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『ロボット創造教育』シンポジウム・レポート


 3月6日、東京都千代田区の富国生命ビルにて、総合科学技術会議 科学技術連携施策群 次世代ロボット連携群「『ロボット創造教育』シンポジウム」が開催された。主催は内閣府。文部科学省、NPO法人国際ロボフェスタ協会が共催している。なお「ロボフェスタ」とは、ロボット創造教育を用いた科学技術理解増進活動を指す造語である。


総合科学技術会議議員 奥村直樹氏
 まずはじめに総合科学技術会議議員の奥村直樹氏が「日本には資源がない。ものから人への流れが重要だが科学技術離れが起きている。ロボットを通して若者の創造力を総合的に開発する事業として『ロボット創造教育』というものがあると捉えている。ロボットは総合技術。技術に関心を持ってもらうためには何よりも面白いことが重要。現実をどうやって面白く教えられるか。ロボットはたいへん良い教材。若者に少しでも関心を持ってもらうために輪を広げてもらいたい」と挨拶した。


【第1部】社会が必要とする科学技術者人材について

名古屋大学教授 福田敏男氏
 第1部は社会が必要とする人材について、そして大学で具体的にどのような教育が行なわれているか、2件の講演が行なわれた。

 はじめに名古屋大学教授の福田敏男氏は「社会/企業が期待する人材の育成について「-ロボット研究開発を通じて-」と題して講演した。これからは差異性の教育が必要であり、そのために有用な教材がロボットであると考えているという。ロボットは一貫したものづくりのプロセスを、失敗経験や原因追求を含めて、短期間に学ぶことができるからだ。

 ロボットはマクロからナノまで広いスケールにわたる技術で、用途も日常生活から生産工場、戦場まで多岐にわたる総合工学である。だがコマーシャルベースで成功したサービスロボットは掃除ロボ「ルンバ」や手術ロボット「ダ・ヴィンチ」くらいしかない。重要なことはヒューマン・マシン共生であり、情報相互作用と物理相互作用だという。

 今後キーコンポーネントとして必要なものは100倍高速な視覚センサー、マイクロCPU、人間の筋肉のようなアクチュエータ、センサネットワーク技術だと分かっている。研究だけではなく研究をする人材を生む教育が重要だ、と福田氏は強調した。ロボットは総合学習教材であり社会教材でもある。一番重要なことは、産業構造変化を理解している学生を育てることである。産業は時間と距離が消滅し、主導権は国や企業から個人に移りつつある。利益の源泉は設備投資から差異性、ヒトとなりつつある。

 福田氏は講演の最中、「学生のほうがよく理解している」と繰り返した。だから優秀な人材は工学から離れ、海外へ流出してしまう。そんななかロボットが教材向きである理由として、思いがけないものを偶然発見するセレンディピティがあるからだという。ロボット製作を通じて、アイデアの気づきや感動経験を体験できるからだ。

 創造性教育において重要なことは評価だという。ロボコンは結果が分かりやすい。福田氏は自身が推進するロボコン「国際マイクロロボットメイズコンテンスト」の取り組みを紹介し、最後に必ずレポートを英文で書かせることが重要だと述べた。自由に楽しく発想ができる点がいいという。いっぽう問題点として「遊んでいるのではないか」と見られることが多いことから関係機関の理解が重要だとした。全ては常識を破ることから始まるとまとめた。


ITとRTを融合させて快適空間を作ることが求められている 国際マイクロロボットメイズコンテンストの様子 ロボット製作教室も行なっている

芝浦工業大学工学部電気工学科教授 水川真氏
 次に、芝浦工業大学工学部電気工学科教授の水川真氏が「ロボット創造教育の実践活動から」と題して講演した。「学生にはとまどいがある」という。受験ではパターンマッチングで問題を解いてきたが、大学に入ると、世の中にある問題を自ら発見して設定し、解決していくことが必要だからだ。「問題を解くということを誤解している子供たちがたくさんいる」と水川氏は指摘し「自分の能力をいかに見つけて、自分の仕事は何か、何ができるか自信を持ってもらうのが大学の教育だと考えている」と述べた。具体的には、製作実験という形でロボットを作らせる教育を進めているという。

 水川氏は大学4年生のときに早稲田大学で世界初の二足歩行ロボット「WABOT」の製作に携わった。それから時は流れ、CPU性能、メモリ容量、通信環境は大幅に向上し、大学にもロボット講座が開講された。しかしビジネスにはなってない。これまではロボットを作ることが目的だったが、これからはロボットを手段に切り替え、ロボットを使ったサービス、システムインテグレーション、社会インフラ、ソリューションを考えることが重要になっている。

 実世界の課題としては、テロ・災害、高齢化、エネルギー問題の3つが大きな課題として存在している。ソリューションとしてロボットが成立するためには、誰にでも使えるように規格化・オープン化され、多くの人が使えるようなものになっていることが重要である。日本には資源がないので、資源問題はマクロニーズとして永遠に存在する。

 また個人の生活支援の問題もずっとある。これから日常生活支援が用途として期待されている。だが市場予測ほどのマーケットを作るためにはブレイクスルーが必須である。総合科学技術会議科学技術連携施策群次世代ロボット連携群などの取り組みもその一環だ。

 最近はキーボードは打てるが、ものつくりを体験しておらず、道具が実際に使えない新人が、企業・大学ともに増えているという。「ものづくり基盤技術振興基本法」もそのような状況をなんとかするための施策の1つだ。ロボットは総合技術であり、いろんなことをブラックボックス化せずに経験を通じて知っておくことが重要だ。芝浦工大ではキットから入って理解を深めていく方針で教育を行なっている。


 水川氏は2つの取り組みを紹介した。1つめは'83年から行なっている小中学生向けロボットセミナー「少年少女ロボットセミナー」。毎年約30箇所で延べ2,000人ほどが経験しているという。ギアボックスからロボットを組み立て、最後は競わせる。メカニカルな構造を理解させるための取り組みだ。

 次には電子制御で動かしたいという要望が出てくる。大学では一年生向けに、1人1台、ライントレース自律移動ロボットを作らせる実習を行なっている。「理屈とものの距離感」を持ってもらい、工学へのモチベーションを上てもらうことが目的で、まず座学の前にこの実習を行なっているそうだ。

 道具を自分で用意して、必要な環境を作ることもこのときに学ばせる。電気工学科といっても、半田付けもやったことがない学生が多いので、そのような基本も仕込む。秋葉原買い出しツアーも行なっているそうだ。書いてあるものがなかったら「どうすればいいですか」という子も少なからずいるそうだ。プログラムはあえてアセンブラで組ませる。

 学生の感想は、「難しかったが楽しかった」といった回答が多いという。またハンズオンで思ったことを実現した体験を持つことで、自己評価やスキル獲得においても効果が高い。キットも作っており、それは高校生のサマースクールなどで用いているという。

 知識としてばらばらに習っていたものの関連付けが、作ることで学べる。思考の構造化をしたうえで、記号と実体の差を認識できるようになり、経験知から工学的知を獲得してもらいたいと考えて進めているという。ロボット/メカトロ教育を進めるためには、分かりやすく、かつ教えやすい教材とカリキュラムのセット開発、指導者育成プログラム開発、世代/学年間の協働、教育・教材情報の共有、対象・年齢層別のシリーズ化、体系化が重要だと考えているとという。

 実世界の問題解決がターゲットである以上、言い訳はできない。新入生は、少ない経験を通じて「自分はこんなもんだ」と思い込んでおり、頭がかたいという。であるから、自己発見できる環境の提供が重要であり、失敗体験を積むことのできるトライアル環境、既存の学問体系に縛られない問題解決能力、指示待ちを超えたプロジェクト立案・推進能力、世代・分野を超えられるコミュニケーション能力養成が必要だという。

 水川氏は「結果は返ってくるので、養成を進めていきたい」とまとめた。


'72年当時の写真 当時と今日の比較 芝浦工大の教育カリキュラム

小中学生向けロボットセミナーの様子 ロボット教育後のアンケート結果。難しいが楽しいという結果 サイクルが重要だという

【第2部】創造教育のあり方について

 パネルディスカッション『科学技術における創造教育のあり方』が行なわれた。モデレーターは株式会社三菱総合研究所研究理事で国際ロボフェスタ協会事務局長の野口和彦氏。ロボット教育における各現場からの現状報告が行なわれた。


衆議院議員 小野晋也氏
 まずパネリストからプレゼンが行なわれた。ロボット創造教育運動=「ロボフェスタ運動」の提唱者で衆議院議員の小野晋也氏「創造教育のキーワード」は、「夢、知恵、元気」だと講演を始めた。

 小野氏らは平成18年6月、自由民主党内部に「ロボット政策推進議員連盟」を50名あまりの議員で結成した。ロボット技術の振興と産業育成、ロボット関連の法制定と人間ロボット共生社会の構想、ロボット教育の普及高度化と国民意識の醸成が目的だという。

 小野氏は、「夢は何かと考えること、そのための道筋を探る知恵を生み出すこと、意欲を生み出すことの3つが創造教育においては重要だ」と強調した。いかに子供たちに夢を抱くように導くことができるかが大事だという。アイデアは自然に生まれるものではないので、毎日1つアイデアを出す「1日1アイデアマラソン」を提案した。


小野晋也衆議院議員らによる「ロボット政策推進議員連盟」の目的 夢・知恵・元気が重要

宮城教育大学助教授 水谷好成氏
 宮城教育大学助教授の水谷好成氏は、「ロボット及びロボット関連教育の早期実践の効果とその難しさ」として、早期教育が有効だと述べた。子供たちは必ずしも最初から理科や科学技術が嫌いであるわけではない。実際に教育を行なうと、難しかったけれど楽しかったという感想が返ってくるという。ロボット関連学習の利点は特定教科と直結していないことにもあるという。

 ただ難しい点として、子供たちの発達過程(学習レベル)を重視した適切な学習メニュー考案が必要であることを挙げた。水谷氏は、LED を使ったランタン作りなどから始め、高学年では梵天丸などへと発展させていくことで、普段の生活のなかでの科学技術の発見やエネルギー教育との関連を重視しているという。


LEDとセンサーを使った牛乳パックランタン 学年別の教材の例

三島市立南中学校教諭 水口大三氏
 三島市立南中学校教諭の水口大三氏は、子供たちの遊びのなかでのもの作り経験が減っていることを指摘。そのなかで動く模型をエネルギー変換教材として使い、ロボットづくり教育を行なっているという。

 全国23%の中学校で、主に技術・家庭科でロボット学習が実施されているそうだ。水口氏はロボット学習を行なうと、生徒が代わり先生が変わり、親が驚くと語った。また教師同士のネットワークもできる。ロボット作りは我を忘れて熱中するもので受験勉強とは違う体験を生徒にさせることができると述べた。


23%の中学校でロボットを使った学習が行われている その効果

名古屋工学院専門学校 村岡好久氏
 名古屋工学院専門学校の村岡好久氏は「科学技術における創造教育のあり方」と題して、対人、対自己能力、対課題能力などの側面に着目してプレゼンを行なった。ロボコンを通して生徒・指導者とも、物事をやりきる力が着くという。ではしばしば疑問視される競技会の意義はどうか。ほとんどの人があったほうがいいと回答した。

 ではなぜロボットなのか。ロボットは多様性があり、ただ速ければいいといった単純な目標だけが全てではない。そのため他のものづくりにはないアイディアと創造性を呼び起こすことができるという。製作者のこだわりがロボットに出てくる。それが表現力養成につながる。競技会には自分と違うロボットも出てくる。それが他者理解にもつながるという。

 ただ、高校生は進路選択において重要な時期であり、そのため一部の専門学校などでなければ、行なうのが難しいものになっている点が課題であると述べた。


製作してプラスになったことに関するアンケート結果 課題は高校生

山崎教育システム株式会社代表取締役、国際ロボフェスタ協会理事 山崎正氏
 山崎教育システム株式会社代表取締役で国際ロボフェスタ協会理事の山崎正氏は「教材から見た小・中学生のロボット創造教育」と題してプレゼンテーションした。学校教材としてのロボットは自律型とリモコン型に分けられる。リモコン型は学習指導要領では「技術とものづくり」、自律型は「情報とコンピュータ」の枠組みで扱っているところが多い。

 中学校ロボコンは全国1万人の生徒が参加する大きなイベントとなっている。そのため逆に初心者が参加するためには大きな壁もできている。初期段階のロボット教育においては、生徒を誘導する支援環境つくりが重要になってくる。

 ロボット作りを行なうと、試行錯誤で技術的な見方や考え方が育つという。山崎氏は「ロボットづくりには文章や数式では表せない体験者だけが見える世界がある。そのためには支援環境整備が重要だ」と強調した。


リモコン型と自律型に大別される ハードルを乗り越えるための支援環境が必要 ロボットを使った試行錯誤のスパイラル

東北学院大学助教授 岩本正敏氏
 教育用ロボットキット「梵天丸」開発者として知られる東北学院大学助教授・岩本正敏氏は「実践から学んだロボット創造教育」と題してプレゼンした。梵天丸は小中高校などのロボット工作教室で用いられている。今はより簡単な初心者向けキットとして、教育用LED制御装置「いろは姫」も開発している。

 活動を通して分かったことは、「理科離れやものづくり離れは感じない、ただ、知識しかない。手先を動かしたことがない。だから知識を積み重ねていくだけでは科学技術から離れていくのだろう」と感じるという。それで科学を教えているのかと自分なりに反省するようになったと語った。

 これまでは仕組みをブラックボックス化せずに教えることが重要だと思っていたが、高度情報化が進みヒトと機械の関係が変化している今日においては、ブラックボックスをある程度ブラックボックスのまま使える人も必要だと述べた。だが、技術を魔法にはしたくない。科学者・技術者に必要な資質は、観察力、仮説力、検証力、参画力に集約されると考えているという。そのような人を育てるためにはどうすればいいか。

 科学者と技術者は思考の方向性が異なる。またいわゆる文系・理系の問題もある。だが文系・理系の区別は今日既に必要ではなく組みなおして考えると、図画工作は学びの場を提供する素晴らしい科目であると捉えられるという。

 しかし小学校の図画工作は中学校の技術家庭にはつながっていない。だから技術教育は中学校高校ではほとんど行なわれず、そのまま工学部に学生は入ってくる、という形になっている。ロボット競技会の意義はここにあるという。

 ロボット競技会を通した教育は、意識してはいないが「情操教育」になっており、それがテクノロジー教育においては重要だと述べた。


 このあとは会場からの質疑応答を含めたディスカッションが行なわれた。水谷氏から「この会場には女性が少ないが、小学校の現場では女性の先生が多い。彼女たちを味方にすることが重要」、水口氏から「ロボット教育の理解者を増やすためには学校だけでは限界がある。地域教育を重視して、ロボット創造教育の効果を幅広い人々が理解することが重要である」といった指摘があった。小野議員は「草の根運動の問題点は広がるのに時間がかかること」だと述べ、大きな動きを作る母体が必要だとコメントした。

 いっぽう会場からは、保護者など、新たな理解者を開拓するのはこれまでのやり方では難しいのではないかといった指摘もあった。

 それに対しては学校現場を巻き込むことが重要であるとパネリストたちは答えた。チームで行なうことを学べること、「失敗すること」の価値を認められるようになることからも学校現場で行なう価値があるという。

 小野氏は、ピアノなどと違ってロボットを積極的に学ぶことに価値があまり見出されていないのはどうしてだと思うかと問い、足下の一歩を進めた先に、その子供がどういう「坂の上の雲」を見るのかということを議論することが重要だと述べた。


会場には「ロボコン博士」として知られる森政弘氏(東工大名誉教授、自在研究所長)も顔を見せ、ロボコンの有用性を説いた
 最後に「ロボット創造教育への提案」として、各パネリストたちからは「大人の技術者が目標を持つことが重要」、「ロボコン後は、『ものづくりは人づくり』という言葉の意味が、生徒は何となく分かるようになっていく」、「本が直面する問題を科学技術の観点からとらえること、協力体制つくり、指導者育成が重要」、「理科が苦手だと思っている先生が教えている限り子供たちは理科が好きになれない。先生たちに普段の算数の考え方と論理的な考え方、それとロボット関連学習の繋がりを教えなければならない。ロボット関連学習は技術者を育成するための学習だけではなく、科学技術を応援する人も育成するものだ」、「夢と知恵と元気がこの時代のキーワード。魅力的な地域とは、夢と知恵と元気が満ち溢れ、何かが生まれてきそうだと感じられる地域。夢と知恵と元気があれば自ずから若い人は参加するし、親も理解するようになる」とまとめの言葉が出た。


千葉工業大学教授、国際ロボフェスタ協会理事長 中野栄二氏
 最後に、千葉工業大学教授で、国際ロボフェスタ協会理事長の中野栄二氏が、「ロボット創造教育が目指すもの」と題する提言を述べた。「ロボットつくり教育は狭いものじゃない。人づくりなんだ」と中野氏は語った。「ロボットは科学技術の先端と基礎+アート」だという。

 現在、若者だけではなく国民全体の間に科学技術離れが発生しているが、「本当に大事なのはものを作ること。読み書きそろばんと同じように体験しないといけない」、「荒れる心を癒すのはものづくり」だと述べた。

 今後必要なものは「指導者育成体制の構築」と「インフラの整備」だという。具体的には資格認定制度を早急に設けること、人と場所を確保する「ロボット創造工房」の設置とそのための自治体への働きかけ、良い意味での競い合いを行なえる「ロボット・スタディオン」の設置などを行なっていきたいと述べた。

 最後に「群雄割拠的にやっているだけではこの国はだめになる。是非、ロボフェスタ・ムーブメントを通して、いい意味での結集力をもちたい」と全体をまとめた。


日本人の科学技術への関心は低い ロボット創造指導者資格認定制度案

URL
  『ロボット創造教育』シンポジウム
  http://www.renkei.jst.go.jp/sympo/robot05/index.html


( 森山和道 )
2007/03/07 19:19

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