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糸で吊した状態で機体の姿勢を変える様子をデモする「たま2G。」
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7月6日、パナソニックセンター東京にて開催された第2回ROBO-ONEサッカー内にて「ROBO-ONE宇宙大会」の選抜競技が行なわれた。「ROBO-ONE宇宙大会」とは2010年以降を目標としているイベントで、大きさ50cm四方の「ROBO-ONE衛星」と、4台の二足歩行ロボットを打ち上げ、宇宙でロボットバトル大会をやろうというもの。打ち上げ方法や衛星本体、運用詳細については検討中だ。
この、打ち上げるロボットを選ぶための競技が選抜競技である。参加者は、軽量の自作二足歩行ロボットを水平距離1m以上、垂直距離50cm以上を目安とした距離から手で放り投げて着地後、3歩以上歩行しなければならない。このため「ROBO-ONE」参加者たちの間では「投げロボ」とも呼ばれている。
なぜロボットを投げるのか。自由落下中のロボットは、無重量状態のそれと同じように機体制御しなければならないからだ。また大会実行委員長の、放り投げられて着地するロボットが見たいという強い意向も反映されている。
非常に難しい競技であり、放り投げられたロボットのほとんどは着地に失敗した時点で破損してしまう。だが予選競技はこれまでにも何度か行なわれており、空中での姿勢制御ならびに着地に成功したロボットも既に出ている。ただしまだ規定の「3回連続」着地、歩行に成功したロボットはないため、引き続き選抜競技が行なわれている。
前回までは、方向を問わずどれかの軸で90度以上ロボットが回転しなければならないということになっていたが、既にそれには成功したロボットが2台出たため(マジンガアBパーツとKZR)、今回から最低2軸以上で回転しなければならないということになった。この規定によりロボットは猫ひねりのように体をひねることが要求され、ますます難しい競技になった。
1回成功すれば賞金は10万円。成功したロボットは賞金30万円と、そしてROBO-ONE宇宙大会参加機体第1号として認められる。
今回は7台のロボットがエントリー。うち、5台が実際に投擲・着地・歩行にチャレンジした。そのうち、以前、3回連続着地に成功するも惜しくも歩行に失敗したため選抜競技突破にはならなかったKAZZさんの「KZR-X4」が1回の着地・歩行に成功した。参加者たちのチャレンジの模様を動画でご紹介する。各チャレンジは、1人につき3回行われる。多くのロボットが機体制御用にホイールなどを使っており、投げる前の電源オンと共に回転するその音が会場を盛り上げた。
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【動画】「Petapina」は投げる前に自ら成功シミュレーションを解説
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【動画】【高速度撮影】ガスを放出して機体制御することを事前にデモ。ガスがタンクから出ているのがうっすら見える
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【動画】【高速度撮影】ガスを出すとタンクが冷えてしまうためチャレンジは1度のみ
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(高速度撮影は全て大塚実。使用機材はCASIO「EX-F1」、300fpsで撮影)
毎回、ユニークなロボットが登場し、さらにそれがネジそのほか部品を撒き散らしながら床に激突することの多いこの競技。自分で作ったロボットを敢えて放り投げる参加者達には拍手を送りたい。
1回だけだったが前回に続いて着地に成功したKAZZさんは、喜びながらも委員会側に「そろそろ課題を安定させてもらえないとレベルが上がっていかない。とりあえず早めに課題を発表してほしい」と苦言を述べた。
なお「宇宙大会」の詳細や、これまでのチャレンジ例については過去の関連記事をご覧頂きたい。
■URL
ROBO-ONE宇宙大会
http://www.robo-one.com/sp/
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( 森山和道 )
2008/07/08 00:22
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