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日産、ハチのように避けるロボットカー「BR23C」を出展
~「CEATEC JAPAN 2008」日産自動車ブース


日産自動車が開発したロボット「BR23C」
 自動車メーカーとして唯一「CEATEC JAPAN 2008」に出展している日産自動車株式会社は「クルマの知能化=カーロボティクス」と通信技術でクルマが変わる、というコンセプトを掲げている。安全に移動することと、コミュニケーション機能の進化により、クルマを信頼できるパートナーとすることを目指しているという。

 その中心的な存在として出展されているのが先ごろ発表された「ハチの行動解析を応用した衝突回避ロボットカー」だ。昆虫の行動解析をヒントにした次世代の自動車の衝突回避技術を搭載しているというロボットの名前は「BR23C」。「Biomimetic(生体模倣)Robot 23(ニッサン)Car」の略称だ。東京大学先端科学技術研究センター 生命知能システム分野 神崎・高橋研究室(神崎亮平教授)との共同研究の成果である昆虫の障害物回避機能を応用している。

 「BR23C」は高さ約60cm、幅約60cm。レーザーレンジファインダーを備え、前方約180度の視野の中で「パーソナルスペース」と呼ぶ範囲内に入った障害物を検知し、減速と回転を組み合わせて、回避行動を実行する。従来の衝突回避技術に比べて、障害物を避けながら飛行する昆虫のハチのように複雑な判断を行なわず環境に適応した動作を反射的に行なうことで、衝突が避けられない領域での回避技術の確立を目指しているという。

 同社では、過去の行動情報の蓄積を反射ルールに落とし込んでいるために、高度な演算処理を要するCPUや膨大な履歴情報を蓄積するメモリを必要とせず、非常に短い時間で状況に応じた的確な回避能力を発揮する点が特徴だとしている。このロボットは、たとえば、比較的離れた場所に障害物があるときと、近くにあるときとでは、それぞれ異なった避け方をする。

 日産は「セーフティ・シールド」というコンセプトで安全技術の開発を行なっているという。これは通常の運転から衝突に至るまでの過程を6つの段階に分類し、それぞれの危険に対して最適なバリアを機能させ、クルマが人を守るという考え方。今回の技術は「セーフティ・シールド」の一番奥、衝突が避けられない領域における回避技術に役立てたいとしている。


【動画】BR23C。人のあとを追従して登場 【動画】人を避けながら移動する様子 【動画】ロボット同士が避けながら移動

赤いロボットも登場した 頭部 側面

ロボティック・エージェント(RA)

 そのほか、2007年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー「PIVO2」(ピボツー)に搭載された「ロボティック・エージェント」が出展されている。ダッシュボードに搭載された「ロボティック・エージェント」に、日産のカーナビ向け情報サービス「カーウイングス」を利用して事前に乗員の顔画像を登録しておくことで、「ロボティック・エージェント」が友だちのように語りかけ、本人の興味や状況にあわせた情報を提供する。また観光ガイドなどのドライブ情報も提供するというもの。

 ドライバーが1人で運転しているときと、横に同乗者がいるときとでは、プライバシー情報に配慮して話題を変えるという。


ロボティック・エージェント ダッシュボードに埋まっている 【動画】顔画像を事前に登録した人とやりとりしながらドライブする様子

2007年のモーターショウで「PIVO2」として紹介された技術 同乗者がいるときといないときとでは話題を変える

 このほか、日産、NTTドコモ、シャープと共同で開発して来年度早期の市販化を予定している、携帯電話を持っているだけでドアの解錠・施錠とエンジンの始動を可能にする「インテリジェントキー搭載ケータイ」などを展示している。

 また市街地を模したコースを駐車場内に作り、一般来場者を対象に、運転体験を通じてエコドライブの極意をプロのドライバーが伝授する「日産エコドライブ講習会@CEATEC」を開催。アクセルペダルの反力を使ってエコドライブをサポートする世界初のシステム「ECOペダル」が体験できる。

 1日には、「カーロボティクスと通信が拓くクルマの未来」をテーマに、次世代に向かう自動車技術開発の取り組みや、思い通りに移動する楽しいモビリティの実現について、日産自動車株式会社常務の篠原稔氏が基調講演を行なう。


URL
  日産自動車
  http://www.nissan.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2008/_STORY/080926-01-j.html

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( 森山和道 )
2008/09/30 19:35

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