皆さんこんにちは、MANOIのプロデューサーこと京商のokamotoです。3月末が決算/棚卸という企業にいらっしゃる方は多いと思いますが、京商も正に年度末決算業務の真っ最中です。社内中が一致団結して決算に向けて頑張っている中、私はこの原稿を堂々と書いていて良いんでしょうか?? 皆さん信じられないかもしれませんが、私はこれでも管理職(マネージャー)の端くれです……。とは言っても、書いちゃってるモノはどうしようもないので、こういう時は堂々としているに限ります。「とりあえず後で書いたら?」ですって? イヤですよ! 私自身も「月刊ROBOTウォッチング」は楽しみながら書いているんデスから。
それでは今月もMANOI君とROBOT業界を、出来るだけわかりやすい言葉で、そして、皆さんに近い目線でお届けする「月刊ROBOTウォッチング」、精一杯楽しみながら始めさせていただきます。どうぞ気楽にお付き合いください。
● めざましテレビ15周年特別企画「元気のミナとも」
今月最初のネタは何と言っても、2月13日(金)~15日(日)で開催された、めざましテレビ15周年特別企画「元気のミナとも」でしょうか。【写真1】はイベント会場での「めざましくんROBOT」ブース。ちなみに正式名称はMANOI AT01ベースが「めざロボ」、関東ROBOT連合作の大型機が「めざロボ・ジャンボ」です。今後も機会ある毎にこの2体は登場する予定ですので、彼らの再登場も楽しみにしていてください。
この「元気のミナとも」はどんなイベントかと説明しますと、めざましファミリーのトークショーや関連アーティストのライブ、当然ながら番組の収録も行なわれるという文字とおりの多目的イベントでした。それにしてもフジテレビさんのイベントは凄まじいですね~。【写真2】をご覧下さい。ライブが始まった時の集客力にはビックリしました。あまりの人数の多さに体験操縦を中断したくらいです(危険回避のため)。「BIGBANG」「w-inds」といったアイドルたちのパワーって恐ろしいですよ! 彼らの一挙手・一挙動で1,000人単位のファンが動くので、何かある度に地響きのような振動が伝わってきます。何が何だかわからない私は呆然と時間が過ぎるのを待ってました。
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【写真1】「めざましくんROBOT」ブース(撮影時間は午前3時ごろ?)
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【写真2】会場内でライブが始まったときの様子
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【写真3】がライブの合間を縫うように開催していたデモの様子です。何せ参加されている人数が多いので、ラジオ体操も音が聞こえないし、オートで自己紹介するデモも何も聞こえない状態でしたから、写真の様に「めざロボ」で握手に専念、みたいな感じになってしまいましたが、手の塗装が剥げてしまう程の盛況ぶりでした(早めに治さなければ)。本当にお子さんたちには好評でしたので、番組のOKが頂けるイベントでは覚悟を決めて再現したいと思っています。
【写真4】は調子に乗って「めざましワンコ」のコーナーに出演していたワンchan(タレント犬)とのツーショットです。サスガにタレントとして訓練されているだけあって、「めざロボ」が“動いても”“しゃべっても”怯えないし、警戒もしません。昔、我が家で飼っていた犬だったら、「めざロボ」は2度とお見せできない体になっていたに違いないでしょう。
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【写真3】「めざロボ」君は“皆さんと握手”で頑張りました!
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【写真4】ワンchan(タレント犬)とのツーショット
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そして、次に登場するのが関東ROBOT連合製作の「めざロボ・ジャンボ」【写真5】です。実は外装だけで2kgもあります(身長1m30cm)。これが動くんだからビックリです。ただ残念なことに、これだけ大きいと、動くたびに見ている方が驚いてしまうみたいで、たまに泣いたり逃げたりするお子さんもいました。今後はこのサイズを登場させる際の演出も考えないと。そんな検討課題もあったのですが、初回としてはまずまずだったんではないでしょうか。特に目覚まし時計を模した「めざましくん」という形に挑戦したことが有意義だったと思っています。正直言ってこの形で動けるなら、人間型のほぼ全てのキャラに扮装可能です。これからどんなリクエストがきても大丈夫! そんな自信がつきました。それにほぼ等身大の大型機はステージ栄えがしますから、小型の弱点(ステージだと見えない)も補ってくれますので、今後も積極的に活用したいな~、なんて他人のROBOT(関東ROBOT連合製)だということを忘れて、勝手なことを思い描いています。
それから、大型ROBOTは冷却も大変でした【写真6】。デモの無い休憩時間はこっそり扇風機でサーボを冷やしていました。よく冷却スプレーを使って強制冷却しているのをROBOTの大会で目にしますが、強制冷却はモーターの寿命を縮めてしまうので(金属疲労を促進)、実はあまりオススメではありません。自然に冷ますのが部品には一番優しいということですね。大会だと「そんなこと言ってられない!」というのも良くわかりますけど。
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【写真5】次の登場はいつ? どこで!? 関東ROBOT連合製作「めざロボ・ジャンボ」!
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【写真6】「めざロボ・ジャンボ」の実はナイショの冷却シーン
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「元気のミナとも」最後の写真はオマケです【写真7】【写真8】。いつも私は写真を撮る側なので、私が写っている写真はほとんど掲載されません。今回はTV局の方から社内資料として「岡本さんが写っているイベント写真をください」と言われていたところに、MANOIファンクラブの津崎会長からご投稿頂けましたので、感謝の意味を込めて掲載させて頂きました。津崎会長には当日も体験操縦のお手伝いまでしていただいて、本当に感謝の言葉もありません。ファンクラブの皆さんの期待に応えられる様、これからも一生懸命MANOI君を普及させていこうと思いますので、これからも宜しくお願い致します。
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【写真7】MANOIファンクラブ津崎会長投稿のイベント風景その1
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【写真8】MANOIファンクラブ津崎会長投稿のイベント風景その2
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● 新作デモはHIP-HOP系ダンサーとコラボ!?
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【写真9】MANOI君を操縦する「レッキン」と「モーコン」の皆さん
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次にご紹介するのは、MANOIレポートでも触りだけ公表した、2009年新作デモステージ作成の様子です。【写真9】でMANOI君を操縦する後姿が写っている方々は、世界的なダンス・パフォーマンス・アーティストの「レッキング・クルー・オーケストラ」(以下レッキン)と「モータル・コンバット」(以下モーコン)の皆さん。彼らのダンスを見学に行った時の写真ですが、皆さんMANOI君の動きに興味津々で、合計1時間近く操縦しまくっていました(人数も多かった)。今年は彼らのダンスを参考にして、皆さんに「スッゲェ~!!」と言ってもらえる様なダンスパフォーマンスを考えています。
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【写真10】「モーコン」カクさんの操縦で“アキレス腱伸ばし”
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【写真10】で送信機を手にしているのが、「モーコン」のカクさんです。彼は頭皮が剥がれてしまうかの様なヘッドスピンを何度も披露してくれたので、これから、どうにかして彼らも納得するデモステージに仕上げ、皆さんに見ていただこうと鋭意製作中です。完成/披露はGWを予定していますので、皆さん楽しみにしていてください。ちなみに、ダンス用の機体にはMANOI GO(ジーオー)と命名しています(GOはDr.Giyとokamotoの略)。GIYさんがモーション担当で私は機体担当というイメージですが、何かと理由をくっ付けて全部GIYさんにやらせてしまおう! と密かに企んでいます(私は業界一の腹黒自慢です)。
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【写真11】本邦初公開! MANOI GO機体画像
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そして、【写真11】が本邦初公開のMANOI GO(仮組み)です。ちなみに、私とGIYさん以外は誰も目にしていません。おそらく今後も滅多なことでは公開しないと思いますので、今回は正真正銘の大サービスです。仮組みですから当然これから改造はしていきます。MANOI GOは、MANOI AT01をベースにKRS-4013サーボ&YOSHIMURAアルミ脚、それからPFカーボンソールを搭載といったところが特徴となります。それにしてもGIYの奴! 先月にご報告した、私がせっかく強度の限界を測ってカットしたカーボンソールを、「何となくイメージと違う」とかいう意味不明な理由で、無加工のカーボンソールに交換してます(怒)。しかも通常のAT用ソールを両面テープで貼っただけという手抜っぷり。ウ~ン、MANOI GO、前途多難……。
それとMANOI GOでは、もう1つご報告があります。世界のトップダンサーに監修してもらったダンスを披露する訳ですから、当然バックミュージックも用意しております。エンタメ方面は大得意です。中京地区を中心に活躍している「KingrassHoppers」(キングラスホッパーズ)の楽曲を公式に使用する予定です。
彼らの楽曲はHIP-HOPの中にあっても、どこかクラッシックな雰囲気が漂う音楽性の高さがあるような気がします。私が音楽のことを語っても意味がありませんが、始めて曲を聞いた瞬間に、すっかり気に入ってしまい、友人の紹介で正式にOKを取り付けた次第です。そうですね~、彼らの曲で素晴しいのは「気持ちに真っ直ぐな歌詞」でしょうか。私の意見はどうでもいいと思いますが、私の家族も相当気に入ってマス。中でも大のお気に入りは「一等星」「38°C」「やるならやらねば」の3曲。この3曲はYouTubeでもPVが公開されていますので、興味のある方はぜひ1度聞いてみてください。「やるならやらねば」はデモステージで披露する曲になると思いますよ。
● 実際の業務を実体験する研究課題とは……?
「めざましTV」、MANOI GOと続いた今月、次は一転して学校関連のご報告です。2月20日(金)に私が非常勤講師を務めている、東京テクノロジー・コミュニケーション専門学校(以下TECH.C.)で、「We are TECH.C.」という生徒の研究発表会がありました。私も一応講演をさせて頂いたのですが、今回ご報告させて頂くのは生徒たちの研究発表の様子です。生徒への課題として、TV番組「走れ!ポストマン」に出演している「ポストくん」の動き(モーション)を作る、というテーマを与えてみました。
学校からの要請が「実際の業務を実体験できる内容を」ということでしたので、思い切って生徒には簡単な方向性の説明に留め、あえて思う存分に悩み、そして考えてもらおう! 社会では自分達の力で何とかしなければならない事を実感してもらう。そんなイメージで挑戦して頂きました。最近の学生に多い傾向だと感じているのですが、「教わっていません!」とか、「誰も手伝ってくれない!」など、新人ならまだしもこれらはみんな泣き言です。社会に出ればヤルのはいつも自分自身だし、結果にも責任を持つ必要もありますからね。少し厳しすぎるかな~、なんて気もしてましたが、実業務の体験ということですから、私も心を鬼にして今回は大半を彼らに“完全お任せ”しました。面倒だから丸投げしたんじゃありませんョ(本当ですって!!)。いつもの言動から信じてもらえないかもしれませんが……(自業自得)。
彼ら(最近の学生)の言う「教わっていない!」というのは、確かに一理ありますが、全てに通用する訳ではないと思っています。この言葉には知識として何かを与えられていないという意味があり、逆に新規業務/新規ジャンルの開拓を放棄しているとも取れます。社会人にとって確かに一定の知識は絶対に必要ですが、社会で成功するためには知識以上に知恵が必要です。知識は人から与えられますが、知恵は自分で捻り出すしかありませんからネ。知恵こそがゼロから何かを生み出す。または、重要な岐路で斬新な発想転換を可能にすると、私は思っています。従って今回は私自身も、学生さんに知恵を出す練習をつんでもらうというテーマで取り組みました。
【写真12】【写真13】が、その発表の様子です。弁士はTECH.C.ロボット学科2年生の曽根君。正直もっとボロボロになるかと思っていましたが、なかなかどうして、しっかりした内容にまとめ上げていました。ROBOTを知らない人達への概要説明から、今回の目的~取り組んだ内容、そして結果&総評へと進んだ流れは、私の想像以上の出来栄えでした。文句なしに合格点です。それに彼らの努力の結晶(モーション)は、3月16日(月)に全国一斉発売される「ポストくん」コンプリートセットに採用されるだけでなく、今後の番組の中で使われる可能性が大です。
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【写真12】TECH.C.研究課題発表の様子
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【写真13】TECH.C.ロボット学科2年の曽根君
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ちなみに、採用されたのは“イスに座ってバタバタ”するモーションですが、それ以外にも色んなモーションを彼らは作ってくれたので、この場を借りてご紹介したいと思います。【写真14】は“フラれる”モーションだそうです。立った状態から地面にひれ伏して拳を叩きつけています。私は“悔しがる”の方が良いかな? と思いましたが、若者らしく“フラれる”も面白いか! と考えてOKにしました。【写真15】は“イスに座って足を組む”です。これもなかなかユーモラスな動作なので、今後は番組関係者にプレゼンしたいと思っています。何だか右手がタバコを吹かしているみたいで、自慢気な雰囲気が凄くGOODだと思います。
とにもかくにも、彼らの研究課題発表は無事終了しましたが、今後も彼らには最低でもあと2年は勉強してもらって(TECH.C.は4年制)、未来を支えるROBOT産業の中心で活用できるような人材へ! などと生意気にも考えております。自分自身のために頑張れ、生徒諸君!!
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【写真14】「ポストくん」の“フラれる”モーション
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【写真15】“イスに座って足を組む”ポーズ
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● 多摩六都科学館のイベントに出演
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【写真16】西東京市の多摩六都科学館外観
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今月最後の写真は少し宣伝が入ってます。【写真16】をご覧下さい。ここは東京都西東京市にある多摩六都科学館です。こちらでは3月7日(土)~31日(火)の期間「時空探検隊、出動! ~科学はタイムトンネルだ!~」と銘打って、春の特別イベントを開催します。MANOI PF01もボランティアの方々の手をお借りして、ラジオ体操を披露させて頂く予定です。さらに、3月8日(日)には私も出演させて頂きます(10:40~、13:30~、16:00~の3回講演)。そうですね、私の講演内容としてはお子さんにも興味を持ってもらいやすい、TVなどに出演したMANOI君たちを見ていただきながら、ROBOTの現状や未来の展望などを話した後で、実際に体験操縦してもらおうかと思っています。お子さん達は私のつまらない話を聞くより、ROBOTを実際に触れてもらった方が楽しめるし、興味が沸きやすいと思いますからネ。私も4人の子供の父親として、子供達の将来のためにお役に立ちたい! そんな思いでお手伝いさせて頂きますので、西東京近郊にお住まいで、ご都合の合う方はぜひご参加下さい。お待ちしております。
今月もお付き合い頂きありがとうございました。今年に入ってから益々ROBOTネタが減っている気がしますが、今は来るべき時期に照準を合わせて、エンタメ&イベントを通じてROBOTの実状をPRする時期で、云わば次世代ROBOT製品を世に出す前の充電期間かと思っています。ROBOTは費用も時間も掛かりますからネ。但し、PRする期間と決めたからには、それこそキングラスホッパーズの「やるならやらねば」じゃないですが、徹底的にどこまでも突き進む覚悟です。
“ROBOT業界の異端児”とか“ROBOT業界の広報担当”と思って頂いても結構。むしろ、そう言われる様に、今後もイヤと言うほどポジティブに取り組みたいと思ってます。それではこれで、今月の「月刊ROBOTウォッチング」を終わらせて頂きます。来月も皆さんをアッと言わせるMANOI君の活動に、ぜひご期待&ご注目下さい。ではまた。
岡本正行(おかもと まさゆき)
京商株式会社ロボットGrマネージャー。1965年神奈川県厚木市生まれ。京商のMANOIプロジェクト発足当時から企画/開発/品質管理/販売促進等の全ジャンルをカバーするプロデューサーとして活躍。ロボット工学系専門学校と工業系大学の非常勤講師も兼務。ROBO-ONE公認レフリー&審査員。
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