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東大IRT機構、高齢者支援用パーソナルモビリティ技術を発表


屋外用モビリティー
 東京大学IRT研究機構は14日、1人乗り移動ロボット「パーソナルモビリティ」による移動支援技術を発表した。東京大学とトヨタ自動車株式会社、オリンパス株式会社、株式会社セガ、凸版印刷株式会社、株式会社富士通研究所、パナソニック株式会社、三菱重工業株式会社らが2006年度から参画している文部科学省の科学技術振興調整費「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」事業での協働によるもの。10~20年後の大きなイノベーションを目指した研究開発を行なっているという。

 今回開発された技術は、(1)簡単な操作で操縦する技術、(2)外乱に対してロボットが自律的に運動を制御する技術、(3)複雑なマップを作成しなくとも位置を測定する技術、(4)自律移動によってロボットを制御・帰庫させる技術、(5)パノラマ画像による屋外との臨場感通信技術の5点。高齢者や体に不自由を抱える人が、家庭や屋外を安全に自由に移動し、自立した日常生活を送るための支援技術として開発したという。

 今回の技術は屋外用と屋内用の2種類のパーソナルモビリティ実験機を用意して開発された。屋外用パーソナルモビリティ実験機は、幅700mm、高さは乗降時で1,000mm、走行時で1,100mm。時速6kmでの走行が可能で重量は150kg。トヨタの2輪倒立振子型移動ロボット「モビロ」をベースに開発された。


屋外用パーソナルモビリティの操縦インターフェイス
 屋外用モビリティは、人間の腕の回内・回外運動を使い、体を支えつつ安全で正確な操縦ができるインターフェイスを開発。片手でハンドルやブレーキ、アクセルに相当する動きを操作できる。タイヤ、スイングアーム、シートスライダを3次元物理モデルを使って同時制御することで、斜面や段差、凹凸がある場所も安定して走行できるという。また、レーザーレンジファインダを使い周囲の障害物や人を認識し、衝突を回避する機能ももつ。

 自律移動で帰庫する技術も搭載。車庫の周辺でレーザーレンジセンサーを使い、周囲の地図を作成して現在の自己位置を測定し、障害物を避けながら車庫へ戻るルートを自動生成することができる。これにより、利用者が乗り捨てた後、自動的に車庫へ入ることができるようになる。


屋内用パーソナルモビリティ
 屋内用モビリティは、搭乗者の重心位置や座面との接触状況などをセンサーで検出し、搭乗者の意図を推定して走行するインターフェイスを採用。手を使わずに体の動きだけで操縦することができる。また、床の模様にあらかじめ位置情報を印刷し、それをカメラで認識させることでロボットが自己の現在位置を認識できるため、複雑な地図情報などを持たずとも、室内の移動が可能になる。そのほか、手招きの動作をする人を認識し、近づく機能も搭載する。

 屋内用モビリティの本体サイズは660×640×1,300mm(幅×奥行き×高さ)、重量45kg。

 そのほか、パノラマ画像による屋外との臨場感通信技術として、屋内用モビリティから屋外用モビリティを遠隔操作して、部屋に居ながら遠隔地の様子を体験できる機能も搭載。屋外用モビリティに搭載された3台のカメラを使ってパノラマ画像を生成し、操縦者に送ることができるという。

 なお、今回の研究成果は11月15日(土)に開催される第7回東京大学ホームカミングデイにて公開される予定。


URL
  東京大学
  http://www.u-tokyo.ac.jp/
  東京大学IRT研究機構
  http://www.irt.i.u-tokyo.ac.jp/
  ニュースリリース(PDF)
  http://www.irt.i.u-tokyo.ac.jp/pressrelease/irtpmr.pdf
  第7回東京大学ホームカミングデイ
  http://www.alumni.u-tokyo.ac.jp/hcd/index.html

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( 清宮信志 )
2008/11/14 18:17

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