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東京おもちゃショー2007レポート
~i-Sobotのお披露目に注目が集まる


東京おもちゃショー2007は、東京ビッグサイトの西館を利用して開催されている
 6月28日~7月1日、東京ビッグサイトにおいて、東京おもちゃショー2007が開催されている。6月28日と29日は、業界関係者向けの商談見本市となっており、一般の入場はできないが、6月30日と7月1日は、一般公開される(入場は無料)。

 おもちゃショーは、玩具の総合展示会であり、さまざまな玩具が展示されている。本格的な二足歩行ロボットは、価格も高いため、いわゆる玩具のカテゴリーには入らないが、タカラトミーから発売予定の「i-SOBOT」のように、ホビーロボットと玩具の境界に位置する製品も登場しており、今後は玩具の世界にも、ロボット風なものが増えてくることが予想される。そこでここでは、ペットロボットやロボットをモチーフにした玩具、デジタルトイなど、本誌の読者が興味を持ちそうな製品(筆者の個人的趣味も入ってるが)を紹介していきたい。


i-SobotやQスカイ、ヘリQなど、ユニークな新製品を多数展示していたタカラトミー

 今回のおもちゃショーに展示されていた新製品の中でも、大きな注目を集めていたのが、タカラトミーが10月に発売予定の二足歩行ロボット「i-Sobot」である。i-Sobotについては、発表会レポートを見ていただきたいが、一般に公開されるのは今回のおもちゃショーが初めてとなる。

 i-Sobotは、17自由度の二足歩行ロボットであり、完成品として販売されるため、誰でもすぐにロボットの操作が楽しめることが特徴だ。ジャイロセンサー搭載で、安定した歩行を実現、10種類の言葉の音声認識も可能だ。

 コントローラの上面の左右ボタン(PS2などでいうLRボタン)と2本のスティックによって、腕部分のみを操作し、その後腕をホールドして、下半身を動かして歩かせることもできるので、モノを抱えて運ぶことも可能だ。

 なお、当初は、カメラ付きバージョンも発売予定とされていたが、現在は具体的な発売日は決まっておらず、最初に出荷される「Omnibot17μ i-Sobot」の反響をみてから考えるとのことだ。また、i-Sobotの隣には、トミーが過去に販売した、懐かしいロボットも多数展示されていた。


タカラトミーの二足歩行ロボット「i-Sobot」。全長16.5cmと小さいので、机の上でも気軽に動かせる i-Sobotのコントローラ。赤外線通信によって、i-Sobotのコントロールが可能 【動画】エアギターのモーションもなかなかさまになっている。内蔵スピーカーで、約200種類の言葉と80種類の効果音を出すことができる

【動画】左右へのサイドステップモーション 【動画】コントローラの液晶画面には、現在入力中のコマンドが矢印などのアイコンとして表示される i-Sobotのパッケージ。ニッケル水素電池(三洋のエネループ)や充電器も全てセットになっている

1985年に発売された「Omnibot 2000」。手足も首もコントロール可能で、缶を持ったり、専用トレイで2kgまでのものを運べる。当時の価格は98,000円 1985年に発売された「シャロックOOM」。音声認識センサーを内蔵しており、内蔵カセットテープのコントロールも可能。当時の価格は69,800円

1985年に発売された「Omnibot MKII」。前進・後退・左右360度ターンなどが可能。内蔵タイマーで時刻を知らせてくれるので、移動する目覚まし時計にもなる。当時の価格は44,800円 トミーが以前発売したロボットたち。昔からロボット玩具に積極的に取り組んでいたのだ

 エアロソアラなどの室内で遊ぶ超小型RC飛行機がヒットしたことで、手のひらサイズの飛びモノ玩具が増えてきたことも、最近のトレンドだ。タカラトミーでは、エアロソアラに続く飛びモノ玩具として「Qスカイ」(9月14日発売)と「ヘリQ」(10月発売)を出展していた。

 Qスカイは、全長15cm、重量2.5gという、超小型RC飛行機で、リチウムポリマー電池を搭載。連続5分間の飛行が可能なことが特徴だ。また、2つの操作モードが用意されており、初心者向けのイージーモードにすれば、ボタンを押しっぱなしでも小刻みにオン/オフの制御が行なわるので、初心者でも、より簡単に操れるようになった。Qスカイの価格は4,200円で、エアロソアラ(2,625円)の上位機として位置づけられ、今後もエアロソアラは併売されるとのことだ。

 ヘリQは、全長11.5cmの超小型RCヘリコプターで、リチウムポリマー電池を内蔵。約5分間の連続飛行が可能とのこと。残念ながら、実際に飛ばすデモは行なっていなかったのだが、飛行機と違って空中でのホバリングが可能なので、こちらはこちらで面白そうだ。

 そのほか、犬のお散歩をテーマにした玩具「おさんぽだいすきワンちゃん」(10月発売)や、音の成分を認識して歩くウォーキービッツの新製品「リズムビッツ」(9月発売)、貯金をさぼると爆発して中身が出てきてしまう爆弾型貯金箱「貯金爆弾」(10月発売)なども展示されていた。また、ロボットとは全く関係ないが、タカラトミーは、12個のカップをさまざまな形に積み上げる時間を競う「スピードスタックス」の正式販売店となり、7月から発売を開始するとのことで、アメリカからトッププレイヤーを招き、発表会を行なっていた。


9月14日に発売される超小型RC飛行機「Qスカイ」。全長15cmで、重量はわずか2.5gしかない 左がエアロソアラバードウィング。2,940円で発売中だ。右が新製品のQスカイ Qスカイのコントローラ。上級者向けのマスターモードと初心者向けのイージーモードが用意されている

【動画】Qスカイの飛行の様子。このように狭いスペースでも何回も旋回させることが可能だ 【動画】Qスカイの離陸の様子。力強く離陸していく

10月発売予定の超小型RCヘリコプター「ヘリQ」 ヘリQは全長11.5cmの手のひらサイズで、約5分間の連続飛行が可能 ヘリQのコントローラは1スティック方式で、片手で簡単に操縦できる

犬のお散歩をテーマにした「おさんぽだいすきワンちゃん」(6,300円)。止まるとお座りしたり、ワンワンほえるなど、なかなかリアルな動きを実現 【動画】おさんぽだいすきワンちゃんの散歩の様子

ウォーキービッツの新製品「リズムビッツ」(1,575円) 【動画】リズムビッツが音に合わせて踊っている様子

貯金をさぼると爆発して中身が飛び出してしまう「貯金爆弾」 【動画】貯金爆弾が爆発する様子。爆発前に小刻みに揺れ出す。このときにお金を入れれば、爆発しないこともある

7月から発売を開始するスピードスタックス。テレビなどでもお馴染み 【動画】2006年世界チャンピオンを含むアメリカトッププレイヤーたちのテクニック。まさに目にもとまらないカップさばきだ

iシリーズやmio、夢ペットシリーズの新製品を展示していたセガトイズ

 音楽が大好物のペットロボット「idog」をヒットさせたセガトイズでは、idogのコンセプトを受け継いだ新製品「ipenguin」(7月25日発売)や「i-CAT US」(7月下旬発売)、idogの後継「I-DOG 2」(12月発売)のデモを行なっていた。

 また、6月27日に発表したばかりのコミュニケーションロボット「mio」(10月6日発売)や、11の言葉を認識し約40の言葉をしゃべる夢シリーズの新製品「夢おうむ」(11月発売)、ビーナ用のSDメモリーカードリーダーなども展示されていた。


7月25日発売予定の「ipenguin」(2,940円) 【動画】ipenguinが動いている様子

7月下旬発売予定の「I-CAT US」 12月発売予定の「I-DOG 2」。タップを踏むアクションも行なえる

10月6日発売予定のコミュニケーションロボット「MIO」 MIOは、犬をイメージしたロボットで、ホネをくわえさせると喜ぶ

頭や背中、あごなどにタッチセンサーが搭載されており、なでることでコミュニケーションが可能 さまざまな感情を目で表現できることが特徴

夢ペットシリーズの新製品「夢おうむ」。11月発売予定で価格は13,440円。「こんにちは」「おやすみ」など11の言葉を認識し、約40の言葉をしゃべる ビーナ2周年を記念して、専用SDカードリーダーとアンパンマンのソフトがセットになったパッケージが限定発売される このようにペンで描いた絵を、SDメモリーカードに保存できる

史上初? 空中バトルロボ「エアボッツ」が登場

 i-Sobotに負けない注目を集めていたのが、ウィズがデモしていた空中バトルロボット「空中戦機エアボッツ」だ。エアボッツは、発泡スチロールでできた超軽量ロボットに2つのローターを取り付けた玩具で、有線コントローラから電力供給を行なうことで、空中を飛び回るというものだ。

 2台のロボットを空中でぶつからせて戦うことをイメージしているとのことだが、コントローラでは推力の制御しかできず、自由に操ることは難しそうで、正直ちゃんとしたバトルができるのかは疑問だ。

 しかし、いわゆるアニメに出てくるようなロボットが、そのまま飛び上がるというのは、非常にインパクトがある。発売は11月を予定しており、価格も2,580円前後になりそうとのことなので(目を守るゴーグルが付属する予定)、気軽に購入して遊べそうだ。


ウィズの空中バトルロボ「空中戦機エアボッツ」。コントローラーに単3電池4本が入っている 【動画】エアボッツが飛行する様子。制御はかなり難しそうだが、それはそれでまた面白そう 【動画】床に置いた状態から離陸させることもできる。スピード感はかなりのもの

ノートPCを窓に見立てて、星空を表示する「StellarWindow」

 また、ロボットでも玩具でもないのだが、筆者が非常に感銘を受けた製品があったので、ここで紹介したい。それは、フェアリーデバイセズが開発中の「StellarWindow」というWindows対応ソフトウェアである。

 StellarWindowは、ノートPCの液晶画面を「窓」に見立てて、画面の先にある実際の星空を忠実に再現するソフトだ。USBポートに専用のStellarWindowセンサーを接続し、StellarWindowセンサーを液晶にクリップなどで固定することで、準備は完了。StellarWindowに内蔵されている地磁気センサー(電子コンパス)と加速度によって、液晶画面の方位角や仰角を知る仕組みだ。

 星空はCGデータによる合成ではなく、実際に撮影した写真を使っているため、非常にリアルで美しい。もちろん、肉眼では見えないような暗い星まで表示され、星座線を入れたり、星雲や星団を等倍星図上に表示させることも可能だ。

 さらに、音声認識機能も搭載する予定で、完全音声入力によって、操作や天体検索、導入支援なども実現できるという。話を聞けば「なるほど」と思うが、なかなか素晴らしいソフトウェアだ。東京などの都会では、光害のため満足に星を見ることはできないが、StellarWindowをインストールしたノートPCを持って外に出れば、まるで満天の星空の下にいるような感覚を味わえそうだ。もちろん、趣味の天体観測や学習用としても役に立つだろう。

 配布していたチラシには、10月直販開始予定で予価12,600円となっていたが、この予価も確定ではなく、できれば1万円を切りたいとのことだ。現在販路を探しているところだそうで、広く店頭などでも発売されることを期待したい。発売されたら、実際に入手して、詳しくレビュー(おそらくPC Watchになると思うが)しようと思っている。


StellarWindowの画面。星空はCGによる合成ではなく、実際に撮影した写真を使っているため、非常に美しい 付属のStellarWindowセンサー。3軸地磁気センサーと2軸加速度センサーを内蔵している このように、ノートPCを両手で上に持ち上げて、窓を覗きみる感覚で利用する

【動画】StellarWindowを動かしている様子。ノートPCの動きにあわせて、星空が動いていく StellarWindowセンサーはUSB経由でPCと接続される。サイズも100円ライター程度であり、邪魔にならない

マイクロ・メカモやライントレーストーマスなど

 最後に、筆者が気になった製品をまとめて写真とキャプションで紹介しよう。


学研が参考出品していた「マイクロ・メカモ」。通常版メカモの約1/5のサイズ 赤外線コントローラによって操縦が可能。予価3,500円となっていたが、発売時期は未定とのこと 【動画】マイクロ・メカモが動いている様子

<スイスイおえかき>走るトーマスセット 笛で出発進行。マットは水でぬらすと、青く色が浮き出るようになっており、乾けばまた白く戻るので、何度でもお絵かきができる <スイスイおえかき>走るトーマスセット 笛で出発進行のパッケージ

【動画】線路ペンで線路を描き、線路にトーマスを乗せて、笛を吹けばトーマスが線路の上を走り出す。再び笛を吹けば、トーマスが停止する 3つの金属端子が表面を触りながら進み、電気抵抗の変化によって描かれた線路を識別する。普通のライントレースロボットなら光センサーを使うところだろうが、よりシンプルな仕組みで実現しているのが面白い

9月発売予定のPCにつなげるダーツマシン「PC-DARTS」(予価31,290円) USB経由でPCと接続して利用する。スコアを自動的に集計してくれるので便利だ

URL
  東京おもちゃショー2007
  http://www.toys.or.jp/toyshow2007/

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( 石井英男 )
2007/06/29 18:07

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