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ロボットサッカー大会「第12回KONDO CUP」レポート


 2008年9月20日(土)~21日(日)、東京・秋葉原のKONDO ROBOSPOTにて、12回目となる二足歩行ロボットサッカー大会「KONDO CUP」が行なわれた。本稿ではその模様をお伝えする。


KHRクラス

KHRクラスの参加者の皆さん
 20日(土)に行なわれたのは、KHRシリーズとその小改造機に限定された「KHRクラス」。市販機ベースとなっているぶん、投資額が低く抑えられるため、学生や初心者の参加が多いクラスである。

 前回チャンピオンである「四川会Jr.」が欠場したものの、決勝常連の「ミステイクス」、「日本工学院八王子」の2チームに加え、会場であるROBOSPOTで知り合ったユーザーが組んだ「チームSKY」、異なる学校の学生同士が組んだ「助っ人60%含む(チーム名です。念のため)」、そして「チームルールブック」の5チームが集まった。

 まずは予選リーグとして5チームの総当たり戦が行なわれた。「ミステイクス」と「チームSKY」の一戦は、実績に優る「ミステイクス」が押し込むのかと思いきや、逆に「チームSKY」がグイグイと攻め上がり、「ミステイクス」がゴール前で防戦する場面も。一度自陣にボールを持ち込まれると、キック力が弱いKHRクラスではなかなか押し返すのが難しいのだが、それでも「ミステイクス」はその“巧さ”で無失点にしのぎ、奪った1点のリードを守りきった。

 ミステイクスはその後、失点をするものの必ず試合終了時にはリードするという試合巧者ぶりを発揮し、4戦全勝、勝ち点12で決勝戦に進んだ。一方の「チームSKY」は緒戦で波に乗り切れなかったことが響いたのか、僅差で敗れてしまう惜しい試合が続き、勝ち点を獲得できなかった。


 予選2戦目に登場した「チームルールブック」は、試合開始前から注目を集めていた。というのも、このチームは「四川会Jr.」の森永氏、ROBO-ONE本大会でトーナメントを裁く公認レフリーの小林雅司氏、先日のROBO-ONE SOCCERの主審をつとめた浅野克久氏が組んだチームなのである。森永氏はともかく、他のお2人は普段イベントの運営側なので、ロボットを操作している姿自体がレア。他の参加者の注目を集めることになったというわけだ。

 対戦相手は前々回に2位となっている「日本工学院八王子」。前半開始から容赦なく攻める「日本工学院八王子」に対し、うまくポジションを取ることができない「チームルールブック」。そうこうしているうちにオウンゴールを決めてしまい、リードを許してしまう。機体はキック力の強い「四川会Jr.」とほぼ同仕様なのだが、操作に慣れていないからなのか、終始「日本工学院八王子」に押された試合が続き、「チームルールブック」は1-3でデビュー戦を飾ることができなかった。話を聞くと、直前に数時間練習しただけということで、仕方がない結果だったのかもしれない。

 「チームルールブック」はキック力の強さを活かして全試合で得点を記録するものの、守備の甘さも併せ持った試合運びで2勝2敗の3位。初参加ながら実力の一端は見せたといえるだろう。小林氏はプライベートでサッカーをプレーしていたこともあるというが、その経験が活きたのか、操作に慣れてからはうまいポジショニングで得点する場面もあった。せっかくなので今後も参加者として活躍するのを見てみたい。勝利した「日本工学院八王子」のほうは、ライバル「ミステイクス」戦で1-2と敗れるものの、残り3戦で勝ち点3をしっかり確保し、全体の2位で決勝進出した。

 チーム参加数が奇数だったために3戦目からの登場となった「助っ人60%含む」は、機体の故障で数的不利になる場面も多く、「チームルールブック」との対戦では今大会の最大得点差「0-5」を記録。だが、勝ち点0同士がぶつかった最終試合の「チームSKY」戦では2点を奪い、快勝した。


【動画】「ミステイクス」セイガ(イガア)の巧いプレー。上がったコア(新井克己)を狙ったが、通らないと見るや相手に当ててキックインをゲット 「チームルールブック」のメンバー 【動画】「日本工学院八王子」のキーパーはしっかりとキープするモーションを作り、守備に貢献

【動画】「チームルールブック」の猛攻から必死でゴールを守る「チームSKY」。0-1の惜しい敗戦 【動画】後半に1-2と1点返した直後、起き上がりでオウンゴールしてしまう「チームルールブック」 【動画】「ミステイクス」戦でほとんどゴールした状態から押し返すも、あらためてロングシュートを決められてしまった「助っ人60%含む」

 予選リーグの上位2チームが直接対決する決勝は、KHRクラスのライバル同士である「ミステイクス」対「日本工学院八王子」の顔合わせになった。お互いに戦い方を知っているチーム同士の顔合わせは、見えない刀のつばぜり合いが行なわれているような試合になった。ゴール前までは攻め込むことができても、いざピンチとなればチームの3機が一体となってゴールを守り、なかなかゴールラインを割ることができない。前後半を通じてそんな試合が続いたが、後半残り30秒あたりで、ボール1個分あるかないかという隙間をついた「日本工学院八王子」のシュートがギリギリで「ミステイクス」ゴールに飛び込み、これが決勝点となった。

 「日本工学院八王子」チームは第7回以来、約1年ぶり2度目の優勝。第9回では逆に終了直前に「ミステイクス」にゴールを決められて2位に終わっていただけに、見事リベンジ成功となった。「日本工学院八王子」チームのリーダー、前田氏は第一声で「運もあったような気はします」と答えてくれたが、予選では1-2と負けている「ミステイクス」との再戦に臨んで、「ボールにかたまらないようにしようと修正しました」と、戦い方を整えていたことを教えてくれた。 

 KHRクラスは金銭的な投資が比較的少なくて済むので、気軽に参加できるのが魅力だ。しかし、イコールコンディションの中で勝利するためには、3機1チームが一体となって動くチームワークが不可欠となってくる。そこを理解してからあらためて試合を見てもらうと、KHRクラスの面白さに気づいてもらえるかもしれない。


【動画】決勝戦前半の攻防。ロングシュートは惜しくもポストを叩く 【動画】同じく前半。「日本工学院八王子」の見事なパスワーク

【動画】後半残り30秒を切ったところで決まった決勝点 【動画】決勝点直前、水際で得点を阻止する「日本工学院八王子」

オープンクラス

オープンクラスの参加者の皆さん
 21日(日)には、全身にKONDO製サーボモーターを使用している二足歩行ロボットであれば、自作機も参加OKという「オープンクラス」が開催された。ハイパワーサーボを搭載している機体が群れをなしているクラスということもあり、ボールは大型で重めのもの、フィールドは縦横90cm拡大、ゴールも50cm拡大されている。先日開催されたROBO-ONE SOCCERで2位に入った「RFCバンブーブリッジ」や3位の「トリニティ」といった有力チームを筆頭に、「ガンバ」「関東支部」「サアガとMANOI団」「GAT(個人参加チーム)」という6チームが集まり、リーグ戦+トーナメントを争った。

 3チームずつ2リーグに分かれ、その順位に応じて全チームが決勝トーナメントに進むという今回のシステム。Aリーグには「ガンバ」「RFCバンブーブリッジ」「関東支部」、Bリーグには「サアガとMANOI団」「トリニティ」「GAT(個人参加チーム)」と分かれることになった。

 さて、筆者は例によって「RFCバンブーブリッジ(以下バンブー)」のキーパーとして出場していたのだが、ちょっと言い訳させてください。この日はリーダー石井氏の機体が絶不調。会場でトリムを設定し直すような状態で挑んだ。1戦目の「ガンバ」戦こそ4-1で勝利したものの、2戦目の「関東支部」戦では相手の攻撃をしのぐのがやっとという始末で、0-0の引き分け。辛くも得失点差でリーグ1位通過を果たしたが、予選が終わったときには、朝はちゃんと動いていた大塚氏の機体まで不調に。

 そんな状態だったので、イベント全体のうち半分くらいの試合は直接見ることができておりません。申し訳ありません。何しろ試合の合間は機体の修理と調整にチーム全員で取り掛かっていたもので(写真参照)。

 そんなこんなで挑んだ準決勝、対するはBリーグ2位から準々決勝を10-0というKONDO CUP史上最大得点/得点差で勝ちあがってきた「サアガとMANOI団」。チーム名にも冠されているとおり、ROBO-ONE SOCCERではチームメイトとして肩を並べて戦ったサアガを中心に、MANOIアスリートクラスの5m走歴代2位のタイム(9秒19)を持っているATACO、かつてKHRクラスのバンブーから唯一得点を奪った酉旦那氏のMAN01という面子のチームである。サアガをどれだけ止められるかが勝負の分かれ目だったが、石井氏の機体が最後まで調子を取り戻せず、あれよあれよという間に「先制→中押し→ダメ押し→トドメ」と失点。なんと0-4というスコアで軽くひねられてしまいました。ちょん。


 気を取り直して。準決勝のもう1試合は、「トリニティ」が「関東支部」を2-0で降した。これで決勝の顔合わせは、前回「カイザー・オールスターズ」に奪われた優勝カップを取り戻そうと意気込む「トリニティ」に、打倒トリニティを看板にさまざまなチームを渡り歩くイガア氏のサアガが象徴的な「サアガとMANOI団」となった。

 前日の決勝も息詰まる接戦だったが、この日はさらに輪を掛けた緊張感の試合になった。「トリニティ」の誇るツートップ、ライムグリーンのクロムキッドと赤いガルーのキック力はクラスでもトップクラス。ジャストミートすれば自陣ゴール前から相手のゴールを脅かすことさえできる。対する「サアガとMANOI団」は強烈なスピードが武器だ。しかも速度だけではなく、スラローム状の動きで最短距離を移動できるのだから鬼に金棒。キック力で劣るぶん、ドリブル突破で状況を打開するのである。

 そんな2チームの戦いは、前後半5分を戦っても0-0のドロー。ゴールデンゴール(サドンデス)方式の延長戦(3分)も、前後半戦って0-0。両チームがっぷり四つに組んだまま、PKにもつれ込むことになった。

 PKのキーパーは「トリニティ」が正キーパー・rsv3。「サアガとMANOI団」はスピードに優るサアガを送り出す。サアガはオープンクラスの機体としては小型だが、スピードのある横歩きで「トリニティ」のシュートを阻む。rsv3も安定したセービングを見せ、解説陣も「PKで決まらなかったらじゃんけんでしょうか」と語り始めたその時、rsv3の放ったシュートがゴール左下隅に決まった! 「PKは苦手」と話すrsv3の吉田氏が決めたのは、何かの因縁だろうか。トリニティは後攻だったため、この1点が入った瞬間に、トリニティの優勝が決まった。

 「毎回どんどん厳しくなる」と話す、「トリニティ」のガルーを駆るくまま氏。だが、厳しいといいながらここ最近のKONDO CUPで負けたのは「カイザー・オールスターズ」だけという安定度だ。「カイザー・オールスターズ」が西の横綱なら、東の横綱として押しも押されぬ存在といっていいだろう。「強いチームがたくさん出てくるのは面白くなっていいと思います」というコメントには、王者の風格も感じられた。勝負を決めたrsv3の吉田氏は「前回PKで負けているので、PKは嫌だったんだけれども、これで気分が軽くなった」とコメント。仕事が忙しくて調整不足だったものの、以前の大会用に用意した微妙な位置決めモーションがマイコンボード内に残っており、それが役に立ったという。

 次回のKONDO CUPは2008年12月を予定しているというが、詳細な日付や場所は未定。ROBOSPOTのサイトなどで告知されるとのことなので、次回に参加してみようという人はチェックを忘れずに。

 次回に向けて、バンブーは……まずちゃんと歩けるようにしないといけません。全員で、反省ッ!


【動画】予選リーグの「トリニティ」対「サアガとMANOI団」戦。スピードが速いATACOにあわてたのか、rsv3がオウンゴール 【動画】ロングスローで相手キーパーを狙うのがよくわかる「トリニティ」のクロムキッド 「GAT」チームは予定していたメンバーが欠席となって、急遽ROBOSPOTのKHRが助っ人参戦。「サアガとMANOI団」から1点もぎ取るものの、リーグ戦は3位。準決勝は0-1で惜しくも敗戦した

【動画】準決勝の「RFCバンブーブリッジ」対「サアガとMANOI団」。先制点を決められたシーンは画面の端でよく見えていないが、足を広げた大塚氏のマシンを飛び越えるシュートを喰らっている (写真参照)揃いのTシャツを着込んで機体を修理し続けるバンブーの面子。撮影は石井氏の奥さんです 【動画】準決勝で「関東支部」陣内に押し込む「トリニティ」。「関東支部」のキーパー・だんだだんも粘るが、最後は力尽きる

【動画】決勝戦前半の序盤 【動画】後半戦終盤。キック一発で情勢が変わってしまうオープンクラスの戦いがわかる 【動画】延長戦前半。「ココで決めてやる!」というお互いの意地がぶつかり合う攻防

【動画】延長後半戦でスピードを活かして攻め込む「サアガとMANOI団」。フェイントの掛け合いが息詰まる 【動画】サアガの見せ場。クロムキッドのシュートに見事に反応!

【動画】こちらはrsv3の見せ場。サアガのPKを指先で止める! 【動画】優勝を決めたrsv3のPK。サアガも反応するが、一歩及ばず

URL
  ROBOSPOT
  http://robospot.jp/
  近藤科学
  http://www.kondokagaku.jp/

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( 梓みきお )
2008/10/22 14:52

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