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ZMP、iPodを搭載可能なロボット音楽プレーヤー「miuro」を受注開始


miuro(ミューロ)。左右の車輪部分の空間の中にメインスピーカ、両側面に中低音スピーカを配置している
 8月31日、株式会社ゼットエムピー(ZMP)は、ロボット技術を活用したネットワーク音楽プレーヤー「miuro(ミューロ)」を開発、同社ウェブサイトで受注予約を開始したと発表し、記者会見を行なった。初回出荷予定は12月、本体価格は108,800円。

 「miuro」は重量5kg、全長34cm。2輪で自律移動するステレオ・ミュージック・プレーヤー。名称は「Music innovation based on utility robot technology」の略称。「ロボット技術により新しい音楽の楽しみ方を提案していきたいという思いを込めた」という。

 無線LAN(IEEE 802.11b/g)を搭載し、ネットワークに無線接続することで、ネットワーク内のPC上に保存された音楽ファイルを再生したり、ネットラジオを視聴することができる。対応オーディオ・フォーマットは、WAV、MP3、WMA、AAC、AIFF、LPCM。

 携帯ミュージックプレーヤーをロボット本体に直接接続することもできる。特にiPodならばリモコンで選曲操作も可能。通常のラジカセにある目覚ましタイマー機能等もある。なおDLNA等への対応は未定。

 左右のスピーカーの間に設けられた2つの車輪を回転させることで平地でゴロゴロと転がりながら移動する。ジャイロ、加速度センサー、ロータリーエンコーダーを内蔵しており、本体中央部は移動中も常に水平を維持し、指定されたポイントからポイントへの移動距離を計測できる。リモコンによって正面向きに自動補正する機能のほか、音楽に合わせてイルミネーションを輝かせて「ダンシング」する。

 また、手動での移動操作も可能。手動移動操作は、付属の赤外線リモコンあるいは無線LAN経由でPC操作で行なう。無線LAN経由で操作するときは、リモコンで予め指定した場所に自律移動させることもでき、障害物などを自分で避けて移動していくことが可能だという。バッテリによる連続駆動時間は3〜4時間。自律充電機能はない。

 オプションのハードウェアとソフトウェアからなる「自律移動パッケージ」を追加することで、カメラや測距センサー、タッチセンサーからの情報をもとに室内見取り図を作成できるようになる。なお地図作製そのものは専用ソフトウェアをインストールしたPCが行なうリモートブレイン方式。ZMPによれば、本格的な自律移動機能を家庭用ロボットに搭載したのは世界初だという。

 さらに「遠隔コミュニケーションパッケージ」を追加すると、携帯電話による遠隔操作によって写真をメールで送ったり、外から部屋の様子を見ながらロボットを移動させることも可能になる。


重量5kg、全長34cm。実際に持ってみたところスピーカのためずっしり重たい 車輪部分とスピーカ部分の間にある透明な板は接触センサー 本体中央のディスプレイには本体に内蔵したiPodや、無線LAN経由で接続されたiTunesの操作メニューを表示できる

iPodを内蔵可能 iPod以外の端末は通常のオーディオ入力端子から接続することになる 背面にオプションのカメラが付く

充電用端子はボディ下面 充電台の上に載せたところ。通常はこの状態で使うことになる カラーバリエーションは4色

【動画】移動や回転動作の様子。音はすべてmiuroから再生されている 【動画】赤外線リモコンによる操作の様子

赤外線リモコン W-ZERO3など無線LAN端末からも操作することができる

会場でプレゼンテーションを行なったZMP代表取締役の谷口恒氏
 ZMP代表取締役の谷口恒氏は、「毎日使ってくれる身近な家電製品にロボット技術を投入することで、新しいライフスタイルを提案したい。そのために音楽をキラーアプリケーションとして捉えた」と述べた。

 こだわりは3つあり、デザイン、音質、ロボット機能だという。

 デザインはグラフィックプロデューサーの原神一氏。原氏は「若者の間では動きながら音楽を聴くことが定着しているが、これはそのロボットバージョン。miuroはラジカセとペット、2つの感覚を持ち合わせている」と述べ、デザインテーマは「『やさしい』ということがテーマ。もう1つは未来感を感じるフォルムにした。卵や音符など丸くてやさしい香りのするものを基本に、卵のなかから卵が生まれる、丸のなかから丸が生まれるイメージでデザインした」と語った。

 音質は株式会社ケンウッドと提携し、最適設計を行なったという。ケンウッド代表取締役社長 兼 CEOの河原春郎氏は、「ケンウッドは臨場感あふれる音作りで新鮮な驚きと感動をもたらすことがコーポレートビジョン。それにふさわしい商品だ」とmiuroについて語った。


メカ内部透視図(正面)車輪部分内側には測距センサー メカ内部透視図(背面)自律移動はカメラ(オプション)の付けられる背面方向に向かって行なう エレクトロニクス関係。オーディオ関係とカメラ関係をDSPが処理し、ロボット部分のメインCPUにはSH2Aが用いられている

 ただ、もともとケンウッドとZMPが協力して開発することになったきっかけは、ケンウッドの仕事からではなく、河原氏が会長を務めるベンチャー支援を目的とした任意団体「ベテランの会」での出会いだった。昨年9月頃にZMPの谷口社長らがプレゼンを行なったときに「ケンウッドのコンピタンスである音作りが役に立つのではないか」と考えて支援することに決めたのだという。

 なおケンウッドはこれまでに、バンダイの「リトルジャマー」、TOTOのMP3再生トイレなどもサポートしている。今回のmiuroも、「新しいライフスタイル、音の楽しみ方を開発してもらい、新しい日本のビジネスが栄えることを期待している」と述べた。

 株式会社ケンウッドCB開発センタ先行技術開発部主幹で、「音質マイスター」の早川純一氏は、音のバランスを重視して、高音から低音まで滑らかに音を出すことをコンセプトとし、「原音再生」を基本としたという。形状的に両側にスピーカーが位置してしまうので、敢えてそれを利用して広がりのある音を目指した。

 また、ロボット技術を、通常、固定して用いるステレオに応用することの意味については、将来の希望として「最良の音場をロボット自身が探し、最適な場所に移動できるようになったり、反響や残響を調べて最適な音を出せると面白いのでは」と語った。ZMP技術開発部プロジェクトリーダーの梅野真氏によれば、技術的には可能だが問題はコスト、だが今後の目標としていきたいという。


株式会社ライス 代表取締役アートディレクター 原神一氏 株式会社ケンウッド代表取締役社長 兼 CEO、河原春郎氏。ベンチャー支援任意団体「ベテランの会」会長でもある 株式会社ケンウッドCB開発センタ先行技術開発部主幹(音質マイスター)早川純一氏

 なお記者会見では、ロボットによる地図作製を行なうためにPCにインストールするソフトウェアは仕様等が未定とのことで公開されなかったが、ZMP社長室 経営企画担当マネージャー西村明浩氏によれば、Windows XP対応のソフトウェアであるとのこと。

 miuroホームページから先行予約を行ない、初回出荷は12月を予定している。初年度は1万台の販売を見込む。今後、都内数点のインテリアショップ等で実物を展示する予定。生産体制は現時点では非公開。

 2007年後半は積極的に海外へ展開していき、OEM展開も考えているという。


URL
  ゼットエムピー
  http://www.zmp.co.jp/
  製品情報
  http://miuro.com/

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( 森山和道 )
2006/09/01 00:49

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