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スピーシーズ、「第一回MI・RAI-RT Ineternet Robot Forum」を開催

~MI・RAI-RT用アプリケーション開発環境などを発表

 2月15日、スピーシーズ株式会社と株式会社セックは、秋葉原UDXにて「第一回MI・RAI-RT Ineternet Robot Forum」を開催した。

 「MI・ RAI-RT」はスピーシーズから2006年4月に発表された、無線LANを通じてコンテンツをダウンロード、ロボットで再生するというコンセプトのコンシューマー向け小型ロボット。詳細はこちらの記事を参照していただきたい。

 「MI・RAI-RT Ineternet Robot Forum」はユーザーとデベロッパのためのコミュニティ、技術普及推進を目的とした団体で、今回はその団体設立と、MI・RAI-RT用アプリケーション開発環境「MI・RAI-RT Software Developer's Studio」の販売開始がアナウンスされた。


【動画】ネットからダウンロードした楽曲に合わせて踊るMI・RAI-RT 【動画】ゲラゲラ笑い転げる動作

スピーシーズ株式会社代表取締役・春日知昭氏
 スピーシーズ株式会社の代表取締役 春日知昭氏は、「ロボットは歩くパソコン。いまはまだ市場はないが、歩くパソコンには大きな市場があると考えている。コンテンツをネット経由でダウンロードすることで飽きないロボットが実現できる」と語った。スピーシーズでは2007年をインターネットロボット元年と位置づけ、アメリカでもMI・RAI-RTの販売を開始するという。

 ソフトウェア開発環境「MI・RAI-RT Software Developer's Studio」は、大きく分けるとコンテンツ作成ツールとネットワークインターフェイスからなる。コンテンツ作成ツールはMI・RAI-RTを動かすコンテンツを作成するための環境で、ネットワークインターフェイスはMI・RAI-RTをネットワークを介してサーバーに繋いで、操作やダウンロードを可能にする。ネットワークインターフェイスを公開することで、ネットワークロボットのアプリケーションを簡単に開発できるようになる。

 また、コンテンツ作成ツールの一部である「モーションエディタ」と「PCプレーヤー」のソースコードを開示する。ユーザーは自由にコンテンツ作成ツールを改良したりオリジナルのツールを作れるようになる。また「NetBSDプログラミング」ではロボットそのもののプログラミングを行なうことができる。これに合わせてMI・RAI-RTのCPUユニット「RPU-50」をOS(NetBSD)をインストールした状態で単体でも販売する。

 この開発キットにより簡易なコンテンツ制作からロボット内部の制御プログラム開発までが行なえるようになり、ロボットエンジニアだけではなくITソフトウェアエンジニアがロボットコンテンツを開発できるようになるという。スピーシーズではRTとITが融合したサービス領域が広がり、ロボットの利用領域が広がるとしている。

 価格は、MI・RAI-RT本体が294,000円。コンテンツ作成ツールの100モーションのライブラリ付モーションエディタが210,000円、PC プレーヤーが105,000円。ネットワークインターフェイスのインターネットモデルライセンス法人用が315,000円。NetBSDプログラミングのRPU-50アプリケーション開発ライセンスが105,000円、ロボットプログラミングモデル(SDK)が735,000円。RPU-50の価格は126,000円。

 モーションエディターとPCプレーヤーのソースコード開示はMI・RAI-RTインターネットロボットフォーラム加入者限定。MI・RAI-RTインターネットロボットフォーラムは、MI・RAI-RT購入者なら誰でも参加可能となっている。


MI・RAI-RT基本コンセプト。コンテンツはネット経由でダウンロードする MI・RAI-RT Software Developer's Studio価格一覧

株式会社セック開発本部第四開発部テクニカルマネージャ中本啓之氏
 当日は開発環境を用いたMI・RAI-RTアプリケーション開発現状なども紹介された。

 リアルタイム技術専門のソフトウェア会社である株式会社セックの開発本部第四開発部テクニカルマネージャ中本啓之氏は、一年ほど前からロボット開発に携わるようになったという。MI・RAI-RTのサーバー側のシステムを開発している。このコンテンツサーバーは開発コードで「RT-next」と呼ばれている。

 MI・RAI-RTでは、RTMLと呼ぶXMLベースのフォーマットでロボットのコンテンツを記述している。今回の発表で、これとロボットがネットワークに繋ぐための仕様が開示されることになる。

 セックでは、ロボットコンテンツのASPだけではなく、ロボット本体とサーバーを組み合わせたロボットサービスのシステムインテグレート事業にも乗り出していく予定だという。サービス例として、外部カメラと組み合わせた受付案内システムなどが紹介された。

 中本氏は「ユビキタス時代の究極の端末はロボット。ロボットのサーバーとロボットを組み合わせて実用化フィールドに、ニーズ志向で取り組んでいきたい」と語った。


RT-nextのシステム構成 MI・RAI-RTネットワークロボットインターフェイス ロボットコンテンツを記述するRTML

RT-nextの機能構成 RT-nextを使ったロボットASPサービスの概念図

外部カメラと組み合わせた受付案内システム 実際のデモの様子。右端のカメラに○×パネルを見せ、それに応じてロボットがリアクションするというもの

株式会社ACCESS開発本部第9開発部第3課係長 末廣章介氏
 株式会社ACCESS開発本部第9開発部第3課係長の末廣章介氏は、DLNAとロボットを組み合わせた研究開発の現状をレポートした。DLNAはデジタル家電をネットワークと接続して使うための枠組み。DLNAを使うとロボットのコンテンツも同じ枠組みで動かせるという。それにより「たとえばモーションとテレビ、モーションとCD再生などを組み合わせた新しいメディアができるのではないか」という。

 また、コンテンツのプラットフォーム、流通経路としてもDLNAには可能性があり、RTMLをDLNAで流すことがにより、ロボット・コンテンツ流通経路を増やすことができるという。

 末廣氏は、現在のネットワークロボットの現状を指して「iモードの黎明期に似ているのではないか」と述べ、いかにコンテンツをみんなに使ってもらうかがカギであり、好きなときに好きなところで再生できることがDLNAの魅力、そこにロボットを乗せることで新しい可能性が出ると語った。


DLNAの魅力は好きな時に好きなところでコンテンツを再生できるところmirai70961.JPG コンテンツ連携のイメージ 新たなメディアフュージョンが生まれるという WiFi対応携帯電話でHDDレコーダーからコンテンツリストを取得、再生するというデモを行った

立命館大学 情報理工学部 情報コミュニケーション学科 教授・小川均氏
 立命館大学 情報理工学部 情報コミュニケーション学科教授の小川均氏は、人に優しく、柔軟で多機能なロボットを作ろうとしたとき、エージェント機能で実現する手法があると述べ、そのエージェントは、能動性、協調性、反応性が重要だと語った。自分でプランをたて、他のエージェントと協調し、変化する環境に対して反応するということだ。

 現状ではエージェントをロボットに搭載することは困難なので、PCにエージェント能力をのせ、それに合わせてMI・RAI-RTが動く、という機能を実現した簡単な例をデモした。エージェントはJAVAパッケージになっており、パワーポイントを使って2体のMI・RAI-RTがなぜこのエージェントパッケージが作られたのか説明するデモ、ダンスデモ、個人適応型天気情報のデモが行なわれた。

 小川氏らは、PCとロボットを組み合わせた形で、これを「MI・RAI-RTエージェント」と呼んでおり、「新しい可能性を感じてもらいたい」と語った。


MI・RAI-RTのエージェント化 プレゼンテーション・デモの様子

【動画】ダンス。将来はもっと多くのロボットを使いぴったり揃ったダンスを行いたいという 【動画】天気予報

URL
  スピーシーズ
  http://www.speecys.com/
  製品情報
  http://robotamia.net/
  株式会社セック
  http://www.sec.co.jp/
  株式会社ACCESS
  http://www.jp.access-company.com/
  立命館大学 情報理工学部 小川研究室
  http://www.airlab.ics.ritsumei.ac.jp/intro.htm

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( 森山和道 )
2007/02/15 21:17

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