-Q(レトロシルバー)を手のひらに乗せたところ

操縦モードと2種類のAIモードで遊べる

 ROBO-Qで遊ぶには、ROBO-Qの内蔵リチウムポリマー電池を充電する必要がある。コントローラーに単3アルカリ乾電池4本を入れて、コントローラーの電源をオンにし、ROBO-Q前面の充電用端子とコントローラー上面の充電用端子を接続することで、リチウムポリマー電池への充電が行なわれる。ROBO-Qの充電用端子には磁石が内蔵されており、コントローラーの充電用端子にぴたっとくっつく。充電が開始されるとコントローラーから効果音が流れ、緑LEDが点滅する。フル充電には20~30分程度かかり、充電が完了すると再びコントローラーから効果音が流れる。新品のアルカリ乾電池を使った場合、約30回の充電が可能だ。なお、ロボQ本体に搭載されているリチウムポリマー電池のサイクル寿命はやや短く、約80回充電すると、かなり劣化してしまう。リチウムポリマー電池の交換はできず、本体ごと買い換える必要がある。なお、リチウムポリマー電池がへたったROBO-Qを廃棄する場合は、ボディカバーを外して、リチウムポリマー電池を取り外し、リチウムイオン電池リサイクル協力店に持って行くことが推奨されている。

 リチウムポリマー電池をフル充電すると、約3分以上動作する。なお、リチウムポリマー電池は過放電に弱いが、過放電を防ぐために電池が消耗してくると、ROBO-Qは自動的に停止する。また、ROBO-Qの電源スイッチを入れたまま、何も操作せずに約90秒間放置すると、約10秒ごとに足がカタカタと動いて知らせてくれる。


ROBO-Qのコントローラー。左が前進ボタンで、速度はH/M/Lの3段階に調整できる。中央はAIモードにするためのAUTOボタン、右は左右旋回ボタンだ。レトロシルバーの赤外線バンドはDバンドだ コントローラーの底面。電池カバーはネジで固定されている

電源は単3アルカリ乾電池4本で動作する(マンガン乾電池やオキシライド乾電池は使用不可) コントローラーの電源をオンにして、ROBO-Qを充電用端子にセットすることで(磁力でくっつく)、ROBO-Qへの充電が行なわれる

【動画】ROBO-Qを充電しているところ。充電を開始するとコントローラーから効果音が流れ、緑LEDが点滅する 【動画】充電が完了すると、また効果音が流れ、緑LEDと赤LEDが消える。フル充電には20~30分程度かかる

ROBO-Qの上部背面側に電源スイッチが用意されている。「ON」の右の「D」はバンドを表している ROBO-Qの正面には充電用端子があり、両肩部分に障害物を認識するためのセンサーが用意されている

ROBO-Qの側面。腕の角度は手で変えることができる。リチウムポリマー電池を内蔵しているので、「Li-ion」のリサイクルマークが描かれている ROBO-Qのボディカバーを外したところ

ROBO-Qの基板。中央の黒い部分がCPUだと思われる 充電端子部分を外したところ。白い板状のパーツがリチウムポリマー電池だ

ROBO-Qの足裏。黒いゴム状の突起がある

 ROBO-Qは、コントローラーで操縦する操縦モードと、2種類のAI(人工知能)モードが用意されている。ROBO-Q本体の電源を入れると、まずは操縦モードになる。コントローラーの左にあるスライド式の前進ボタンを前にスライドさせることで、ROBO-Qが前に歩き出す。速度はH/M/Lの3段階に変更可能だ。コントロールには赤外線を利用しているため、操作中はコントローラー上面の赤外線発信部をROBO-Qに向けておく必要がある。ROBO-Qの赤外線受光部は顔の内部にあり、コントローラーの赤外線到達範囲は上下左右30度で約1.5mである。ROBO-Qはすり足で歩行するが、その歩行原理上まっすぐには歩かず、左右どちらかに曲がりながら前進する。前進ボタンを前にスライドさせた状態で、コントローラーの右にある左右旋回ボタンを押すことで、左右への旋回が可能だ。また、移動中にはコントローラーから効果音が流れ、気分を盛り上げてくれる。


コントローラーの上面。上にあるのが赤外線発信部で、下が充電用端子だ 【動画】操縦モードでROBO-Qを動かしているところ。前進の速度は3段階に調整できる

 ロボットらしさを感じさせてくれるモードがAIモードだ。AIモードは、障害物を避ける回避モードと物体を追跡する追跡モードの2種類がある。コントローラー中央のAUTOボタンを押すことで、効果音が流れ、ROBO-Qが回避モードに移行し、歩行を始める。回避モードでは、左右のセンサーから角度30度で約3cm以内にある物体を検出し、その物体にぶつからないように回避運動を行なう(高さ3.5cm以下の障害物は認識しない)。付属のプレートを利用してコースを作り、回避モードで自動的にゴールできるか試してみたが、上手に回避運動を行ない、ゴールまで到達した。小さなロボットがコースの壁にぶつからないように、向きを変えつつ移動する様子は見ていて楽しい。

 コントローラーの左右旋回ボタンのどちらかを押しながら、AUTOボタンを押すと、ROBO-Qは追跡モードに移行する。追跡モードでは、まずゆっくりと歩行を開始し、左右のセンサーの認識範囲内に物体を見つけると、その物体に向かって駆け足で移動する。物体を認識範囲内で動かしてやれば、その物体を追跡していくことになる。握った手を追いかけさせてみたが、なかなか的確に追いかけてくる。また、追跡モードの応用として、ROBO-Qが自分でコントローラーの充電用端子に向かって歩いて行き充電を行なう、オートチャージも可能だ。


【動画】プレートを並べてコースを作り、回避モードで自律動作させた様子。ちゃんと壁を避けてゴールまで到達した 【動画】追跡モードでは、センサーの認識範囲内に物体を見つけると、その物体に向かって駆け足で追いかける

【動画】追跡モードにしてコントローラーの充電用端子に向かってROBO-Qを走らせると、オートチャージが可能

最大4台までの同時動作が可能

付属の専用ボール。サッカー遊びなどに利用できる
 ROBO-Qには、4つの赤外線バンドが用意されており、最大4台までの同時動作が可能だ。ただし、バンドはデザインごとに決まっており、変更はできない。つまり、異なったデザイン(カラーバリエーションも含む)のROBO-Qなら対戦などが可能だが、同じデザインのROBO-Qを複数台同時に操縦することはできない。2vs2でチームを作り、付属のボールを使ってサッカーをしたり、旗を倒しあうビーチフラッグ競技をするなど、友達と一緒に遊べば、より楽しめるだろう。


【動画】付属のボールを転がしているところ。転がり具合がちょうどいい 【動画】2台のROBO-Qでボールを取り合うサッカー遊びをしてみたところ

 ROBO-Q本体はかなり小さいので、その辺に置いておくと紛失してしまいそうだが、コントローラーの収納ボックスに、ROBO-Q本体を収納できるようになっていることも高く評価できる。遊び終わったら収納ボックスに入れておけば、本体をなくしてしまう恐れがないし、どこかに持って行く場合にも便利だ。


コントローラーの手前側に収納ボックスがあり、ROBO-Q本体を収納できるので、小さな本体を紛失する恐れがない ROBO-Q本体を収納ボックスに入れて、カバーをはめたところ

 ROBO-Qは、全高わずか3.4cmの超小型ロボットだが、外観がかわいらしいだけでなく、動かしてみても楽しい。人工知能というにはちょっと大げさだが、回避モードや追跡モードも面白い。自由度は両脚のみなので、i-SOBOTのようにさまざまなモーションを実現できるわけではないが、価格はi-SOBOTより一桁安く、お小遣いでも気軽に買えることが魅力だ。対象年齢は15歳以上とされているが、もっと小さな子供でも大人が見ていてやれば十分に遊べるので、ロボットが好きな子供の誕生プレゼントや入学祝いにもお勧めだ。


URL
  タカラトミー
  http://www.takaratomy.co.jp/
  ROBO-Q
  http://www.takaratomy.co.jp/products/robo-q/index.html


2009/04/06 14:09

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