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ノモケンの「素組でロボット」
バンダイ 1/100スケール MG「RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」(その1)

「機動戦士ガンダム」30周年、最新の「ガンプラ」を体験する
Reported by 野本憲一

 このコーナーは「ロボットのプラモデル」を組み立てて、その姿やギミックを中心に紹介していく。作り方は、塗装などをせず、あえてキットのまま組み立てていく“素組(すぐみ)”に限定。ここでは模型としての仕上がりを高めるよりも、キットを手早く楽しむことを優先させるのだ。

 最近のキットは、成型色(パーツの素材色)だけでもかなり色分けされていて、無塗装でも見栄えのする姿に仕上がるものも多い。また、塗装の剥がれを気にせずに動かして遊ぶこともできるのもメリットだ。購入した模型を貯め込まずドンドン組むためにも、レッツ素組!




 1979年より放送されたTVアニメ「機動戦士ガンダム」。作品に登場する戦闘用ロボット“モビルスーツ”のプラモデル、いわゆる「ガンプラ」は、翌1980年に発売が開始された。以来、さまざまな製品、シリーズが送り出され、30年を迎えようとする現在も尚、キャラクターモデルの中心であり続けている。

 1995年より展開された「MG(マスターグレード)」シリーズ以降、「スナップフィット化」や「多色成形」「合わせ目の目立たないパーツ分割」といったスタイルが定着し、この連載で進める「素組」でも十分な完成度が味わえるようになった。また、外観形状の煮詰めや、可動ギミックの進化も大きい。

 その「MG」シリーズも今や「Ver.2.0」として、各モビルスーツのキットが新規開発されている。

 そこで今回は昨年7月にバンダイホビー事業部より発売された「RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」を基に、最新のガンプラの凄さを体験してみよう。


バンダイホビー事業部 1/100スケール マスターグレードモデル「RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」。いわゆる「ファーストガンダム」と呼ばれる作品の主役メカ。価格は4,410円 パッケージ下箱の裏には、これまでの「ガンダムのプラモデル」の歴史が紹介されている パーツは14枚(ポリパーツを含む)のランナー枠で構成。主な材質はポリスチレンとABS。組み立ては接着剤の要らない、はめ込み式スナップフィットモデル。細部マーキング用にシールとドライデカールも付属する

完成後全身
完成した全身。外観は過度なアレンジを控え、アニメ設定のイメージに近づけている。でありながら広い関節可動やギミックを内包しているのが「Ver.2.0」の特徴といえる
フレーム構造
外観のパーツを外すと、このような関節フレームが現れる。二重構造とすることで、可動と外観を両立させている
フレーム構造2
こんなポーズまで取れてしまうフレーム。ロボットというよりも人体に近い動きができる

「コアファイター」から始めよう

 「ガンダム」というモビルスーツは、「コアファイター」という飛行機が変形した「コアブロック」を中心に上半身、下半身が合体して人型になる。

 説明書通り、コアファイターの組み立てから入ってみよう。


コアファイター全パーツ
小さな機体だが、色分けや変形ギミックがあるので、パーツ数は多い。これだけでも1つのキット分の内容がある
パイロットとシート
左からパイロットフィギュア、シート、コクピット壁面のパーツ。これらを上下に重ねるように組む
シートとコクピット外装
組み上げたシートとコクピットの外装パーツ。シートパーツ横の丸い凹みと外装内側の凸を合わせて取り付ける

シート取り付け
シートを取り付けた。コアファイターではこの向き
シート回転
モビルスーツになったときには、機首が下を向くので、シートがこの位置に回転する
機首、キャノピーパーツ
コクピットの前に機首やメーターナセル、後部にキャノピーと可動アームをを取り付ける

キャノピー取り付け
コクピット周囲の完成。小さなキャノピーも周囲とピタリと合ってくれる
キャノピー開閉
キャノピーはこのように後ろにスライドするように開く。小さなスペースでここまで再現している

機首後端パーツ
機首後端のパーツ。コアブロックに変形するときにコクピットがスライドして中に収まる部分。グレーのパーツは尾翼とのリンク
機首完成
後端のフードを被せ、完成したコアファイターの機首。側面の突起は機首が回るときの回転軸

主翼パーツ
主翼は水平部の中間で分割、折りたたみの回転軸が入れられている。ここはそのままパチンとはめ込む
機体と主翼
機体のパーツに主翼を取り付け。主翼折りたたみの時は主翼の根元側は機体にスライド収納される
ノズルパーツ
機体後部とノズルは後ろから差し込むように取り付ける

主翼の収納
折りたたまれた主翼。側面、上面ともピタリと収まっている
ミサイル取り付け前
翼を開いた状態。上面のグレーの部分は収納式ミサイルが付く部分。円弧断面のミゾになっている
ミサイル取り付け
先のミゾにかみ合うようにミサイルのパーツをはめ込む。フタと発射口が一体で、これが開閉する

機首、機体接合前
組み上げた機首と機体。残すは垂直尾翼とこれらの接続
尾翼パーツ
垂直尾翼の前に、リンクになる青い部品を取り付ける。尾翼横の軸にも注目
尾翼取り付け
尾翼の取り付けでは、横の軸を機体上面裏のミゾに入れる。裏面から見ないとわかりにくい

機首取り付け
尾翼からのリンクと、機首後端のリンクをつなぎ、機首全体を機体に納める
機首取り付け2
機首横の軸はエアインテイク部のミゾに入り込む
コアファイター完成1
エアインテイクのパーツを取り付けて、コアファイターの完成

コアファイター完成2
翼長が確保できるようスライド機構をいれ、アニメのイメージをよく再現しているコアファイター。単品で展示できるようにスタンドも付属している
コアファイター完成3
精密なパイロットフィギュアと対比することで、スケール感も感じられる

コアブロックへの変形1
ガンダムになるためにコアブロックへ変形する。主翼を機体に沿って折りたたんだ状態
コアブロックへの変形2
機首を後ろにスライドさせる。この時、コクピット内のシートも連動して回転する。さらに機首全体を下向きに回転させる

コアブロック
機首の回転と共に、尾翼も機体内収納される(動画参照)。これでコアブロックへの変形が完了した
【動画】コアファイターからコアブロックへ。コクピットのスライドとシートの連動、機首回転と尾翼収納の連動に注目!

頭部

 本体の組み立ては頭部から。複雑な形状ながら、巧みな分割で、パーツの合わせ目が目立たないようになっている。


頭部全パーツ
ここでも二重構造になっている。顔は目の部分がクリアーパーツ(写真はシールを貼った状態)。赤い隈取りとアゴは一体パーツで、そこに白いパーツを重ねる
透明パーツとシール
「目」の部分や頭頂部の前後カメラは、塗り分け用のシールが付属する。パーツの「目」は凸モールドされているので、浮かないようにシールをしっかり馴染ませる
頭部構造
組み上げた顔と、頭部構造。二股のパーツ間に挟み込んで顔を取り付ける。頭部構造の白いところは機銃の銃身部

頭部外装
頭部の左右側面、頭頂部、ヒサシなどの外装を取り付ける。頭部全体の真横や中央にパーツの合わせ目が無い点に注目
頭部完成
アンテナ、首関節(ダブルボールジョイント)とカバーを取り付けて、頭部の完成。側面に並んだ四角い穴は内部構造が底になって綺麗に塞いでいる

胸部

 胴体側の肩~胸~腹になる部分。コアファイターを納めながらも、柔軟に姿勢を変えられる構造になっている。


肩基部関節 全パーツ
これは胸内部に入る肩基部関節のパーツ群。腕の取り付け軸を引き出したり、振り上げられる複雑な機構が内蔵される
関節パーツ
シリンダー状に組み上げた先端(円形)に、さらにパーツを差し込み横軸と、縦の受けを設ける。左端の軸に腕がつくことになる
肩基部組み付け
ベース部の両端に「L型」パーツを差し込んであり、そこの縦軸と、後ろ側のスライドミゾに合わせて関節パーツを取り付ける

肩基部関節 完成
左が通常位置、右は腕を前に出せるように、肩基部の軸を引き出した状態。武器を両手で持つ時などに生かされる
【動画】肩関節の引き出し

胸部ダクト
ガンダムの外観上のポイントともなる胸部のダクト。3枚の黄色いフィンとそれ連結するヒンジパーツ、さらにボックス型に囲われる
フィンの連結
フィン中央をヒンジパーツにはめ合わせ、それぞれを連結する

ダクト完成
連結したフィンを左右から挟むようにしてボックス型パーツに納める。フィンの横軸はフリーで動き、1枚を動かすと連動して開閉する
【動画】フィンの連動

腹フレーム
これは腹(赤い部分)のフレーム。二段になっているところにそれぞれ入る。コアブロック周囲を覆う形になる。中央の円形部分でつながり、横に傾けることができる
【動画】腹左右傾け

腹フレームと胸ダクト
腹の上側フレームの左右にでた軸に、胸ダクトパーツを取り付ける。これで腹~胸が前後にも傾くようになる
さらに肩基部を取り付け
腹フレームとダクトを合わせたら、先に組んだ肩関節ベースとダクトパーツをかみ合うように取り付ける
胸内部パーツ
さらに左のパーツを上に重ねる。これは首の関節受けになる。小さな四角いパーツは背面ランドセル取り付けのポリキャップ

胸~腹外装
内部フレームが組み上がったところで、外装をはめ込んでいく。腹下のフレームは先に外装につけておく
コクピットハッチ パーツ
胸のコクピットハッチのパーツ。ここは下側のパネルがスライド開閉すると共に、アニメ設定とは別に、全体が上に開くギミックも入っている
ハッチスライド機構
ハッチのスライド機構を前側からみたところ。段差のパーツを取り付けると隠れる部分

コクピットハッチ
組み上がったコクピットハッチ
胸部完成 前
外装をはめ込み、組み上がった胸部。胸、腹の各ブロックは可動しても隙間がないように、少しずつ重なりあっている
背面
同じく背面、四角い出っ張りはランドセルを取り付ける部分

ランドセル

 背面につくランドセルにはビームサーベルやバーニアノズルが装備される。


ランドセル 全パーツ
ここも二重構造になっている。ビームサーベルの取り付け部も開閉機構やカバーといった凝った作りになっている
サーベル取り付け部
ランドセル内側パーツを裏面から見たところ。左はサーベル位置が外側に、右は内側に寄せた状態
ランドセル完成
完成したランドセル。バーニアノズルはボールジョイントで取り付けられ自由な向きに動く

腰部

 腰部分は見た目を崩さず、足が広く動くような工夫が盛り込まれている。


腰中央部全パーツ
腰中央にはAパーツ(腰より上の部品)やコアブロックを取り付けるための受けが載っかる形になる。股関節は軸受けだけなのでシンプル
腰上面プレート取り付け
腰フレームの前後左右を組んだら、上の「C」形状のところに上面プレートを取り付ける。これが腰の前後スイング機構になる
腰上面プレート取り付け2
さらに横回転軸をもった上面プレートを重ねる。これがコアブロックやAパーツと直接つながる部分

腰前開閉部
腰中央の大気圏突入用耐熱フィルム取り出し口(TV版。映画版では耐熱フィールド発生)も別パーツで、開閉する
腰前開閉部2
開いた状態。内部には耐熱フィールド噴出口らしきモールドが見える
腰中央部完成
腰中央のブロックは前後に外装を被せるだけ。下側のつながっていない部分にはスタンド用ジョイントが付けられる

腰外周パーツ
腰外周部はアニメ設定ではつながっているのだが、脚部の可動範囲を広げるために各面で分割されている
腰前面パーツ
腰前面のパーツ。裏の取り付け部にボールジョイントと回転軸を設けて位置の自由度を高めている
腰側面、後面パーツ
側面、後面は取り付けジョイントがつながっている。個別に開いたり、つながって全体を傾けたりできる

腰外周取り付け
腰上面のプレートに各外周のジョイントを取り付ける。これで左右の外周をまとめて傾ける(腰を曲げるように)もできる
腰外周取り付け2
各外周が接する辺は段差でかみ合うようになっていて、位置を合わせやすいようになっている
外周フチ
フチを合わせる段差部分は、内側にグレーの内部パーツが出ていて、かみ合う深さのガイドにもなっている

外周可動
腰の外周ブロック全体を傾けたところ。モモを少しだけ動かす場合は、こうすることでアニメ的イメージを損なわずに可動させることができる
外周可動2
大きくポーズを取るときには、外周を開いて、可動範囲を広げる

胴体の組み立て

 ここまで組み立ててきたパーツをを取り付けてガンダムの胴体を完成させる。


胴体各パーツ
ここまでに完成させた頭部、胴体、ランドセル、腰部と、コアファイター
コアブロック挿入
コアファイターをコアブロックに変形させ、胴体下から差し込む
コアブロック挿入2
コクピットハッチを閉じて、完全に胴体内へ収納された

腰部とコアブロック
胴体と腰ブロックを接続する。コアブロック下のノズル部に腰側からのピンが入る
腰部とコアブロック2
腰部とコアブロックは、単独でもこのように取り付けられる
腰部と胴体パーツ
逆に、コアファイター無しでも、胴体と腰部も接続できる様にもなっている

胴体完成
完成した胴体。完成してみるとシンプルな外観だが、各ブロックにはここまで紹介してきた構造、ギミックが内包されている
胴体完成 後面
胴体後面。ランドセルや、腰ブロック中央にある四角い穴にはライフルやバズーカ、シールドを取り付けることができる

 今回はここまで。次回は、腕、足、さらに武装を取り付け、完成体として紹介する。

(C)創通・サンライズ


URL
  バンダイホビーサイト
  http://bandai-hobby.net/

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ノモケンの「素組でロボット」
バンダイ 1/72スケール「VF-25F メサイアバルキリー アルト機」(その3)(2009/03/18)





野本憲一(のもと けんいち)
職業:プロモデラー。1967年新潟市生まれ。プラモデルやトイ、ガレージキット等の原型製作に携わると共に、模型専門誌ライターとしても活動すること20余年。著書に模型製作テクニックをまとめた「NOMOKEN(野本憲一モデリング研究所)」(ホビージャパン)がある。



2009/04/09 15:40

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