1月13日、仙台市青葉区のせんだいメディアテーク1Fのオープンスクエアにて「PaPeRoアプリケーションチャレンジ in 東北」のアイディア発表会が開催された。
「PaPeRoアプリケーションチャレンジ in 東北」とは、品川、関西に続いて全国で3つ目、東北では初となるPaPeRoのショールーム「仙台PaPeRoセンター」が2007年5月31日に設立されたのを機に、東北圏におけるPaPeRoの知名度の向上、及びPaPeRoをビジネスへと展開する上でのアイディアを募集することで東北を中心としたロボットビジネスの創出を目指し、開催されたものである。主催は次世代健康福祉・介護情報基盤技術開発コンソーシアム(ATWC)とNECソフトウェア東北株式会社、仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアムが共催している。
この「PaPeRoアプリケーションチャレンジ in 東北」は、「2010年のPaPeRo」という設定でビジネスアプリケーションのアイディアを提案するものであり、3回のワークショップを通じてアイディアを練り上げる「ワークショップ部門」と、インターネットを通じてアイディアのみを広く募集する「一般部門」の2つの部門からなる。使用するロボットをPaPeRoに限定し、2010年という近い将来に実現可能なアイディアを想定しているためか、審査員はクリエイターやデザイン分野、福祉分野を専門とする方が中心となり、参加者もロボット工学を専攻する学生ではなく、芸術や福祉、経済などを専攻する大学生が大半を占めた。
コーディネータは函館在住のライター/プランナーであり、未来のコミュニティ・メディアをめぐる実践型研究を行なっている渡辺保史氏が、審査委員長はSF作家であり東北大学機械系の特任教授でもある瀬名秀明氏が行なった。
また、PaPeRoの開発に携わってきたNEC企業ソリューション企画本部ロボット事業推進シニアマネージャの藤田善弘氏を始め、東北芸術工科大学教授の白神浩志氏、株式会社ユーディット代表取締役社長の関根千佳氏、ハート&アート空間Be-I代表の関口怜子氏、そして主催者代表としてATWC理事長であり東北大学名誉教授の野口正一氏が、審査員として審査を行なった。
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渡辺保史氏がワークショップのコーディネータ、及びアイディア発表会の司会を行なった
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手前右より、審査委員長の瀬名秀明氏、審査員の関口怜子氏、白神浩志氏
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手前左より、審査員の野口正一氏、藤田善弘氏、関根千佳氏
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約2カ月の間に3回のワークショップを行ない、アイディアを練り上げるワークショップ部門からは、11チームがそれぞれのアイディアの発表を行なった。仙台市及び近隣の大学に所属する学生が参加者の大多数を占め、それぞれに工夫を凝らしたプレゼンテーションを行ない、自分たちのアイディアを発表した。その中から優秀賞に輝いたのは、「チームモロラボ」の図書館においてその人にあった本のアドバイスを行なう「PaPeRoとの自然な対話の中から本を案内・紹介する」と、4種類の違ったタイプのPaPeRoが豪華客船内にてサービスを行なう「チームコータロウ」の「客船パペロ」の2件。それぞれ30万円の賞金を獲得した。
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「チームモロラボ」の「PaPeRoとの自然な対話の中から本を案内・紹介する」のアイディア発表。「PaPeRoと一緒に新しい本の世界へ!」がテーマ
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【動画】「PaPeRoからちょっと大人な本を紹介されるゆうくん」のストーリーを通じて、ムービーで運用イメージを紹介
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「チームコータロウ」の「客船パペロ」では、「バトラー」「イベント」「インフォメーション」「ドクトル」の4種類のタイプのPaPeRoを、客船内のアナウンス形式で紹介。ロボットからサービスを受ける非日常性が豪華客船のサービスとして面白いという評価に
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また、努力賞として「チームパペトップ」の、お年寄りと遠隔地に住む家族のコミュニケーショーンツールとしてのPaPeRoを提案した「シニアと家族、時々、パペロ」、一人暮らしのお年寄りをさまざまな面でサポートするチーム「OHTOP」の「Hel-PaPeRo」、手のないPaPeRoを手話学習・手話通訳に使おうという発想が評価されたチーム「HAN.d」の「手話学習補助・聴覚障害者サポートパペロ」、そして病院内で患者をサポートする「Medical PaPeRo」を感動的なストーリーで発表した「チームアトゥム」の4件が選ばれ、それぞれ10万円の賞金を獲得した。
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【動画】「HAN.d」の「手話学習補助・聴覚障害者サポートパペロ」のイメージムービー。このようなイメージムービーの作りに、これまでのロボットのコンテストとは違った雰囲気を感じる
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【動画】ムービーだけでなく、実際にPaPeRoを用いて運用イメージを紹介する発表も
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また、寸劇によって運用イメージを紹介するチームも。このような発表への工夫に、数回のワークショップを経たアイディアのブラッシュアップの跡がうかがえる
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それぞれのチームが作成した、アイディア紹介の資料。発表そのものだけではなく、これら資料もパンフレット形式や取扱説明書形式など、さまざまなアイディアが
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対して、一般部門からは4件のアイディア発表(うち2件は渡辺氏による代理発表)が行なわれた。その中で優秀賞を受賞し、賞金15万円を獲得したのは、福岡からの参加で、はるばる仙台まで発表に駆けつけた、チーム「★PeRoちゃんズ★」の「どこでもPaPeRo ~PaPeRoとお出かけしよう!~」。自宅のPaPeRoの情報を携帯電話に転送することにより、PaPeRoが外出先においても道案内やスケジュール通知などのサポートを行なうアイディアである。また、努力賞としては全国チェーンの企業においてPaPeRoを各店舗に配置することによって情報の共有や接客技術の統一を行なう、チーム「小林家」の「接客教育係PaPeRo」が選ばれた。
また、各チームの熱のこもった発表が審査に影響したのか、当初の予定にはなかった奨励賞が急遽設けられ、ワークショップ部門からは社会人大学院生のチーム「オジサンジャナイョ~ッ」のアイディア「ワタシの生活」が、一般部門からは「宮城県庁企画部PaPeRoアイディアチーム」の「公共機関における幼児・児童を対象としたPaPeRoの活用」が、それぞれ受賞した。
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チーム「★PeRoちゃんズ★」の「どこでもPaPeRo ~PaPeRoとお出かけしよう!~」の利用イメージ。PaPeRoデザインの携帯電話が可愛らしい
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【動画】審査結果はPaPeRoの口から発表された。独特の音声に会場がなごむ
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会場を見渡す審査委員長の瀬名秀明氏とPaPeRo
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審査発表の後には引き続き渡辺氏をコーディネータに、審査員の瀬名氏、白神氏、関根氏、関口氏に加え、仙台クリエイティブクラスター・コンソーシアムに所属するクリエイター、クリエイティブ・プロダクション「WOW」のビジュアルアートディレクターである鹿野護氏と東北大学大学院准教授で都市・建築デザインが専門の本江正茂氏をパネリストとして、「仙台発「ロボット×クリエイティブ」の可能性」と題されたパネルディスカッションが行なわれた。
ロボット工学の専門家とはまた違ったさまざまな立場からそれぞれのパネリストがロボット観を述べ、ロボット創造に対する異分野コミュニケーションの必要性やロボット自身と社会との関係、地域に根ざしたロボットがロボットの普及には不可欠ではないかといったディスカッションが展開された。
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パネルディスカッションの壇上にはPaPeRoも登場
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6名のパネリストが、ロボット工学の専門家とはまた違った視点で、それぞれのロボット観やロボット創造拠点としての仙台についてディスカッションを行なった
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会場の一角では、発表のお仕事を終えたPaPeRoが子どもたちと触れ合う一幕も
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この「PaPeRoアプリケーションチャレンジ in 東北」で優秀賞に選出された各アイディアに関して、それらの実現イメージが冊子及びムービーの形式で作成され、3月にそれらの冊子及びムービーの最終発表会が開催される予定である。また、優秀なアイディアについては商品化・実用化も計画されているということで、2010年には、これらのアイディアから生まれた「はたらくPaPeRo」が、社会で活躍している様子を見ることができるかもしれない。
■URL
「PaPeRoアプリケーションチャレンジin東北」
http://www.tnes.co.jp/papero/kiss_to_the_future/
ATWC(次世代健康福祉介護情報基盤開発コンソーシアム)
http://atwc.sfais.or.jp/
NECソフトウェア東北
http://www.tnes.co.jp/
仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアム
http://www.sendai-c3.jp/
( baby touch )
2008/01/18 00:01
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