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ATR、ICタグでショッピングセンターを案内するロボットの実証実験を開始
国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は23日、ショッピングセンター内を案内するロボットの実証実験を公開した。同実験は、7月23日~8月31日までの間、京都府の「イオン高の原ショッピングセンター」において行なわれる。
ATRのロボット「Robovie-IIF(ロボビー・ツーエフ)」を使ったショッピング案内の実証実験で、ロボットがジェスチャーや音声で来場者と対話しながら、店内を案内する。
今回の実証実験は、総務省委託研究「ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発(ネットワークロボット技術)」として、ATR、東芝、日本電信電話、三菱重工業らが実施しているもの。そのほか、イオン、関西文化学術研究都市センターらが会場を提供、財団法人関西文化学術研究都市推進機構がモニター参加者の募集を行なった。
実験では、予め携帯ストラップ型ICタグをモニターに配布している。このICタグをロボットの胸元にあるタグリーダーにかざすと、モニターの名前やニックネームをロボットが認識。その後、ジェスチャーや音声を交えながら店内を案内していく。ロボットはモニターの来店履歴や対話内容を記録していくため、来店回数を重ねるごとに、ロボットの挙動が変わっていくという。
また、ICタグが無い場合でも、ロボット自身のカメラや床に埋め込まれた圧力センサーなどを使って施設の案内が可能という。
案内ロボット「Robovie-IIF(ロボビー・ツーエフ)」。サイズは、520×500×1,140mm(幅×奥行き×高さ)、重量39kg
ロボットの形をした携帯ストラップ型ICタグ。外観サイズは、約40×20mm、重量約10g。ストラップの中に埋め込まれているICタグのサイズは23.1×3.85mm(長さ×直径)、重量0.6g
携帯につけた時のイメージ。ICタグには、電池交換などのメンテナンスが不要なパッシブ型ICタグを使用している
実証実験の意図を説明する秋本高明氏(知能ロボティクス研究所 ネットワークロボッ
ト研究室室長)
モニターは、ショッピングセンター周辺の住民を中心に約700名を募集する。事前募集の他、実験開始後1週間程度は、実証実験場でもモニターの参加申し込みを受け付ける。また、携帯ストラップ型ICタグは、実験終了後にアンケートに答えるともらうことができる。ICタグにはユーザーIDだけが登録されており、万が一紛失したとしても個人情報が漏洩する心配はない。
案内ロボットの「Robovie-IIF」は、ATRが開発した。人間の目・耳・口の代わりに、カメラ・マイク・スピーカーを搭したコミュニケーションロボットだ。全身11箇所の関節(頭に3自由度、片腕4自由度)を駆使して、ジェスチャーを交えて会話を交わす。他に台車に2軸があり、来店者の方へ身体全体を向けることができる。全身を皮膚センサが覆っており、肩を触るとそちらを向いて会話をしたり、強く叩かれると「痛い」と反応する。
当日は、ICタグで来店者を識別し会話をするデモンストレーションを行なった。初回には「始めまして」、2回目以降は「こんにちわ」と挨拶し、Robovie-IIFが過去に話したことを交えながら会話をした。
【動画】
初回の会話では、登録されたニックネームを呼んで「はじめまして」の挨拶をする
【動画】
2回目は、前回を覚えていて「また来てくれてありがとう」という。この間のことも覚えていて、Robovie-IIFから話題に出す
【動画】
奈良県生駒市から来店したけいちゃん(8歳)が、早速、Robovie-IIFとおしゃべりを楽しんだ
子どもが近くで会話をするため、ロボットの関節に指を挟んで怪我をしないように安全な設計されている
今回テーマとなっている「ネットワークロボット技術」とは、異なる種類のロボットをネットワークでつなぎ、ロボット同士を連携・協調させることにより、ロボットを単体で動かすときよりも人とロボットとのコミュニケーション能力を向上させることを狙った技術である。
ネットワークロボットでは、ロボットの概念を拡張し、人型ロボットに代表される身体を持ったロボット(ビジブル型ロボットと呼ぶ)に加え、人の位置や動きを検出するようなカメラやセンサ又はICタグやタグリーダもロボットの一つとして考える。これらはアンコンシャス型ロボットと呼ぶ。また本実験では使われていないが、物理的な体を持たず電脳空間(サイバー空間)で動作して人に情報提供などを行なうソフトウェアもロボットの一種と考え、これをバーチャル型ロボットと呼ぶ。
今回の実験では、Robovie-IIFがビジブル型ロボット、左右上空にあるカメラや床センサー、ICタグリーダーがアンコンシャス型ロボットにあたる。ネットワークロボットは、このように複数のロボットがネットワークを通じて連携・協調して、人々の生活を助けるようなサービスを提供する。
Robovie-IIF(ビジブル型ロボット)
胸元のATRマークのある部分がタグリーダーになっている(アンコンシャス型ロボット)
天井近くの支柱にネットワークカメラが取り付けてある。左右に設置されている。(アンコンシャス型ロボット)
Robovie-IIFはほとんどの動作を自律制御で行なっているが、左右上空に取り付けられたカメラから送られる映像を通じて、バックヤードにいるオペレータがロボット周辺の環境を見守っている。これにより、例えばロボットが知らない言葉で質問されたときや、予め想定していない問題が発生した時には、オペレーターがフォローをいれることができるため、より幅広いサポートが可能となる。
バックヤードでオペレーターがロボットと人のコミュニケーションを見守っている
床センサーやカメラを通じて、バックヤードのモニターに表示される情報。左のウィンドウには床センサーからの情報が表示されている。ピンクのドットがロボットで、赤が会話をしている相手。右側の写真は、ロボットの左右上空に取り付けられたカメラからリアルタイムで送られてくる映像が表示される
コミュニケーション上、想定外のことが起こった場合は、こちらのモニターから割り込み指令をしてロボットを動かすことができる
Robovie-IIFの後方には、約2m間隔で4つのレーザーレンジファインダー(LRF)が設置されている。LRFは最大8m以内にある対象物までの距離をほぼ正確に計測する。例えばLRFと連携することで、Robovie-IIFの周囲にある床センサーに上っていない人との距離も測定することができるようになる。
ATR研究員の塩見氏は「複数のセンサーの特性を組み合わせることで、よりよいコミュニケーションを提供できる。1カ月間の実証実験の中で、LRFを含め環境内に設置されたセンサーをどのように活用できるか検証したい」と語った。
Robovie-IIFの背中から伸びている支柱に、来客者の音声を拾うマイクと360度を見渡す全方位カメラが搭載されている。後方にある白い支柱にLRFが入っている。紫色のカーペットの下に床センサーが設置されている
知能ロボティクス研究所 コミュニケーションロボット研究室研究員 塩見昌裕氏
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URL
国際電気通信基礎技術研究所
http://www.atr.jp/
ニュースリリース
http://www.atr.jp/html/topics/press_070717_j.html
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