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関西最大の二足歩行ロボット交流会「ロボゴング5」レポート

~市販キットロボットが一堂に集う初心者歓迎のイベント

ロボゴングとは

ロボゴング5の参加者とロボット
 ロボゴングは、本格的な二足歩行ロボット競技会はハードルが高いと感じる初心者ユーザーから、ハイレベルなベテランユーザーまでが気軽に集まる練習会だ。バトルはトーナメント形式で進められるが、イベントを通じてホビーストの情報交換や交流を進める場となるよう、主催者の配慮がされている。

 ロボットは、市販キットをベースにレギュレーションを定めた「SRC(スタンダード レギュレーション クラス)」と、機体の重量制限やサーボの規格制限を外した「ORC(オーバー レギュレーション クラス)」の2クラスに分類される。

 競技は、トーナメントで優勝を決めるバトル、敗者復活戦、SRCの1、2回戦敗退者による2×2バトル、Roppo大会などさまざま。ロボゴングらしい場面やロボットをピックアップして紹介する。


市販の二足歩行ロボットキットが集まる

 ロボゴングは、組み上がったばかりの市販キットをノーマルで持ち込んでも競技に参加することができるため、ROBONOVA-I、KHR-1、KHR-2HV、RB1000、RB2000、MANOI、Robovie-i、Roppoなど、市販キットロボットが集まった。


MANOI(製作者:あつし氏)VS Roppo改造機(製作者:ドクター・ガジェット氏) RB2000(製作者:どんぶり氏) VS ROBONOVA-?T(製作者:USO屋氏)

RB1000(製作者:大工大機研部)VS ROBONOVA-I 改造機(製作者:さきあ氏) KHR-1(製作者:トモロウ氏)VS KHR-2HV(製作者:ujiko氏)

観客席のすぐ後ろが整備ブースのため、ロボットのメンテナンスも見ることができる。整備ブースは、見学者の立ち入りはできないが参加者に気軽に声をかけられる雰囲気がある
 これだけの市販キットロボットが、ほぼノーマル状態でバトルに参加しているのを見る機会はなかなかない。二足歩行ロボットに興味はあるが、市販キットを選ぶのに悩んでいる人は、こうした競技会を見学して、ロボットを見比べるのも選択時の参考になると思う。

 KHR-1やROBONOVAは、改造機で出場していることも多い。興味あるロボットを見たら、製作者に声をかけてみれば、ネットや雑誌からだけでは得られないユーザーの生情報が得られるかもしれない。


バトルトーナメント

 メイン競技の二足歩行ロボットトーナメントは、3分1ラウンド3ダウン制で行なわれる。有効な攻撃により、ロボットの足裏以外がリングに接地すると審判によりダウン判定をとる。ダウン後10カウント以内に立ち上がれない場合KO負け、3ダウン先取で勝敗が決定する。攻撃以外の理由で転んだ場合はスリップダウン扱いとなり、ダウン数にはカウントされない。

 ロボファイト特有の攻撃に「発射体ルール」がある。パイロット(ロボット操縦者)は、試合前に発射体の技名を審判に申告し、「ハロブーメランっ!」などと叫び(宣言しないと命中判定されない)、射撃する。相手の胴体中央付近に命中すると1ダウンと扱われる。装弾数は3発まで、3ダウン目は発射体で取れないという制限がある。

 ドクター・ガジェット氏のGadget Chameleon(ガジェット カメレオン)は、Roppoを改造した機体。Roppoをここまで改造するというのもすごいが、なにより操縦方法が変わっていた。EWI(イーウィ)という楽器を使い、MIDIデバイスでロボットを操縦している。

 Gadget Chameleonの赤い舌は5個のサーボモータで構成されており、笛の音に合わせて舌が動く。舌の重量で重心移動して歩いている。もちろん、攻撃にも長い舌が活躍。


【動画】ドクター・ガジェット氏のGadget Chameleon 操縦のイメージは蛇遣いだという

 もちろんバトルには、オリジナルロボットも参加している。

 初心者交流会をメインにしているが、上級者の参加が制限されているわけではない。既に第11回ROBO-ONE大会出場認定権を持っているYOGOROZA(製作者:dauto氏)も、自主規制で一番の特徴である大きな手をビニールテープで固定して参加していた。

 両手を封印していてもYOGOROZAは強い。順調にトーナメントを勝ち上がり、決勝ではベーチック(製作者:旭氏)と対戦。延長の末にダウンを先取し優勝した。


ガーディアン(パイロット:みゅう氏) VS オリジナルロボット製作は初めてというレグホーン(製作者:NAKAYAN氏)のキャラクタロボット対決 【動画】ORC決勝。YOGOROZA(製作者:dauto氏)VS ベーチック(製作者:旭氏)。青いロボットがYOGOROZA ORC入賞者。中央が優勝したdauto氏

 SRC部門の決勝は、アフ・ロゥ(製作者:マサ吉氏)VS かーる(製作者:道楽氏)。どちらもKHR-1改造機。バトルは機体性能とともに操縦者の熟練が勝敗を分けるため、イベント参加経験が豊富な両者が順当に勝ち上がってきた。

 残念ながら、決勝開始そうそうにかーるに機体トラブルが発生し、実質バトルができなくなってしまった。審判判定によりアフ・ロゥが初優勝した。


SRCの決勝戦、アフ・ロゥ(製作者:マサ吉氏)VS かーる(製作者:道楽氏) SRC入賞者。中央が優勝したマサ吉氏氏

Roppo(ロッポ)大会

 ロボゴングでは、二足歩行ロボット初心者クラスの中でもよりハードルの低いRoppo大会が開催される。

 Roppoとは、主催のロボットフォースが独自に開発したアルミフレームセットである。6個のサーボモータとマイコンを搭載して二足歩行ロボットを製作できる。

 基本的には、Roppo限定の大会だが今回は3軸ロボットのRobovie-iも参加していた。

 「Roppo大会」のバトルは従来の2足歩行ロボットバトルとは違い、はっきり言って紙相撲に近い。直径45cmのリングから、落ちたロボットが負けという単純なゲームだ。

 機体の改造は、基本的には認められず、外装にこだわって遊ぶ。初心者や、ロボットの改造があまりできない人が、ロボットの楽しさを体感する事のできる大会になっている。

 ほとんどの対戦は、数秒~数十秒で決着がつく。ロボットバトルという言葉のイメージからは、ほど遠くほのぼのとした大会だ。本当にほのぼのとしているのだが、不思議な楽しさがある。

 とんとんとんと試合が進んでいき、決勝になると妙に緊迫感が高まってくるのも、また面白い。

 今回はタイムスケジュールに余裕があったため、一般ロボットによるRoppo大会が急遽行なわれた。最初は勝ち抜き戦の予定だったが、いつのまにか「KingKizerに挑戦」コーナーになってしまった。こうしたその場のノリも交流会らしい楽しみだろう。


【動画】ロボゴングの人気競技「Roppo大会」。誰でも気軽に楽しめるのが人気の秘密 【動画】緊急企画:KingKizerに挑戦コーナー

ロボットで交流する楽しさ

 ロボットイベントやコンテストの多くは、とてもマジメに開催されることが多い。「未来を担う子ども達へ最先端の科学技術を……」といった具合だ。

 だが、ロボットフォースが企画するロボゴングや、ロボファイトには、そうした堅苦しいイメージがない。純粋にホビーストの娯楽イベントとして行なわれている。

 主催者も、参加者が一日中ロボットで遊ぶことができるようさまざまな配慮をしている。例えば、トーナメント戦では、2回戦が終了した時点で、参加者の3/4が負けてしまう。

 せっかくイベントに参加したのに、ロボットの稼働時間が数分では残念ではないか……ということで、ORCでは敗者復活戦が行なわれる。

 SRC部門では、主催者が組分けしてペアで戦う2×2バトルが行なわれる。SRC参加者は比較的にロボット初心者が多いため、イベント参加を機会にロボット仲間とのコミュニケーションを楽しんでほしいという趣旨から、なるべく初対面のペアを組むように心配りされている。


タッグを組んで闘う2×2バトル 当日のチーム分けで行なわれるRoppoサッカー大会

今回最年少パイロットのケント君(5年生)。昨年11月にKHR-2HVを購入し、お父さんが1カ月かけて組立た。ホームポジションをとって、歩くまでが大変だったという
 参加者の多くは20代~30代の男性だが、父親がロボットを製作し子どもがパイロットをしたり、夫婦でロボットイベントを楽しんでいる参加者もいる。

 家族でロボットを作り動かすのはもちろん、競技会に参加して同じ趣味を持つ者同士が交流するのは一段と楽しい。

 次回は、5月12日(土)に、大阪産業創造館にて開競技会「ロボファイト大阪5」が開催される。


URL
  ロボットフォース
  http://www.robot-force.jp/

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2足歩行ロボット格闘競技会「ロボファイト4」レポート(2006/11/22)


( 三月兎 )
2007/01/18 00:05

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