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トヨタのモータースポーツイベントがメガウェブで開催
〜レーシングドライバーがi-REALに試乗


片山右京選手とi-REAL。乗り心地は上々だった模様
 東京・お台場にあるトヨタの自動車アミューズメント施設・メガウェブで、F1マシンが走るという超大型の無料モータースポーツイベントが行なわれた。10月4日(土)に開かれた「“F”COMMUNICATION 2008 トヨタF1カー スペシャル走行イベント」と、10月5日(日)に開かれた「トヨタモータースポーツ Dream Drive Dream Live 2008(DDDL2008)」がそれだ。


4日(土)は「“F”COMMUNICATION 2008 トヨタF1カー スペシャル走行イベント」

 4日(土)に開かれた「“F”COMMUNICATION 2008 トヨタF1カー スペシャル走行イベント」では、トヨタF1チームのドライバーであるティモ・グロック選手と、サードドライバー(レギュラードライバー2名が負傷などで欠場となったときの代役となる3人目のドライバー)の小林可夢偉選手がトークショーを行ない、2008年型のトヨタF1マシン「TF108」を、メガウェブの脇にあるライドワン特設コースで実際に走らせた。

 グロック選手は08年からトヨタに加わったドライバーで、かつて別のチームでF1を1シーズン闘ったことがあるが、一度F1を離れ、直下のカテゴリーであるGP2シリーズを戦い、2007年のチャンピオンとなって再びF1に帰ってきたという経歴を持つ。一度離れると戻ってくることが非常に難しいのがF1であるが、それを実現した優秀な選手である。そんな彼は、こうした日本のイベントに参加するのは初めて。まして母国グランプリを戦うトヨタの一員なので、イベントは大忙しという感じだ。

 一方の小林選手は、現在、唯一日本人のレギュラードライバーとしてウィリアムズで戦っている中嶋一貴選手(日本初のF1フルタイムドライバーである中嶋悟氏の第一子)の次に、「F1レギュラードライバーになる日本人選手」といわれている逸材。現在、そのヤンチャなキャラクターがモータースポーツファンの間では非常に人気である。

 F1マシン走行イベントは、まず小林選手から行ない、間にインターバルを挟んでティモ・グロック選手が走行。グロック選手が走り終わった後に待っていたのが、プレスにも当日の資料で初めて知らされたi-REALによるデモ走行だったというわけだ。


i-REALに座ってフォトセッションのグロック選手。i-REALは変形中 小林選手。ステージで挨拶しているところ F1デモ走行の様子。おそらく速いときで150km/hは出ていたはず

i-REAL走行モードの全開加速はとても速い!

 2人はそれぞれi-REALに乗ると、走行(低姿勢)モードに変形させて、一気に加速。i-REALの走行モードは30km/hほどで走れるので、あっという間に視界から消えてしまった。記者もi-REALに乗ったことがあるが、屋内だったため歩行(高姿勢)モードでかなり低速での移動しか経験がない(たぶん4〜5km/h)。全開もしくはそれに近い状態で加速するi-REALを見るのは、初めてである。

 メガウェブのライドワンというアトラクションは、アトラクションというよりもトヨタの新車試乗のためのコースである。メガウェブの3施設の内の中核となる「トヨタ シティショウケース」の1階北西(フジテレビ方面)にライドワンの車両に乗降するためのピットがあるのだが、そこは差し渡し30〜40mぐらいの長さがある。その中程の位置からスタートしたので、おそらく20〜25mほどだったと思うが、あっという間に見えなくなったので、かなり加速性能がいいことが確認できた。

 グロック選手と小林選手は、コース両脇に詰めかけたファンに手を振りながら、i-REALでデモ走行と同じライドワン特設コースを1周。オーロラビジョンで彼らの走りが映されていたが、ティモ・グロック選手はコースに出てからはファンに笑顔で手を振りつつ、比較的ゆっくりとまっすぐに走行していた。一方の小林選手は、以前に1度乗っているということで慣れもあったのかも知れないが、スラローム走行をするなどヤンチャな走りを披露していた。しかもかなりオーバースピードでピットに帰ってきたので、トヨタF1スタッフにあやうく突撃、人身事故を起こすところだった。さすがはヤンチャな小林選手である(笑)。


乗り込んで軽くレクチャーを受けているところ 【動画】特設コースを1周して帰ってきたところ。小林選手の危険運転の証拠映像(笑) 【動画】コース上でフォトセッションした後、そのままピットへと走るグロック選手

グロック選手、F1日本GPの金曜フリー走行にi-REALで出走!?

 プレス取材エリアのあるピットに戻ってきて、小林選手からコメントを取ろうとしたが、すぐF1チームのピット内(プレスが入れないエリア)に引っ込んでしまい、残念ながらコメントはもらえなかった。グロック選手に関しては、メガウェブのインストラクターの方に通訳してもらって(英語ができるのでグロック選手に操作方法を直接教えていた)、コメントを得られた。それによると、かなり感激していたそうで「これほしい! 富士(スピードウェイ)に持っていって、金曜日に走らせたい!」といっていたそうである。

 ちなみにこれは未確認情報だが、小耳に挟んだところによれば、i-REALは1台当たりの開発費用がウン千万とか。クルマならフェラーリとかメルセデス・ベンツなどの超高級車と同じくらいと思われる。確かにF1ドライバーのギャランティなら買えなくもないだろうが、富士スピードウェイに持っていって、どうするのか聞いてみたいところである。たぶん、サーキットはテレビで見るのとはまったく異なり、非常に広大で移動するだけでも疲れるので、足代わりに使いたいということなのだろう。しかし「金曜日に」と言っていたそうなので、F1のフリー走行にでも出すつもりだったのだろうか(笑)。確かにルール上、金曜日は登録していないシャシーとエンジンで走っても予選や決勝には関係ないわけだが。

 なお、富士スピードウェイは全長約4.5kmなので、30km/h全開でずっと走ったとしても、9分ほどかかる。比較するまでもないが、昨年の富士でのF1のポールタイムが1分24秒753(ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスの2号車に乗るルイス・ハミルトン選手が予選第2セッションで記録)である。i-REALを20台用意してもらって、F1ドライバー全員でコース1周のパレードランというのも面白いかも知れないが、i-REALはサスペンションがないので(F1もかなりガチガチに固めているので、乗り心地は変わらないかも知れないが)、ちょっと1周は辛いかも知れない。


5日は(日)「トヨタモータースポーツ DDDL2008」

 翌5日は、同じ特設コース&ステージで「トヨタモータースポーツ Dream Drive Dream Live 2008」(DDDL2008)が行なわれた。こちらは、トヨタの90年代に使われたマシンから2008年に走った最新マシンまで、多彩なレーシングカーが集合し、デモ走行を行なうという内容だ。

 さらに特色としては、アーティストのライブと融合したという点が挙げられる。ライブとデモ走行を交互に行なうこともあれば、ライブ中にデモ走行を行なうこともあった。モータースポーツイベントで、アーティストがライブを行なうというイベントは全国各地で行なわれているが、ル・マン24時間レースの1992年準優勝マシン「カシオトヨタTS010」や、WRC世界ラリー選手権1993・1994年王者マシンの「カストロールセリカGT-FOUR(ST185)」など、世界のモータースポーツの歴史に名前が刻まれている偉大なるマシンが走るイベントはそうそうない。

 しかも、それを当時実際にドライブした関谷正徳選手(TS010)や、藤本吉郎選手(セリカGT-FOUR)といった往年の名ドライバーがステアリングを握るのである(既に2人とも現役を引退しているが、このイベントでは毎年現役に復帰するので選手という表記になる)。往年のモータースポーツファンや、歴史を知りたいファンにはもってこいのイベントだ。


こちらは92年のル・マン24時間レース準優勝のカシオトヨタTS010。関谷選手が乗り込む 93・94年の2年連続の王者マシン、カストロールセリカGT-FOUR(ST185)。藤本選手がドーナツターン

ステージではアーティストのライブ。韓国出身の4人組コーラス&ダンスグループ「天上智喜」 イベントの最後はデモ走行のコースも開放され、Do As Infinityのライブ会場になった

DDDL2008では片山右京選手と片岡龍也選手がi-REALをドライブ

 さて、3組のライブと8台のデモ走行、ウィリアムズF1の中嶋一貴選手のトークショーなどを経て登場したのがi-REALである。片山右京選手と片岡龍也選手が搭乗し、ライドワン特設コースを1周した。片山選手は元F1ドライバーで、現在も地上波のF1テレビ中継でゲスト解説などをしているので、ご存知の方も多いことだろう。廃天ぷら油をリサイクルしたバイオディーゼル100%の燃料でダカールラリーに挑戦する傍ら、エベレストを筆頭に世界の数々の高峰に登頂するなど、冒険家としての顔も持っている。

 一方の片岡選手は、トヨタ系の若手ドライバーだが、すでにトップカテゴリーで活躍する1人である。GT(グランド・ツーリング)カーによる、国内で最も人気の高いSUPER GTのGT500クラスに参戦していたり、ファインチューニングした市販車による耐久レースの「スーパー耐久シリーズ」では今年第5戦を終了した段階で3勝を挙げていたりする。


【動画】特設コースを1周している最中の片山選手と片岡選手。気持ちよさそう 片山選手が1周してピット前に戻ってきたところ。ちょっとドリフトっぽい姿勢だけどグリップ走行

 片山選手はタイトなスケジュールで、1997年の全日本GT選手権の王者マシン「カストロールトムススープラ(JZA80)」の2回目のデモ走行が終了すると、テレビ収録のためすぐに退場。直接コメントを取ることはできなかったが、許可を得られたので同選手のブログに掲載されたi-REAL初運転の感想を転載させていただく。

 「でも、i-REALも初めて乗ったんだけど、びっくりしたよ。レーシングカーのそれとは違うけど、カルチャーショックを受けるね。まるで、ヘリコプターでゆっくり空を飛んでいる見たいな不思議な感覚だね。それから、とにかくスムーズだ」(※ブログ中ではi-REALを「I-リアル」と表記されていますが、統一させていただきました)。常々環境問題について訴えている片山選手だけに、CO2を排出しないi-REALなどのパーソナルモビリティに関しての意見をうかがいたいところである。


片岡選手もピットイン。思わずニンマリしているところが、相当楽しかったのではないだろうか i-REAL開発者の本多氏と片岡選手がガッチリ握手

 片岡選手はイベント終了後まで会場にいたので、すべてのデモ走行が終了し、イベントの最後に行なわれたDo As Infinityによるライブが始まる前に、直接話を伺うことができた。それによると「エンジンとは違ってモーターなので、全然加速の感覚が違いますね。かなり体感速度があるんですよ。すごく面白いですね」という。300km/hでサーキットを駆け抜け、今回のデモ走行でも2008年のSUPER GTで自身が乗る「宝山 KRAFT SC430」で軽く100km/hオーバーを出していたが、直接風が当たるドライバーむき出しの状態ではやはり体感が違うようだ。

 そして、片岡選手からフィードバックを得るため、その場にいたi-REALの開発者の本多泰一氏に話を聞いた。本多氏は、トヨタ自動車車両実験統括部プロジェクト性能試験課に所属しており、i-REAL自体の開発と同時に自らテストドライバーも担当する人物。詳細はここでは掲載できないが、現在、次のモデルの開発も進んでいるという。

 ちなみに、i-REALは第40回東京モーターショーの時に3台製造、その後追加で4台製造し、現在7台で世界中のさまざまなイベントに参加しているのだそうだ。次のモデルがいつ正式発表されるかはもちろん教えてもらえなかったが、第1世代の「PM」が2003年にデビューして、おおよそ2年に1回(2005年は第39回東京モーターショーのi-swing、愛・地球博のi-unitの2車種がデビューしている)ごとに新型が発表されているので、少なくとも来年には何か発表されるのではないかと予想される。ちなみに本多氏によれば、「ロボット」のカテゴリーに含めてもらうのは構わないそうだが、自身の感覚としては「車両」なのだそうだ。


往年の名ドライバーもi-REALには興味津々

 また、今回デモ走行を行なったドライバーの中で、i-REALに興味津々になった人も結構いた。藤本選手がその1人だ。自身のデモ走行が終わると、デモ走行の車両と並んでピットの一部にたたずんでいたi-REALに乗り、その場で動かしたりしていた。話を聞いてみたところ「障害者の方にいいと思いますね。歩行モードにするとすごく背が高くなるので、健常者と視線が一緒になりますから」とコメントしてくれた。さすがにセリカGT-FOURのように、i-REALでサファリの草原を駆け抜けるのは無理だろうが、感銘を受けていたようだ。

 もう1人デモ走行後にi-REALに乗せてもらっていたのが、関谷選手。70年代からレースフィールドに身を置き、92年にTS010でル・マン24時間準優勝のほか、95年には日本人初の同レース優勝者となり、国内外で足跡を残す名ドライバーだ。現在は、F1の下に位置するオープンホイール形式の国内最高峰の全日本選手権フォーミュラ・ニッポンや、SUPER GTに参戦するトヨタ系のエースチームTEAM TOM'Sの監督、フォーミュラトヨタ・レーシング・スクール(FTRS)の校長を務める。

 ちなみに、前出の小林選手や中嶋選手は関谷選手の教え子で、小林選手がFTRSの2期生、中嶋選手が3期生だ。そんな大物の関谷選手だが、とても気さくな人物で簡単にその場で話を聞かせてくれた。「小さいころからとにかく乗り物が好きで、i-REALにも乗りたくなっちゃったんだよねぇ(笑)」と語る。i-REALに関しては、「最近、ショッピングセンターとかすごく広いから、用途はいくらでもあると思うんだ。サーキットなんかもそう。富士スピードウェイなんて特に広いから、移動するのに使えると楽だよね」という。

 ちょっと冗談気味に、将来的にi-REALのような車両でのレースもあり得るかという話を聞いてみると、「サーキットでのレースはあり得ないね。サーキットをあの速度で回ると飽きちゃうよ。それにエキゾーストノートがないから、迫力に欠けるしね。それよりも、もっと屋内とか狭いスペースで、細かいコースを作って、そこをいかに速く走るかという方が面白いんじゃないかな」とコメントしてくれた。


藤本選手がi-REALを運転しているところ 乗り物が好きという関谷選手。本多氏の説明を受けつつi-REALを運転

 プロのドライバーにとっても楽しさを感じさせ、乗ってみたいと思わせるi-REAL。今後もどんどん進化していくようなので、早く街中で乗れる日が来ることを期待したい。


URL
  トヨタ自動車
  http://www.toyota.co.jp/
  i-REAL
  http://www.toyota.co.jp/jp/tech/p_mobility/i-real/
  メガウェブ
  http://www.megaweb.gr.jp/

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( デイビー日高 )
2008/10/10 12:45

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