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ZMP、エンジニア教育カリキュラム「e-nuvo」シリーズを強化


「e-nuvo WHEEL」
 7月11日、株式会社ゼットエムピーは、ロボットを使った「エンジニア教育カリキュラム・ZMP e-nuvoシリーズ」をリリースし記者会見を行なった。

 「e-nuvo」新シリーズは、モータ制御の基礎を学ぶ「BASIC」、ロボットのメカと部品設計を学ぶ「ARM」、制御理論を学ぶ「WHEEL」、システムとしてロボットを理解できることを目指す「WALK」の4つの教材群で構成される。部品レベルから二足歩行ロボットまでを教材にすることで、幅広い層のニーズに対応できるとしている。

 ZMPは2004年後半から二足歩行実習教材「e-nuvo」を二足歩行ロボット教材にして、エンジニアとして必要な工学基礎を身につけるための総合工学学習教材として販売してきた。コンセプトは、実機を制御する体験を通して、ものづくりの楽しさと、工学の基礎、産業界で必要な技術を体得してもらうこと。高専や企業を中心に、約300台納入した実績を持つ。

 同社では従来、300ページに及ぶカリキュラムを付けて販売していたが、二足歩行ロボットは構造的にも複雑で制御対象としてもハードルが高く、コストも高い。そのため現場では、より簡素なものや、二足歩行以外のロボット教材を求める声が多かったのだという。

 そこで今回の教材はe-nuvoを簡素化し、軸数を抑えた車輪型などを加えるなど、新型ロボット教材を開発した。それによって基礎的学習の敷居を下げて、学習項目、難易度、価格のバリエーションを増やした。

 価格はe-nuvo BASICが29,400円、ARMが56,700円、WHEELが294,000円、WALKが680,400円ほかとなっている(オプション含まず)。

 会見では、同社がこれまで展開してきた教育事業における、現場からの声も披露され、工学教育の現場がロボット教材を通じて垣間見えるものとなった。


e-nuvo WALK 外装付きも出ることになった。カメラなどはオプション 外装なしの倒立振子型ロボット「e-nuvo WHELL」

【動画】e-nuvoのデモ 【動画】倒立振子型ロボット e-nuvo WHEELのデモ

カリキュラム。分冊化され、一冊あたり数日で終わるコースとなった ルネサススターターキット 製品ラインナップ

e-nuvoに対する教師たちの声。教えることが多い工学教育の現状が垣間見える 生徒の声。ロボットを使えて嬉しいとのこと

企業の声。MATLABを使えれば即戦力、MBDを体験できればという声がある 海外の声。ロボカップのAIBOリーグの後継機としても注目されている

 教材は、株式会社ルネサステクノロジ、サイバネットシステム株式会社との共同マーケティングを行なって開発したもの。e-nuvoはCANを採用しており、本体ならびにモータを制御するマイコンにはルネサスのCAN内蔵マイコンが用いられている。モータ制御学習キット「e-nuvo BASIC」では組込みソフトウェア学習用(マイコン学習用)CPUボードとソフトウェア開発環境でルネサスのスターターキットを採用している。

 またZMPとサイバネットシステムはe-nuvoのシミュレーションモデルを共同開発しており、エンジニアたちの間で広く使われている開発/シミュレーション環境のMATLAB/Simulinkを使って、ロボットのモデリング、制御系開発を実体験しながら学習できるようになっている。


株式会社ルネサステクノロジ汎用製品統括本部マイコン事業部MCU製品技術部長 鈴木誠氏 ルネサステクノロジのマイコン展開 ルネサスではマイコンカーラリーなども支援している

サイバネットシステム株式会社 応用システム第一事業部 営業技術推進部部長 柴田克久氏 サイバネットシステム株式会社 フィールドアプリケーションエンジニアリング部CDAエンジニアリンググループ・シニアアプリケーションエンジニア 三田宇洋氏 MATLAB/Simlink製品群

 教材総監修は芝浦工業大学教授の水川真氏。倒立二輪ロボット教材は慶應義塾大学教授 足立修一氏がカリキュラム監修を行なった。ニーズが高まってはいるが複雑で難解と言われる現代制御理論をわかりやすく基礎から学べるように工夫されているという。


ZMP代表取締役社長 谷口恒氏 ZMP技術戦略室室長 坂井亮介氏

 ZMPでは、モデルベースドデザイン(MBD)の考え方や実際、また制御シミュレーションツールを習得できる組込みエンジニア向けのトレーニングキットとしてロボットを展開していくことで、教育とエンタテイメント事業の2つに特化していきたいという。

 ZMP代表取締役社長 谷口恒氏は「ロボット教材を使い倒してもらうためにコンテンツを充実させていきたい」と語り、学習コースもエンジニア向けだけではなく広く展開していきたいと述べた。たとえば日本HPと共同で開催している「ヒューマノイドロボット・デザイン・コンテスト」を取り上げ、同社が持つデザイナーのネットワークを活かした工業デザインが学べるカリキュラムや、また、ロボット製造を通して学ぶプロジェクトマネジメント手法をカリキュラム化することも構想にあるという。

 ZMPは2004年後半から二足歩行実習教材「e-nuvo」を高専や企業に約300台納入した実績をもとに、初年度売上目標3億円を目指す。初期出荷は9月下旬。e-nuvoホームページで先行受注を受け付けている。また、1年半前から展開している海外向け(英語版と中国語版)カリキュラムも、ラインナップを一新してこれから翻訳していくとのことだ。

 なお、同社と日本HPほかが共同して主催している「第2回ヒューマノイドロボット・デザイン・コンテスト」は、現在、エントリー受付中だ(9月30日まで)。作品送付締め切り日は11月30日必着。結果発表は今年12月下旬が予定されている。


URL
  ゼットエムピー
  http://www.zmp.co.jp/
  製品情報
  http://www.zmp.co.jp/e-nuvo/jp/
  第2回ヒューマノイドロボット・デザイン・コンテスト
  http://www.sekkeiseizo.com/hrdc2006/

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( 森山和道 )
2006/07/12 00:42

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