独立行政法人産業技術総合研究所 知能システム研究部門は、「次世代ロボット産業化基盤技術講演会」を10月21日に開催する。時間は14:30~16:30。会場は産業技術総合研究所つくば研究センター共用講堂。10月20日、21日に開催される「産総研オープンラボ2008」にて開催されるもの。講演の聴講は無料だが、下記のホームページで事前登録が必要。
□産総研オープンラボ2008
http://www.aist-openlab.jp/index.html
今回の講演は、次世代ロボットの研究開発状況について、産総研における活動を中心に紹介するもの。RTミドルウェア・ロボットシミュレータを核として開発中のロボットソフトウェアプラットフォームの概要や、次世代ロボットの実用化の鍵となる、ロボット安全の規格・認証の現状と課題、今後のロボット設計に求められる、信頼性の高いシステムデザインなどについて解説される。
講演内容は下記の通り。
1. 次世代ロボット研究最前線(講師:産総研知能システム研究部門 副研究部門長 比留川博久氏)
次世代ロボット研究開発の最前線について、産総研の活動を含めて紹介。実用化されつつあるロボットの事例や、市場規模、将来展望などを見ていきながら、市場化を阻む要因、早期に市場化するための方策を議論していく。
2. ロボットソフトウェアプラットフォームの研究開発(講師:産総研知能システム研究部門 ソフトウェアプラットフォーム研究班長 原 功氏)
ロボット知能化技術をRTコンポーネントとしてモジュール化し、これらを統合して次世代ロボットシステムの研究開発を促進するための開発環境「ロボット知能ソフトウェアプラットフォーム」について解説される。同プラットフォームは、RTコンポーネントの開発環境や、さまざまなロボットシステムで動作するRTミドルウェア、ロボットシステム設計、シミュレーション、動作生成、シナリオ生成を実行できるツール群となるもの。各ツールの効率的な相互利用が可能な統合開発環境で、経済産業省次世代ロボット知能化技術開発プロジェクトの一環として開発が進められているもの。今回の講演では、この開発スケジュールに関しても述べられる。
3. ロボット安全-「規格・認証」の現状と課題(講師:産総研知能システム研究部門 安全知能研究グループ長 山田陽滋氏)
講演前半では、サービスロボットを対象としてISO/TC184/SC2のプロジェクトチームが策定を進めている国際安全規格の進捗状況を報告。人間との接触を前提としているサービスロボットでは、機械安全の中心的技術に関する規定が行なわれているという。後半は安全認証機関の概要とその設立意義をはじめ、現在日本に存在しない、日本独自の安全機関をいかにして設立させるかを議論していく。
4. ディペンダブルなシステムデザイン(講演:産総研知能システム研究部門空間機能研究グループ長 大場光太郎氏)
ロボットをはじめとする機械システムを市場化する場合、考慮するべき安全性・信頼性などについて議論していく。特にヨーロッパを中心に広がっている「ディペンダブル」なコンセプトについて解説し、ロボットシステムデザインとして考慮しなければならない項目を洗い出しながら、産総研で進められているプロジェクトの概要と、オープンラボ2008での展示内容も紹介する。
■URL
産業技術総合研究所
http://www.aist.go.jp/
■ 関連記事
・ 産総研ほか、「OpenHRP3」をオープンソースで配布開始 ~ソフトウェア再利用によって開発コスト低減を目指す(2008/06/19)
・ RTミドルウエアが国際標準化団体OMGで正式承認(2007/12/17)
・ 次世代ロボット共通プラットフォーム技術の現状は? ~「次世代ロボット連携群」講演会レポート(2007/09/20)
・ 産総研、ロボット産業活性化を狙うオープンアーキテクチャの開発を開始(2006/06/28)
( 清宮信志 )
2008/10/03 19:08
- ページの先頭へ-
|