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「ファーストレゴリーグジャパンオープン2006」レポート

~子供達のための国際ロボット競技会

ロボット技術のみならず、科学も研究する国際的な大会

【写真1】日本科学未来館7Fホールが「ファーストレゴリーグジャパンオープン2006」の会場。大きなホールだが、客席は満員だった。写真は試合前の準備の様子
 3月4日、東京都江東区の日本科学未来館において、「ファーストレゴリーグジャパンオープン2006」(FIRST LEGO League:以下FLL)が開催された【写真1】。本大会は、米国の非営利団体FIRSTとLEGOの協力により考案された子どものための国際ロボット競技会だ。ちなみにFIRSTは、あのセグウェイを発明したディーン・ケーメン氏が設立した団体である。

 FLLは、'98年のアメリカ開催を皮切りに、年々参加者が増え、2005年には世界31カ国から約6万5,000人以上の子どもたちが参加するほどに広がりをみせている。ロボット製作と科学技術の研究を通じて、問題解決能力、創造力、論理的な思考力、チームワーク、コミュニケーションなどを学んでもらうことを目的としている。

 ジャパンオープン2006では、地区大会の上位チーム28チーム163名が参加。9歳から15歳までの子どもたちが1つのチームを3~10名で編成し、与えられた研究テーマに取り組んでいく。単にロボットを製作して競い合うだけでなく、各チームの研究成果を発表するため(一般非公開)、科学に対する教育的な効果も大きいという。

 今回の大会では「Nano Quest」というテーマが与えられた。いま社会に大きなインパクトを与えている「ナノテクノロジー」の動向や効用を調査し、より良い暮らしの新技術を考えていくというもの。この大会では、研究内容とロボット競技大会の双方から総合的な評価が与えられるが、ここでは後者のロボット競技の内容を中心にお伝えする【写真2】。

 大会開催にあたり、主催者である青少年科学技術振興会の石田晴久氏(同会会長、東京大学名誉教授)が挨拶を行なった【写真3】。石田氏は「この大会は今年で3回目を迎えるが、最初の大会はわずか20チームしか参加していなかった。今回は108チームに広り、参加人数も1,000人ほどになった。国内では、まだ始まったばかりの大会であるため、当初は世界大会でも外国勢に歯が立たなかった。しかし、年を追うごとにレベルも上がってきた。参加人数も増えたので、世界大会での活躍を期待している」と述べた。


【写真2】ロボット競技会の模様。全国8地区の予選を勝ち抜いてきた上位チーム28チーム163名が参加。1チームを3~10名で編成。対象年齢も9歳から15歳までと幅広い(ヨーロッパは10歳から16歳まで) 【写真3】主催者の青少年科学技術振興会 石田晴久氏(同会会長、東京大学名誉教授)

ナノテクに関する9つのミッションをクリアして得点を競い合う

【写真4】競技フィールド。このフィールドの中に9つのミッションが用意されており、それぞれをクリアするとポイントが加算される。一度に2チームが競技に参加し、得点を競い合うが、評価はロボット競技のほかに、研究内容も加味される
 さて、具体的なロボット競技についてだが、このロボット競技大会ではLEGOを活用しながら、ロボットの設計、製作、プログラミングなどを行ない、さまざまなミッションを遂行していく。競技のミッションは全部で9つ【写真4】。2チームごとに2分30秒という制限時間でミッションに挑戦し、どれだけポイントを獲得できるか競いあう。今回は、前述のようにNano Questがテーマになっているため、ミッションもこれに準ずるものになっており、細かい得点のルールがある。以下に、それらのミッションと目的について説明する。


・個々の原子操作/自己組織化

 「個々の原子操作」では、レゴブロックを原子に見たて、テーブルから背の高い原子(ブロック)を取り除くというミッションだ。この際に、2つまで原子を取り除ければ30ポイント、3つ以上取り除ければ40ポイントが与えられる。ただし、背の低いブロックをテーブルから1つでも落としてしまうとポイントはゼロになってしまう。テーブルが安定していないため、ブロックが落ちやすく注意する必要がある。このミッションは、ナノテクノロジーで新しいものを作る際に必要となる原子操作を想起させる目的がある。

 「自己組織化」は、ジグを押してナノチューブに模したブロックをドミノのように倒しながら水平に整列していくというもの。成功すると30ポイントが与えられる。ナノテクノロジーでは、莫大な数の原子や分子を扱うため、1つずつ操作するのではなく、まとめて処理を行なう必要がある。ここでは原子や分子を自己整列させる作業をイメージしている【写真5】【写真6】【動画1】。


【写真5】手前が「自己組織化」、後方が「個々の原子操作」のミッション。それぞれ完全クリアすると40ポイントが与えられる 【写真6】自己組織化のミッション。ナノチューブに模した青いブロックをドミノのように倒しながら水平に整列していくと30ポイント 【動画1】個々の原子操作のミッションにチャレンジするEdisonsチームのロボット。ロボット前方のアームが下りてきて、ブロックを落とす

・耐染みの織物/スペースエレベータ

 「耐染みの織物」のミッションでは、網が張ってある傾斜台の上にバケツが置いてあり、この中に入っている8個の不純物(ブロック)を落とす作業だ。まずロボットで指定エリアに箱を持っていくと15ポイントが入る。分子のブロックは1個につき3ポイントの価値を持っているが、箱にブロックが入れば、得点が1個につき5ポイントに変わる。箱にすべてのブロックをうまく落すと、さらに15ポイントが加算され、合計で70ポイントになる。このミッションは、ナノテクノロジーによって不純物が染み付いているものから、それを落とすことで、日常生活にナノテクノロジーの成果が役立つことを示すもの【写真7】【動画2】。

 両チームのフィールドにまたがって、1台のタワーが設置されている。これが「スペースエレベータ」のミッションだ。このエレベータには支え棒が付いており、それを両側から押し出すとエレベータが動き出し、人が乗っているカゴが下りるようになっている。このミッションは基本的に2組のチームで行なうが、どちらか一方のチームだけでもミッションをクリアできる。この場合、両チームとも40ポイントが与えられる。運が良ければ、片方のチームは何もしないで得点を稼げることになる。


【写真7】滑り台のような「耐染みの織物」のミッション(手前)。フィールドを中央で仕切る枠に設置されている「スペースエレベータ」(後方)。耐染みの織物の課題を完全クリアすると70ポイントが入る。最も得点が高いミッション。スペースエレベータは40ポイントだ 【動画2】耐染みの織物のミッションに挑むithinkplus roboticsチーム。台の手前に持ってきた箱の中にブロックを落としているところ。ブロックが箱に入れば、さらに高得点が与えられる

・原子間力顕微鏡/賢い薬

 「原子間力顕微鏡」には青いブロックの梁があり、その一端が磁石で吸着されている。これを外して梁を開放するミッションだ。磁石をうまく外せれば40ポイント。物質の表面からナノチップを外す作業をイメージさせるもの。物質を調べる際に、その表面に凹凸があると顕微鏡の探針が動かなくなってしまう。これを防止するためのイメージだ。

 「賢い薬」は、骨をかたどったブロックの溝部に「バッキーボール」と呼ばれる炭素分子(ブロック)を落とすミッション。成功すると50ポイント。バッキーボールは滑らかで完全な球形をしており、副作用もなく、エイズ、筋萎縮性側索硬化症、骨粗しょう症、ガンなどの新薬品の原料になると期待されている。このミッションは、ナノテクノロジーによって、薬を患部局所に正確に運んで治療することを想起させるもの【写真8】【写真9】【動画3】【動画4】。


【写真8】「原子間力顕微鏡」(右側)と「賢い薬」(左側)のミッション。前者をクリアすれば40ポイント。後者はボールを落とすミッションで50ポイントと高得点 【写真9】賢い薬のミッションでゴールをホールドするパーツを前部に取り付けたムサシチームのロボット。ジャバラでボールを導くロボットを用意しているチームもあった

【動画3】賢い薬のミッション。骨の形をブロックの溝にボールを落としたithinkplus roboticsチームのロボット。機体と溝の位置をうまく合わせないとボールが入らない。難しそうな課題だ 【動画4】原子間力顕微鏡のミッションをクリアした桐蔭学園小学部の「Toin Robotics Jr.」チーム。後方からバックして磁石を外しているところ

・におい分子

 フィールドにピザのイラストが描かれている。その上に2個のにおい分子(ブロック)が置かれ、これをロボットで取り出すと、それぞれ5ポイントずつ得点をゲットできる。さらに、このブロックを顔のイラスト上に移動できれば、10ポイントが与えられ、合計で60ポイントまでの得点が加算される。このミッションでは、分子によってにおいができていること、さらに人間は物質の分子を嗅いで、においを認識していることをイメージさせる目的がある【写真10】【動画5】。


【写真10】「におい分子」のミッション。フィールドに描かれたピザのイラストの上にあるブロックをロボットが取りにいっているところ。ブロックを1個取り出すごとに5ポイント。このあと、横に描かれた顔のイラストの上にブロックを移動すると10ポイントが加算される 【動画5】ロボットの前方にアタッチメントを付けて、上から覆いかぶさるようにしてブロックを引き戻していくところ。ブロックを運ぶ方法は各チームでさまざまだ

【写真11】「分子モータ」のミッション。ブロックを落とすと、ゴム動力によって上の傘がくるくると回るという面白いミッションだ。ブロックは2個あり、チャンスは2回与えられる。クリアすると40ポイント
・分子モータ

 このミッションは、スタート地点にある分子ブロックを「分子モータ」を模したブロックの中に入れて、ゴム動力でモータを回すというもの。分子ブロックは2個あるので、いずれか1回だけ成功すれば、40ポイントが与えられる。分子の持つエネルギーをモータの動力として取り出すイメージだ【写真11】。


【動画6】「ナノチューブの強さ」のミッション。クレーンにトラックを持っていき、それをクレーンで持ち上げる合計40ポイントが与えられる。動画はムサシチームのチャレンジの様子
・ナノチューブの強さ

 クレーンにトラックを持っていくと20ポイント、クレーンの下についているバーを押してクレーンを持ち上げると、さらに20ポイントが加算される。ただし、トラックが落ちてしまうと得点はゼロになってしまう。カーボンナノチューブの薄いケーブルで、トラックを持ち上げるというイメージ。このミッションによって、ナノテクノロジーで高強度な素材がつくれることを認識してもらう【動画6】。

 なお、規定のミッションをクリアすると、さらにボーナス点が20ポイントほど加算される。本大会から、LEGOのコントローラには「RCX」と「NXT」の両方が利用できるようになった。NXTのほうが性能が良いため、ボーナス点を得る際にハンディがある。RCXでは9つのミッションのうち3つクリアした場合に、NXTでは6つクリアした場合にポイントが与えられる。これらを含めて、すべてのミッションに成功すると、1ラウンドあたり最高400ポイントとなる。大会では、これを3ラウンドほど繰り返す。


ミッションを達成するために七変化!? するロボットたち

 各チームの試合は分刻みで実施される。また、前述のようにミッションもたくさんあるので、観戦者側もルールを事前に知っていないと、内容が分からずに試合に乗り遅れてしまうかもしれない。試合を見て一番面白かったことは、それぞれのミッションに応じてさまざまなパーツが準備されている点。

 たとえば、耐染みの織物のミッションでは、分子ブロックを落とす際に、傾斜台を押し上げるための専用パーツを取り付けたり、カゴを運ぶためのアタッチメントなどを取り付けたりと、各チームで工夫がみられた【動画7】。

 競技チームはミッションをクリアすると同時に、次のミッションに向けて必要なパーツを素早く付け替えていく。また必要に応じてプログラムの切り替えも行なっているようだ。制限時間が短いため、チームワークがまとまっていないと、スムーズにパーツの追加や交換ができない。とはいえ、どのチームも地方予選から勝ち上がってきたツワモノたち。ピットインしたF1マシンのごとく、交換作業も息が合い、手馴れたものだった【動画8】。

 ミッションをクリアする順序も重要だ。ミッションはどこから始めてもよいが、どのミッションからクリアするかということは、得点を稼ぐための作戦にもなっているようだ。

 ロボットの前後に別々の機能を持たせておいたり、進行方向を反対にして動かしたりと、ミッションの順番によって、効率的な動きをさせる工夫が随所にみられた【動画9】。ミッションの目的に応じて、どんどんロボットの形状も変わっていくため、観戦者側は競技の内容だけでなく、「ロボットの七変化」を眺めているだけでも楽しい。しかし、当事者たちはそれどころではない。慌しい作業を集中して行なうため、かなり大変な様子だった。


【動画7】それぞれのミッションに応じてさまざまなパーツを取り変えていく。映像は奈良教育大学付属中学校チームの例。原子間力顕微鏡→耐染みの織物のミッションでのパーツの組み換え 【動画8】ナノチューブの強さ→におい分子のミッションを素早くクリアするithinkplus roboticsチーム。パーツの付け替えは手馴れたもの。チームワークも良かった 【動画9】におい分子→原子間力顕微鏡→耐染みの織物のミッションの切り替え。ロボットの前後に別の機能を持たせるアイデアが面白い。機体の進行方向を逆にして動かす

 ミッションの中では、スペースエレベータが一番難しそうだった。実際にクリアできたチームも少なかったようだ。賢い薬もボールをうまく溝に落とす必要があり難しそうに見えた。逆に簡単そうだったミッションは、におい分子、原子操作や、ナノチューブの強さなど。どちらかというと、物を運ぶ操作が含まれたミッションは得点が取りやすいようだった。クリアしやすいミッションから始めているチームも多かった。

 またミッションによっては、チームごとにクリアする方法に違いが見られた。たとえば、原子間力顕微鏡の磁石を外す作業では、水平バーを取り付けて横方向から外す方法が多かったが、中には回転板を利用するアイデアもあった。それぞれロボットの個性が出ていて、とても感心した【動画10】。

 ロボット競技で観客を1番驚かせたのは、奈良教育大学付属中学校の試合だった。同校は昨年5月にオランダで開催された世界大会で、ロボットパフォーマンス部門3位の実績を持つチーム。本大会でも、第2ラウンド目に398点という高得点を奪取。わずか2点の取りこぼしのみで、ほとんどパーフェクトといってよい出来映えだった。これには会場から思わず感嘆の声があがった。

 第3ラウンドの競技が終り、審査結果を待つ間に、JS-ROBOTICSの佐藤 仁氏(代表取締役)がロボットパフォーマンスを実施した【写真12】。佐藤氏は8年前に自作したというLEGOの馬型ロボットと、現在自社で開発中の歩行ロボットを披露した。前者の馬型ロボットは、AIBOをもじった「マイボ」という名称。製作当時、佐藤氏はカナダに在住していたためAIBOが手に入らなかった。そこでLEGOで自作を始めたという。この作品はLEGOの箱の裏側にもプリントされたそうだ【写真13】【動画11】。

 一方、後者の歩行ロボットは、パーツの組み換えが自由にでき、2足だけでなく、4足や6足のロボットも製作可能なキットだ。コントローラのCPUには、LEGOのNXTと同様のものが使用されている。また、ロボットは無線ユニットで操作が可能だ。こちらのキットは、近々に発売する予定だという。発売が待ち遠しいところだ【写真14】【動画12】。


【動画10】原子間力顕微鏡の磁石を外す作業。回転板を利用して磁石を外す発想もあった 【写真12】JS-ROBOTICSの代表取締役 佐藤 仁氏 【写真13】ロボットパフォーマンスの模様その1。自作したというLEGOの馬型ロボット「マイボ」。8年前に製作したものだが、すり足でしっかり動いていた

【動画11】馬型ロボットマイボのデモ。尻尾を振りながら、すり足でゆっくりと動く。また、リモコンで声も出る。ブロックの色あわせをするために多数のLEGOブロックを購入したため、結局AIBOよりもコストが掛かってしまったという 【写真14】ロボットパフォーマンスの模様その2。もうすぐ発売される予定だというロボットキット「JSシステム」。パーツの組み換えでLEGOのようにさまざまなロボットがつくれるという 【動画12】歩行ロボットキット・JSシステムのデモ。制御ボードに搭載されているCPUはNXTと同じもの

日本、期待の星。国際大会に進出するチームが決定!

 ロボットパフォーマンス終了後に、いよいよ競技の結果が発表された。本大会では8つのアワードが用意されていた。このうち2つのディレクターズ賞に選ばれた下記4校が、アメリカ世界大会とヨーロッパ大会の切符を手にした。

■ディレクターズ賞 for America
・ithinkplus robotics【写真15】【写真16】
・奈良教育大学付属中学校【写真17】


【写真15】ディレクターズ賞 for Americaを獲得した関東Aブロック代表の「ithinkplus robotics」。この賞を受賞したチームはアメリカ世界大会の出場権が与えられた 【写真16】ithinkplus roboticsのロボット。最新のNXTで作られたロボットだ。写真は耐染みの織物のミッションで、箱を運ぶところ 【写真17】ディレクターズ賞 for Americaを獲得した関西ブロック代表の奈良教育大学付属中学校。同校はロボット競技の最高得点を取り、ロボットパフォーマンス賞も受賞


■ディレクターズ賞 for Europe
・Edisons【写真19】【写真20】
・Masterminds【写真21】


【写真19】ディレクターズ賞 for Europeを獲得した関東Aブロック代表の「Edisons」。同チームは、ナノクエストの調査が最もしっかりできており、リサーチプレゼンテーション賞が与えられた。また、プレゼンテーションの総合評価により、トータルプレゼンテーション賞も併せて受賞 【写真20】Edisonsチームのロボットはカラフルでメカニックな印象。こちらもコントローラにRCXを搭載している 【写真21】ディレクターズ賞 for Europeを獲得した関東Aブロック代表の「Masterminds」。この賞を受賞したチームには、ヨーロッパチャンピョン大会の出場が与えられた

 なお、そのほかの入賞としては、最もしっかりした構造のロボットを製作でき、プログラミングを理解できたチームとして、関西ブロック代表のPassion Girlsがテクニカルプレゼンテーション賞を受賞。一方、最もまとまって輝いていたチームとして、九州ブロック代表の「スーパーテクノブラザーズ」がチームワーク賞を受けた。彼らはゲームの中から飛び出してきたような衣装が印象的だった。

 また、九州ブロック代表の「ムサシ」チームは、僅差で各賞に届かなかったものの一番輝いていたという理由でチームスピリット賞を受賞した。

 閉会式では、大会委員長の鴨志田 英樹氏によって、本大会の総括が行なわれた。「テーマが発表されてからの約半年間、チームの皆さんは大変な努力をされてきた。本日、その成果を十分に発揮できたのではないかと思う。この大会は単にロボットを作って戦わせて勝ち負けを決めるだけのものではない。科学技術の研究テーマを子供たちの視点で考えることで、いま学んでいることが実社会でどのように役にだつのか、また将来自分が目指す道や社会貢献をあらためて考える良い機会になると思う」と語り、大会を締めくくった。

 なお、鴨志田氏は、「私の情報網を駆使してきいた確実なうわさ!? によると、来年のテーマは代替エネルギーになるではないか」と冗談まじりに述べ、次回の研究テーマのヒントも与えてくれた。


URL
  FLL JAPAN公式ホームページ
  http://www.firstlegoleague.org/default.aspx?pid=13400
  青少年科学技術振興会
  http://www.firstjapan.jp/
  JS-ROBOTICS
  http://www.js-robotics.com/


( 井上猛雄 )
2007/03/09 00:19

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