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ロボラボトークセッションレポート
NECにおけるパーソナルロボットの研究開発

パーソナルロボットPaPeRoやCG PaPeRoで目指す人にやさしいインターフェイス

 大阪のロボットラボラトリーは、12月18日大阪産業創造館において、ロボラボトークセッションを行なった。今回は「メカ」ではなく「インターフェイス」に注目しロボットを研究開発している、日本電気株式会社ロボット開発センター 藤田善弘氏を迎え、「パーソナルロボットPaPeRoやCG PaPeRoで目指す人にやさしいインターフェイス」をテーマに開催した。


 講演に先駆け、ロボットラボラトリーリーダー/ビジネスプロデューサーの石黒周氏は「ロボットをビジネスとして検討した時に陥りやすい問題点として、形や機能に囚われてしまうという傾向がある。ロボットビジネスの価値は、人間とロボットテクノロジーの融合システムにある。次世代ロボットとは、ユーザーとの相互依存な関係構築を促進する存在である。情報伝達メディアであり、かつ編集性を持っている。ロボットがユーザーとサービスプロバイダーやデジタル情報家電といった製品との間の相互依存性を補助したり促進するエージェントとしての役割を果たす」などと、今回のテーマについて語った。


ロボットラボラトリーリーダー/ビジネスプロデューサーの石黒周氏 日本電気株式会社ロボット開発センターの藤田善弘氏。'97年よりNECの保有する認識技術を活用するインターフェイスとしてのパーソナルロボットの研究開発に着手し、ロボットのコミュニケーション能力の向上や事業化を目指し研究開発を行なっている

 NECの企業CM「変えていくチカラ」では、パペロがPDAやカーナビとつながる様子が未来のユビキタス時代の中心的存在として描かれている。

 NECのパーソナルロボットの研究開発は、'97年から始まり今年で10年を迎えた。

 初代のR100から、パーソナルロボットPaPeRo(パペロ)、万博で活躍したチャイルドケアロボットPaPeRo、漫才師「パペじろう」などのさまざまな実証実験を行なってきた。その成果は、パペロだけではなく、ソフトウェアプラットフォームである「RoboStudio」、CG版パペロなど多岐にわたっている。研究開発の中で、ロボットのユーザーインターフェイスをどのように捉えてきたのか。藤田氏は、NECがロボット研究開発を開始した経緯や今後の展望を語った。


NECのロボット研究開発の取り組み

 藤田氏は最初に、「10~20年後には、パペロのようなコミュニケーションロボットが主流になると思う。その時、ロボットという言葉の意味も変わってくるのではないかと感じている」と語った。

 NECが取り組んでいるのは、コミュニケーション能力があるロボットである。将来的には、子供や高齢者、ロボット初心者が、安心して楽しく快適に使えることができるような、インターフェイスになることを目指している。

 NECにとって、ロボットは、見守りや、癒し、教育、コミュニケーションなど「非肉体系」のアプリケーションを実行する汎用・自律UIメディアという位置付けだ。

 今後、肉体系のロボットがどんどん普及した場合、もちろんそのロボットにもコミュニケーション能力は必要となる。パペロの持つコミュニケーション能力を、他のロボットに搭載するということがあってもいいという。


NECが目指す「親しみやすいコミュニケーションインターフェイス」としてのロボット PCからロボット型UIへの進化 ロボット型UIへの取り組み

 最近は携帯電話にも加速度センサーがつき、車の情報もユーザーインターフェイスと結び付いてきている。将来、さまざまなインターフェイスやメディア、デバイスと、ユーザーインターフェイスが結びついてくるという。

 今はGUIの時代だが、今後はすべての端末がロボット化していくという。ロボット化というのは、必ずしもパペロのような形のあるロボットのことをいうのではなく、さまざまな表現や入力方式をとっている端末を指している。

 自律性を持っていて、なおかつ、親しみやすいユーザーインターフェイスで、ユーザーが愛着を感じることができるもの。例えば、携帯電話も自動車もロボットかもしれないという。

 NECが取り組んでいるロボット型ユーザーインターフェイス(RUI)とは、ロボットの上にコンテンツを走らせるというメディアとしての特性があるという。


パーソナルロボット開発プロジェクト10年を振り返って
 '97年に研究をスタートした時、将来はSFのようにロボットに「調べものをして」と言ったら、ロボットが知りたいことを調べてくれたり、いろいろ手伝ってくれるような世の中になるんだろうと期待していたという。そうした未来に向かって、「今の技術を使って、何がどれくらいできるのか」ということをまず考えようということで、研究がスタートした。


前例がないため、「何を作るのか」を考えるところから、スタートした いろいろな物の形を参照し、イラストを何種類も描いて、インターフェイスについて議論した 少しはメカ的な部分があり、表情があるコミュニケーションの相手としてのロボット」というイメージを考えたという

モックアップを何種類も作成。モックアップと対話して、インターフェイスの確認を行なった 形が決定し、ロボットに何をさせるのかというのを考えた。「癒し」というテーマで絵コンテを何十枚も描いた

 様々な試行錯誤を繰り返し、イチから手探りで作ったR100を発表したところ、読売新聞の1面にカラーで掲載された。そのお陰で、社内でもかなりR100は話題になり、次の予算がついて研究が継続できることになった。それで10年間継続しているという。

 R100に搭載したCPUは低スペックで、障害物認識や顔認識、音声認識といった高度なことは、外部のパソコンでデータ処理を行なっていた。そのため研究室外へ持ち出すのは難しく、実証実験が思うようにできなかった。そこでもっと使いやすいスタンドアローンのロボットにするため、現在のパペロは、ノートパソコンをベースにした。


R100は、読売新聞の1面に掲載された 2001年に発表したパーソナルロボット PaPeRo。「Partner-type Personarl Robot」の頭二文字ずつを取って名付けられた

 パペロという名前には、ユーザーのパートナーとなるようなロボットを目指すという意味が込められている。NECでは、これまで百数十台のパペロを試作し、さまざまな実験に取り組んできた。


パペロに実装されたテクノロジー

 最初にNECの社内でボランティアを募り、百前後の家庭でモニター評価を行なった。研究室で開発者が使っているとかなりうまく動くロボットも、一般家庭では動かないことが多かったという。

 中でも音声認識がかなり難しかったという。それというのも、研究室は比較的に静かだが、家庭環境ではテレビがつけっぱなしだったり、雑音が多いためだ。ロボットにノイズキャンセラーや、エコーキャンセラーなどの技術を搭載し、音声認識の精度をあげた。その結果、愛知万博や、展示会など騒がしい場所でのデモンストレーションも可能になった。


ノイズキャンセラーによって、周囲の音とユーザーの声を聞き分ける エコーキャンセラーによって、ロボットのスピーカーから発生する音を除去する

 状況検知フィードバックにも、かなり力を入れたという。ユーザーにロボットを使ってもうら場合、開発者が横についていれば、「もう少し大きな声で話してください」とか、「もう少し近づいて話してください」とアドバイスができる。

 だが、家庭で使ってもらおうとすると、ユーザーはロボットの使い方が全くわからない。そこでロボットに周囲の状況を検出するためのプログラムを沢山搭載した。

 パペロは、周囲の音がうるさくてユーザーの声が聞こえない場合は、「まわりがうるさくて聞き取れません」と声を発したり、声が小さくユーザーとの距離が離れているというのが、顔認識などからわかったら、自らユーザーに近づいたり、近づけない場合は、「もっと大きな声で話して」と言う。その他にも「逆光だから、顔がよく見えません」などと理由を説明しながら、自分の使い方を説明していく。


状況検知フィードバックによって、技術者のサポートがなくてもユーザーがロボットを使えるようにしたという 音声認識、顔認識を活用し、状況検知フィードバックを行なっている

 ユーザーは、モニター評価のためにできるだけロボットと話をしたいと思っている。初めのうちはそれがなかなかうまく行かなかったが、ロボット自身が「こうやるとうまくいくんだよ」ということを伝えられりようになると、「なるほど、そうなのか」と、がんばって寄り添ってくれる。その結果、認識率が格段にアップした。

 初期には、1カ月のモニター評価を終えたロボットを解析したところ、一言も認識していないということもあったが、問題をひとつずつ解決してきたおかげで、ユーザー評価の結果はかなり良くなったという。


プラットフォーム技術について

 これからのロボット型UIは、センサーやさまざまなアプリケーションが常にバックグラウンドで走っていて、ユーザーとインタラクティブしながら、サービスを提供するようになるという。

 たとえば写真をメールで送る場合を考えてみる。従来のやり方ではユーザーがカメラで写真を撮り、パソコンに保存し、メールに添付して送る。これがロボット型ユーザーインターフェイス(RUI)だと、ロボットに「これを写真に撮って、メールで送っておいて」と指示すると、ロボットが実行してくれる。

 このようにさまざまなアプリケーションを、ロボットがユーザーインターフェイスとなり、統合的に整備するようになるという。

 NECでは、こうしたアプリケーションやセンサーの情報をデータベースとして一元管理することにより、履歴や個人適用などの情報をいろいろ利用できるようにしていきたいと考えている。

 今は、そのようなアプリケーション開発環境整備を行なっており、これをロボット型UIプラットフォームをと呼んでいる。

 「実は、パペロはなかなか発売できない」という。ロボットのハードを発売するのは、ハードルが高いのだ。

 そこで、NECの関連会社であるNECシステムテクノロジーから、パペロのプラットフォームや機能モジュールをソフトウェアパッケージ化した「RoboStudio」を販売している。


プラットフォーム技術の進化 パペロで培った技術をロボット向け汎用ソフトウェアにパッケージ化したRoboStudio パペロの各種モダリティ・機能モジュール。2年前の資料のため、現在ではもっと多くの機能が追加されている

 これまで同社ではロボットを10年間研究してきたが、欲しい機能が次々と出てきて、毎年新しい機能モジュール開発を行なってきた。現在は数十のモジュールがある。

 RoboStudioを使うことで、たとえば展示会で受付システムとロボットを連携させたいという依頼に対し、このモジュールとこのモジュールを使って、あとはシナリオを書けばいい、という具合にカンタンに実現できるようになった。

 また、パペロを大学に貸し出したときは、複数のモジュールを選択し、大学独自の新しいモジュールを作成してRoboStudioに組み込み、必要な実験をしたという。

 今後も、ロボットのシナリオ、生活センサーやアプリケーション、モジュールなどを、どんどん用意していくという。こうした豊富なモジュールをシナリオから統一的に制御できるため、実験プラットフォームとしては、かなり便利な状況になっている。

 今後ロボット市場が立ちあがると、急速にロボットを作りたいという会社が沢山でてきて、その人たちがRoboStudioを必要とするのではないか期待しているという。


ロボット技術の各種機器への展開

 ロボットだけではなかなかビジネスにつながらないため、NECのさまざまな事業部門へ「パペロの技術は、ロボットだけに使うのではない」と、社内に売り込んでいる。技術開発の一例として、CG版のパペロを作った。

 このCG版パペロは、NECの「U can change.キャンペーン」テレビCMで「PaPeRo」篇にも登場している。

 ロボットのパペロと、カーナビやPDAの画面上に現われるCG版パペロが、情報を共有しユーザーに対して一貫性のあるサービスや会話をする。

 例えば、家でパペロに明日の予定を伝え、食事をする店の情報を教えてもらう。翌日、車の中ではカーナビにパペロが出てきて、目的地までの道案内をしてくれる。車を降りた後は、PDAのCGパペロが、いろいろな情報を伝えてくれるといった具合に、それまでの会話を覚えていて話の続きをする。

 ユーザーの好みを覚えているパペロが、いろいろなところに登場する。そういったことが実現できるようになるという。


ロボットのユーザーインターフェイス技術などをさまざまな機器へ展開 3D CGロボット制御機能の特徴 ロボットによる複数端末機連携

 このシステムの特徴は、ロボット用に作られたシナリオがそのままCGでも動くことにある。つまり、各端末ごとにアプリケーションをつくり変える必要がない。同じプラットフォームで動いていれば、同じシナリオがさまざまな機器に使える。

 PDAの場合は音声認識や音声合成機能がある。切り替えれば、台詞をフキダシで表示することができる。音声認識のかわりに選択肢を表示し選択するように設定もできる。同じシナリオを利用し、端末側で設定を変更すればよい。


メディアとしてのロボット技術応用

 NECではロボット技術がどのように応用できるか、さまざまな実証実験を行なってきた。その結果、高齢者と子供達に、かなり好評であることがわかり、現在は、託児所や老人ホームでの実証実験を中心に行なっているという。

 7年前程前、パペロを作ってモニター評価をはじめたとき、子供達がかなり感情移入してしまい、返却するときに泣いてしまうということがよく起こった。

 これを見て、ロボットはパソコンや携帯電話とはだいぶ違うということを感じたという。そこで認知科学、社会心理学、臨床心理学などさまざまな分野の先生方と、ロボットと今までの機械の違い、ロボットと人との関係や、ロボットが家庭に入ってきた時、家族との関係はどうなるのか、社会に入った時はどうなのかといったことを多角的に共同研究している。


人とロボットとの「かかわり合い」に関する多角的研究を行なっている 臨床心理学、社会心理学、認知科学などと共同研究

アプリケーションとキャラクタデザイン、フィールドワークの研究 展示会等でコラボレーション活動を行なっている

 こうした研究結果から、「機械は使いたくない」という年配の方であっても、ロボットだったら使ってくれるかもしれない、と期待されている。

 ほかには、漫才師のぜんじろう氏から、「ロボットと漫才をやりたいという」提案があり実現した。このプロジェクトの目的は、1つ目にロボットにユーモアが表現できるのかどうかを探る。2つ目に、ロボットに適したユーモアがあるのかどうか。3つ目に楽しく会話をするロボットを作る。現在は2つ目までいっており、いい結果がでている。

 この漫才ロボットの特長として、美大生がプログラムを行なっているという点が上げられる。ぜんじろうさんが書いた台本を元に、多摩美の学生がこれまでのパペロを扱ってきたノウハウを取り込んでアイデアを出し、相互に意見を出し合いながら開発した。

 もはやNECの手を離れて、ぜんじろう氏と美大生が、ロボット漫才の台本をコンテンツとして作成している。

 最近発表したチャイルドケアロボットには、このパぺじろうのユーモアセンスが少しずつ組み込まれている。今は、第3ステップの人と楽しく話すロボットを作るという点を研究している。

 愛地球博では6カ月間にわたり、ロボットふれあいルームで実証実験を行なった。ロボットはインタラクションできるため、従来の機械とは異なりユーザーが愛着を感じる特性を持っている。そこを今後、活用できればいいと思っているという。


愛・地球博における「チャイルドケアロボット」技術実証運用 愛・地球博の「ふれあい体験」参加者の内訳。1日1回限定。夏には3~4時間待ちであったにもかかわらず、リピーターの多さが目立つ

 最近は、NTTとの共同研究を行なっている。幼児施設に子供を預けているときに、ネットワークを経由して保護者も保育に参加するという仕組みを作ろうと考えている。

 例えば、子どもがパペロと歌って遊んでいる様子を、保護者は自宅からネットワークを通じて見て、ロボットが子どもに「上手にできたね」などと保護者からのメッセージを送る。ほかには、パペロが撮った写真に保育士さんがメッセージをつけてサーバーへ送ると、ブログに登録し連絡帳という形で保護者の方にも読んでもらうことができる。そんなシステムを作って実験を行なっている。このようにネットワークを経由したさまざまなパペロの連携活用を考えられている。


子どもがパペロと遊ぶ様子が、ネットワークを通じて保護者の元へ動画で届く。保護者からのコメントはロボットが子どもに伝える NTTとの共同研究。パペロと携帯電話の連動による「メルロボ連絡帳」

次世代ロボットの市場創出に向けて

 ロボットをプラットフォームとして、さまざまなアプリケーションに対応できるサービスとして普及させようとすると、まずは低コスト化をしなければならない。簡単なアプリケーションでいいから、安くてちょっと買ってみようかと思えるような、普及品を考えているという。

 最近の携帯電話は高性能になってきて、初代パペロくらいの処理能力を持っている。今後もさらにCPUは高性能になっていくとだろう。そうすると数年後には現在のパペロ並みの性能が、携帯電話のプロセッサーでできるようになる。

 そうしたものを利用すれば、非常に低コストでロボットのインタラクションができるのではないかと期待しているという。


デバイス技術を利用し低コスト化を実現する 携帯電話用アプリケーションプロセッサMP211 IMAPプロセッサのロードマップ

 今後は人とリッチなインタラクションをするユーザーインターフェイスのためにこそ、CPUのパワーを使って行きたいという。また、そのためのユーザーインターフェイスとして、ロボット型のUIが適しているのではないかと考えているそうだ。

 人がロボットに要求するのは、人間並の会話機能だったりするが、現状ではそれは厳しい。ただ、人間並とはいかないが、認識技術を底上げするのは本質的に大切なことと考えている。NECの研究でもそこがもともと重要なので、インタラクション制御の向上に力を入れていく。コミュニケーションロボットの底上げとしては統合UI的なこともやっていくという。

 メディアとしてのロボットコンテンツや、アプリケーションを再生するためのロボット、ユーザーに接して、Web端末や家電製品などをコントロールするための便利で安全にアシストするためのエージェント的な役割が大事だとし、そうした市場創造をしていくために低コスト化し、アプリケーションを開発し、さらにコンテンツサービスや、ビジネス提供モデルを構築していく。この両方をやっていきたいと藤田氏はいう。

 今はロボット市場が立ち上がっていないため、標準化の機運が高まっていないが、今後ロボットが普及すると、ロボット向けのコンテンツやアプリケーションは、さまざまなロボットの上で、共通プラットホームとして動くようになっていくべきだと考えているという。


コミュニケーションロボット市場送出に向けて
 これまでNECの中では、ロボットというものはかなりキワモノと思われていたが、CGパペロを発表して以来、ようやくロボットもNECの事業に関係ありそうだと社内の人に理解してもらえたそうだ。

 「最近のCMにも使ってもらえた。パペロもこれで知名度が上がったので、ロボット型UIのプラットホームとしてパペロを発売したり、もしくはソフトをいろいろなロボットに使っていただき共通化していくとか、そういった活動ができればいいと思っていると藤田氏は締めくくった。


URL
  ロボットラボラトリー
  http://www.robo-labo.jp/
  NEC
  http://www.nec.co.jp/
  NECロボット開発センター
  http://www.incx.nec.co.jp/robot/robotcenter.html

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ロボラボトークセッション「音声認識技術を利用したコミュニケーションインターフェース」(2006/10/13)


( 三月兎 )
2007/01/10 00:01

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