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東大IRT研究機構、パーソナルモビリティ技術など研究成果の一部を一般公開


 11月15日、東京大学IRT研究機構は、前日にプレスリリースした「高齢者支援用パーソナルモビリティ技術」ならびに「ホームアシスタントロボット」を、当日開催中の「第7回東京大学ホームカミングデイ」のなかで一般に公開した。


屋外タイプのパーソナルモビリティ

 今回主に公開されたのは、屋外用と屋内用の2つのパーソナルモビリティ技術。屋外用パーソナルモビリティは、昨年12月に発表されたトヨタの倒立2輪型のパーソナルモビリティ「モビロ」をベースにセンサー類を追加、IRT研究機構が開発した新制御技術を搭載したもの。3次元物理モデルを使い、前後左右の揺れをそれぞれ個別に制御するのではなく1つのものとしてタイヤ、スイングアーム、シートスライダを同時に制御できるようになったことで、斜面や段差、凹凸がある場所全体の安定性が増したという。また、搭乗者の負担の少ない手首の回内・回外運動を使った操縦系を独自に開発した。スイッチ切換によって速度を指定したり、アナログスティックのように用いることもできる。またぎゅっと握るとブレーキがかかるようになっている。時速6kmの走行が可能で、重量は150kg。

 一般公開では、人が乗車するタイプと、屋内の別室から遠隔操作したり自律移動したりできるタイプの2台が、公開の場で動作デモを行なった。自律移動タイプはSLAM(Simultaneously Localization and Mapping)で自己位置を認識して自動的に車庫入れするデモを行なった。いっぽう人が乗車するタイプは一通りのデモに加えて報道陣のリクエストに応じてデモ会場の工学部2号館から安田講堂までキャンパス内を移動した。屋内、アスファルト、石畳とそれぞれ状況が異なる路面を踏破し、安田講堂前まで無事到着。ホームカミングデイで訪れていた多くの人々の注目を集めた。なお実際に高齢者に乗ってもらっての操作感検証等は、これからとのことだ。


IRT研究機構が開発した屋外用パーソナルモビリティ 側面 背面

操作系。黒いボタンで速度を切り替えることができる 左端はドライブモード、その右は狭い通路などでゆっくり動くときのためのモード レーザーレンジファインダなどを追加した自律走行/遠隔操作のためのパーソナルモビリティ

左側にはモニターも装備 カメラでパノラマ画像を生成 【動画】スラローム走行

【動画】段差乗り上げと坂道片輪乗り上げ 【動画】人に押されても安定している 【動画】自律移動タイプによる走行と車庫入れ

【動画】その場旋回 【動画】報道陣に応え安田講堂へ移動開始 【動画】スロープを下って屋外へ

【動画】報道陣に囲まれて移動 【動画】キャンパス内を移動中 【動画】正門前の銀杏並木へ

【動画】移動中の操作の様子 【動画】石畳の上に移動し旋回 最後は安田講堂前で記念撮影

屋内タイプのパーソナルモビリティ

 屋内タイプのパーソナルモビリティは660×640×1,300mm(幅×奥行き×高さ)、重量45kg。座面下に6軸力センサーを内蔵。座面上での体重移動を検知して任意の方向に動くことができる。また座面、シート、足置き部分には感圧センサーを内蔵しており、人が乗っているのか単に荷物が置かれているのか分かる。ヘッドレスト部分にはカメラも内蔵しており、オプティカルフローを使って人のジェスチャー認識をし、それに応じて対面者に近寄っていくといった動作が可能。本体後ろにも下方向に向けられたカメラを持っており、こちらのカメラでは床面の模様をマーカーとして認識することでグローバル座標を獲得、部屋のなかのどこに自分があるのか把握することができる。

 重心移動による操作によって両手が空くことが利点だという。画像認識にはIRT研究機構において協働している富士通の技術が使われている。またロボットの動作に応じて座面が前後左右に動くことで操縦者にフィードバックを与えるように工夫されている。


屋内用モビリティ 側面 背面

カメラを4つ搭載 人間にとってはちょっと不思議な模様の床面 だがコンピュータにとっては位置のコードになっている

【動画】人が乗って移動する様子。小回りが利く 【動画】セグウェイのようにかなり直感的に操作できるようだ。また両手がフリーになる 【動画】荷物を載せたキャスターモードで移動する様子。押されていることを検知して力をアシスト

【動画】オプティカルフローを使ってジェスチャー認識 【動画】「おいでおいで」されて近寄る

 また遠隔操作デモでもこの屋内用パーソナルモビリティが、屋外用のパーソナルモビリティの室内端末として用いられていた。座面上で体を動かすと屋外のモビリティが移動し、搭載されたカメラからパノラマ画像を生成し、それを操縦者に送る。見たところロボットの遠隔操縦そのものは自然に動いていたが、むしろ画像の伝送にやや時間がかかっており、まだなかなか臨場感生成とまではいかないようだった。


4Kプロジェクターで映し出された遠隔操作用の大画面 遠隔操作用の端末として用いられた屋内用モビリティ

【動画】遠隔操作デモの解説 【動画】遠隔操作デモ。体重の傾きで離れた場所にある屋外用モビリティを動かす

「ホームアシスタントロボット」も初めて一般公開

 このほか、10月24日に公開されたばかりの「ホームアシスタントロボット(AR)」による掃除・洗濯動作や、IRT研究機構の研究の一環として稲葉研究室で行なわれているヒューマノイドロボット「HRP-2」を使った日常生活支援動作を生成する研究の一端も紹介された。ホームアシスタントロボットについては先のレポートをご覧頂きたい。どちらも多くの人が興味津々でデモを見守っていた。

 現在、特定のロボットだけではなく、どのロボットにおいてもアプリケーションソフトウェアを共通化して使えるようにするための技術開発を行なっているという。いわゆるミドルウェアというよりも、ソフトウェア開発キット(SDK)に近いもの、だそうだ。


初めて一般公開されたホームアシスタントロボット 一般公開された研究室内部にはHRP-2が5台 日常生活支援動作の生成の一環

【動画】ぞうきんがけするHRP-2 【動画】HRP-3Pのハンドを付けたHRP-2 【動画】こぼれたお茶を拭くHRP-2

【動画】コップにペットボトルからお茶を注ぐHRP-2 【動画】コップ洗い動作を行うHRP-2

 IRT研究機構によるロボット発表は年内中にまだあと2つ続く予定。


URL
  東京大学
  http://www.u-tokyo.ac.jp/
  東京大学IRT研究機構
  http://www.irt.i.u-tokyo.ac.jp/

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東大IRT機構、高齢者支援用パーソナルモビリティ技術を発表(2008/11/14)
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( 森山和道 )
2008/11/17 15:48

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