2月2日、「秋葉原先端技術実証フィールド推進協議会」の設立記者発表が行なわれた。「アキバロボット運動会」などを開催してきたNPO法人産学連携推進機構が「秋葉原先端技術テーマパーク構想」に基づいて準備を進めていたもので、産官学公民が協力して先端技術を活用した先駆的プロジェクトを実施するために、秋葉原を常設の実証フィールド(テストベット/テストマーケット)の基盤として構築する取り組み。
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NPO法人産学連携推進機構理事長 妹尾堅一郎氏。手に持っているのはICタグ入りのアキバタウンカード。IT技術活用をねらう
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「どうすれば秋葉原が世の中の役に立つ街になれるか」、「科学技術が事業化を通じて役に立つようにするためにはどうすればいいか」、ずっと考えていたという産学連携推進機構理事長の妹尾堅一郎氏は、数年間の準備を経て「街とのコラボレーションが始まる」と設立趣旨を述べた。科学技術による新産業創出のためには常設のテストベッド、実証が必須であるという。
技術が製品・サービスとなるためにはまず「死の谷」を乗り越える必要があり、製品・サービスが事業となるためには、マーケティングでいうところのキャズムを超える必要がある。ナレッジが実際に世の中で役に立つようにするため、死の谷あるいはキャズムを超えるためには、テスト・ベッド、テストマーケティングが必要となる。
実証フィールドは、明確な区域を持ち、アクセスが容易、大通りもあれば路地もある適度な複雑性、十分な数のユーザー、企業や大学の研究者にとってなじみがあり、地元関係者が技術に理解がある街が望ましい。それが秋葉原だという。
秋葉原は新技術に親和性が高いだけではなく、地域住民、地域従事者、観光客・買い物客など、それぞれ違う種類の人が訪れる街でもある。テストベッド、マーケティングに最適な街だと考えられるという。
妹尾氏らは平成16年度から準備を進めており、イノベーションを創出する「場と機会」の提供をしたいと述べた。メーカー主導イノベーションだけではなく、ユーザー主導イノベーションも出てくることを期待し、さまざまな製品やサービス投入を目指し、インタラクティブなコラボレーションが行なえる場所としたいという。
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技術を世に送り出すためには常設の実証フィールドが不可欠
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実証フィールドの要件
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秋葉原は技術実証に最適な街だという
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会見には、株式会社日立製作所、日本ユニシス株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、都市経済とITの関係を研究している慶応義塾大学助教授の武山政直氏らのほか、千代田区まちづくり推進部、警視庁万世橋警察署の関係者らも出席した。それぞれ、RFIDタグなどを活用した社会全体のIT化、またそのような新技術を活用した防災・防犯の技術デザインを、街全体を活用して行なっていく予定だ。
具体的な実証実験は4月から始める予定で、詳細は検討中。いま現在進めようとしているのは、防災関連の実証実験で、鹿島建設による揺れセンサーによる地震モニタリングシステム、秋葉原ダイビル内に研究スペースを持つ東京大学・森川研究室のセンサーネットワーク技術、日立の電子ペーパーを組み合わせるというもの。秋葉原の店舗の各フロアにセンサーを設置、それによってこれまでにない精度で揺れを検出すると同時に、安全に逃げることができる経路や案内文を多国籍語で電子ペーパーに出力することを想定している。
なお上記の地震モニタリングシステムや森川研究室の研究内容については本誌の過去記事を参照されたい。
妹尾氏によれば「先端技術」の枠内には、ICT、ITだけではなく、RT(ロボットテクノロジー)も含む。ロボット技術に関する実証実験もできれば行なっていきたいと語った。
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ロゴマーク
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関係者一同
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ロゴマークは、技術を街に出し結果がフィードバックされることでスパイラルを描くこと、日の丸をイメージしたモチーフとしており日本から世界に発信すること、小文字のaなどを重ね合わせたもの。
これを腕章にしたりTシャツにしたり、実証実験をしている人たちが身につける予定。マークにICタグを埋め込んで真正性を保障することも考えており、認定されたプロジェクトはこのロゴマークが使える。現在、「秋葉原先端技術実証フィールド推進協議会」では会員を募集している。
■URL
NPO法人産学連携推進機構
http://www.nposangaku.org/
秋葉原先端技術テーマパーク構想
http://www.akibatechnopark.jp/
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( 森山和道 )
2007/02/05 00:07
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