株式会社ユビキタス・エクスチェンジ(Ubix)は21日、株式会社テムザックが開発した中型サービスロボット「ユビコ」を導入し、派遣・紹介サービスを開始したことを発表した。
10月28日に、会津中央病院へ導入された案内ロボットをベースに、Ubix向けにカスタマイズされたもので、頭部にプロジェクタ機能を内蔵。あらかじめルートを指定することで自動走行が可能なほか、遠隔操作や、頭部に内蔵するカメラによる監視機能も備える。そのほか、音声認識・対話機能なども備え、普段は同社エントランスでの受付案内業務を実施することになる。
また、店頭での販促業務やイベント会場での宣伝用途などにも利用でき、12月には、静岡にあるUbixの携帯直販店にて販促デモを実施する予定。将来的には介護や、警備用途などにも拡大していきたいという。ロボットの派遣料金は2時間/105,000円(別途諸経費の見積もりが必要)。
ユビコの主な仕様は、本体サイズが630×800×1,130mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約100kg。頭部×2、腕部×2、走行×2の合計8自由度をもち、本体には接触時に本体を停止させるバンパーセンサーや、障害物センサー、光量センサーなどを内蔵する。バッテリはリチウムイオンバッテリで、最大駆動時間は約5時間。本体価格は約3,000万円。
今回のロボットを、レンタルではなく派遣と位置づけたことについては、ユビコは汎用的なロボットとして貸し出すわけではなく、あくまでUbixの社員として現場に派遣され、指定された業務を実施するからという。
なお、同ロボットの名称である「ユビコ」はubikoと表記され、ユビキタスコンピューティング、ユビキタスカンパニーから由来する造語。coではなくkoで表記されているのは、同社の子供である、という意味も含まれているからという。
|
|
|
Ubixの人材派遣ロボット「ユビコ」
|
頭部にはカメラとプロジェクターを内蔵
|
本体基部にはバンパーセンサーや障害物センサーを搭載
|
|
|
|
頭部のプロジェクタを使用しているところ
|
本体カラーはUbixのイメージカラーをベースにしたもの
|
ユビコの基本派遣料
|
会場では、株式会社ユビキタス・エクスチェンジ代表取締役社長 枝根英治氏、株式会社テムザック代表取締役社長 高本陽一氏がそれぞれ挨拶した。
ユビキタス・エクスチェンジは、人材派遣や、モバイルを軸としたシステム開発などを行なう人材総合サービス会社。枝根氏がテムザックに興味を持ったのは、留守番ロボットの「ロボリア」を見たことからだという。「人材業は、労働条件や保証の問題など人対人だと解決できない問題がいろいろあるが、これをロボットで解決していきたい。産業、おもちゃだけでなく、サービスロボットとして今後ロボットを活躍させるには、世間の認知が必要。こうしてサービスロボットを提供することで世の中に浸透させていきたい」などと語り、今回の事業を将来の足がかりとして位置づけた。
|
|
株式会社ユビキタス・エクスチェンジ代表取締役社長 枝根英治氏
|
株式会社テムザック代表取締役社長 高本陽一氏
|
また、株式会社テムザック代表取締役社長の高本陽一氏は「われわれは、ロボリアのような小型ロボットも手がけてきたが、これから中型ロボットの時代も来ると見ている。先日は会津中央病院で、受付・案内ロボットを導入したが、今回はUbixに購入いただいた。中型ロボットがどういう市場なのか我々も模索中だが、人材としてロボットを派遣するという提案をいただき、興味をもった」という。
高本氏は、メーカー側からの視点だけでは、実際にどのようなロボットの需要が世の中にあるのか、非常にわかりにくいという。だが、「人材派遣業という視点からみると、どのようなところに人が足りないのかがわかる。人と全く同じことができなくても、ロボットとしてどれだけできれば需要があるのかが見えてくる。こうした事例を積み重ねることで、いずれはロボットが社会で活躍する時代が来ると考えている」と、他業種の企業と協業していくことのメリットを語った。
■URL
株式会社ユビキタス・エクスチェンジ
http://www.ubix.co.jp/
ユビコ
http://www.ubiko.jp/
テムザック
http://www.tmsuk.co.jp/
【2005年11月29日】テムザック、プロジェクター付き掃除ロボット「RIDC-01」を開発(PC)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1129/tmsuk.htm
■ 関連記事
・ ロボットが病院内をガイド(2006/10/30)
・ FA屋の発想で実用ロボットを目指す~株式会社テムザック(2006/05/29)
( 清宮信志 )
2006/11/22 00:04
- ページの先頭へ-
|