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ジョーシン J&Pテクノランド、「ロボット専科イベント」レポート
~ロボファイト in テクノランドやマノイショーなど


二足歩行ロボットがロボットバトルを実演
 3月15日~16日に、大阪日本橋にある上新電機株式会社のパソコン専門店、J&Pテクノランドにおいて、「ロボット専科イベント」が開催された。

 同店では、昨年12月4階フロアにロボット関連商品を集めたコーナー「ロボット専科」がオープンした。今回は、ロボット専科で販売しているロボットキットが実際に動いているようすを来店者に見てもらうため、イベントを企画したという。当日はロボット工作教室や、京商のMANOIショー、ロボファイト in テクノランドが行なわれた。


京商MANOIショー

 MANOIショーは、ロボット専科常設フィールドで2日間実施した。

 MANOIは、京商株式会社が販売している全身17自由度の小型二足歩行ロボットで、人間の1/5スケールに相当する。ポリカーボネート製の外装ボディを塗装して、ユーザーオリジナルのMANOIが完成する。MANOIには、パフォーマンスタイプのPF-01と、アスリートタイプのAT-01がある。今回のステージは、PF-01によるキーボード演奏&ダンスと、AT-01の運動能力をアピールした。

 PF-01は、身長40cm、重量約2,000g。バッテリは専用リチウムポリマーバッテリ。MANOIのピアノ演奏に合わせて、アメリカンカラーのMANOIが「ロンドン橋」などのダンスを踊った。

 このアメリカンカラーのMANOIは、TVチャンピオンのペイントアート選手権で優勝した岩崎雅一氏(キャンディアート)に特別に依頼して塗装したもの。さすがに見事な仕上がりだった。


アメリカンカラーに塗装されたMANOI PF-01 「ロンドン橋」など3曲を演奏するMANOI 【動画】演奏に合わせてダンスを踊った

 もう一方のAT-01は、身長は34cm、重量が1,410g。バッテリはニッケル水素バッテリ(10.8V-300mAh)で動く。今回ステージに上がったのは、昨年末に発売されたTYPE-Bの外装モデル。ちょっと仮面ライダーっぽいデザインだ。現在、女の子っぽい外装や、モビルスーツをイメージした外装を企画中。6月頃に発売予定という。

 京商ではAT-01が5mの走行タイムを競う「KYOSHOアスリートヒューマノイドカップ」を実施している。現在最速のMANOIは、9秒01。2008年度は、韓国や台湾、アメリカなど海外でも競技会を開催、日本大会に各国のアスリートが参戦できるように企画中。来年度には国際大会を実施したいという。

 アスリートヒューマノイドカップの参加者達は、ロボットに使用しているパーツのデータやセッティングのデータを全て京商に提出している。そのデータは、“達人レポート”してMANOI公式サイトに公開するよう準備中。新しくMANOIを購入したユーザーも、達人レポートを参照してロボットの調整を行えば、先輩ユーザーと同じ条件で競技会に参加することができるようになる。


MANOI AT-01 TYPE-B。価格は、147,000円(税込)外装パーツのみも販売している 【動画】歩行やジャンプを披露するMANOI カラーリングや外装パーツを変えて、個性を発揮するMANOI達

ロボファイト in テクノランド

 5階の特設会場では、関西のロボットビルダーが集まり、ロボットフォース主催のバトル大会に出場した。今回は、AブロックとBブロック別れてトーナメントを行ない、上位2体が戦って総合成績を決定した。

 総合3位決定戦の対戦カードは、Captain.PEKO(製作者:クロイチ氏) VS アドバンス・ラゴウ(製作者:トモロウ氏)。序盤、Captain.PEKOがスリップダウンを繰り返し、カウントをリードされて苦戦していた。アドバンス・ラゴウは積極的にパンチを出したが、決定打を決めることができなかった。逆に、Captain.PEKOがアドバンス・ラゴウの胸に強打を浴びせてダウンを奪い、勝利した。

 優勝決定戦は、レグホーン(製作者:NAKAYAN氏) VS YOGOROZA(製作者:dauto氏)の対戦となった。両者とも、関西だけでなく全国レベルで活躍しているロボットだ。

 試合開始早々に、レグホーンの手羽クロスが炸裂。YOGOROZAは1回転してダウン。その後も、レグホーンの力強い攻撃が続き、リングアウトと連続ダウンを奪い3ダウンノックアウトでレグホーンの優勝が決定した。


16体のロボットがバトルを楽しんだ 【動画】総合3位決定戦。Captain.PEKO(製作者:クロイチ氏) VS アドバンス・ラゴウ(製作者:トモロウ氏)。赤いロボットが3位になったCaptain.PEKO 【動画】優勝決定戦。レグホーン(製作者:NAKAYAN氏) VS YOGOROZA(製作者:dauto氏)。レグホーンが圧勝した

上位入賞ロボットと製作者達 岩気裕司氏(ロボットフォース代表) 来店者が熱心にバトルを観戦していた

上新電機株式会社のパソコン専門店、J&Pテクノランド 5階特設会場のバトルは、ロボット専科のフロアに実況中継された

 今回は、会場がJ&Pテクノランドということで、いつもとは違う観客が集まった。ロボットを初めてみる来店者も多かったが、PCを自作する人たちはロボットにも関心が高いようで熱心にバトルを見学していた。

 堺市からロボットバトルを見に来たという26歳の男性は、「以前から興味があったが、情報がなくてロボットを見る機会がなかった」という。初めてロボットが目の前で動き、戦うのを見て、ますます興味がわいてきたようだ。

 子どもから大人まで楽しそうにロボットを操縦しているのを見て、「キットを購入すれば、自分でもできるかもしれない」と思ったという。だが、「参加者の人達が、みんなすごく仲いいですよね。今から始めて、あの中にとけ込めるかなぁ……」と、不安気だった。

 そのあたりのことを、主催者の岩気氏に伺ってみた。「関西で最初に大会が開かれたのは、2005年4月。最古参メンバーでもロボット歴はまだ3年。始めたばかりの人の方が多い」と指摘。「気のいいメンバーばかりだから、わからないことは何でも教えてくれる。興味があったら、気軽に声をかけて欲しい」という。

 二足歩行ロボットユーザーは、関西に限らずフレンドリーだ。参加者に「ロボットが好き」という共通項があるからだが、二足歩行ロボットを製作する過程で自然と仲間意識ができていくようだ。

 二足歩行ロボットは各社からキットが発売されて、誰でも手軽に始められるようになった。だが、遊び始めてから、ロボットを作り込もうとするとやはりハードルが高いのだ。

 ロボットを改造してオリジナリティを出したり、モーションを作り込むためには、機械加工や制御、プログラミングなど、幅広い知識が必要となる。最初から全ての知識をもっている人はいない。となると、判らないことは誰かに教えてもらう、そのかわりに自分が知っていることは情報を公開するといった交流が自然と活発になる。そうやって新しく作ったモーションや機構は、当然、人に披露して自慢したくなる。だから、積極的にイベントに参加し楽しむようになる。


 ロボットフォースが定期的に開催するイベントでは、そんな風にして参加者同士が交流し、お互いのロボットを育ててきた。だからバトルの間は、ロボットの応援に力が入るし、空き時間があればリングで乱戦を楽しむ。

 そうのように愛好者を増やしてきたから、これから始めたい! という人に対しても、「ウェルカム!」の姿勢だ。ロボットに興味があってイベントを見に来た人も、たまたま見かけて面白そうなぁ、楽しそうだなぁと思った人も、ちょっと勇気を出して声をかけてみて欲しい。

 3月20日には、日本橋商店街で「日本橋ストリートフェスタ2008」が開催される。その時、ジョーシンJ&Pテクノランド店頭で、今回のロボファイトの様子をVTRで流すという。生観戦できなかった方も、ぜひ見ていただきたい。

 レグホーンとYOGOROZAは、今月22日に後楽園ホールで開催する第13回ROBO-ONE大会に出場する。両製作者に、ROBO-ONE大会への抱負伺った。

 dauto氏は「予選に出場するのは、第8回大会以来なので、まず予選突破が目標」。NAKANAN氏は、「サーボがガタガタなんで、明日からメンテナンスしないと……」と言いながらも、「目標は3位入賞!」と語った。

 ロボットフォース代表の岩気氏も、ROBO-ONE大会には、“岩機”の名前で参戦する。岩機氏のロボットは「十兵衛」という二刀流ロボット。岩機氏は、「人型ロボットで参加するのは初めてなので、いろいろな表現を楽しみたい。バトルでは、相手に対して走り込んで正面からパンチするカッコイイ攻撃を決めたい」という。


メーカー各社のパフォーマンス

 ステージの合間に各ロボットキットメーカーが、新製品の案内やパフォーマンスを行なった。

 日本遠隔制御株式会社は、RB2000の拡張パーツキットを発表した。この拡張パーツを追加すると、上半身を捻って正面から力強いパンチを繰り出すことができるようになる。既に発売されている19軸化キットと寸法的にほぼ同一のため、19軸用に作成したモーションを流用できる。発売は6月中を予定している。価格は3万円台になるという。


ボディと腰のアルミ色の部分が拡張パーツキット 【動画】腰の入ったパンチを打てるようになる。前転もキレイに決まる

 株式会社エイチ.ピー.アイ.ジャパンと大日本技研が、来店者にチラシを手渡し、可愛い声で挨拶をするメイドロボット“メカでんでん”を披露した。

 このロボットは、HPIの二足歩行ロボットキット「G-ROBOTS」に、大日本技研の田中誠二氏が外装をつけたもの。モデルとなった“でんでん”は、大日本技研のマスコットキャラクタだ。

 メカでんでんの外装は、紙粘土で作られている。ロボットに直接油粘土を盛りつけて、型を作り、その型を紙粘土に置き換える方式だ。この外装の作り方は、今月25日発売の「カスタムロボットパーフェクトブック」(毎日コミュニケーションズ)の中で紹介されている。

 「カスタムロボットパーフェクトブック」は、岩気氏と田中氏の共著で、バトル大会用に市販ロボットを改造するためのサーボモーターやアルミ材の選び方、フレーム設計やモーション作成のコツなどを解説している。外装にこだわってカッコイイロボットを製作するためのテクニックやアイデアも満載だ。

 大日本技研では、ユーザーの要望に応じてキャラクタロボットの外装製作も受注している。


大日本技研のマスコットキャラクタ“でんでん”をロボット化した“メカでんでん” 【動画】メカでんでんからチラシを受け取ると、挨拶してもらえる “メカでんでん”とベースになったHPIの「G-ROBOTS」(199,980円)

URL
  ジョーシン J&Pテクノランド
  http://shop.joshin.co.jp/shopdetail.php?cd=0985
  ロボットフォース
  http://www.robot-force.jp/index.htm

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( 三月兎 )
2008/03/19 00:03

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