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実際に製作される等身大ガンダムの1/30模型
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3月11日、株式会社バンダイナムコホールディングスは1979年の放送以来今年で30周年を迎えるアニメーション作品「機動戦士ガンダム」を記念した『機動戦士ガンダム30周年プロジェクト』に関する発表会をお台場のホテルグランパシフィックにて開催した。発表会では記念イベント等の紹介のほか、ガンダムに登場する主役モビルスーツ「RX-78-2ガンダム」の全高18mの等身大サイズ立像製作プロジェクトも発表された。
ガンダムの等身大立像は「GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト実行委員会」により、その一環としてお台場の潮風公園(東京都品川区東八潮一・二番)内に設置される。骨格は鉄骨、外装はFRP。頭部は上下左右に可動する。夜間はライトアップされ、足首や背面ランドセル部分など合計14箇所からミストを噴射する。また両眼カメラ部のほか肩、膝など全身50箇所に警告灯などの発光ギミックを内蔵している。展示期間は7月上旬からおよそ2カ月間の予定。潮風公園は東京都の公園なので誰でも無料で間近まで行って見ることができる。
総制作費は非公開。現在、乃村工藝社が製作中で、今月下旬には現場で組み立てを行なっていく。なお「GREEN TOKYOガンダムプロジェクト」とは『機動戦士ガンダム』というコンテンツを通じてイベント収益の一部を「緑の東京募金」へ還元、「緑あふれる都市東京の再生」と東京発の文化発信を目的としたプロジェクト。バンダイナムコグループはこれに協賛している。
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潮風公園に設置されたイメージ映像
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夜間のイメージ映像
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発光・ミスト噴射ギミックを全身に内蔵
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1/30模型。全高60cm
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1/30模型の背面
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肩部ほか全身50箇所に警告灯が点く
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人間との比較。立像には触ることもできるという
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ガンダムが設置される予定の潮風公園。なお具体的な設置場所は調整中
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(C)創通・サンライズ
● コンセプトは「Always Beginning いつだって始まりだ。」
会見ではまず今年4月にバンダイナムコホールディングス代表取締役社長に就任予定の株式会社バンダイナムコゲームス代表取締役社長 兼株式会社バンダイナムコホールディングス取締役の石川祝男氏が「新中期経営計画ではバンダイナムコグループは攻めの姿勢で行く」と話を始めた。「機動戦士ガンダム」は科学考証や人間ドラマによってリアルロボットアニメというジャンルを生み出すに至ったが、これからもガンダムブランドを改めて強くアピールして、さまざまな形でガンダムの世界観を体験できる機会を提供していきたいという。石川氏は最後に「バンダイナムコは世界に存在感のあるエンターテイメントグループを掲げている。ぜひこれからのガンダムにご期待ください」と述べた。
続けてガンダム関連の企画を取り仕切るチーフ・ガンダム・オフィサーを務める株式会社バンダイ代表取締役社長の上野和典氏は、ガンダムプロジェクトの全体概要を述べた。「すべてのガンダムファンにお礼とお返しの意味を込めて、ガンダムの世界観をたくさんの映像やコンテンツサービスで提供したい」と考えているという。プロジェクトのコンセプトは「Always Beginning いつだって始まりだ。」。ガンダムの世界観は多くのファンに愛され、新たなファンを獲得し続けている。常に新たな出発であるということからこのコンセプトを定めたという。
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株式会社バンダイナムコゲームス代表取締役社長 兼株式会社バンダイナムコホールディングス取締役 石川祝男氏
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株式会社バンダイ代表取締役社長 上野和典氏
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プロジェクトでは柱となる3つのイベント「Real G」「FeelG」「Soul G」を実施する。
「Real G」は等身大ガンダム立像である。上野氏は立像の1/30モデルを前に「アニメーションの世界そのままの今までにないリアルを感じてもらいたい」と述べ、「今年の夏はぜひ潮風公園のガンダムに何度も会いにきてほしい」と語った。
「FeelG」は8月21日~23日に東京ビッグサイトで開催される「GUNDAM BIG EXPO」(一部有料)。ガンダムの歴史や世界観を感じてもらうための感謝祭という位置づけのイベントで、ガンダムを通じて最先端科学と技術を駆使した宇宙開発を語る「ガンダム・シンポジウム」などもあわせて行なわれる予定だ。また「GUNDAM BIG EXPO」では現在製作中のショートムービーを公開予定だという。
「Soul G」では「すべての戦士に捧げる音楽祭」と銘打った「ガンダム30周年記念音楽ライブ」を実施する。これまで「ガンダム」の世界観を歌い上げてきた多くのアーティストが集結する一大音楽イベントとして開催されるという。
このほか既にオープンしている公式ウェブサイトのほか、幅広い領域で大型戦略商品を展開していく。上野氏は「ガンダムの魅力を思う存分、体験して欲しい」と述べ、「ガンダムは時代の環境や価値観の変化に合わせて進化を遂げてきた。これからも夢を与え続けたい。ガンダムと共にバンダイナムコグループは進化を続けていきたい」と語った。
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コンセプトは「Always Beginning いつだって始まりだ。」
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「GUNDAM BIG EXPO」を開催
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ガンダム30周年記念音楽ライブを年内に開催予定
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株式会社サンライズ代表取締役社長 内田健二氏
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「機動戦士ガンダム」を企画制作した株式会社サンライズからは代表取締役社長の内田健二氏が出席し、以下のように述べた。「プロダクションが製作するものは文化と産業の両面を持つ。ガンダムは30年前から変わることなく力強い躍動を続けている。このようなものは作り手の都合だけで続けられるものではない。視聴者との間で価値を共有することができたからだ。この機会にフィールドを作り続けてきてくれたすべての皆さんに感謝したい。作品は多様な文化や社会に立脚しながら作られるものだが、ガンダムは戦争や科学、人類の未来に立脚して発信し続けてきた。これからも送り手受け手ともに多くの人に参加してもらってガンダムのフィールドを続けていきたい。価値の共有、新しい世代への橋渡しということはガンダムという作品のテーマでもある。30年前のガンダムのラストシーンはその部分を象徴していると思う。これからもご支援をよろしくお願いしたい」。
なお等身大ガンダムは7月上旬から2カ月間、潮風公園に展示される予定だが、その後は未定。本体は分解してコンテナで移動できるようになっているそうで、その後の設置場所についても複数の候補地があるという。頭部はイベントのときなどに動かす予定だ。2カ月間での動員目標は150万人~200万人。
■URL
バンダイナムコホールディングス
http://www.bandainamco.co.jp/
ニュースリリース(PDF)
http://www.bandainamco.co.jp/releases/images/3/50266.pdf
GUNDAM 30th ANNIVERSARY ガンダム30周年記念サイト
http://www.gundam30th.net/
サンライズ
http://www.sunrise-inc.co.jp/
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2009/03/11 17:47
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