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組み合わせ自在なロボット入門キット「VariBo」キットレビュー
~本体組み立て編

Reported by 三月兎

 前回の記事では、VariBoに使用するマイコンボードの組み立てを行なった。今回はいよいよVariBo本体の組み立てを行なっていく。


サーボモーターのニュートラルポジションの設定

 ロボットを組み立てる時、最初にやらなくてはならない重要なことがある。それはサーボモーターの位置合わせだ。

 サーボモーターには、モーター、減速ギア、電子回路、角度を検知するセンサーが入っている。マイコンからの指令を受けると、モーターがサーボホーンを指定された角度に動かす。

 VariBoに使用されているサーボモーターは、左右180度が制御可能な動作角だ。下の写真の通り、サーボモータに対して右横側にサーボホーンが向いている場合は0度、左横側に向いている場合は180度。電源投入時には、サーボホーンは上向きに移動し、角度は90度となる。この位置を、「ニュートラルポジション」と呼ぶ。

 組立時に、サーボホーンの位置をニュートラルポジションに合わせておかないと、ロボットを動かす時、マイコンが指令した角度とは異なる位置にサーボホーンが動いてしまうので、慎重に作業したい。


これは0度の状態 サーボホーンを左に振った状態は180度

90度。この位置をニュートラルポジションと呼ぶ。歯車の角度で多少のズレがあるのは問題ない

 サーボモーターの位置合わせには、以下が必要になる。

・前回製作したマイコン
・マイコン用角型乾電池(006P9V)
・サーボモーター用電源(5V~6V5A以上の安定化電源、又はニッカド電池)

 マイコンの電源スイッチがOFFになっていることを確認して、マイコン用角型乾電池と、サーボモーター用電源を接続する。

 次に、マイコンのモードスイッチの2番と3番をONに設定。設定後、マイコンの電源スイッチをONにして、パイロットランプの点滅を確認する。


マイコンのモードスイッチの2番と3番をONに設定する
 調整をするサーボモーターのケーブルをC21以外のコネクタに、茶色のコードを基板の外側に向けて接続する(C21は通信用なので、サーボモーターは接続しない)。

 サーボモーターの電源をONにすると、出力軸がニュートラルポジションに移動して停止する。写真のように、出力軸にサーボホーンをはめて、サーボモーターのケーブルをマイコンの基板から抜く。

 この手順を繰り返して、全てのサーボモーターの位置あわせを行なう。終了したら、マイコンとサーボモーター用電源を切り、マイコンのモードスイッチをすべてOFFにする。


VariBoの組立

 ロボットフレームの組立には、以下の工具が必要になる。

・ドライバー(#1、#2)
・キリ
・ニッパー
・紙ヤスリ
・白のマーカー(細)

 ドライバーは、着磁式で、軸の長さが10cm以上あるものがよい。足のフレームが10cmあるため、軸が短いとネジをしめる時にドライバーを垂直にあてることができなくなる。さらにノギスがあると、ネジのサイズが確認できて便利だ。

 作業はマニュアルをよく見て、フレームパーツとネジサイズを確認しながら、順番に行なう。


上半身の組み立て

 最初は上半身フレームから組み立てる。ネジ止めする時は、緩まないようにしっかり固定するが、無理に締めすぎるとネジ山がつぶれたり、ネジ穴が破損したりするので注意が必要だ。


左サイドパネル、右サイドパネル、センターフレームをM2-4ミリネジ4個で固定する サイドパネルがセンターフレームの内側に入るようにして固定する

CPU BASEフレーム(写真右) M3-5ミリネジ4個で固定する

 次に、フレームにマイコンを取り付ける。マイコン裏側の金属部分とCPU BASEなどの金属部分が接触していると、ショートしてマイコンが壊れる原因となる。マイコンの裏に絶縁テープを貼って置けば、安心だ。

 また、マイコンは静電気などに弱いので、組み立て中はできるだけ触らない方がいい。


前回組み立てたマイコンボードと上半身フレーム マイコンボードは電源スイッチが上側になるようにする

M2-10ミリネジ4本と樹脂スペーサ4本でCPU BASEに固定する

完成した上半身フレーム(写真奥)と腰フレーム 3M-5ミリネジ4個を使って上半身フレームに腰フレームを固定する

 ここから、フレームにサーボモーターを組み込んでいく。最後に配線する時のために、マーカーでコネクタにサーボ番号を書いておくと便利だ。記事の中では、[CN*]と表示する。

 サーボモーターには、ケーブルが長いものと短いものの2種類がある。頭、腕、股関節に短いケーブルのサーボを使う。間違えると、配線が届かなくなるので、注意しよう。

 まず、頭部フレームにサーボモーターを取り付ける。


頭部用フレームとサーボ。頭部には短いケーブルのサーボを使う サーボとフレームをM3-5ミリネジ2個で固定する。頭サーボは[CN16]とした

 キットには、サーボモーターの付属品として、3種類のサーボホーンが付属している。ただし標準型VariBoでは、一番大きな両持ちサーボホーンは使用しない。以下、両持ちサーボホーンと記述してある部分は、全て小サイズを指す。両持ちサーボホーンは次のようにカットして使う。


両持ちサーボホーンとサーボフレーム 首フレームに入るように、サーボホーンの端から2番目の穴を目安に、ホーンの両端をニッパーでカット

両端の穴をキリで少し広げておくと、ネジ止めしやすい サーボホーンと首フレームをM2-4ミリネジ2個で固定する

サーボホーンを頭部フレームに固定したところ サーボホーン取付ネジで、頭部フレームのサーボモーターに首フレームを付ける。これを頭部ユニットと呼ぶ

 次に上半身フレームに腕と股関節のサーボモーターを取り付ける。


腕用のサーボモーター。ケーブルが短いサーボを使う 上半身フレームに、それぞれM3-5ミリネジ2本で固定する。サーボモーターケーブルは、腰フレーム中央の穴から下に引き出す。番号は右腕サーボが[CN18]、左腕サーボが[CN17]とする

股関節にも短いケーブルのサーボを使う サーボモーターのケーブルは、腰フレーム背面の角穴から引き出す

上半身フレームに、それぞれM3-5ミリネジ2本で固定する。番号は右腰サーボが[CN24]、左腰サーボが[CN10] 頭部ユニットと上半身フレームを、M3-5ミリネジ2本で固定する

ネジを締めにくい場合は、首モーターを左右どちらかに90度回転させるとよい 肩駆動用サーボホーン。頭部用サーボホーンを参考に両端をカット

サーボホーン固定用ネジ(M2-4ミリ)で水平になるように固定する。サーボホーンがニュートラル(90度位置)になっていることを確認しておく 上腕パーツ。1セットにM3-30ミリネジ1本、M3ナット3個を使用する

上腕パーツ側の2個のナットは写真の位置まで移動させて、その位置で互いに反対方向へ回転させロックする。上腕がぶらぶらと動くように、ナットを締めすぎないこと 組み立てた上腕を上半身フレームに取り付ける

取り付け位置は4箇所あるので、好みの位置を選ぶ。上腕の長いネジを適当な位置で停止し、付け根側のM3ナットを取り外し方向に回して固定する

 これでVariBoの上半身が完成した。


下半身を組み立て

 次は脚部だ。これは、同じものを2セット作る。


1セット分の脚部。脚部フレームを1個、アルミホーンを1個、M2-6ミリネジ(なべ小ネジ)を4本、M2ナット4個を使用する 写真の用にミリネジとナットを使ってアルミホーンを固定する

アルミホーンを固定した脚フレームとサポートフレーム(写真左)。サポートフレーム1個、M3-5ミリネジ2個、M3ナット2個を使用する サポートフレームを脚フレームに固定する

上記の脚フレームにサーボアームフレームを固定する。1セットに、サーボアームフレーム1個、M3-5ミリネジ3個、M3ナット3個、片持ちサーボホーン1個、M2-4ミリネジ1個を使用する サーボアームフレームを固定した脚フレーム。これを脚部ユニットと呼ぶ

 次に足裏を組み立てる。組み立てる前に、足底フレームのエッジにヤスリがけをしておこう。VariBoは、足裏が大きく安定しているため、そのままでも歩行は可能だが、フレームにヤスリがけをしておけば、足裏同士が引っかかるリスクを低減できる。フレームの周囲がなだらかになるようにヤスリがけをしておくとよいだろう。


足底を組み立てる。足底フレームを1個、足底軸受けフレーム1個、M3-5ミリネジ2個、M3ワッシャー4個を使用する 足底フレームに足底軸受けフレームを固定したところ

足裏にネジが出ていると、歩行が不安定になる
 足底を完成させたら、足裏からネジが突出していないことを確認しておこう。出ている場合は、M3ワッシャーを各2枚追加して調整する。突出していると歩行時のバランスが悪くなり、机や床の表面を傷つける原因となる。ここでは2枚ずつ追加して対応した。

 次に左右の足を組み立てる。ここからは、コードが長いサーボモーターを使用する。では、左足から組み立てよう。

 この組立時に注意しなければならないのは、サーボカバーフレームの方向だ。一見、左右対称に見えるが、ネジ穴の形状が異なるので、写真を参考にあらかじめ確認してほしい。


指に近い方の穴は、ネジ山を切ってあるのが見えるだろうか? ここを使ってネジで固定する ここではサーボカバーフレーム1個、M3-5ミリネジ2個を使用する

 次に左足首ユニットを組み立てる。


サーボモーターフレームとサーボモーターをM3-5ミリネジ2本で固定する サーボとフレームを固定したところ。番号は左足後として[CN5]を付けた

直行軸フレームとサーボホーン。サーボホーンは、今まで同様に両端を切り落とす M2-4ミリネジ2本で固定する。組みあげたフレームをサーボホーン固定用M2ネジで、左足首ユニットに水平に固定する。サーボの出力軸がニュートラル(90度位置)であることを確認しておく

左足前用のサーボとフレーム M3-5ミリネジ2個で固定し、次にサーボカバーフレームとサーボフレームをM3-5ネジ3個で固定する。番号は左足前として[CN6]を付けた

先ほど組み立てた直行軸フレームとサーボカバーフレームをM3-5ミリネジ2個で固定する ここは形状が複雑になるので、よく確認しよう

 これで左足首ユニットができた。


左足首ユニットと左足底ユニット 左足底ユニットを下にしてM3-5ミリネジ4本で固定する

ステンレススペーサ1個とワッシャ1枚、M3-10ミリネジ1本でかかと部分を固定する 固定したところ

脚部ユニットと左足首ユニットを、サーボホーンとサーボホーン固定ネジM2-4ミリで固定する この時、サーボモーターの出力軸がニュートラルにあることを確認し、できるだけ直角になるようにする

サーボホーンと反対側も、ステンレススペーサ1個、ワッシャ1個、M3-10ミリネジ1個で固定する これで左足が完成した

右足を左足と同様に組み立てる。足首の部分が左右対称になっていることに注意して作業する。番号は右足後が[CN7]、右足前が[CN8]とした

最終組み立て

 ここまでくれば、あと少しだ。本体に脚と腕をセットする。


サーボモーターの軸がニュートラルであることを確認し、サーボホーン固定用ネジM2-4ミリ1個で固定する 脚を垂直に降ろした状態で固定すればばOKだ

下腕フレームとスプリング 下腕フレームを腕にM3-5ミリネジ、M3ナット、下腕フレーム1個で固定する

両腕と胴体側のサーボホーンを2本のスプリングで接続する VariBo標準型が完成した!

 これでフレームの組み立てが完了した。最後にサーボモーターのケーブルをマイコンに接続する。組立時にコネクタに書いた[CN*]の番号どおり、マイコンボードに刺していけばいい。

 ケーブルは茶色の線が、マイコンボードの外側になる。向きを間違えないように注意しよう。

 こうして文章と写真でひとつひとつ説明をしていくと、大変に感じるかもしれない。だが、VariBoの組立教室では、小学生がお父さんと一緒に2時間半程で完成させていた。マニュアルも図が豊富で判りやすいので、独学でも組立に困ることはないだろう。次回はいよいよモーションを作成し、VariBoを動かす。


URL
  ビー・エル・オートテック株式会社
  http://www.bl-autotec.co.jp/
  製品情報
  http://www.varibo.com/

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2007/03/01 00:00

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