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石井英男のロボットキットレビュー〜近藤科学「KHR-2HV」(第1回)

ハードウェア組み立て(前編)
Reported by 石井英男

 2004年6月に近藤科学から登場した「KHR-1」は、本格的な二足歩行ロボットキットながら126,000円(税込)という、個人でもなんとか手の届く価格を実現したことで話題を集めた。KHR-1登場以前の二足歩行ロボットキットは、数十万円程度しており、個人用というよりは、大学や研究機関などの研究用として位置づけられており、販売台数もごくわずかであった。

 しかしKHR-1は、2年で4,000台以上を売り上げ、ホビー向け二足歩行ロボットキット市場を新たに開拓することになった。KHR-1のヒットを受けて、前回取り上げた日本遠隔制御の「RB1000」やハイテックマルチプレックスジャパンの「ROBONOVA-I」など、10万円前後の二足歩行ロボットキットが各社からするようになったのだ。これらの製品は、KHR-1登場から1年以上たってから登場しただけあって、KHR-1に比べて性能・機能的に優れている部分も多い。

 これらのライバル製品に対抗すべく、近藤科学がKHR-1の後継として開発したのが「KHR-2HV」だ。KHR-2HVは、スペックや作りやすさ、メンテナンス性など、あらゆる点でKHR-1を上回るロボットキットでありながら、KHR-1のほぼ3分の2(実勢価格は9万円を切る)という低価格を実現しており、非常にコストパフォーマンスが高い。まさに第2世代ロボットキットというべき製品であり、発売以来大人気となっている。

 KHR-2HVの出荷が開始されたのは2006年6月だが、ファーストロットはあっという間に完売してしまい、しばらくは入手できない状態になったほどだ。筆者も、ファーストロットは買いそびれてしまい、9月に入ってようやく購入することができた(おそらくセカンドロットかサードロット)。購入したのはツクモロボット王国で、価格は89,985円だった。

 そこで今回から数回にわたって、KHR-2HVをレビューしていきたい。


さまざまな点が改良され、大きく進化した「KHR-2HV」

 近藤科学のKHR-2HVは、17自由度を持つ二足歩行ロボットキットだ。価格はオープンプライスだが、実勢価格は税込みで9万円を切る。KHR-2HVの強化点については、こちらのレビューを見ていただきたいが、スペック面については、サーボモーターがHV化(高電圧化)され、KHR-1標準のサーボモーターに比べてトルクやスピードが強化されたこと、コントロールボードが新しくなり、機能が大幅に強化されたことがウリだ。

 そのほか、脚のサーボモーターの配置が変更され、より深く屈めるようになったことや、ケーブルの取り回しがしやすくなったことなど、さまざまな点が改良されている。軸構成が似ているため、一見、KHR-1のマイナーチェンジ的な製品にも思えるが、大きく進化しており、フルモデルチェンジと呼ぶにふさわしい製品だ。


組立説明書がわかりやすく、初心者にもお勧め

 それでは、早速KHR-2HVの組み立て手順を紹介したい。KHR-2HVの組立説明書は、付属CD-ROMにPDF形式で収録されているので、最初に印刷しておくこと。ファーストロットでは印刷された正誤表が入っていたようだが、筆者が購入したキットのCD-ROM(Ver1.1)に収録されている組立説明書は、ファーストロットの正誤表が反映されているようだ(正誤表は入っていない)。

 筆者は、これまでKHR-1、ROBONOVA-I、RB1000と3台の二足歩行ロボットキットを組み立ててきたが、従来の製品では、組立説明書の出来があまりよくないものが多かった。説明が簡略化されていたり、図が小さかったり、少なかったりするものもあり、初めて二足歩行ロボットキットを組み立てる人には、ややハードルが高かった印象だ。

 しかし、KHR-2HVの組立説明書は、非常にわかりやすく書かれており、感心した。各工程ごとに作業完了イメージの図があるほか、どの部分を組み立てているかを示す図もあるので、組み立てのイメージがしやすい。作業をうまくすすめるコツなど、ワンポイント解説もふんだんに盛り込まれており、初めて二足歩行ロボットキットを組み立てるという初心者にもお勧めできる(一番最初には、ビスの締め方やドライバーを回す方向まで書かれているほどだ)。このあたりも、KHR-1でのフィードバックが活かされているのであろう。

 なお、細かなパーツ類は、いくつかの小袋に分けられているが、ビスは2、3種類が1つの小袋に入っているので、組み立ての際に間違えないように注意しよう。KHR-2HVの組み立てに最低限必要な工具類は、プラスドライバーとはさみ、ポリカーボネート専用塗料(フロントカウルとボードカバーの塗装用)だが、木工キリやカッターナイフ、ニッパーなども用意しておくと、ボードカバーのカッティングがより楽に美しくできる。


KHR-2HVのパッケージ外観。パッケージのサイズはKHR-1と同じだ パッケージを開けたところ。白いプラスチック製のトレイの下にもパーツが入っている

組立説明書やソフトウェアマニュアルは付属CD-ROMに収録されている。筆者が入手したキットには、Ver1.1のCD-ROMが入っていた サーボアームやビスなどは、小袋に分けられて入っている。パーツ袋はAからKまであるので、確認しておこう

説明書にしたがって組み立て作業を行なう

・ケースビスの取り外し

 まず、最初に、サーボモーターのケースビスを取り外す作業を行なう。これは、後でサーボモーターとフレームをケースビスによって共締めするためだ(KHR-1でも同様にサーボモーターのケースビスの取り外しから始まる)。

 前述したようにKHR-2HVでは、サーボモーターとしてHV仕様の「KRS-788HV」が17個採用されている。KHR-1では、サーボケーブルの長さが一種類しかなかったため、脚の先に装着されたサーボモーターなどでは、ケーブルが届かず、延長ケーブルを使ってコントロールボードに接続していた。延長ケーブルはコネクタで接続されているため、ロボットを動かしていると、このコネクタが外れてしまい(特にバトルで相手にひっかけられたりして)、サーボモーターが動かなくなってしまうことがあった。また、メンテナンス性や見た目からも、延長ケーブルの利用は望ましくない。

 しかし、KHR-2HVでは、サーボケーブルの長さが、短いもの(300mm)と長いもの(480mm)の2種類用意されており、延長ケーブルが不要になっている。このあたりも地味だが、嬉しい改良点だ。全部で17個あるサーボモーターのうち、4個が長いケーブルが付いており、残りの13個が短いケーブルとなっている。

 ケースビスを取り外す必要があるのは、長いケーブルが付いたサーボモーターが4個と、短いケーブルが付いたサーボモーターが12個の合計16個だ。ケースビスを外すと、サーボケースを分解することができるが、中身がバラバラになると面倒なので、サーボケースは分解しないように気をつけよう。


KHR-2HVでは、サーボモーターとして近藤科学の「KRS-788HV」が採用されている KRS-788HVのサーボケーブルの長さは2種類ある。長いケーブルが付いたサーボモーターが4個、短いケーブルが付いたサーボモーターが13個入っている

サーボモーターのケースビスを取り外す ケースビス(4本)を外したところ。サーボケース自体は分解しないようにすること

・ブラケットBユニットの組立

 次は、ブラケットBユニットの組み立て作業だ。サーボブラケットBに、サーボアームのベース(樹脂製)をタッピングビスで取り付け、さらにサーボモーター(ケーブル長が短いもの)を先ほど外したケースビスで取り付ければ完了だ。

 この作業で注意すべき点は、ベースの取り付け方向だ。ベースの周囲に出ている出っ張りの形状をよく見て、間違えないように注意しよう。また、ケースビスでサーボモーターを固定する際に、ビスをあまり強く締め付けないようにすることも大切だ。ケースビスを強く締めすぎると、サーボケースが変形してしまい、サーボモーターがうまく回らなくなることがある。ブラケットBユニットは、同じものを6個組み立てる。


ブラケットBユニットの組み立てに必要なパーツ一式(1個分) まず、サーボブラケットBにサーボアームベースをタッピングビスで固定する。ベースの取り付け方向を間違えないようにすること。この写真のように、L字型の端に位置するベースの凸型が下向きになるように取り付ける

サーボモーターをケースビスでブラケットBに固定する。ケースビスは強く締めすぎないようにすること 同様にして、ブラケットBユニットを6個組み立てる

・ショルダーユニットの組立

 今度は肩の部分となるショルダーユニットを組み立てる。ショルダーユニット用のサーボブラケットAとショルダーフレームはそれぞれ右用と左用があり、穴や切り欠きの位置が異なるので、気をつけよう。ここで使うサーボモーターも、ケーブル長が短いタイプだ。

 ショルダーフレームとサーボモーターは、ネジを使って固定するのではなく、強くはめ込む(圧入)ことで固定するようになっている。はめ込み部分がややきつめに設計されているので、フレームを曲げないように均等に力を込めてサーボモーターにフレームを押し込めばよい。

 このように圧入で固定するパーツが多いということも、KHR-2HVの特徴だ。ショルダーユニットを2つ組み立てたら、サーボケーブルに付属のサーボ番号が書かれたシールを貼る。左側となるショルダーユニットLにはCH2のシールを、右側となるショルダーユニットRにはCH6のシールを貼る。なお、このシールは結構剥がれやすいので、力を込めてしっかりと貼り合わせておくとよい。


ショルダーユニットの組み立てに必要なパーツ一式 サーボモーターをケースビスでサーボブラケットAに固定する。サーボブラケットAは、右用と左用があり、側面の穴の位置が異なる

ショルダーフレームをサーボモーターに圧入して固定する。ショルダーフレームも、右用と左用があるので、注意すること サーボケーブルに、付属のサーボ番号が書かれたシールを切り取って貼り付ける

・レッグユニットの組立

 次は、脚の部分となるレッグユニットの組み立てだ。このレッグユニットの形状が、KHR-1とKHR-2HVでは大きく異なる部分で、KHR-1ではサーボモーターが平行に配置されていたが、KHR-2HVではL字型に90度方向を変えて配置されている。この配置の変更によって、膝を深く曲げて完全にしゃがむことができるようになったのだ。

 レッグユニットの組み立てでは、左右2つずつ合計4つのサーボモーターを装着するが、このうち2個(脚の下側になる部分)のサーボモーターは、サーボケーブルが長いタイプを使うので、間違えないように注意すること。サーボモーターにレッグジョイントBを圧入し、反対側にレッグジョイントAをビス2本とケースビス8本で固定すればよい。レッグジョイントはA、Bともに右用と左用があるので気をつけよう。


レッグユニットの組み立てに必要なパーツ一式。サーボモーターはサーボケーブルが長いタイプ2個と短いタイプ2個を使う サーボモーターにレッグジョイントBを圧入する。レッグジョイントBも、右用と左用があるので注意しよう

サーボモーターにレッグジョイントBを圧入すると、このようになる 反対側にレッグジョイントAを装着して2本のビスで固定。さらに8本のケースビスでサーボを固定する。レッグジョイントAは、中央のポンチ穴(小さなへこみ)が外側に出るように固定する

完成したレッグユニット

・フットユニットの組立

 今度は、足となるフットユニットを組み立てる。こちらもサーボモーターはケーブルの長いタイプを使う。フットアングルBをサーボモーターに圧入し、反対側にフットアングルAをはめてケースビスで固定する。なお、フットアングルBは左用と右用があるが、フットアングルAは左右共通である。

 ソールを固定すればフットユニットの完成だ。なお、ソールの固定には、ビスの頭が皿状に平らになっているM2-4皿ビスを使うのだが、CD-ROM Ver1.1に収録されている組立説明書P.21では、用意するとパーツがM2-4皿ビスではなく、M2-4ビスとなっているので、注意しよう(同ページの図ではちゃんとM2-4皿ビスと書かれている)。

 なお、KHR-1では、標準ソールのサイズが小さく、安定した高速歩行を実現するには、オプションのラージソールが必須であったが、KHR-2HVでは最初から足裏のサイズがラージソール相当になっているので、ラージソールは不要だ(オプションとしてプラスチック製のバスタブソールが用意されている)。


フットユニットの組み立てに必要なパーツ一式。サーボモーターはケーブルの長いタイプを使う サーボモーターにフットアングルBを圧入する

反対側にフットアングルAをはめて、ケースビスで固定する ソールをフットユニットに皿ビスで固定する

・フロントフレームの組立

 次に胴体や股関節となるフロントフレームを組み立てる。まず、ボディフレームFにボディポストをタッピングビスで固定する。ボディフレームFには裏表があることに気をつけてほしい。指先で穴の周りを触ると、引っかかりを感じる側があるが、そちらが裏側となる。

 ボディフレームFにサーボモーターを圧入して、ボディフレームLをビスで固定すれば完成だが、ボディフレームLを固定する前にサーボモーターのサーボケーブルが、ボディフレームFとボディフレームLの間を通って内側に入るようにしておくこと。

 筆者は、間違えて、ボディフレームLの上側にサーボケーブルを出したまま固定してしまった(次の工程で気づいたので、ボディフレームLをいったん外してケーブルを間に通し、またボディフレームLを固定した)。組立説明書にも、サーボケーブルの置き方に注意するように書いてあったが、この図はやや勘違いしやすいと思う。


フロントフレームの組み立てに必要なパーツ一式 ボディフレームFにボディポストをタッピングビスで固定する。ボディフレームの表裏に注意すること

ボディフレームFにサーボモーターを圧入する ボディフレームLをビスでボディフレームFに固定する。サーボケーブルは、ボディフレームFとボディフレームLの隙間を通しておくこと

サーボケーブルは、このようにボディフレームFとボディフレームLの間を通しておく

・ボディユニットの組立

 引き続き、ボディユニットの組み立てを行なう。先ほど組み立てた、ショルダーユニットとフロントユニットを組み合わせて、ボディフレームBを固定すれば完成なのだが、ショルダーユニットには左右があるので、配置を間違えないように気をつけよう。

 また、ボディフレームBをケースビスなどで固定する前に、サーボケーブルをボディフレームBの穴から引き出しておくこと。組立説明書P.23では、ケースビスでボディフレームを固定してから、サーボケーブルを引き出すように書いてあるが、ケースビスで固定してしまうと、サーボケーブルを引き出せなくなってしまうので、先にケーブルを引き出すのがポイントだ。

 また、ショルダーユニットLとショルダーユニットRのサーボモーターのサーボケーブルにサーボ番号のシールを貼るように書かれているが、組立説明書にしたがって組み立ててきているのなら、すでにショルダーユニット組み立て時にシールは貼られているはずだ。組立説明書はよくできておりわかりやすいが、まだ多少の誤りが残っているようだ。


ボディユニットの組み立てに必要なパーツ一式。なお、この写真左上のフロントユニットは、サーボケーブルの取り回しが間違っている。先ほどの写真のようにボディフレームFとボディフレームLの間を通すのが正しい フロントユニットにショルダーユニットを取り付ける。左右を間違えないようにすること

ボディフレームBの穴からサーボケーブルを引き出す ビス9本とケースビス8本で、サーボモーターをボディフレームBを固定する

・コントロールユニットの組立

 今度は、コントロールユニットの組み立てだ。この作業は非常に簡単で、PCBベースにコントロールボード「RCB-3J」をビスで取り付け、電源スイッチケーブルを電源端子に差し込むだけで完了する。ちなみに、KHR-1で使われていたコントロールボード「RCB-1」は12個のサーボモーターしか制御できなかったため、RCB-1を2枚使うことで、17自由度を実現していた。しかし、RCB-3Jは24個のサーボモーターを制御できるため、1枚で済んでいる。


コントロールユニットの組み立てに必要なパーツ一式 コントロールボード「RCB-3J」の表側。KHR-1で使われていたRCB-1に比べて、はるかに機能が向上している

RCB-3Jの裏側。中央に16bitマイコン「M16C/Tiny」が実装されている PCBベースにコントロールボードをビスで固定し、電源スイッチケーブルを電源端子に差し込む

 第1回目は、ここまでとする。次回は今回作成した各部パーツやサーボアームなどを組み合わせて、KHR-2HVを完成させる予定だ。


URL
  近藤科学
  http://www.kondo-robot.com/
  製品情報
  http://www.kondo-robot.com/html/KHR2HV_KIT.html

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2006/10/10 00:09

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