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クラフトハウスから二足歩行ロボット用フレームキット「メリッサ」発売


二足歩行ロボット用フレームキット「メリッサ」
 福岡県福岡市のクラフトハウスが、二足歩行ロボット用フレームキット「メリッサ」の販売を開始した。

 メリッサは近藤科学のサーボモーター「KRS-4000シリーズ」に対応したフレームキットで、近藤科学・イトーレイネツ・大日本技研の各社の製品、それに九州ロボット練習会で独自に工夫を加えたパーツを組み合わせて製作されている。このため、クラフトハウスでは「汎用パーツアセンブル機」と呼んでいる。なお、九州ロボット練習会で考え出されたパーツも製品化はイトーレイネツに委託している。

 このメリッサフレームパーツに、KRS-4000シリーズのサーボモーター、近藤科学の制御ボード「RCB-3」を組み合わせて、二足歩行ロボットを構築する(クラフトハウスでは、メリッサキットで製作された二足歩行ロボット自体もメリッサと呼称している)。

 メリッサの名前はギリシャ神話に出てくる「ミツバチ」の意味で、「蜂のように軽快に動いて蜂のように攻撃する」機体を目指して命名されたとのこと。


メリッサを販売しているクラフトハウス天神 クラフトハウスの栗元一久社長 箱に入ったメリッサパーツ

メリッサ開発の経緯

 メリッサは、栗元社長がほれ込んだイトーレイネツのフレームと、九州ロボット練習会で考え出されたロボット脚部の構造が組み合わされ、それに「外見のかっこよさ」を考えて作り出されたフレームキットだ。

 元々は京商の二足歩行ロボットMANOIの重心を下げて安定性を高めるために、holypong氏(Automoシリーズの製作者)が考案したMANOI短足化パーツが最初である。これにHotproceedの湯前氏が足首の直交軸を組み合わせ、重心を下げて安定性を増した脚部下部のモデルができた。それにサッカー用に考え出されたKHR-2HVの強化脚「SC-4000CV」上部の構成を組み合わせたものがメリッサの足である。これとイトーレイネツのフレームを組み合わせ、栗元氏がクラフトハウスでの商品化にこぎつけたものがメリッサフレームだ。

 メリッサの外見で特徴的な拳は、Blaserの別売りパーツであるレフトナックルを栗元社長が気に入り、大日本技研に働きかけてFORMULA外装の両拳を復活させたものとなっている。ロボットの動きには直接関係ないが、手工芸品の材料を販売するクラフトハウスの栗元社長ならではこだわりと言えるだろう。


クラフトハウスで開催されたBlaser大会での1コマ。右端が直行軸足首のBlaser用Automo。中央にオーナーのholypong氏の姿が見える メリッサ脚のルーツの1つとなったイトーレイネツのSC-4000CV 非公式ながら、メリッサは9月6日に長崎県佐世保市で開催された「メカライブ2008」でデビューしていた

市販されているメリッサパーツ

 クラフトハウスでは次の3種類のメリッサパーツを販売している。

☆ボディパーツセット……21,787円
☆レッグパーツセット……27,195円
☆アームパーツセット……13,125円

 基本的にメリッサはフレームキットだが、要望があれば対応するサーボーモーターやRCB-3、それにTEC-3やREV-1といった無線コントローラーシステムも一緒にクラフトハウスで購入することができ、二足歩行ロボット・メリッサを組み立てることができる。もちろん、KRS-4000シリーズサーボが手元にあれば、それを使用することも可能だ。クラフトハウスの栗元社長によれば「家で余っているKRS-4000シリーズサーボの有効利用もメリッサを考えた理由の1つ」とのことだった。


ボディパーツセット。R-BLUEのボディを基本にしているが、脚パーツはロール軸で接続する レッグパーツセット。九州ロボット練習会の工夫が詰まっている アームパーツセット。2つの拳は大日本技研製

 このメリッサフレームの長所は、サーボーモーターの組み合わせによって、パワーの違う二足歩行ロボットが自由に構成できることだ。クラフトハウスでは、製作例としてメリッサS(メリッサスタンダード級・20個すべてのサーボモーターをKRS-4024で製作)、メリッサT(メリッサトライブ級・JSRC・SRC用にKRS-4013およびKRS-4014のハイトルクサーボを5つまで使用)、メリッサH(メリッサヘカトンケイル級・ハイトルクサーボを6つ以上使用)の提示をしている。

 3つのパーツに分けた理由だが、ロボット製作において「ボディのみ」「脚部のみ」「腕部のみ」をメリッサパーツで製作し、それぞれを別のロボットパーツと組み合わせることを想定しているとのこと。たとえば安定した歩行をさせるために、脚部のみをメリッサパーツで構成し、別の上半身と組み合わせることも可能だ。

 この他にもクラフトハウスでは、パーツセットから近藤科学とイトーレイネツの市販品を取り除いた次の3種類のセットもばら売りしている。

☆メリッサボディ……15,750円
☆レッグフレーム……8,400円
☆ナックルセット(注)……3,150円
(注)…ナックルセットは、元々は大日本技研の「FORMULA外装セットから頭部キットだけを外したもの」だが、FORMULAのものより色を黒くしている。


メリッサボディ レッグフレーム ナックルセット

 サーボモーターの選択も含めて、メリッサはかなり自由度の高いロボットフレームキットと言えるだろう。


メリッサの注意点

 クラフトハウスはメーカーではないので、メリッサの詳しい取り扱い説明書などは付属していない。クラフトハウスでは「二足歩行ロボットに詳しい人にメリッサフレームを使ってほしい。たとえばすでに二足歩行ロボットを持っている人のセカンド機としてメリッサをお勧めする」としている。

 ただし、クラフトハウスではメリッサ組み立て講座を開催する予定があるそうなので、「初心者にお勧めはしないが、不可能でもない」とのことだ(講座は1回5,000円程度で、2回ぐらい受けてもらえれば何とか最初の一歩を踏み出せるまでにはなるだろうとのこと。ただし、当然のことながら講座はクラフトハウスの所在地である福岡市近郊でないと受けることはできない)。

 またメリッサ専用のサンプルモーションなどはないので、モーションは自分で製作する必要がある(脚部の軸間の長さはKHRに等しくしてあるため、KHR用の一部のサンプルモーションの流用は可能だが、やはり一部に限られる)。

 細かいことだが、メリッサフレームには六角ナットを使った部分があり、組み立てには六角レンチが必要となる。そして当然のことだが、サーボーモーターの構成の仕方によっては、ロボット全体がかなり高価なものになる。そこは予算と相談して構成を決めていただきたい。


二足歩行ロボット「メリッサ」の特徴

 メリッサフレームを使って製作された二足歩行ロボット「メリッサ」の特徴について説明しておく。

 一番の特徴は足を短くして重心を下げたことによる、安定した歩行だろう。市販の二足歩行ロボットキットでも安定して歩かせるのには、努力とコツが必要だが、メリッサはKRS-4000シリーズを使っていることもあって、かなり楽に安定して歩かせることができる。

 次に特筆すべきは拡張性の高さだ。予算があればサーボーモーターを高性能なものに交換してメリッサロボの性能を高めていくことができる。またクラフトハウスが販売しているだけあって、無線コントロールシステムのTEC-3やREV-1、それにBlaserシステムの取り付けも考慮されている。予算次第で、いろいろと発展させることが可能なシステムだといっていい。

 それから「外見の格好よさ」も重要なセールスポイントだ。足を短くしたことにより、逆にがっしりした体型の力強いフォルムとなっている。また強力なサーボーモーターを使うため、外装を装着してもよく動けるロボットを目指しており、将来はメリッサ用の外装を販売することも考えているらしい。

 メリッサは、KRS-4000シリーズサーボ専用のオールアルミのフレームキットのため、ロボット全体として見ると、他の市販機と比べてそれなりに高価なものになる。しかし、歩行の安定性、イトーレイネツ製のフレームを使った精度と強度、それに各所に見られる数々の工夫など、よりよく動ける機体をできるだけ簡単に製作できることを目指したロボットパーツだと言える。興味のある方はぜひともメリッサフレームを使ってほしい。


写真のメリッサは、JSRCにも出場できるトライブ級のもの。両足首と両膝と腰軸にKRS-4013を計5個使用 メリッサとHAUSER。HAUSERの膝と肩がダブルサーボになっているところを除けば、メリッサとHAUSERは同じ軸構成になっている 足の付け根がロール軸なので、こんなこともできる

スイッチは背中側の右肩部にある。右下はスイッチ保護用の金具 メリッサの特徴である脚部のアップ 脚部を斜め後ろから。サーボが後ろに突き出ているのがわかる

メリッサのリアビュー 腰を捻ったパンチを放つメリッサ 安定した歩行を見せるメリッサ

【動画】メリッサの前進と後進 【動画】コーナーを曲がるメリッサ 【動画】腰を捻ったパンチでペットボトルを倒す

【動画】九州ロボット練習会で実現した、YOSHIMURAアルミ脚セットを装備したマノイ・マノンvsメリッサの戦い 【動画】オマケ。題して「クラフトハウスでファイト一発!」

URL
  クラフトハウス
  http://www.crafthouse.jp/robot/robot.html
  メリッサ
  http://www.rakuten.ne.jp/gold/grass-road/melissa/melissa.htm


( 大林憲司 )
2008/11/27 17:17

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