2008年6月7日(土)~8日(日)、東京・浅草のROX3スーパーマルチコートにて、近藤科学製二足歩行ロボットキット「KHR」シリーズの4周年を祝う「KHR 4th Anniversary」が開催された。初日の7日には、従来どおりの無線操縦によるKHRシリーズ限定格闘競技のほか、センサを搭載した自律ロボットによる競技、そして2日目には無線操縦のロボットによるサッカー大会「KONDO CUP」第11回大会が開かれた。
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会場はKHR Anniversaryの“ホーム”である浅草ROXスーパーマルチコート
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外とは区切られているが、フェンスから会場内が見える半室内のため、通りすがりの人も観戦していた
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会場外ではKHRのほか、ロボットフォースのブースから「ファイブ」が出張呼び込み
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2日間とも、競技の合間には体験操縦が行なわれていた。観光客の外国人の方も観戦にきていた
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KHR用オプションパーツとして発売されている「Blaser」のブース。休憩時間にはステージデモも行なっていた
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参加賞も豪華だ。毎年恒例のTシャツに、イトーレイネツ製KHRの強化フレーム類(計12,480円相当)が付属
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● KHRバトル競技
今年で4回目を迎えた「KHR Anniversary」の特長は、イベント参加の敷居を低くしようという努力である。今年は参加人数の関係で行なわれなかったが、予選はまっすぐ走るだけでいい“ダッシュ”によるタイム勝負が通例。予選落ちしたとしても、Bトーナメントと呼ばれるランブル→トーナメントが用意されている。KHRシリーズを購入し「初めてイベントに出てみました」という人でも、比較的長い時間、参加してもらえるように配慮されているのだ。
またルール面でも、3分1ラウンド3ダウン制のバトルトーナメントという一般的なROBO-ONEルールに近いものを採用しているが、わかりにくい「スリップダウン」はダウンカウントに影響しないほか、捨て身技も5回までという回数制限が設けられているものの、細かい区分はなし。ハイパワーサーボに交換できる数にも制限があり、極端な性能差がつかないようになっている。
この日は29機がエントリー。予選がなくなった関係で、朝一番からいきなりバトルが始まることになった。
全機がKHRベースということになるのだが、実際にリングに立つのは初代KHR-1のフレームが見て取れるものから、「いったいどこがKHR?」と聞きたくなるような機体まで、バリエーションが豊富。外装も含めてユーザーが思い思いに「マイKHR」を仕上げた作品展のようなリングとなった。
そんな中、圧倒的な力を見せたのが、えまのん氏の「Cavalier」。ボディはKHR-2HV用の強化フレーム、手足は初代KHR-1のブラケットを使用した機体である(同氏は同じ名前の機体でROBO-ONE決勝出場権認定大会で優勝しているが、名前が同じなだけでまったく別のロボットだ。念のため)。自重を活かした横方向の突きと前後の“なぎ払い”でバッタバッタとダウンを奪い、準決勝では、くまま氏の「ガルー」(これも同名というだけで、ROBO-ONEに出場している機体とは別)を破り、決勝に進んだ。
一方、くぱぱ氏「クロムキッド」(これも同じく名前と顔が同じというだけで、KHR-1HVベース)とダース・ホリホリ氏の「ホリ・ワン」という顔合わせとなった準決勝は、スピードを活かしたヒット&アウェイ戦法を忠実に守った「ホリ・ワン」が勝利した。
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あたろう氏の「GANGA」を操縦するのはお父さん。息子さんは試合にも夢中だが、試合をしていないときもKHRのモーションの真似をしているくらいロボット大好き
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「KHR-赤」対「ガルー」。外装に凝った「KHR-赤」は控え室でも注目されていた
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【動画】「クロムキッド」対「ホリ・ワン」。背後で厳しい視線を送っているのはダース・ホリホリのお父さん
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パワーの「Cavalier」に対してスピードの「ホリ・ワン」となった決勝戦は、間合いをはかりながら攻撃を出し合う、決勝にふさわしい戦いとなった。スピードに優る「ホリ・ワン」は距離をとりながら一気に飛び込む戦法を取るが、「Cavalier」はうまく回り込んでなかなか決定打を打たせない。結局1-1のドローとなり、サドンデス方式の延長戦へ。延長でもヒット&アウェイを見せた「ホリ・ワン」だったが、勝負をかけて懐にもぐりこんだ打ち合いの結果、ダウンを奪われてしまった。
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【動画】KHRバトル決勝
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【動画】KHRバトル決勝延長戦
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「Cavalier」の強さの秘密。片足300gという真鍮の板を挟んでいる
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優勝したえまのん氏は先述のとおり、ROBO-ONE決勝出場権認定大会で優勝するほどの実力者。そのえまのん氏は「えげつないのはわかっている。現行のルールならここまで改造できてしまう」とコメント。警鐘を鳴らす意味も込めて作ったのが、今回の「Cavalier」だという。これを受けて、主催者側としては不公平がないように今後ルールの改訂に着手するとコメントしていた。
もちろん重いだけで勝てるほど競技会は甘いものではなく、えまのん氏は「上半身のパワーがないので、攻撃力は落としても攻撃中に倒れないようにした。そもそも、重い足裏で動けるように作るのが大変です」と、工夫あってこその結果を強調していた。
吊るしのロボットだけでは、競技会としてさびしいのは事実で、ユーザーも“マイKHR”と思い入れを注ぎ込むには、外装・パワーアップを含めた改造が不可欠だろうが、経験者とそうでない人にあまり差が付いてしまうと、初心者にハードルと感じられてしまう可能性もある。オーナーズミーティングの役目も担っているKHR Anniversaryだけに、このあたりの“按配”は難しいところなのかもしれない。
● 初登場の自律ロボット競技2本立て
近藤科学が発売した、自律用マイコンボード「KCB-1」を使用した自律ロボットによる競技が、今年初登場した。1対1で戦う「バトル競技」と、同じく対戦形式ながら標的を倒すスピードを競う「ビーチフラッグ競技」が行なわれ、社会人から学生チームまで、幅広い層が集まった。
自律によるバトル競技は、KHRシリーズおよびその小改造機に限定された「自律KHRバトル」と、近藤科学製サーボモータを使用していれば自作機でもOKという「自律オープンバトル」の2クラスが募集されたが、KHRクラスの5機に対してオープンは1機のみの出場(本当はもう1機出場予定だったが棄権してしまったらしい)だったため、エキシビジョンマッチのみということになった。
自律KHRバトルでは、ROBOSPOTで調整を続けていた森永英一郎氏の「こめた」が当のROBOSPOTスタッフ・杉浦裕太氏による「ROBOSPOT」とまず対戦。「こめた」が勝利を得るものの、決勝出場をかけた2回戦では永塚正樹氏の「やりすぎTHKR」の前に敗退。両氏ともにROBO-ONEの決勝トーナメントのリングに上がったこともある実力者だが、操縦するのと違っていったん始まったら思うようにならない自律バトルを、普段以上に力を入れて見ていた。
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会場に掲示されていた自律バトル競技の解説
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【動画】「ROBOSPOT」対「こめた」
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決勝は「やりすぎTHKR」と、九州から参戦した岩淵宏信氏の「コディガア」を破って勝ち上がったロボットフォース/岩機「ゴリアテ」。
決勝戦は他の参加者からも「操縦して戦っているのと変わらないレベル」と評された熱戦になった。リング上に2機のロボットがいるのは観客も製作者もわかっているが、戦っている当のロボットたちは、相手がどこにいるのかわからない状態。「どちらが先に見つけるか」が勝負を分けるので、どちらのロボットも“ただ移動しているだけ”に見えるのに、観客も製作者も息を呑む、独特の雰囲気が会場を支配する。
結局この日、調整していく中でセンサの角度などを微妙に調節していた「ゴリアテ」が勝利。岩機氏は「よかった。操縦だとあんなにうまくいけへんのですよ(笑)」と、満面の笑みで答えてくれた。モーションの作り込みが勝利を呼んだのはもちろんだが、それぞれのモーションを「どんな条件でどれを再生し、条件に合わない場合にどんな行動をするか」という、ロボットが判断するアルゴリズムの作り込みが一番大きかったという。
自律オープンバトルではIKETOM氏の「BLACK TIGER NEO」が、エキシビジョンマッチとして「ROBOSPOT」と戦い、圧倒的な力を見せていた。自律KHRバトルで優勝した「ゴリアテ」も挑戦したのだが、岩機氏が「オープンとはやっぱり差がある。こっちが横パンチ打ってるのに(相手が重くて)ウデが伸びない」と、お手上げだったようだ。前述のとおり、出場が1機だけなので優勝は「BLACK TIGER NEO」。
「今日初めて自律ロボットとのバトルをした」という「BLACK TIGER NEO」。IKETOM氏は「対人間なら相手は必ず近づいてくる。そうすればカウンターで攻撃することができるから、センサの感知距離は短く設定している。だが、自律ロボットが相手だとお互いが探しあうところから始まるので、センサの調整が必要ですね」と、次回に向けての課題を見つけていたようだ。
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【動画】自律KHRバトル決勝
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「ゴリアテ」は腕の先に2個ずつと両足のヒザにPSDセンサを搭載。計6個を駆使して戦っていた
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【動画】自律オープンバトル、エキシビジョンマッチ。相手がKHRクラスだと、機体ごと吹き飛ばしてしまうくらいのパワー差がある
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一方「ビーチフラッグ競技」は、KONDO CUPのKHRクラスのフィールドを舞台に、それぞれのゴール前からスタートした2機のどちらが先に、センターマーク上の“フラッグ”(というより柱)を倒すかという戦いだ。KCB-1を使用することが必須条件とされており、センサ類を使わずにモーションの精度を高めてフラッグを倒したり、歩いた結果接触してフラッグが倒れたものは無効とされている。しっかりとセンサでフラッグを見つけ、近づいたことを認識して倒さなければいけないわけだ。
エントリーは11チーム。トーナメントは2本立てになっており、1回戦で負けたチームがもう一度敗者復活トーナメントを行ない、準決勝に戻ることができる形になっている。
本トーナメントを勝ち上がったのは、神奈川県立磯子工業高校の「磯工ウォーカー」と日本工学院八王子専門学校の「海人」、ロボットフォース/岩機の「ゴリアテ」という3機(「ゴリアテ」はこの日、自律2競技にダブルエントリー)。これに敗者復活で勝ち上がった千葉工業大学「ルイージネット」が加わって準決勝が行なわれた。
「磯工ウォーカー」対「海人」は、スピードと確実性で圧倒した「海人」が2本とも先に倒し、決勝に進出。一方「ルイージネット」対「ゴリアテ」の戦いは、「ゴリアテ」が順調にフラッグにたどり着くも、空振りしている間にフラッグを見失ってしまう。「ルイージネット」はフラッグにたどり着くまで苦労したが、転倒しつつも最後にフラッグを倒し、1本目を勝利。また2本目では両者ともゴールにたどり着くことができず、距離での記録となり、結果「ルイージネット」が決勝に進出した。
決勝の「ルイージネット」対「海人」では、2本ともに危なげなくフラッグを倒した「海人」が勝利。勝ち進んでいる間の休憩時間にも何度となく練習を行ない、歩行が曲がってしまうなど気になる点を逐一修正していったという。その緻密さが今回勝利に繋がったのではないだろうか。「海人」を製作した日本工学院八王子専門学校はKONDO CUPのKHRクラスでも常連のチームだが、KONDO CUPの経験があるおかげで、モーションのどこを直せば正確に動くようになるか、というノウハウがあったのも大きかったようだ。
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ビーチフラッグ競技の解説
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どちらも倒せずにリタイヤor時間切れ(3分)となった場合は、フラッグからの距離が記録となる
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「やりすぎTHKR」も自律バトルとのダブルエントリー。画像認識でフラッグの赤を認識するようにしていたが、コート脇のKHRのポスターの赤に反応してリタイヤ連発になってしまった
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【動画】準決勝第1試合「磯工ウォーカー」対「海人」
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【動画】千葉工業大学「ルイージネット」対ロボットフォース/岩機「ゴリアテ」との準決勝1本
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【動画】自律ビーチフラッグ競技決勝。フラッグを確実に見つける「海人」の探索能力が際立つ
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最初は頭のセンサだけで動かすつもりだったが、確実にするために胸のセンサを会場に着いてから急遽追加したという。結果的にはこれが強さを支えた
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“下克上”で決勝戦まで進出した「ルイージネット」の頭部。11個のPSDセンサのうち、後ろの6個はじつは配線が繋がっていない
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● 第11回KONDO CUPはKHRクラスが主役
そして2日目に行なわれたのは、おなじみのKONDO CUP。この日はKHRの誕生日パーティーということもあり、KHRクラスが8チームと大盛況。前回12チームの大量エントリーを集めたオープンクラスは、一転して4チームのエントリーにとどまった。
KHRクラスは4チームずつ2リーグに分かれ、それぞれのリーグ勝者同士で決勝戦を行なう形。オープンクラスは4チームで1つのリーグ戦を行なった結果で決勝トーナメントの4枠に散り、あらためてトーナメント戦を行なうという方式が取られた。
KHRクラスのAリーグは「ミステイクス」「日本工学院八王子」「SKY」「ロボ道楽、」の4チーム。Bリーグは前回優勝チーム「四川会ジュニア」を筆頭に、「電通大ロボメカ」「ガンバ・デ・マシン」「OBSIDIAN」の4チームで構成された。
Aリーグは、前回ポイントゲッターの不在が響いて予選リーグ敗退の憂き目を見た「ミステイクス」が、初心者同士が組んだ初挑戦チーム「SKY」を3-0で降し、前回決勝まで進出しながら「四川会ジュニア」に初優勝をさらわれた「日本工学院八王子」が個人参加チームの「ロボ道楽、」と0-0で引き分けるというスタートとなった。3戦目には「ミステイクス」対「日本工学院八王子」の直接対決があり、どちらも譲らず0-0の引き分けとなったことで、「ミステイクス」が一気に決勝進出切符を引き寄せた……と筆者は思っていた。
だが、4戦目の「SKY」に4-0という大差で勝利したことで、「ロボ道楽、」が得失点差でリーグ首位に。5戦目の「ロボ道楽、」対「ミステイクス」戦は、勝ったほうが決勝進出、引き分けになると、そのあとに6戦目「SKY」戦を控えている「日本工学院八王子」にも決勝進出の可能性が残るという、超注目の一戦となった。
決勝点は、この日「ロボ道楽、」の全得点をたたき出した「コディガア」が前半に奪ったもの。試合はこの1点を守り抜いた「ロボ道楽、」が制した。だが、「コディガア」だけが活躍したわけではない。この日の予選で無失点だったことからもわかるとおり、「コア」や「か~る」「think02」を含めた全員が体を張って守りきる団結力は、リーグ覇者にふさわしいものだった。
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初心者同士で結成されたという「SKY」にとって、初挑戦としては厳しい組に入ってしまったかも。それでも「日本工学院八王子」とは0-1の僅差なので、今後が楽しみなチームだ
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【動画】「ロボ道楽、」対「SKY」戦。あっという間に敵陣にボールを持ち込む「コディガア」の恐ろしさがわかる
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【動画】「ロボ道楽、」対「ミステイクス」決勝点の場面
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一方、Bリーグでは前回初優勝を飾った「四川会ジュニア」が緒戦の「電通大ロボメカ」戦で6-0という圧倒的な力の違いを見せて始まる。
「四川会ジュニア」の勢いは止まらず、次戦の「ガンバ・デ・マシン」を1-0で、最終戦の「OBSIDIAN」も3-0で破り、3戦全勝で決勝に進んだ。リーグ2位だった「ガンバ・デ・マシン」や3位の学生チーム「OBSIDIAN」も健闘したものの、KHRクラスとは思えないキック力を持った四川会ジュニアが相手では、如何ともしがたかったようだ。
ちなみに、KHRクラスではサーボモータを4個まで換装できるが、「四川会ジュニア」は股ピッチ軸とヒザにKRS-4013HVを搭載してキック力を高める仕様で3機を揃え、モーションを共通化することでチーム力をアップさせている。他チームも当然サーボを強化しているわけだから、この共通化が「四川会ジュニア」の力になっていたようだ。
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【動画】「四川会ジュニア」対「電通大ロボメカ」前半戦
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【動画】「四川会ジュニア」対「電通大ロボメカ」後半戦
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【動画】「ガンバ・デ・マシン」対「OBSIDIAN」戦の前半
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【動画】「ガンバ・デ・マシン」対「OBSIDIAN」戦の後半
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互いに無失点という2チームがあいまみえた決勝は、その実績どおり「守りあい」になった。たとえゴール前までボールが運ばれたとしても、すぐにクリアされてハーフウェーライン近辺でもみ合う時間帯が長く続き、前半が0-0で終了。後半も同じような展開が続き、結局0-0で引き分け。3分ハーフ・ゴールデンゴール方式の延長戦に入る。その延長戦では、次第に「四川会ジュニア」が決定的な場面を作り始めるが、両チームのメンバーはよく集中して戦い、前後半6分を終えて0-0のスコアレスドローとなった。
合計16分間の戦いを終えた両チームは、優勝決定のためのPK戦に入るが、PK戦でも互いに譲らない。最後に決めたのは後攻6人目(つまり2順目)となった「おふろ」。長い熱戦に終止符を打つゴールは、ひたすら繰り返されるフェイントに我慢できずに動いてしまった「か~る」を見て、空いたスペースに流し込んだ渋いシュートだった。
四川会ジュニアは昨年に続いての優勝で2連覇となった。機体は前回優勝したときのものと基本的に変わらないという。じつは今大会に向けて、一度挑戦的な改造を行なったそうなのだが、うまくいかなかったので実績のある最初の構造に戻したのだそうだ。「おふろ」オペレーターの菅原氏は「やっぱりバランスが大事なんですねー」と語ってくれた。
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【動画】「ロボ道楽、」対「四川会ジュニア」後半
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【動画】「ロボ道楽、」対「四川会ジュニア」延長後半。「四川会ジュニア」がかなり際どいところまで押し込んでいる
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【動画】PK戦3人目、先攻の「コディガア」がゴール右隅を慎重に狙って決める。ここで決まったかと思われた
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【動画】3人目後攻の「おふろ」が放ったシュートはキーパー真正面ながら、開いた股の下を通ってゴール!
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【動画】決勝ゴールの場面。ゴール裏で悔しがっているのがキーパー「か~る」のオペレーター、道楽、氏
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勝利のダンスとばかりに“EXILE”を披露する四川会ジュニア。当日の控え室でこのモーションを調整する余裕を持ちながら、優勝
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オープンクラスは4チームながら、リーグ戦の後に全チームが決勝トーナメントをあらためて戦うので、最低でも4試合できるお得な日程となった(そして例によって筆者は「RFCバンブーブリッジ(以下バンブー)」のメンバーとして参加していた)。
リーグ緒戦は「トリニティ」と「バンブー」の組み合わせ。前々回まで4連覇していた「トリニティ」は、前回の準決勝で「カイザーオールスターズ」に負けて連覇が途切れているものの、KONDO CUPで最も有力なチームという評価に揺るぎはない。一方「バンブー」は有力どころの一角には上げられるものの、「トリニティ」と当たるとどうしても勝てない試合が続いている。いきなり「トリニティ」戦は正直避けたかった。
というのも、今回「バンブー」は試合開始直前まで起き上がりモーションを作っている機体があるなど、ドタバタの中での参戦だったからだ。何を隠そう、起き上がりモーションを作っていたのは筆者の機体である(威張れません)。
そんなバタバタの第一試合、「バンブー」としては「点を取られては勝ち目がない」ということで、若干引き気味のポジショニングをとった。舞台裏を話すと、普段はキーパーをやっている筆者の機体が改造直後ということで、「万が一にも決定的な場面で動きの安定感を欠くのはまずい」ということで前線に回り、大塚氏の「宗0郎」にキーパーを託していたのである。結果的にはそれが功を奏したのか、「トリニティ」に0-0で引き分け。緒戦から負けなかっただけでも「バンブー」としては上出来だ。
もう1試合の「関東支部」対「四川会」は2-0で「四川会」に。KHRクラスの「四川会ジュニア」と共通の機体が参加している「四川会」だが、その力はオープン級だということがこれで証明されたともいえる。
「バンブー」は3試合目の「関東支部」戦を2-0、「四川会」戦を3-0で勝利し、2位以上を確定。「トリニティ」は「四川会」戦を2-0としたものの、「関東支部」戦を4-0で勝ち、2勝1分で「バンブー」と勝ち点が並ぶが、得失点差で1位通過を果たした。
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【動画】「関東支部」の「だんだだん」が見せたパンチング。ヘタにスローインをするよりも確実だろう
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「四川会」に参加していた吉村氏の巨大な「R-Blue」。シームレス歩行でボールに迫る様子は妙な迫力がある。配線がショートして焼けてしまい、リーグ戦途中で故障者リスト入り
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決勝トーナメントは1位と3位、2位と4位が当たる準決勝から。こちらは動画でどうぞ。
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【動画】準決勝第一試合、「トリニティ」対「四川会」の前半。「トリニティ」の波状攻撃がよくわかる
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【動画】準決勝第一試合、「トリニティ」対「四川会」の後半
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【動画】準決勝第二試合、「バンブー」対「関東支部」前半。じつは押し込まれる場面も多かったので、ピンチ多数
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【動画】準決勝第二試合、「バンブー」対「関東支部」後半
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結果、決勝は筆者の所属する「バンブー」と、もう何度目なのか覚えていないが、戦うたびに敗北させられてきた「トリニティ」の顔合わせに。何度となく厚い壁として立ちはだかってきた「トリニティ」を相手に、まずは「失点しないこと」という共通認識を持って挑んだ。
しかし前半3分過ぎ、ゴール前に放り込まれたスローインのボール処理にバタついた筆者の機体が、ちょうど動いた大塚氏の機体の脇を抜ける見事なオウンゴール。「失点しない」はずだったのに、前半からビハインドを背負ってしまった。
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【動画】決勝戦前半。終了間際にはキーパーの頭の上を越されるシュートをもらうが、ポストに救われる
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【動画】決勝戦後半。いい場面までは作れても、ゴールまではいたらず
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「トリニティ」はこれで「個人参加チーム」として優勝した第3回を含めて6勝目。KONDO CUPは今回で11回だから、半分以上を制しているわけだ。ファウルの判定など、審判の判定が辛くなるあたりも、強さの裏返しという見方もできるだろう。また連覇を続けていきたいという「トリニティ」のメンバーの表情に余裕すら伺えたのは、話を聞いていた筆者が負けた当人だからかもしれない。
● 今後のKONDO主催イベント
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参加者集合
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KHR 4th Anniversaryの締めとして、近藤科学の代表取締役社長・近藤博敏氏は、4年目の誕生日を迎えることができたKHRシリーズの新たな可能性として、今回新設された自律バトルや自律ビーチフラッグ競技などを定期的に開催していくつもりだと述べた。
詳細な日程は決まっていないが、KONDO CUPと自律ロボットの競技会を、交互に2ヶ月ごと開催するつもりだという。あらためて決定しだい、近藤科学やROBOSPOTのサイト上に公開されるそうなので、注目したい。
特に初日の「ビーチフラッグ競技」がそうだったのだが、学生チームが多く、従来の二足歩行ロボット競技会と大きく異なる雰囲気だった。
出場者に話を聞いてみると、無線操縦で行なう従来の競技は、学内で「遊んでるだけじゃないか」と言われることもあったようだが、センサを取り付け、アルゴリズムを構築して行なう自律競技は一定の評価をしてもらえることから、予算を組んで出場しやすいのだという。複数の学校関係者から同じような話が出てきたので、今後競技会で裾野を広げるときに、この「自律競技」はひとつのキーとなるのではないかと思わせられた。
■URL
近藤科学
http://www.kondokagaku.jp/
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( 梓みきお )
2008/06/27 00:03
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