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トヨタ4代目パーソナルモビリティに乗ってみた!
~未来コンセプトビークル「i-REAL」運転体験レポート


一般来場者が運転体験中。乗って説明を聞いてすぐその場で動かせる使いやすさも特徴
 東京・お台場にあるトヨタの無料アミューズメント施設「メガウェブ」で、7月26日(土)より同社の最新パーソナルモビリティ「i-REAL」の一般向け運転体験「i-REAL 運転体験!~未来のモビリティを体感してみませんか?~」を開始した。8月末までほぼ毎日行なわれる。記者も実際に試乗させてもらってきたので、その乗り心地をレポートする。

 i-REALは、昨年秋の第40回モーターショーで発表されたばかりの、トヨタの4代目となるパーソナルモビリティ。全長995mm(歩行モード)/1,510mm(走行モード)、全幅700mm、全高1,430mm(歩行モード)/1,125mm(走行モード)というスペックを持つ。前2輪・後1輪のレイアウトで、これまでのように頭部を覆うようなパーツがなく、開放感のあるデザインが特徴だ。

 i-REALは、「より“人”に近づいたパーソナルモビリティ」がコンセプト。2005年の愛・地球博で披露された「i-unit」と、第39回東京モーターショーで披露された「i-swing」の両方の長所を採り入れ、なおかつサイズや走行性能、操作性などを実用化レベルまで引き上げてある。それにより、「REAL」という名がつけられているというわけだ。


i-REAL(右)とi-unit。i-REALはi-unitと比べるとシンプルなのがわかる 2005年に発表された「i-swing」。第39回東京モーターショーで披露された(アムラックス東京で撮影) トヨタの初代パーソナルモビリティ「PM」。2003年第37回東京モーターショーで発表(アムラックス東京で撮影)

 これまで、i-unitの一般運転体験はメガウェブなどトヨタ系の施設で何度も行なわれているが、i-REALは今回が世界初。普通自動車運転免許証の所有者のみ参加でき、身長150cm以上、体重90kg以下などの条件がある。1日2回開催されており、13時30分と17時30分から。土日は各回抽選で10名が試乗でき、平日は各回先着5名となっている。

 ただし、8月2日(土)、3日(日)、9日(土)、10日(日)は抽選で5名の短縮版となるほか、毎週月曜日と8月1日(金)は休止。メガウェブ内には複数の施設があるが、会場はトヨタユニバーサルデザインショウケースとなる。

 i-REALは、これまでの3台のパーソナルモビリティと同様に、2段階に変形が可能。速度は出せないが、高い姿勢(専有スペースが小さくなる)なので歩行者と同じ視線で移動できる「歩行モード」と、最高時速30km/hまで出せる重心の低い姿勢の「走行モード」のふたつだ。

 走行モードでは、車輌に近くなるので、フロントライトとテールランプが点灯する。機関はバッテリ式のモーターなので、排ガスは出ない。フル充電したバッテリで30kmほどの移動が可能だそうで、今回のイベントスペースをグルグル回るような感じなら、約2時間は無交換で走れるという。


【動画】変形の様子。歩行→走行モード 【動画】変形の様子を正面から。歩行モード→走行モード。搭乗者はかなり後ろに寄りかかる姿勢になる 【動画】走行モード→歩行モードへの変形。この時の負荷が大きいので、90kg以上の人は乗れない

 操作は左右のスティックで行なう。基本は両手で操作するが、片手での運転も問題ない。スティックを前に倒すとアクセルで、手前に引くとブレーキ。力を抜いたニュートラルポジションは、エンジンブレーキのように徐々に減速する。左右への旋回は、スティックを進みたい方向へ倒して行なう。記者のように手が大きい場合は、外側に倒すと少々きついので、片手でも操作できるというわけだ。

 また、その場でグルグルと回る旋回も可能で、これ以上ないほど小回りが利く。会場のトヨタユニバーサルデザインショウケースなら、乗ったまま車輌や製品などの展示物を見て回れるはずだ。運転そのものは非常に簡単で、乗った瞬間から誰にでも動かせる。


【動画】歩行モードでの移動速度はこんな感じ 【動画】走行モード。時速6km/hは小走りぐらい。歩行モードより若干速いのがわかるだろうか

【動画】目が回りそうだが、その場旋回。通り抜けられるスペースさえあれば、どこへでも行ける 【動画】操作している様子。片手だけでも操作は可能だ

 また、背面がLEDになっており、左右に曲がる時などにクルマのウィンカーのように後方にいる人にアピールを行なう。歩行モードの場合は、多数のシャボン玉が曲がりたい方向に向かって流れていくというアニメーションが採用されている。なお、走行モードでは、また違うアニメーションが採用されている。


【動画】歩行モードを後ろから追いかけて撮影してみたところ。歩いても追いかけられる 【動画】走行モードでの移動をできるだけ後方から撮影してみた。速いので徒歩では置いていかれてしまう 【動画】走行モードでもゆっくり走れる

 実際に乗ってみた感じは、非常に乗り心地がいい印象をうけた。近所の買い物にはこれで行きたいと思わず感じてしまい、そのまま自宅まで帰りたくなったほどである。現在、道交法の問題で、日本ではi-REALのようなパーソナルモビリティは一般道で乗れないのだが、それが許可されたら、価格次第ではかなり普及しそうである。

 ただし、それには現在はセットされていないサスペンション機構をまず組み込む必要がある。現在はサスペンションがないため、路面の凹凸をタイヤが拾った際のショックがそのまま搭乗者や本体に伝わってしまい、一般道のような凹凸やうねりのある路面では乗り心地の面できつい。

 また、i-REAL最大の問題点ともいえる雨天時の対応という問題もある。i-unitのように頭の上に覆い被さる「ひさし」のようなパーツがないので、もろに雨が当たってしまうのだ。オープンカーの幌のように、なにがしかの対策をしないと、屋外では使いにくい(直射日光の降り注ぐ真夏の炎天下なども厳しい)。

 あとは、現在は「未来コンセプトビークル」ということで、未来志向のデザインをしているからだと思われるが、買い物カゴなどといった収納スペースもない。近所の買い物などの足に使うには、ぜひつけてもらいたいところだ。もちろん、こうした点は開発サイドでも心得ており、次のモデルではそれらに対する回答を用意し、さらに実用性を高めるべく開発中という話である。

 同社の5代目パーソナルモビリティは、これまでのペースから行くと、2年越しに新車が発表されている。2003年に初代PM、2005年はi-swingとi-unit、そして2007年にi-REALというわけだ。おそらく次は2009年の第41回東京モーターショーではないかと予想される。5代目は、よりいっそう実用性が高まっていることだろう。


 それから、変形した後の走行モードについて。i-REALは、あまり身長が高いと、走行モードで寄りかかる感じ(寝そべるとまでは行かないが、かなり後傾する)になったときに体にフィットしないようだ。走行モードへの変形は、前後のホイールベースが長くなって重心が下がることに加え、背もたれが上方に伸びて寄りかかりやすくなるのだが、座高が1m(身長は1.8mちょっと)もある記者だと、少々はみ出してしまう。

 しかし、その辺は自動車メーカーなので、シートに関してのノウハウはたっぷりとあるはずだ。トヨタ車の新車発表にも幾度かお邪魔しているが、運転席のシートで小さすぎて困るなどというクルマには出会ったことがないので、市販される際は何の問題もなくなっていることだろう。

 ちなみに、今回は走行モードの最高速を時速6km/h程度に抑えてあったのだが、それでも意外と速く感じた。このスイーっと走る感じは、ぜひとも味わってもらいたいところである。記者の予想では、社会人の方はなかなか難しいかも知れないが、先着で乗れる平日が狙い目に感じた。

 なおメガウェブでは、パーソナルモビリティ関連のイベントとして、「小学生あつまれ! i-unitキッズ運転体験」も実施中だ。7月はもう終わってしまったが、8月に入ってからは16日(土)、17日(日)、23日(土)、24日(日)、30日(土)、31日(日)に開催される。時刻は15時と16時の1日2回で、先着10名。当日の開始15分前に会場で受付開始だ。乗車条件は、身長120cm以上の小学生となっている。安全対策としてシートベルトを新たに設け、足を置くステップを高いタイプに変更しているので、小学生でも安心して運転可能だ。万が一運転体験エリアのフェンスにぶつかったりしそうなときは、無線で緊急停止ができる仕組みも備えられているので、保護者の方も安心である。

 さらに、ここだけの特別情報だが、メガウェブでは8月2日(土)、3日(日)、9日(土)、10日(日)に一般向けの、とある緊急体験イベントを行なう予定。詳細は、8月1日(金)の夕方にメガウェブ公式サイト上で発表されるので、要注目しておこう。


URL
  メガウェブ
  http://www.megaweb.gr.jp/
  i-REAL 運転体験!~未来のモビリティを体感してみませんか?~(案内)
  http://www.megaweb.gr.jp/Uds/Event/Ireal_experience/
  小学生あつまれ! i-unitキッズ運転体験(案内)
  http://www.megaweb.gr.jp/Uds/Event/Kids_iunit/
  トヨタ自動車
  http://www.toyota.co.jp/

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( デイビー日高 )
2008/07/30 00:00

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