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大阪・ミナミのアメリカ村に、RTを活用した新セキュリティシステム導入
~地域密着・次世代型エリアセキュリティ


飲料自販機に無線LAN内蔵の受信装置とHELPボタンが設置された
 10月中旬から、大阪ミナミの「アメリカ村」でRT(ロボットテクノロジー)を活用した新セキュリティシステムが本格的に稼働を始めた。同システムを開発したのは、警備保障会社の株式会社NSJ。

 新セキュリティシステムが導入されたアメリカ村は、心斎橋駅近辺の御堂筋西側に広がるエリアだ。アメリカ村は、中高生の修学旅行などに人気がある観光地だが、近年は、強引なキャッチセールスや恐喝などの事件が頻発し、イメージダウンから敬遠される傾向にある。今回、システム導入に協力した久左衛門商店街事業協同組合理事長の寺本博文氏は、「新セキュリティシステムの導入で、店舗スタッフにとっても、一般のお客様にとっても安全で安心できる街であることをアピールしたい」と語った。

 アメリカ村の広さは、東西400m、南北1,000m。この地区内にある30台の飲料自販機に無線LAN内蔵の受信装置を設置した。受信機の設置には、近畿コカ・コーラボトリング株式会社が協力している。飲料自販機には、誰でも利用できる緊急ボタンがついており、危険を感じた時や体調不良の時などにボタンを押すと、地域を24時間巡回している警備員が数分で駆けつける仕組み。


アメリカ村の受信機設置エリアマップ RTを活用したセキュリティシステムのインフラ展開図

 記者会見でも、緊急ボタンを押して警備員が駆けつけるデモが公開されたが、待っているとほんの数分が非常に長く感じられた。もし、夜間に本当に危険に直面した時、緊急ボタンを押したとしても、警備員が到着するまで自販機の傍にとどまることはかなり厳しいだろう。

 このセキュリティシステムの特徴は、そのような状況や利用者の不安に対応できる仕組みを構築したことにある。


【動画】飲料自販機のHELPボタンを押すと、自転車で巡回している警備員が駆けつけてくれる 警備員は、現場の安全確認後、警報を解除しセンターに連絡をいれる

 このシステムのポイントは、アメリカ村商店街の商店主や、観光に訪れる一般客に携帯型の無線端末装置「ロボットロケーター(通称:ロボロケ)」を持ってもらうことにある。ロボロケには、利用者固有のICタグが組み込まれており、緊急信号を発信した際に発信者の特定ができる。危険に直面した利用者が、ロボロケのボタンを押すと、半径100m以内にある飲料自販機に設置した受信機を経由してNSJの管制センターに信号が届く。利用者がボタンを押した後に移動しても、アメリカ村全体に設置されている受信装置が常にセンターに位置情報を送っている。

 センターが信号を受信すると、地域内を巡回している警備員に指示が行き、警備員が直ちに現場へ急行する仕組みになっている。

 巡回している警備員は、頭部にヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着しており、現場に向かう間も、リアルタイムでセンターからの指示を受けている。ロボロケ利用者の性別や年齢、顔写真の情報はデータベースに登録されており、警備員はモニターで顔写真を確認した上で、利用者を保護することができる。ロボロケのスイッチは、駆けつけた警備員しか解除できない。

 警備員のヘルメットには、カメラが搭載されており、警備員の移動経路や現場での安全確保のようすをセンターに送っている。


携帯型の無線端末装置「ロボットロケーター(通称:ロボロケ)」。サイズは、縦7×横3cm、厚みは約5mm 警備員のヘルメットには、カメラとヘッドマウントディスプレイが搭載されている ウエストポーチにPCが入っており、センターから送られてきた情報を受信して、ヘッドマウントディスプレイに表示している

PCのモニタ画面。右上の画像は、ヘルメットのカメラが撮影している映像 警備員は、2人1組で自転車で地域内を24時間巡回している。移動中も、ヘッドマウントディスプレイでセンターからの情報を確認できる

 これまでにも街角に監視カメラや緊急避難ボタンを設置した例はあったが、ロボロケのように個人を特定して警備員が駆けつけるシステムは技術的に難しかった。なお、このシステムは大阪市と大阪市の次世代ロボット産業創出拠点ロボットラボラトリーの次世代ロボット実証実験支援事業に採択されている。

 ロボロケの使用料は月額300円。警備員を呼んだ時には、別途3,000円の費用が発生する。修学旅行等の団体にはロボロケを無料で貸し出しする。

 今後、新セキュリティシステムを有効活用するためにも、システム導入したことをPRする必要がある。アメリカ村商店街では、リーフレットやチラシを商店街で配布してアピールしていくという。


ポスターやチラシで新セキュリティシステムのPRを行なう 株式会社NSJ 代表取締役社長 上甲敏和氏

URL
  株式会社NSJ
  http://www.n-sj.jp/
  ロボットラボラトリー
  http://www.robo-labo.jp/

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RTで街を見守る「ロボットロケーター」、大阪・ミナミのアメリカ村に導入(2007/06/26)


( 三月兎 )
2007/11/28 20:10

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