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【 2009/04/21 】
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ロボットビジネス推進協議会、ロボ検を開始
~メカトロニクス・ロボット技術者の人材育成指標確立を目指す
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グローバックス、名古屋にロボット専門店をオープン
~5月2日~5日にプレオープンイベントを開催
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「ロボカップジュニア九州ブロック大会」開催
~ジャパンオープン大会の出場チームが決定
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【 2009/04/20 】
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研究者たちの「知りたい」気持ちが直接わかる
~理研一般公開でのロボット
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【やじうまRobot Watch】
巨大な機械の「クモ」2体が横浜市街をパレード!
~横浜開港150周年記念テーマイベント「開国博Y150」プレイベント
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【 2009/04/17 】
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第15回総合福祉展「バリアフリー2009」レポート
~ロボットスーツ「HAL」や本田技研工業の歩行アシストも体験できる
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「第12回 ロボットグランプリ」レポート【大道芸コンテスト編】
~自由な発想でつくられた、楽しい大道芸ロボットが集結!
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【 2009/04/16 】
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北九州市立大学が「手術用鉗子ロボット」開発
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ROBOSPOTで「第15回 KONDO CUP」が開催
~常勝・トリニティに最強のチャレンジャー現る
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【 2009/04/15 】
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「第15回ROBO-ONE」が5月4日に開催
~軽量級ロボットによる一発勝負のトーナメント戦
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ヴイストン、秋葉原に初の直営店舗「ヴイストンロボットセンター」、29日オープン
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【 2009/04/14 】
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大盛況の「とよたこうせんCUP」レポート
~ロボカップにつながるサッカー大会が愛知県豊田市で開催
[11:34]
「第27回全日本マイクロマウス大会」レポート
~競技中のフラッシュ対策が鍵に
11月24日、25日、第27回全日本マイクロマウス大会が長井市(財)置賜地域地場産業振興センターにおいて開催された。主催は、財団法人ニューテクノロジー振興財団、全日本マイクロマウス大会inながい実行委員会。
マイクロマウス競技は、小型の自律ロボットが独力で迷路を探索し、スタートからコールに到達するまでの最短時間を競う競技。'77年にIEEE(米国電気電子学会)が提唱したことに始まる。日本では、'80年より全日本マイクロマウス大会が毎年開催され、ロボットコンテストの草分け的な競技会である。
この数年、韓国・シンガポール等の海外勢の技術が著しい進歩を遂げており、例年、激しい優勝争いが繰り広げられる国際的な競技会だ。大会は、韓国、シンガポール、米国からの参加者を含め、エキスパートクラスに70台、フレッシュマンクラスに59台の参加があった。
本稿では、マイクロマウス大会の華であるエキスパートクラスに焦点を当てて紹介する。
競技で使用される迷路は16×16区画(1区画180mm)の通路で構成。迷路の壁は高さ50mm、幅12mm。側面は白、上面は赤。路面は黒で塗装されいる。
マウス(ロボット)は、左隅からスタートし、中央に設けられたゴールをめざす。持ち時間は予選が7分、決勝は5分。時間内に5回挑戦できる。走行時間がもっとも短いタイムが、そのマウスの成績となる。
マウスのサイズは、1辺25cmの正方形内に収まること、ただし床面から高さ5cmまでの部分は16cmの円内に治まることと定められているが、現在のマウスは、軽量小型低重心化が進んでいる。
エキスパートクラス決勝 迷路
最軽量マウス、プーチン太郎(製作者:鱒渕祥司氏)。幅74mm、縦97mm、重量69g。最小地上高さ1mm
迷路は、大会当日の競技開始直前に公開される。スタート時点では、マウスは迷路全体の大きさとスタート位置とゴール位置しか情報をもっていない。そのため、自分がこれから走る最短経路を探すために、1回目の走行では迷路を調べながらゴールへ向かう。この走行を「探索走行」という。ゴールまでのルートは複数あるので、マウスはゴール後も迷路を探索し続ける。
持ち時間は予選で7分、決勝は5分。その間に探索走行を含め5回の走行ができる。
決勝大会では、スタート地点から上辺を進み垂直に下がるコースと、左側を複雑に迂回するカーブが多いコースがあった。直進が速いマウスや、旋回性能がよいマウスなど、機体特性により得意なコースが違うため、単純に最短ルートを選ぶとは限らない。
マウスは探索走行でマップを作成し、迷路パターンの中から、自分にとって一番速く走れるルートを見つけて、ゴールを目指して疾走する。
マウスは、赤外線センサーや可視光センサーを使い、壁の有無をチェックしているケースが多い。去年までは、センサーの誤動作を防ぐために、競技中のフラッシュ撮影は禁止されたいた。
だが、「ロボットが環境を選んで動くようでは、実用的な技術とはならない」という意見があり、今年からエキスパートクラスでは、フラッシュ撮影が許可されるとともに、場内の照明も決勝では従来に比べて明るくなった。
そのため、センサーの誤動作により苦戦するマウスが多かった。
走行中にマウスが停止した場合、審査員にリタイアを申告できるが、マウスを取り上げようと手を出すと、照明がさえぎられマウスが動き出すケースなどもあった。
印象的だったマウスを動画とともに紹介する。各マウスの探索走行と、タイムアタックの走りを見比べてほしい。
現在の軽量小型低重心マウスの流行は、「Silf_NS3」(製作者:井藤功久氏)から始まった。
車体重量を軽く、重心を低くすることで、加減速やターン時の負荷を減らし、高速走行を可能にしているという。機体レイアウトに一番時間を掛けたというデザインが美しいマウスだ。
Silf_NS3(製作者:井藤功久氏)
【動画】
今回、このコースを選んだマウスは少なかった。タイムは9秒604。5位入賞
6輪マウスの「瑞穂」(製作者:中島史敬氏)は、舵を切るステアリング輪が前後に4つ、加減速する駆動輪を中央に2つもっている。中島氏は、カーブを速く走るために、安定したターン性能を求めて6輪マウスを製作したという。
タイムは8秒574。3位に入賞と健闘した。
中島氏製作のマウスは、3年連続国内1位の成績をもっている
【動画】
車体をくゆらすように壁をすり抜けて走行する「瑞穂」
優勝は「Min4A」(製作者:Ng Beng Kiat氏、シンガポール)だった。
Ng Beng Kiat氏は、'97年に学生を引率して来日、マイクロマウス大会を見学した。翌年から、全日本マイクロマウス大会に参加している。昨年は2位、今回で4回目の優勝となるベテランだ。
Min4Aは、フラッシュを焚かれた時のセンサーデータはキャンセルする仕組みをもっているという。予選、決勝を通じて安定した走行を見せていた。
優勝したMin4A。安定を重視し、小型低重心を目指しているという
【動画】
探索走行も41秒台と速い。優勝タイムは7秒344
トロフィーは、生産日本一を誇る「けん玉」
今大会は、初の地方開催であった。地域の子供達や技術者、企業関係者に世界レベルの技術に触れる機会を設けることを目的のひとつとした。
今回初となる競技のライブ中継や、マウスがゴールに到達すると、「認定証ゲット!」と声がかかるなどという試みがあり、町をあげて大会を運営する意気込みが感じられた。
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URL
財団法人 ニューテクノロジー振興財団
http://www.robomedia.org/index.html
第27回全日本マイクロマウス大会 in 長井
http://mm.jan.jp/index.html
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