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スイ~ッという感じで静かに走るi-REAL
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今月13日から、東京・池袋にあるトヨタのショールーム・アムラックス東京では、同社のパーソナルモビリティを集めた展示&デモイベント「走る! 魅せる! i-REAL meets アムラックス」を実施している。中でも土日は、最新パーソナルモビリティである「i-REAL」のデモンストレーションを実施中だ。実際に同館を訪問し、i-REALの操縦方法なども含めて、取材してみた。
今回の企画の目玉であるi-REALは、2007年10月に開催された第40回東京モーターショーで披露された、トヨタの最新のパーソナルモビリティ。名称にあるREALとは、パーソナルモビリティが実用化段階に入ったことを示している。コンセプトは、「より“人”に近づけたパーソナルモビリティ」だ。2005年に発表された2代目のi-unitと、3代目のi-swingの両方の長所を採り入れて設計されている。スペックは、全長995/1,510mm、全幅700mm、全高1,430/1,125mmだ。全長と全高が2種類あるのは、モードチェンジで変形するためである。
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人に対する大きさはこのぐらい
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i-REALを斜めから
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正面から
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【動画】i-REALを全周から録画
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構造は、フロント2輪(操縦者から見て、フロントというよりは両脇にある形だ)、リア1輪(一見球に見えるが、下にタイヤがある)の3輪。トヨタのパーソナルモビリティシリーズの伝統を受け継ぎ、変形機構を搭載している。人の早足程度の時速6kmが最高速度となる「歩行モード」は、姿勢を高くすることで専有するスペースを狭くし、歩行者とともに移動できるモードである。一方、最高時速30kmまで出せる高速の「走行モード」は、車輌のホイールベースを伸ばし、車高も下げて安定感をより高くし、クルマとしてより高速に移動が可能だ。また、形状には関係ないのだが、歩行者がi-REALを押して歩く際の「エスコートモード」というものも存在するし、乗降時は乗り降りしやすい「乗降モード」となる。
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前輪
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後輪
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デモンストレーションは、パーソナルモビリティの展示が行なわれている同館地下1階で行なわれている。東京モーターショーのデモンストレーションでも、かなり近くから見た人もいるかと思うが、今回は手を伸ばせば届くような本当に目の前。最前列からはわずか1mほど先を、すいーっと走り抜けていく。しかし、その至近距離だからこそ、なおさらわかるのが静粛性。マイクによる解説がなされているとはいえ、目の前を通っても走行音を聞き取れず、驚かされる。あまりにも静かなので、何か非常にリアルな立体映像でも見せられているような思いに陥ってしまうほどだ。
モード切替はとても滑らかで、これまた静かである。もう少し、サーボ音がしてもいいのではないかというぐらい静かなのが特徴だ。目に見えて高さが変わり、ホイールベースも変化するので、変形しているのはすぐわかる。だが、あまりにも自然な感じなので、変形していく様子を見ていないと、もしかしたら気が付かないのではないかというほどである。イメージとしては、メカニズムという固いものが変形するイメージよりも、生物が姿形を変化させるような柔らかいイメージと言ったらいいのだろうか。
デモでは、舞台となるスペースを縦横無尽に移動するのだが、意外とスピード感がある。ぶつかったりしたときに大丈夫か心配になってしまったほどだ。しかし、周辺監視センサーを搭載しおり、歩行者が接近している場合などは、操縦者に音や振動で通知する仕組みとなっている。同時に、背面のLED発光面を使用し光や音などで、驚かさない程度に周囲に対してもこちらの存在をアピールする仕組みにもなっており、歩行者と並んで歩くということに対して、当然ながら最大限の注意が払われている。なお、万が一の接触の際にも備えられており、ボディーは柔らかい素材で構成されている。
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【動画】誰も乗っていなくても色々と動く様子
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【動画】背面のLED発光面のパターンその1
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【動画】背面のLED発光面のパターンその2
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ちなみに、デモを目の前で見た感想だが、クルマやバイクとはまったく異なる不思議なイメージ。あえていうならイス(デザインはとても未来的だが)が移動しているような、今までにない感覚である。それから、変形や車体の傾きをかなりプログラムでコントロールできるようで、デモの最後の方では、踊るような姿を見せてくれた。
また、i-REALの操作方法だが、左右が連動したグリップで行なう。要するに、どちらか片方の手だけでも操縦できるというわけだ。前に倒すと加速し、後ろに引くと減速。また、グリップには人差し指をかける位置にトリガーが付いており、それを押しても(引き金を引く形)減速が可能だ。
モード切り替えは、すべて左手の操縦用グリップのそばに並んだボタンで行なう。変形用のボタンは3つ並んでおり、手前から走行モード、歩行モード、乗降モードのボタンが並ぶ。前方のふたつは、背面のLED発光面による映像表示を行なうボタンと、ハザードボタンとなっている。ボタンの手前には、タッチパネルとインフォメーションモニターが並んでいる。右側にも5つのボタンが並ぶ。手前がメインスイッチで、その次がパーキングブレーキ。前方の3つは、オートマ車のシフトのようになっており、D(ドライブ)、R(バック)、P(駐車)となっている。
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左のグリップ
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右のグリップ
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左のボタンのクローズアップ
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インフォメーションモニター
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ハザードランプを押すとここが光る
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右のボタンのクローズアップ
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そのほかのパーソナルモビリティは、まず「PM」から紹介。これはトヨタのパーソナルモビリティの第1号で、「着る感覚」で開発された。「Personal Mobility with visual communication system」の略である。2003年の第37回モーターショーに参考出展された。
上下に開閉するウィングドアタイプのキャノピーを採用している点と、4輪であることから、クルマのイメージがまだ強い。ちなみにデザイン的には、触覚のような細身のヘッドランプをはじめ、各種機能に生命体を思わせるような構成や構造を採り入れているのが特徴だ。
また、このPMの時から、モードチェンジで車輌姿勢が変化するシステムを採用。コンセプトは「であう、つながる、あつまる」で、最新の情報通信技術を活用することで、人とクルマの心が通う一体感を追求している。
インストルメントパネルには、赤外線式指先検出センサーが備えられており、空間入力を実現した「ビジュアルコミュニケーションシステム」が特徴。車輌情報だけでなく、外部からの多種多様な情報の入手が可能だ。そのほか、複数のPM間で情報交換や情報共有などができ、自動運転や追従走行機能が装備されている。
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後輪
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コクピット内
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操作用グリップの先端にはフォーンボタン
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2代目は、2005年3月から9月まで開催された愛・地球博で活躍して有名になった「i-unit」。自由に移動したい、走ることを楽しみたいという個人の欲求の充足と、社会との調和、さらには自然環境との共生を高次元でバランスさせることを追求している。
デザインテーマは「葉」。正面から見たときの、下端から頭頂まで走るボディーラインが葉を連想させる。太陽の光を命のエネルギーに換える、未知の力、生物の持つ合理性、シンプリシティ(無駄の無い機能美)を表現しているそうだ。この正面から見たときに葉のように見えるラインを初め、ボディーの各所が多種多様な色のイルミネーションで光る仕組みで、とても美しい。4輪構造となっており、こちらもモードチェンジ機構を搭載。
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操作用のボタン(と思われる)
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i-unitのコントローラーは左右非対称らしい。こちらは左側
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右側のコントローラー
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【動画】i-unitのイルミネーション
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2005年10月に開催された第39回モーターショーに出展されたパーソナルモビリティが、3代目となる「i-swing」(世代的にはi-unitと同じ第2世代と思われる)だ。「着る」感覚で乗降できるという、PMのコンセプトを継承しているのが特徴のひとつだ。その着る感覚をより明確にするため、布素材で覆った衝撃吸収用の低反発ウレタンボディを採用している。
そしてi-REALにつながる、状況に合わせて自在に映像表示を行なえるLED発光面を採り入れている部分も、デザイン的な特徴だ。3輪構造もi-REALに受け継がれる部分のひとつで、モードチェンジは一貫して採用されている。i-REALに対し、頭の上にひさしがあって、正面にガードがある感じだ(LED発光面が正面にある)。いってみれば、i-REALはそれほどまでにシンプルということである。
なお、今回の展示イベントだが、3月30日まで実施の予定。i-REALによるデモンストレーションは、2月は23日(土)、24日(日)の2日間。3月は1日(土)、2日(日)、8日(土)、15日(土)の4日間となっている。開催時刻は、13時30分から1時間置きに1日5回開催されるスケジュールだ。
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ボタン類(と思われる)
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グリップ。内側にボタン
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ひさしがあり、そこも色彩が変化する
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【動画】i-swingのイルミネーション
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■URL
トヨタ
http://www.toyota.co.jp/
アムラックス
http://www.amlux.jp/
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( デイビー日高 )
2008/02/21 00:08
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