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Team OSAKA、新型ロボット「VisiON TRYZ」を発表

~ロボカップ2006ブレーメンに出場

 産学連携の共同開発グループ「ドリームチーム・Team OSAKA」は、完全自律2足歩行型ロボット「VisiON TRYZ」(ヴィジオン・トライズ)を開発したと発表し、財団法人 大阪市都市型産業振興センターが運営する「ロボットラボラトリー」で記者会見を行なった。

 「Team OSAKA」は2004年に開催されたロボカップジャパンオープンの大阪誘致をきっかけに2003年6月に結成された産学連携ロボット研究開発コンソーシアム。ヴイストン株式会社、株式会社システクアカザワ、京都大学ベンチャー ロボ・ガレージ、大阪大学 石黒研究室、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)によって構成されている。

 「Team OSAKA」はサッカー競技を通じてロボット技術の進歩を狙う「ロボカップ」の世界大会ヒューマノイドリーグで2回連続優勝している。「VisiON TRYZ」は、6月14日からドイツで開催されるロボットによるサッカーのワールドカップ「ロボカップ2006ブレーメン 世界大会」に出場し、3連覇を目指す。

 「VisiON TRYZ」は身長49.5cm、重量は約2.7kg。ボールやキーパーを認識し、サッカー競技を行なう自律型二足歩行ロボット。TRYZという名前は、ロボカップ三連覇を狙うことから数字の3を意味する「tri-」とTry(挑戦)をかけた言葉。開発期間は約半年。

 2004年「ロボカップ世界大会(リスボン)」で優勝した「VisiON」、2005年「ロボカップ大阪世界大会」で優勝した「VisiON NEXTA」(ヴィジオン・ネクスタ)の次世代機。身長47.5cm、約3.1kgだったVisiON NEXTAをさらに軽量化した。フレームにはカーボンファイバーが採用されている。いっぽう、外装にはゴムとプラスチックの性能を併せ持った柔らかい樹脂素材を採用。複数体ロボットによる衝突や転倒の衝撃に強くなった。


 自由度は足が7軸×2、腕が4軸×2、腰に2軸、首1軸で合計25軸。電源はリチウムポリマー(7.4V、2,800mAh)。

 本体に内蔵したメインCPUには株式会社ピノーの小型組込みCPUボード「PNM-SG3 500MHz」を採用。OSにWindows XPを搭載、高演算性能を実現して画像認識性能を向上させた。VisiONの特徴でもある全方位カメラの処理能力は25%向上し、速いボールを認識する能力が高まり、フィールド全体を見ることができるようになった。そのほかサーボモータの制御用に、サブCPUとしてヴイストン製のSH2 40MHz搭載ボードを採用している。

 センサー類は31万画素CCDを使った全方位センサー、2軸加速度センサー1個、ジャイロセンサー1軸×3個、各関節の位置を把握するポテンショメータ25個を搭載している。首の後ろにはUSBポートを2つ持っており、Windows環境でのアプリケーション開発が容易に行なえる。

 今回、ヴイストンでサーボモーターと、モーター制御用ボードも新規に独自開発した。1個1個のサーボに対して全二重通信が可能になり、モーターの制御周期が3倍になった。これにより、膝は固く足首はやわらかく制御するなど、細かで滑らかな制御が可能になった。

 歩行動作は逆運動学によって生成され、そのほかの動作生成にはATRが開発したモーション編集ソフトウェア「Robovie Maker」を使用して作成する。

 デザインはボディの9割が黒とするようにロボカップのレギュレーションが変更された結果、従来のVisiONデザインを踏襲しつつ黒中心になった。

 会見では、ヴイストン株式会社の代表取締役でチームの監督である大和信夫氏による決意表明と、「VisiON TRYZ」の機能説明およびデモンストレーションも行なわれた。


VisiON TRYZ 頭部には全方位カメラが収められている 基板をおさめた胸が張り出して「ガンダム」体型になった。胸のすき間から見えているのはスピーカー

背面 首の後ろにUSBポートが二つ モーターケースにも放熱用の穴が開けられている

足首 シュートの様子 歴代VisiON
【動画】黄色いポールに向かってシュートする 【動画】シュートをセーブする様子 【動画】こちらは自分から距離が遠いボールをセーブする様子
【動画】同上。別角度から 【動画】「頑張ってきます」と挨拶


VisiONの認識画像 Team OSAKAメンバーは「モバイル」と呼んでいるキーボードとディスプレイだけのノートPCもどきのインターフェイス端末。中には基板は入っておらず、VisiONに接続して使う。左が新型

 大和氏は、「今年、ロボカップに出場するのかどうかについては長い間考えた」と語った。開発費用は人件費込みでおよそ3,000万円だが、大阪市のロボカッププロジェクト自体はいったん終了しており、今回は補助金という形式での援助は受けていない。

 だが、大和氏らは前回までの出場の結果、多くの人たちからの声援を受けた。「我々の力だけで優勝できたのではないと感じた」のだという。そこで、とにかく三連覇までは頑張ってみようと昨年末から開発を始めた。


ヴイストン(株)の代表取締役 大和信夫氏。Team OSAKA監督 ロボガレージ代表 高橋智隆氏。デザインや外装の担当 システクアカザワ(株)代表取締役社長の赤澤洋平氏。2004年のTeam OSAKA監督

 大和氏は「これまで、試行錯誤を繰り返してきた。ロボットを作るのは難しいが、競技会に勝つのはさらに難しい。日本の代表という意気込みで、今年はJapanと書いて日の丸を貼り付けて出場する。(実際のサッカーの)ワールドカップで日本チームがクロアチアと戦っているときにロボカップの優勝チームが決まる。我々も日本のロボット技術をアピールするために頑張っている。日本チームと合わせて応援してもらいたい。我々としても最後の一秒まで気を抜かずに頑張って、再び優勝カップを持ち帰りたい」と語った。

 「TeamOSAKA」は今回、3台のVisiON TRYZと、会場では未公開だった、より大型のVisiON 3台、合計6台のロボットで出場する。ドイツに出発するのは来週の11日。

 なお記者会見が行なわれた「ロボットラボラトリー」は、大阪市が、次世代ロボットテクノロジー(RT)産業創出のために2004年11月に開設した拠点。大阪市で次世代ロボットの企画・設計から生産まで対応するための次世代ロボット開発ネットワーク「RooBO」、「大阪ロボット社会実証実験イニシアティブ(Osaka robot society proof experiment initiative:ORi)」、「ロボット起業塾」などの活動を行なっている。


URL
  ヴイストン
  http://www.vstone.co.jp/
  Team OSAKA
  http://www.vstone.co.jp/top/products/robot/v2/
  ロボットラボラトリー
  http://www.robo-labo.jp
  【2005年7月14日】ロボット技術の総合見本市「ROBOTREX2005」開催(PC)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0714/robo.htm
  【2005年6月28日】ロボカップ2005記者発表会(PC)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0628/robocup.htm

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( 森山和道 )
2006/06/08 18:32

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