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ビー・エル・オートテック、「水底清掃ロボット」シリーズ発売開始


 ビー・エル・オートテック株式会社は、水底清掃ロボットシリーズ「スーパーマルチ」と「アクアムーバー」を発売する。

 水底清掃ロボット開発の背景には、社会ニーズおよび環境の変化がある。2003年に厚生労働省が、水質基準に関する省令を大幅に改正した。水質基準は、水道水が備えなければならない水質の要件として水道法により定められたもの。さらに平成16年4月からは新しい水質基準が施行されていて、これにより飲料水の安全性の保証が一段と強く求められるようになった。特に配水池における水質の維持管理は重要で、配水池内部の点検を兼ねて、周期的に清掃を行ない配水池の管理状況を把握し、安全で良質な水の供給に務めることが要求されている。

 2005年1月に社団法人日本水道協会が発刊した水道事業ガイドラインでは、3~5年に1回、配水池の清掃状況を実績開示するようにと要求が出された。そうした状況に伴い、今後水底清掃ロボットの需要が増えることが予想されている。

 同社が開発した水底清掃ロボットは、水槽内の水を濁さずに、底部の沈殿物を吸引清掃するのが特徴。水底をケーブルやホースを引きずって移動すると、浮泥が舞い上がり水質が悪くなる。そこでフロートホースを使用し、沈殿物を巻き上げることなく清掃を行なうようにした。また、キャタピラの形状にも工夫を凝らしてあり、水流を作らずに静かに移動する。

 水底清掃ロボットシリーズには高性能カメラを搭載し、清掃しながら水槽内の調査が可能な「スーパーマルチ」と、カメラのない「アクアムーバー」がある。「アクアムーバー」は、清掃対象となる水槽の状況に合わせて選択できるよう、サイズや性能を3パターン用意している。

 スーパーマルチは、サイズが437×420×65mm(幅×奥行き×高さ)。空気中の重量が19kgで、水中では7~9kg。チルト機構の照明と、光学10倍/デジタル4倍のCCDカメラを搭載しており、壁面/底面を照らしながら、水槽内の調査が可能だ。照明は50W相当を2つ搭載しており、10m前方まで照らし出す。ロボットの操縦は無線式リモコンによりマニュアルで行なう。モニタで水槽内を監視しながら、遠隔操縦で自由自在にロボットを移動しながら清掃しつつ、水槽内の底面および側面の状況調査を行なえる。1時間に120平方mの清掃能力がある。使用電源は、AC100V。ロボットの耐水性は15mで、10~12mの水深で使用可能だ。

【お詫びと訂正】初出時、ロボットの操縦方法について超音波リモコンと表記しておりましたが、無線式リモコンの誤りでした。お詫びとともに訂正させていただきます。


 従来の水槽内清掃は、水槽内の水を抜き作業員がブラシで清掃するか、ダイバーが潜り吸引機等で沈殿物を除去していた。また調査は、ダイバーが潜って目視していたため、酸欠や水槽内に設置されている計器と接触するなどの事故が懸念されていた。

 しかし水底清掃ロボットを導入することで、施設稼働中でも浮泥を巻き上げずに給水状態で清掃作業を行なうことができる。油を使わないので水質が劣化することなく、きれいな水を安定供給できるサービスが実現する。

 取材時に、配水池でスーパーマルチの実証実験を行なった時の動画を見せていただいた。動画の掲載許可は得られなかったので紹介できないのが残念だが、深さ3.5mの水槽内がクリアにモニターに映し出されていた。

 水槽内にスーパーマルチを入れる前には、ロボット本体とホースを丁寧に消毒する。本体のホースを持って、静かに水底までスーパーマルチを降ろす。水槽内の状況は、CCDカメラを通じてモニターで確認できる。ロボットは水底の沈殿物を巻き上げることなく静かに移動して、沈殿物を清掃する。モニターには、スーパーマルチが清掃した底面の沈殿物が取り除かれ、白い床面が露出する様子が映し出されていた。また、CCDカメラは上下に動くため、水槽内の計器類やパイプの状況をつぶさにチェックできる。


【動画】陸上でのデモンストレーション。前後はもちろん、その場旋回もできる。ライトは水中で10m先を照らす 【動画】方向転換のデモンストレーション スーパーマルチの裏面。バンパーの内側のフレームが水流を起こしポンプで吸い上げるのを助けている

スーパーマルチを操縦するリモコン。操作は簡単だ ライトのオン/オフ、動画の出力などを行なう専用コントロールボックス。コントロールボックスからロボットは有線で繋がっている

 スーパーマルチは用途として、上水道・工業用水配水池の調査・清掃を想定している。一方、CCDカメラがないアクアムーバーは、栽培漁業の中間育成水槽やプール、水族館などの清掃に適している。アクアムーバーは充電バッテリ式で、前後にブラシを持ち、後進中でも清掃可能なSWR-1、前方にのみブラシがあるSWR-2、リモコンがなくランダム走行をする小型のSWR-3がある。用途や水槽のサイズに応じて選択できる。価格はシステム構成によって変動する。


アクアムーバーSWR-1。サイズは525×420×228mm(同)、重量13.5kg アクアムーバーSWR-2。サイズは435×420×228mm(同)、重量12kg アクアムーバーSWR-3。サイズは375×370×218mm(同)、重量9kg

URL
  ビー・エル・オートテック株式会社
  http://www.bl-autotec.co.jp/


( 三月兎 )
2008/06/18 00:18

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