8月21日、大阪市港区民センターにて、小学4年生~中学3年生を対象にしたロボット工作体験教室が開催された。
これは、大阪市、大阪市教育委員会、社団法人関西経済連合会、大阪大学等で構成するロボット人材育成プロジェクト実行委員会が主催する「未来のロボット技術者育成プログラム」の一環で行なっているもの。同ワークショップは、産官学の連携により、ものづくり産業やロボット技術への興味と関心を向上させ、次代の関西経済を担う人材の育成を図るのが目的。2007年より事業をスタートした。
今年は8月16日~24日にかけて、大阪市内5区の区民センターと、関西文化学術研究都市にある「私のしごと館」の計6会場で実施している。7月に受講生を募集し、3,000人の中から抽選で1,300名が当選した。
【お詫びと訂正】初出時、社団法人関西経済連合会の名称を誤って掲載しておりました。お詫びとともに訂正させていただきます。
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大阪市港区民センター
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受付に親子連れがぞくぞくとやってくる
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講師の井高秀樹氏(ヴイストン株式会社)
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● グループ学習を取り入れた「ロボット工作体験教室」
総合的な技術力が必要とされるロボット技術者には、多くの仲間と協力しながら物を作り上げるコミュニケーション能力が重要である。教室では、単にロボットを組み立てるだけではなく、グループ学習の機会を設け、自分の考えを周囲に伝えるコミュニケーション能力を養うことを目的としている。
教室の教材となったのは、ヴイストン株式会社製の台車型ロボット「BeautoChaser」だ。BeautoChaserは、シャーシーは昨年発売したBeautoと同じものを使っているが、CPUボードが新しくなっている。搭載されるのは赤外線センサがひとつで、スイッチを入れるだけで初期プログラムが動き出す。
ギアボックスも自分で組み立てるため、初めてロボット工作に挑戦する子ども達はかなり手こづっているようだった。サポートにあたっている大阪府立高専の生徒達を「先生、先生」と呼びながら、慣れないドライバーを手に1時間半ほど掛けて組立を行なった。
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教材の「BeautoChaser」
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BeautoChaserの内容。ギアを組み立てるのが難しい
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慣れないドライバーで苦戦しながら、ロボットの組立に挑戦
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ロボットが完成すると、10名のグループ単位で集まり、センサにどのように光を当てたらロボットを上手に走らせることができるか学習する。各自で、懐中電灯を片手にロボットを動かした後、グループ内で自分が試したことを発表した。
子ども達の中から、「斜め上から当ててみた」「すぐ近くで」「水平に照らした」など意見が出ると、次は自分が試していない方法をやってみたり、上手に動かせない子にアドバイスをしていた子もいた。
最後には、グループ対抗のロボットリレー大会を行なった。1人半周ずつ交代で走り、アンカーがゴールするまでのタイムを競った。自分の番では一生懸命ロボットを動かし、それが終わるとメンバーのロボットに大きな声援を送りながら、ロボットのレースを楽しんでいた。
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【動画】どんなふうに懐中電灯で光を当てたら、ロボットが思い通りに動くのか実験
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コースの上を上手に走らせることができるように、練習をする
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【動画】最後にグループ対抗レースを楽しんだ
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今後、ワークショップ参加者を対象に、BeautoChaserを使いロボットプログラミング体験教室を10月12日から実施する。
BeautoChaserのプログラムは、専用ソフトウエアのBeautoビルダーNEOを使って行なう。パソコンからロボットを動かし、課題をクリアしながらプログラミングの基礎を学ぶ。工作からプログラムと、段階的にロボットに親しむ場を設けていき、興味のある子どもがより高度な知識を得る学習システムになっている。
プログラミング教室では、赤外線センサを使って、障害物回避や光源追跡など3つのミッションにチャレンジする予定。
■URL
ロボット人材育成プロジェクト実行委員会
http://kansai-robot.net/kosaku/
関西次世代ロボット推進会議
http://www.city.osaka.jp/keizaikyoku/info/080627.htm
ヴイストン
http://www.vstone.co.jp/
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( 三月兎 )
2008/08/25 18:27
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