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千葉工業大学、新型レスキューロボット「Hibiscus」を発表


 6月5日、千葉工業大学・未来ロボット技術センター(fuRo : Future Robotics Technology Center)は、従来のロボットでは走行が困難な瓦礫上を安定して走行できる新型レスキューロボットを開発したと発表し、記者会見を行なった。

 ロボット名は「Hibiscus(ハイビスカス)」。ハイビスカスの花言葉は「優雅」。フリッパーアームを優雅に動かして移動するところからつけられたという。縦65cm~98cm(フリッパーアーム展開時)、横37cm、高さ18cm(カメラ部含まず)。重量22.5kg(バッテリ含む)。段差踏破能力は40cm。登坂能力は45度。最大速度は1.1m/秒。IEEE 802.11gを搭載し、コントロールボードのCPUはSH4。モーターはmaxsonのRE30(60W)。バッテリはリチウムポリマー。駆動時間は使用状況にもよるが2時間弱だという。


新型レスキューロボット「Hibiscus」 縦65cm~98cm 幅は37cm

フリッパーアームを腕のように使って自分自身を持ち上げたりして段差を越えていく 前のフリッパーアーム部分。これまでのものより太くすることで、瓦礫にはまりこむことを防ぐ 内部の様子

コントロールボード。SH4が使われている リチウムポリマーバッテリ

 レスキューロボットと言っても、直接、人間を救出するのではない。二次災害のおそれがある場所で要救助者を捜すためのロボットである。

 センタークローラーが機器全体を覆っていることから、障害物に乗り上げても空転してスタックすることなく、瓦礫を乗り越えることができるようになった。また、左右それぞれが独立して制御できる6本のクローラ(フリッパーアーム部)を「ツメのついた腕」のように使って、センタークローラーだけでは乗り越えられない高い段差も越えることができる。また、動作もよりパワフル、かつ素早くなった。

 また、従来型のロボットは幅52cmあり、このロボットが対象としている地下鉄の狭い改札を通り抜ける上で困難になることがあったが、今回の新型ロボットは幅を37cmと縮めることにより、狭いすき間でも通過できるようになった。

 開発したのは今年4月に千葉工大に着任したばかりの小柳英次副所長および吉田智章研究員と、6人の学生たち。現時点では前後のクローラーは人間が動かしているが、今後は、ロボットそれ自体が半自律的に動作生成することで、人間はロボットに対して進行方向とスピードを指示するだけで、誰でも操縦できるロボットにしていくという。

 デモは、従来型のロボットと比較する形で行なわれ、従来型のロボットでは越えることが困難な段差を、センタークローラーを使って乗り越えていく様子が披露された。なお従来型のロボットもロボカップレスキューで優勝したロボットであり、決してモビリティに劣っているわけではない。

【動画】周囲にいた記者たちが驚いて飛び退くほどの勢いで瓦礫をかけあがる 【動画】段差を乗り越えるデモ
【動画】その場回転 【動画】フリッパーアームはそれぞれ独立に動かすことができる


従来型のレスキューロボットもデモを行った ボディ中央にクローラがないため、途中でスタックしてしまった
【動画】従来型ロボットのデモの様子 【動画】真ん中にクローラーがないと滑ってしまうことがある



 将来は従来型のロボットのようにサーモグラフィやレーザーセンサーなどを搭載することで、ロボットが動き回りながら要救助者を探せるようにしていく。また、ロボット侵入後にレスキュー隊員が入っていくべきルートを探索できるようにしていくという。以前のロボットが基本的には研究用であったのに対し、今回のロボットでは1年後の実用化を目指す。センサー類は高価だが、量産時には1台300万円程度の価格に収まるようにしたいと小柳教授は語った。

 なおこのロボットは6月6日に開催される「ヨコハマ セーフティフェア'06」で一般公開デモを行なう。デモ予定時刻は11:30~11:50、15:30~15:50の2回。

  千葉工業大学
  http://www.it-chiba.ac.jp/
  fuRo
  http://www.furo.org/
  ヨコハマ セーフティフェア'06
  http://www.city.yokohama.jp/me/anzen/zenkoku_shoubouchoukai/index.htm
  【2006月4月24日】IRS、ロボット装備レスキュー部隊「IRS-U」の想定訓練を公開(PC)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0424/irs.htm



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