2月4日(水)~6日(金)の日程で、「テクニカルショウ ヨコハマ 2009」が横浜市みなとみらい地区にあるパシフィコ横浜にて開かれている。入場は無料だが登録が必要。今回で30回目を迎える工業技術見本市で、主催は財団法人神奈川産業振興センター、社団法人横浜市工業会連合会、神奈川県、横浜市。会場の一角には特別企画として「サービスロボット技術交流ゾーン」も設けられている。本誌では主にこのゾーンの展示をレポートする。
なお併催行事として「次世代ロボット連携群」による講演会と「神奈川環境プラットフォーム」の見学会が予定されている。こちらは別途レポートの予定だ。
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ヨコハマものづくりポータルゾーン
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株式会社キュー・アイの小型水中ロボットが展示されている
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株式会社音力発電の「発電床」などもブース出展
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株式会社アサンテは「シロアリ防除ロボット」システムを出展している。平成18年8月から平成20年3月にかけて経済産業省の「サービスロボット市場創出支援事業」のもとで開発されたロボットだ。「調査・施工の見える化」「困難な施工箇所の克服」「映像情報の共有化」を実現し、業務の信頼性向上、それに伴う営業効率向上を目指している。人の代替ではなく、人の能力を発揮させることをロボットに期待しているという。本誌レポート記事(2007年8月、2008年2月、2009年2月)もあわせて参照していただきたい。
株式会社イクシスリサーチも同社が展開する各種ロボットコントローラのほか、点検用ロボットプラットフォームを出展している。25cmまでの段差を乗り越えることができる。こちらのロボットはブースのほか、ステージでデモを行なっていた。
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アサンテブース
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床下点検ロボット「ミルボIII」
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協働ロボット
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イクシスリサーチの点検用ロボット
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ロボットの状態をモニターできる
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【動画】走行の様子
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プレゼンするイクシスリサーチ代表取締役 山崎文敬氏
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モーターコントローラ類も出展
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カードで遊べる「SimROBOT」
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株式会社リバストは、同社が販売している4輪台車ロボットや小型6軸アームのデモを行なっていた。株式会社AAIジャパンも同じく同社が代理店として販売している小型知的移動ロボットやアームロボットを出展していた。株式会社パトナは教育向けの小型の車輪移動ロボットや多脚ロボットを出展。主に教育機関や博物館、児童科学館などが取引先だという。
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リバストが販売している台車ロボット。教育用途が主だという
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AAIジャパンが販売しているロボットアーム
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パトナの教育向け小型移動ロボット
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パトナの多脚ロボット。少し位相を遅らせた動きを後ろのモジュールに送ってムカデのように歩行する。理論上は何個でも繋げることができる
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NPO法人国際レスキューシステム研究機構/東北大学田所研究室は、「今年のロボット」大賞2008で優秀賞を獲得した「能動スコープカメラ」を出展、デモしていた。30cmおきにモーターがつけられており、そのモーターで繊毛を振動させることで駆動、推進する。幅3cm程度の隙間であっても深く能動的に入っていける。国立大学法人東京農工大学工学部遠山研究室は、独自開発の球面超音波モーターを用いた管内検査ロボットを出展していた。
独立行政法人産業技術総合研究所のブースではメンタルコミットロボット「パロ(http://paro.jp/)」を出展・デモ。神奈川県のブースでは県の取り組みを紹介するほか「ロボLDK~ロボットのいるくらしコンテスト」の模様を映像と出場ロボット1体で紹介していた。独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は対話型コミュニケーションプラットフォームロボット「Phyno」を出展。ネットワーク家電などと連携したシステムのユーザーインターフェイスロボットで、株式会社ユウビ造形から商品化もされている。
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NPO法人国際レスキューシステム研究機構/東北大学田所研究室の能動スコープカメラ
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東京農工大・遠山研の管内検査ロボットの先端
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NICTの「Phyno」
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産総研「パロ」
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神奈川県ブース
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ロボLDK出場ロボット
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マイクロストーン株式会社は無線3軸振動記録計のデモをダイエット用機器とぬいぐるみでデモンストレーション。大谷技研は人がガラス基板を扱うための吸着パッドを出展。真空ポンプを使わないため軽量であり人が扱うのに適しているという。現在この技術を応用したガラス壁面清掃ロボットや、真空を使った非接触吊り上げ搬送などの開発を行なっているという。
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マイクロストーンブース
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大谷技研の吸着パッド
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窓ガラス清掃ロボットを開発したいという
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早稲田大学可部研究室は認知症の予防支援を目指して開発している赤ちゃん型ロボット「Herby」を出展。中身のサーボモーターやコントロールボードは近藤科学の二足歩行ロボットキット「KHR」シリーズの部品が使われている。動作は非常にゆっくりしているが、実際に抱いてみると、動きは意外と大きく感じられる。そのほか感圧センサや3軸加速度、ジャイロ、地磁気センサなどを備えているこのロボットは実際にはインターフェイスとしての働きが想定されており、被験者の状態に応じて光や音をコントロールする「スヌーズレン環境」をフィードバック・コントロールするために用いられる(なおスヌーズレンについては日本スヌーズレン協会のサイトが詳しい)。
同じブースでは株式会社アルファネットは音声認識システム「アルファボイス」のデモを行なっていた。株式会社ピートゥピーエーは同社の音声認識システムと会話エンジン「CAIWA」を使ったe-Learningシステムのデモを行なっていた。
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早稲田大学可部研の赤ちゃん型ロボット「Herby」
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【動画】Herbyの動き。ゆっくりと呼吸のような動きをする
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【動画】Herbyの脚部の動き。もぞもぞと動く様子が意外とリアルだ
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赤ちゃん型ロボット「Herby」の研究コンセプト
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ピートゥピーエーによる音声認識を使ったe-Learningシステム
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このほか、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)による深海巡航探査ロボット「うらしま」の模型を使った展示や、中学生ものづくり知的財産報告書コンテスト「ロボットアイデアチャレンジ」の紹介、社団法人日本ロボット工業会と日刊工業新聞社による「2009国際ロボット展」(会期:11月25日~28日、東京ビッグサイト)の案内などが行なわれていた。なおアンケートにこたえると「ロボットキューピー」がもらえる。
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JAMSTECブース
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ロボットキューピー。アンケートに答えるともらえる
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サービスロボット技術交流ゾーンのプレゼンテーションステージ。ロボットデモなどが行なわれる
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■URL
テクニカルショウ ヨコハマ 2009
http://www.tech-yokohama.jp/
( 森山和道 )
2009/02/05 00:29
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