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【 2009/04/17 】
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〜ロボットスーツ「HAL」や本田技研工業の歩行アシストも体験できる
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「第12回 ロボットグランプリ」レポート【大道芸コンテスト編】
〜自由な発想でつくられた、楽しい大道芸ロボットが集結!
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北九州市立大学が「手術用鉗子ロボット」開発
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ROBOSPOTで「第15回 KONDO CUP」が開催
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【 2009/04/14 】
大盛況の「とよたこうせんCUP」レポート
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ロボットウィーク2006「ロボ・コレ」レポート

〜最先端のサービスロボットが集合! ロボットのいる“未来"が身近に

クイーンズスクエア横浜において開催された「ロボ・コレ 〜Robot Collection〜」
 10月27日から10月29日まで、神奈川県のパシフィコ横浜およびクイーンズスクエア横浜において、「ロボットウィーク2006」が開催された。ロボットビジネスのシンポジウムや、「ロボットとともに実現する理想のくらし」をテーマにしたコンテスト、最新のサービスロボットの展示など、盛りだくさんのイベントが催され、会場は大いににぎわった。主催は神奈川県/社団法人日本ロボット工業会。ここでは27日と28日の両日、クイーンズスクエア横浜において開催された「ロボ・コレ 〜Robot Collection〜」の模様について紹介する。

 「ロボ・コレ」では、ロボットのいる“未来”を身近に感じられる最先端のサービスロボットが集合。クイーンズスクエア横浜の一角にあるオープンスペースに会場をつくり、誰でも気軽に立ち寄れるように工夫を凝らしていた。イベント会場自体はこじんまりとしていたが、実際にロボットに触れられる動態展示形式となっており、各出展者によるデモンストレーションも行なわれた。


暮らしをサポートするサービスロボットのデモ

 このイベントでまず目を引いたのは、ロボットサービスイニシアチブ(RSi)の展示だ。RSiは、通信ネットワークを活用したロボットサービスを家庭や公共スペースに円滑に導入すべく発足した推進団体。相互運用性のあるロボットサービスを提供するために、関連企業と連携しながら標準仕様の作成、実証実験、普及促進などを行なっている。2006年10月に、ロボットサービスの標準仕様として「RSiプロトコル」を公開した。今回のRSiのブースでは、三菱重工業、東芝、富士通、ビジネスデザイン研究所のサービスロボットが展示されていた。

 愛・地球博などでもお馴染みの「wakamaru」は、標準タイプとともに、スケルトンモデルが展示されていた。wakamaruは、家庭で一緒に暮らせるサービスロボットとして三菱重工業が開発したもの。家の中を動き回り、家族の顔を見分けて自然な会話をしたり、届いたメールを読み上げたり、スケジュールを教えてくれたりする。留守中に、周囲で移動する物体を検知すると、指定先にメールで連絡することも可能だ。また、ニュースやラジオ番組(Podcast)をインターネットからダウンロードして流すこともできる。


三菱重工業のサービスロボット「wakamaru」。ヘッドのカメラ周りに付いているIR-LEDを発光させ部屋に設置されたマーカーからの反射光をカメラで検出。三角測量の原理で自己位置を特定する スケルトンタイプの「wakamaru」。機構が見えて面白い。標準モデル同様、胴体には長距離の超音波センサ、短距離検出用の赤外線センサのほか、段差/サイド検出用の赤外線センサ、衝突検出用のバンパーセンサなどを搭載 スケルトンボディの中央部。長距離検出用の超音波センサ(上)と、コミュニケーションの状態が視覚的にわかる表示部(中央)。人の心臓のような感じだ

肩の関節部の俯瞰。上の小さいユニットがサーボモータ、下のユニットはギアで、タイミングベルトでモータの動力を伝達する機構 【動画】スケルトンタイプの「wakamaru」のデモ。ロボットの構造が見えるが、アイコンタクトして顔をみながら会話をしてくれる。ロボットではなく、人格をもつロボットとして感じられる。思わず握手を交わす

 商業施設やオフィスなど、人のいる環境での作業支援するサービスロボットが「enon」だ。人の案内から、物の搬送、巡回監視など1台で多機能な作業をサポート。このロボットは、富士通研究所と富士通フロンティアによって共同で開発された。今回のイベントでは、会場となったクイーンズスクエア横浜のフロアの簡単な情報案内などをデモンストレーションしていた。


富士通研究所と富士通フロンティアが共同開発したサービスロボット「enon」。胴体部にタッチパネル式の液晶が装備されており、さまざまなサービスメニューが表示される 「enon」のデモンストレーション。ここでは会場のフロアの案内をしていた。まだ場所まで移動しながらの案内はできないが、身振り手振りで情報を知らせることは可能

 個人的に興味をひいたのは、東芝が開発した「ApriAlpha」のデモだった。ユーザーとの簡単な会話や、ニュース・天気予報の通知などは他のサービスロボットでも見られるが、家電を操作できる点がいかにも東芝らしい発想だと感じた。「明かりを点けて」、「エアコンを切って」などとロボットに呼びかけ、無線通信によって家電を操作させるデモを披露。

 特に面白かったのは、ネット経由でBlogに書き込んだ家電操作の情報をもとに、ApriAlphaが家電を操作させる実演だった。自然言語分析体系「corpus」を利用して、ブログのコメントを、ロボットの命令コマンドに置き換えてから操作するしくみだ。このほか、テレビの電源を入れた際に、顔認識によって、その人の好みに応じたテレビ番組なども選択できるようになるという。


東芝が開発した「ApriAlpha」。他のサービスロボットと比べて小さいが、部屋の中での移動もできる。室内地図を利用して経路を自動生成し、指定箇所を巡回・監視 ApriAlphaによる家電操作のデモ。ここでは人の呼びかけや、Blogでコメントを打ち込んで、エアコンを操作していた。Blogでの操作は新しい発想だ

ビジネスデザイン研究所のコミュニケーションロボット「ifbot」。病院に入院している患者の様子を見守ることを想定したデモを展開していた
 また、ビジネスデザイン研究所のコミュニケーションロボット「ifbot」を2台連携することで、入院患者の様子を見守る想定のデモも行なわれていた。たとえば、RSiサービスサーバを介して、病室の患者の様子をナースステーションにリアルタイムで転送したり、テレビ電話機能で会話をしたり、といった利用方法を考えているとのこと。

 ただし、緊急時への対応などは現在のところ考えていないそうだ。あくまで様子を見守ったり、患者の“癒し”としての位置づけだという。見守り機能を活かした実証実験の計画も進んでいる。


災害援助や監視に特化した特殊用途のロボットも展示

 NPO法人の国際レスキューシステム研究機構(IRS)では、レスキューロボットとして「蒼龍」(3号機)の展示とデモを実施していた。IRSは、産学共同の先端テクノロジを結集し、大規模災害で活躍できるレスキューシステムのつくるために組織された団体だ。

 蒼龍は、東京工業大学の広瀬研究室で開発されたロボットをベースにしており、倒壊家屋の瓦礫の隙間から内部に進入して、中に閉じ込められている被災者を発見できる。カメラや本体のコントロールは有線で行なうが、これは被災環境では無線が利用できないためだ。

 IRSでは、このほかにも、跳躍・回転移動体、瓦礫内探索ロボット、飛行型レスキューロボットなど、いろいろな働きをする災害対策ロボットの実用化を目指している。被災時にはこれらのロボットが役割ごとに協調して作業しながら、人々を救済できることを目標にしているという。


レスキューロボット「蒼龍」(3号機)。車体は前部、中央部、後部に分けられており、リンクの収縮によって、地形や障害物に応じた姿勢をとれる。探査中に横転しても、容易に起き上がり、元の姿勢に戻れる 蒼龍の先端部。カラー映像カメラとサーモビジョンが装備されている。サーモビジョンによって温度を検出し、被災者を発見する。上部にはマイクがあり、被災者との対話も可能

新開発のクローラが装着されていたデモ機(写真の手前側)。ゴム製のグリーサがランダムな間隔で並んでいるが、これは不整地走行や障害物の乗り越えなどで足をとられても、走破できるようにするためだ 【動画】階段をかけ上るデモでスムーズな動きを見せる蒼龍。もし本体が横転しても、姿勢を柔軟に変化させて、元の姿勢に戻れる

 セコムのブースでは、すでに実用化されている監視ロボットとして「セコムロボットX」の展示とデモが行なわれた。このロボットは、家屋や会社の中を巡回し、不審者などをカメラで監視する。映像は無線でセンター側に送られてPCに保存されるが、モーションディテクト機能によって動いているものを検出し、センター側に通知できる。

 もし不審者を発見した場合は、光やメッセージ(センター側からの警告も可能)による威嚇のほか、オプションの発煙装置を使って相手を追い払える。


セコムの監視ロボット「セコムロボットX」。家屋や会社の中を巡回しながら、カメラで不審者や不審物などを監視。光やメッセージのほか、オプションで発煙による威嚇も行なえる セコムロボットXの後部に取り付けられてる全方位監視センサ。合計6つのセンサがユニット化されている。このセンサの下部にはレーザセンサも搭載

セコムロボットXの監視画面とコントロールパネル。メイン画面のほか、前方と後方3カ所ずつカメラを切り替えて監視できるサブ画面もある 【動画】セコムロボットXの遠隔操作による走行。最高速度は約10km/h。大容量バッテリを搭載すると、約7kmほど走行できる。所定位置に戻り、自動充電も行なえる。ガイド線走行による自動走行も可能だ

 このほか、イクシスリサーチが伝統芸能の分野で活躍できる「和ロボット」のデモや、ロボットと連動したダンスゲームを紹介。

 リヴィールラボラトリのブースでは、マウスだけでロボットのモーションをつくれるソフトウェアを展示していた。現在のところ、近藤科学の「KHR-1」やヴイストンの「Robovie-MS」に対応しているが、他のロボットでも利用できるようにするという。NECもチャイルドケアなどに適するパーソナルロボット「PaPeRo」を展示していた。


【動画】イクシスリサーチのデモ。ダンスゲームで足のタイミングがうまく合うと、ロボットが動作するようになっている。残念ながら人の動作までには対応していないが、2足歩行ロボットとゲームの組み合せという発想は面白い 【動画】イクシスリサーチの「和ロボット」。日本の伝統芸能とロボットの新しい融合が目を引く。ロボットは、近藤科学の2足歩行ロボット「KHR-1」をべースに、若干の改良を加えている

リヴィールラボラトリのブース。近藤科学の「KHR-1」 や、ヴイストンの「Robovie-MS」などのモーションを、マウス操作だけで作成できるソフトウェアを展示 NECもパートナーロボット「PaPeRo」を展示。人物ごとの好感度、親密度などを持っており、接し方によって反応が変化する。チャイルドケアなどに適する

URL
  ロボットウィーク2006
  http://robotweek.jp/
  ロボ・コレ
  http://robotweek.jp/robot2.html

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「ロボットビジネスシンポジウム〜今後のビジネス潮流を読む〜」レポート(前編)(2006/10/27)
「ロボットビジネスシンポジウム〜今後のビジネス潮流を読む〜」レポート(後編)(2006/10/30)


( 井上猛雄 )
2006/10/31 00:12

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