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【やじうまRobot Watch】
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【 2009/04/17 】
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トヨタのロボットマニアたちの姿に「ものづくり」の秘密を見た

~豊田市で「わくわくワールド」が開催

 10月9日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターにて「わくわくワールド」が開催された。トヨタ自動車株式会社の社内有志団体である「トヨタ技術会」、とよたものづくりフェスタ実行委員会、豊田市による共催イベントで、今年で3回目。当日は晴天にも恵まれ、多くの家族連れが来場。思い思いに楽しんでいた。

 「わくわくワールド」はトヨタ技術会による「TESフェスティバル2006」と、豊田市、とよたものづくりフェスタ実行委員会が開催する「とよたものづくりフェスタ2006」で構成されている。

 「TESフェスティバル」ではトヨタ技術会会員による歩行ロボットの競技会のほか、模型車両による制動性能を競うレース、トヨタの「i-unit」ほかの試乗体験や撮影会などが実施された。いっぽう、「とよたものづくりフェスタ」では豊田市内外のものづくり指導者たちによるワークショップや科学教室が54個同時開催され、家族連れの子供たちはさまざまなものづくりを楽しんでいた。

 ここではおもに、トヨタ技術会の会員による歩行ロボット競技会「ROBOT athlete & performer」の様子を中心にレポートする。なおトヨタ技術会(TES:Toyota Engineering Society)とはトヨタ自動車の社員が任意に加入する親睦団体。今年で設立59周年を迎え、現在の会員数はおよそ31,000人とされている。


会場風景 屋台がならぶ屋外ではレクサスなども展示されていた 【動画】i-Unitの試乗体験コーナーの様子

【動画】トヨタ・パートナーロボットの演奏デモ トヨタ・パートナーロボットは人工唇を持ち、実際にトランペットを吹ける 子どもたちが作った楽器との共演も行なわれた

 歩行ロボット競技会「ROBOT athlete & performer」は、昨年から二足歩行ロボットによる競技会として開催されているそうだ。ただし二足といっても人型でなくてもよく、あくまで二足歩行が一時的に可能な形態であればよい。

 競技は50秒間の自由演技を、トヨタ技術会会長で副社長の岡本一雄氏や、パートナーロボット開発部理事の高木宗谷氏らを中心とする5人の審査員が審査してポイントを付けるパフォーマンス、前半は自由に移動し後半は二足で移動するダッシュ競技によるタイムトライアル、そして「テクニカル」と呼ばれる階段登りや谷越え、そしてカゴ載せなどで構成されるアスレチック競技の3段構えで実施され、最終的には総合ポイント制で優勝が決まる。

 出場台数は37台。いくら大企業とは言っても、トヨタ技術会の会員だけで、これだけのロボットが一般向けイベントで集まるという事実に改めて驚きを感じる。もちろん彼らは仕事としてロボットを作っているわけではない。趣味で歩行ロボットを作っていてイベントに出てくる人たちだけで、これだけいるのだ。

 ロボットのなかにはキットをベースとするものもあったが、かなり自由な発想で作られたものもあり、見ているだけでも楽しい。

 様子を写真と動画で簡単に紹介する。


「アスレチック」のフィールド 樋口満男氏による「TEMPERLYちゃんXI」。このように歩行ロボット型ではないロボットもいくつかあったが逆に階段に苦戦した 泉俊宏氏らによる「ポスト・Abe!」。二足歩行もできるヘビ型ロボット。総合優勝した

【動画】熊谷貴宏氏らによる元町品管「シスタ」がバーを使って谷を越える 菅 敬介氏らによる「マジンガア」。ROBO-ONEでもよく知られるロボットだ 【動画】一戸光行氏らによる「かるび一丁」によるカゴ運びの様子

大西悠季生氏らによる「電技トルーパー」 ロボットよりもパフォーマーのほうが目立っていた 【動画】デンソー技術会・四村泰博氏らによる「ケロロロボ4号」。手を持ったロボット

アイシン技術会の安藤充宏氏らによる「アイ・ボット」 この腕と顔の部分が足になる3脚ロボット 野本覚氏らによる「カーニバル蟹カニバリ君」。サルカニ合戦をパフォーマンスで披露

 チーム名のコール時には代表者のトヨタ社内での所属が「元町支部組立生技部」、「田原支部品質管理部」、「上郷支部製造エンジニアリング部」、「技術支部第2シャシー設計部」といったかたちで紹介される。限りなく社内イベント的アットホームな雰囲気のなかでイベントは進行されていた。イベントそのものは一般公開されているのだが、いわば文化祭のような感じだと思ってもらえれば近いだろうか。豊田市で行なわれるイベントならではと言えるだろう。

 かといって、閉鎖的な雰囲気はない。来場者の多くも家族などトヨタの関係者であるから、という面も大きいのだろうが、それだけではないようだ。

 イベント全体を通じて感じたことなのだが、来場者の多くが実に楽しそうだった。このようなイベントを通じて「ものづくり」の楽しさの記憶を子どもたちに伝え、ごくごく当たり前のものとして世代を超えて受け継いでいけるということが、トヨタという巨大企業の本当の底力に繋がっているのかもしれない。


子ども達による「あったらいいなロボットコンテスト」優秀作品 「とよたものづくりフェスタ」のハンズオンパーク

ECOバトル2006“ピタットゴール”。模型車両による走る曲がる止まるの基本性能を競う競技。エネルギーは基本的に重力のみで、速さだけではなく制動距離の総合ポイントを競う 各車両は決められた範囲内でピタッととまらなければならない

URL
  トヨタ
  http://www.toyota.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.toyota.co.jp/jp/news/06/Sep/nt06_0906.html

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( 森山和道 )
2006/10/12 00:31

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