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大盛況の「とよたこうせんCUP」レポート
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「東京国際アニメフェア2009」レポート
~4月から始まるロボット・SF系アニメをチェック


 18日から20日まで、東京ビッグサイトで世界最大のアニメの祭典「東京国際アニメフェア2009」が開催された。4日間合計で昨年を上回り、12万9,819人の来場者数をカウント。一般の来場者が入れるパブリックデーの20日と21日は、今年も満員電車のような混雑ぶりとなった。数々の新作テレビアニメが発表されたり、公開直前の劇場アニメが紹介されたりしていたが、今回もロボットアニメを中心に、SFアニメなども紹介していく。


バンダイ・サンライズブースではガンダム30周年記念イベントなどを紹介

 まずはバンダイサンライズなど系列各社が集まったブースから紹介。やはり目立つのはガンダムで、ファーストの本放映開始から今年で30周年になることは、Robot Watchの読者なら知らない人はいないことだろう。今回、ガンダムに関してはその「機動戦士ガンダム30周年プロジェクト」をメインとして紹介していた。ご存知の方しかいないかも知れないが、改めて説明すると、このプロジェクトは3つの切り口で進められている。全高18mのリアル・ガンダムがお台場・潮見公園に立つプロジェクトが「Real G」、8月21日から23日まで東京ビッグサイトで開催されるバンダイナムコグループ主催イベント「GUNDAM BIG EXPO」プロジェクトが「Feel G」、そして30周年を記念した音楽ライブプロジェクトが「Soul G」というわけだ。


機動戦士ガンダム30周年プロジェクトのメインビジュアル 7月上旬に本当に大地に立つ1分の1ガンダム立像の1/30モデル 機動戦士ガンダム00の大型イラストも展示

 そうしたイベントだけではなく、ガンダムの名を冠した新作テレビアニメなどが気になるところだが、今回は残念ながら発表はなし。ただし、サンライズの方に聞いてみたところ、「いろいろと企画はあります。正式に決定次第発表しますので、楽しみにお待ちください」というコメントをもらえた。「機動戦士ガンダム00」のセカンドシーズンも終了となり、春からの新作テレビアニメにガンダムの名を関した作品はないが、もしかしたら秋からの新番組が控えているのかも知れない。「GUNDAM BIG EXPO」で発表される可能性もあるだろう。

 そのほかガンダム関連では、コンセプト・モデルの参考出展として、「ガンダム・ビューカイブ」(仮)という、映像配信サービスも紹介されていた。PLAYSTATION 3をプラットフォームとしており、バンダイチャンネルとセリウスが共同開発中だ。3次元的なインターフェイスが特徴で、ファーストガンダムのTV版全43話の800を超えるシーンの丸形のサムネイルと、約400のキーワードが宇宙空間に浮かんでいる形で、ユーザーはこの空間の中に飛び込み、リンクをたどって作品世界に自由にアクセスできるというコンセプトだ。サムネイルをクリックすると拡大してそのシーンの映像がスタートしたり、キーワードの場合は解説がされたりといった具合だ。ただしまったくの参考出展のため、撮影はできなかった。正式発表を待ってほしいとのことである。

 またサンライズ関係では、同社の作品のデータベース+コミュニティスペース+オリジナルコンテンツというコンセプトのファンサイト、「サンライズ ステーション」が近日オープン予定であることを発表。すでにティザーサイトはオープンしていて、メールマガジンの登録も行なえる。データベースは、サンライズが30年以上に渡って製作してきた約300作品のデータの検索や閲覧ができるほか、未公開の画像や資料も用意。ただし、一部は無料だが、基本は有料となり、月額300~500円ぐらいを想定しているそうだ。携帯版とPC版のふたつが用意される予定で、携帯版のアドレスは、http://m.sunrisest.jp/となっている。


 そのほか、バンダイブース(およびすぐ隣のボンズブース)では、4月25日に劇場版「ポケットが虹でいっぱい」が公開予定の、「交響詩編エウレカセブン」も紹介されていた。パブリックデーにファン参加イベントが用意されていた関係もあったのか、ブースの方はそれほど目立つ造りではなく、ちょっと寂しい展示だった。なお映画版だが、再編集でも再構築でもなく、テレビシリーズの映像を「カット単位で換骨奪胎する」という、例のない手法で世界観も含めて完全新作のストーリーを披露する形だ。

 物語は、宇宙より飛来した謎の生命体イマージュと人類との戦いが半世紀に及ぼうとしている西暦2054年を舞台に展開していく。ホランドが指揮する第303独立愚連隊の戦闘母艦・月光号に乗艦している少年兵レントンは、ニルヴァーシュに乗り込み、イマージュとの戦いに赴く。その目的は、8年前に連れ去られた幼なじみの少女エウレカを救い出し、故郷へ帰ること。そんなレントンとエウレカの前に、ホランドも含めてさまざまな試練が立ち塞がっていく。イマージュとの最終決戦が迫る中、ふたりの運命は!? トレーラー映像を観る限り、なんかホランドが大変なことになるようなので、そこも見逃せない。ぜひとも劇場に足を運んで確認しよう。

【キャスト】
レントン…三瓶由布子
エウレカ…名塚佳織
ホランド…藤原啓治
タルホ…根谷美智子
ドミニク…山崎樹範
アネモネ…小清水亜美

【キャスト】
総監督/ストーリー構成…京田知己
アニメーションディレクター:斎藤恒徳
キャラクターデザイン…吉田建一
特技監督(メカシーン統括)…村木靖
制作:ボンズ


「サンライズ ステーション」のティザーサイト 「交響詩編エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」のコーナー

河森監督最新作「バスカッシュ!」が登場のサテライトブース

 サテライトブースでは、河森正治監督作品を複数展示。「マクロスF」は劇場公開がアナウンスされているが、今のところ新しい情報はなし。今回も各種ホビーが展示されたほか、面白いところでは、河森氏が完全監修した、「マクロス MFJ TYPE-L フライトジャケット」が展示されていた(販売は、ミリタリーサープラス・アウトドアグッズショップのファントム)。デザインとカラーは「超時空要塞マクロス」の主人公一条輝機のホワイトをイメージしており、VF-1、スカル小隊のエンブレムなどがあしらわれている。サイズはM、L、XLの3種類。MFJはミュージック・フライトジャケットの略で、MP3プレーヤー用のポケットを両袖口部に備えられているほか、カードホルダーなどもある。また、河森氏も数日に渡ってアニメフェアに来場しており、「マクロスF」コーナーでは、手描きでミサイルを発射するVF-25が描かれていた。


サテライトブースの「マクロスF」コーナー マクロス MFJ TYPE-L フライトジャケット 河森監督手描きのVF-25

 河森氏が関わる新作は、MBS・TBS系で4月から放送がスタートする「バスカッシュ!」だ。どこかの宇宙のどこかの銀河にある、上空に月の浮かぶ「アースダッシュ」と呼ばれる惑星を舞台にした物語である。そんなアースダッシュでは、ビッグフットと呼ばれる、クルマから手足が生えたような大型マシーンがさまざまな用途に使われていた。その競技用ビッグフットで行なわれるバスケットボール=ビッグフットバスケが世界中で流行しており、ヤンチャな主人公の少年ダン・JDの住むローリングタウンでも公式戦が行なわれることに。ダンは、妹のココがビッグフットによる事故で足の自由を奪われてしまったことから、その存在を恨んでいた。しかしとある少女と出会い、彼女のビッグフットに乗せられ、走り、飛び、自由に動き回るその感覚にいつしか笑みをこぼし、その魅力に取り憑かれていく。そして公式戦を見に行くのだが、内容は退屈で迫力に欠けたものだった。苛立ちを覚えたがダンは立ち上がり、ダンの伝説が始まっていく……。面白いのは、ビッグフットはみな足にバスケットシューズを履いている点。しかも、スポーツ用品メーカーとして世界的に名高いNIKE社がシューズデザインで協力している点も特徴だ。同作品のコーナーでは、ビッグフットのフィギアと共に多数のシューズが展示されていた。

【キャスト】
ダン・JD…下野紘
セラ・D・ミランダ…伊藤静
アイスマン・ホッティ…中村悠一
ミユキ・アユカワ…浅野真澄
ココ・JD…花澤香菜

【スタッフ】
原作…河森正治、ロマン・トマ/サテライト
プロジェクト・ディレクター…河森正治
監督…板垣伸
シリーズ構成/脚本…佐藤竜雄
キャラクターデザイン…吉松孝博、SUEZEN、そえたかずひろ
メカ・コンセプトデザイン/美術監督…ロマン・トマ
アニメ制作:サテライト


「バスカッシュ!」のコーナー ダンの乗るビッグフット「ダンカン号」のスケールモデル

ダンカン号を別角度から 左のイラストの中央にいるのが主人公のダン。右のイラストの少女3人は月で人気のアイドルだそうだ

劇場版「天元突破グレンラガン 螺巌篇」が間もなく公開のガイナックスブース

 ガイナックスブースでは、スーパーロボット系アニメの劇場版「天元突破グレンラガン 螺巌篇」の公開を来月25日に控え、ブースをほぼ同作品一色に染め抜いていた。ブース中に登場人物たちの等身大人型パネルが展示され、ニアやヨーコなどのコスプレイヤーさんたちもがんばっていた。

 映画第2弾となる今回は、テレビシリーズの後半がベースとなる。螺旋王ロージェノム率いる獣人軍と、主人公シモンら大グレン団が激突したテッペリン攻略戦から7年後から始まる。兄貴分のカミナを失うなど、ダメージも大きかったが、からくも勝利を収めたシモンたち。しかし、ロージェノムは真の敵ではなく、正体不明の新たな敵が現れる。地上を取り戻して文明を瞬く間に構築し、繁栄を謳歌していた人類だったが、正体不明の敵はそんな人類を圧倒的な力で蹂躙していく。未曾有の危機に際し、政府の要職に就いたり、いずこかへ去っていったりしていた大グレン団の面々が再集結。最後の戦いを開始するのであった。

【キャスト】
シモン…柿原徹也
カミナ…小西克幸
ヨーコ…井上麻里奈
ニア…福井裕佳梨
キタン…谷山紀章
ヴィラル…檜山修之

【スタッフ】
原作…GAINAX/中島かずき
監督…今石洋之
脚本…中島かずき
キャラクターデザイン…錦織敦史
メカデザイン…吉成曜
アニメ制作:GAINAX

 また、映画第1弾のテレビシリーズの前半をベースにした「紅蓮篇」のDVDも4月22日に発売。そのほか、5月27日にはメインのヒロインのヨーコのファンディスク「天元突破グレンラガン キラメキ☆ヨーコBOX~PRICES of SWEET STARS~」も発売予定だ。


ガイナックスブース。というよりも、グレンラガンブースという状態。左隅にはヨーコのレイヤーさん ニアのレイヤーさん。女性キャラクターに扮した何人かががんばっていました 「螺巌篇」のメインビジュアルの大パネル。手前の女性もニアのレイヤーさん

アトム映画化! 手塚プロブースでは鉄腕アトムの映画公開をアピール

 日本のコミック界、アニメ界に巨大な足跡を残した故・手塚治虫氏の後を引き継いでいる手塚プロダクションでは、全米10月公開予定の鉄腕アトムを題材にしたフルCGアニメで、初の劇場映画化という「ASTRO BOY」の紹介がされていた。日本では角川エンタテインメントの配給で、「ATOM」のタイトルで2009年中全国ロードショーを予定している。今回はまだプロジェクトとして始動したばかりで、デモ用の映像も流されていたが、日本版の吹き替えの声優さんも仮のキャスティングということであった。ちなみに「ASTRO BOY」のキャスティングとスタッフは、以下の通り。

【キャスト】
アトム…フレディ・ハイモア
コーラ…クリスティン・ベル
ハム・エッグ…ネイサン・レイン
オリン…ユージン・レヴィ、
お茶の水博士…ビル・ナイ
ストーン大統領…ドナルド・サザーランド
テンマ博士…ニコラス・ケイジ

【スタッフ】
監督…デビッド・バワーズ、
脚本…ティモシー・ハリス/デビッド・バワーズ
製作…マリアン・ガーガー


手塚プロダクションブース 「ATOM」のパネル

 また、手塚プロがエイベックスとのコラボレーションで誕生した、手塚治虫氏のキャラクターがオールスターに近い形で登場するオリジナルアニメ「ravex in Tezuka World」も紹介されていた。ravexが4月にリリース予定の初アルバム「trax」は、メンバーが制作したダンスナンバーを、avex所属のアーティストが歌うコンピレーション・アルバムで、そこに収録されるのが、「ravex in Tezuka World」というわけだ。同作品の制作を手がけるのは、手塚プロのエグゼクティブ・プロデューサーであり手塚治虫氏の実子・手塚眞氏。ストーリーは、宇宙を闇と沈黙で支配する存在「ダーク・サイレンス」の驚異から惑星リアースを救うべく、宇宙をいくミュージック・ヒーラーのravexのメンバーが活躍するという設定。序盤には、太陽に向かっていって融けてしまったアトムがravexのミュージック・フォースで復活する。また、瀕死の重傷を負ったダーク・サイレンス抵抗軍のリーダーである革命家ラトゥが、宇宙を放浪する天才外科医スペース・ジャックによって無敵のサイボーグでアトムの弟分敵存在となるラトムとして復活し、リアースを統べるサファイア王女らと戦っていくという内容だ。

 そのほか、SF系の手塚作品として、7月4日全国ロードショーが決定している実写映画の「MW-ムウ-」なども展示されていた。手塚作品の中では「禁断の問題作」などと評されている、発表当時はかなり過激な内容が話題となった作品で、映像化不可能といわれていたが、岩本仁志監督の手によってその不可能が実現することとなった。玉木宏氏が主役で天才的頭脳を持った悪魔・結城美智雄役を務め、その結城の行動を止めようとする賀来裕太郎役を山田孝之氏が努める。16年前、とある島で起きた島民のほぼ全員が虐殺されるという大事件。ただし、政府によって隠蔽され、闇に葬られたが、その惨劇を生き延びたふたりの少年がいた。それが結城と加来である。エリート銀行員の仮面を被りながら、凶悪犯罪を重ねていく結城。それを止めようとするも毎回翻弄され、苦悩し続ける加来。そんな中、結城は16年前の虐殺事件のキーワードである「MW」にたどり着く。そして、「MW」を使い、全人類を道連れに世界を滅ぼそうとする……。かなりダークな内容が展開される作品だ。


「ravex in Tezuka World」の紹介パネル 「MW」の紹介コーナー

「鋼の錬金術師」や「忘念のザムド」などが4月からスタートのアニプレックス

 原作は累計発行部数が3,400万部を超える荒川宏のコミックである「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」。2回目のアニメ化となる。2003年10月から放送された1作目は、「機動戦士ガンダムSEED」と共に、MBS・TBS系列の土曜18時の新しいアニメのゴールデンタイム「ドロク」を定着させるなど、多大な人気を博した作品である。現在ドロクはなくなってしまったが、今度は「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」「機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン」に続く、同系列の新たなアニメのゴールデンタイム日曜17時(ニチゴ?)の第3弾として4月から放映開始だ。

 ストーリーは1作目および劇場アニメの続編ではなく、リセットしてスタートする。亡くなった母を思うあまり、エドワードとアルフォンスのふたりの兄弟は禁忌とされる錬金術「人体錬成」を行ない、エドは右腕と左足を、アルは身体そのものを失ってしまい、ふたりはそれを取り戻すべく「賢者の石」を求めて旅を続けていく内に、国家から個人まで複数の交錯する野望や陰謀に巻き込まれていく。ファンタジー色が強いが、エドの右手と左足は非常に高性能な機械鎧(オートメイル)となっているなど、メカ的な描写もある。機械鎧は肉体と神経的に接続していて、まるで生身の身体と変わらないほど滑らかにかつ自由自在に動かせるのだ。キャストとスタッフは以下の通り。キャストも含め、第1作とは交代も多い。

【キャスト】
エド…朴ロ美(ロ=王へんに路)
アル…釘宮理恵
ウィンリィ・ロックベル…高本めぐみ
ロイ・マスタング…三木眞一郎
リザ・ホークアイ…折笠富美子
アレックス・ルイ・アームストロング…内海賢二
マース・ヒューズ…藤原啓治

【スタッフ】
監督…入江泰浩
シリーズ構成…大野木寛
キャラクターデザイン…菅野宏紀
アニメ制作…ボンズ


1分の1アルフォンス。人体錬成の代償で身体を失ったアルは、現在は魂を定着させた鎧で行動している エドの右腕の機械鎧

主人公エドは朴ロ美(ロ=王へんに路)氏、アルは釘宮理恵氏が演じる 錬成陣。何も代償を支払わなかったので、何も得られず(笑)

 また、完全な新作というわけではないのだが、これまでPLAYSTATION 3もしくはPCを利用して、PlayStation Storeから購入する形でしか観られなかった、「忘念のザムド」が地上波での放送を4月から開始するため、こちらも紹介がされていた。同作品はいわゆる純粋なメカ系のロボットものというわけではなく、変身もののジャンルに含むのが正しいのかも知れないが、SF系ということで紹介したい。

 ストーリーは、油泥海に囲まれた小さな島の先端島から始まる。70年前の戦いで南大陸自由圏に吸収された島で、我々の世界とは異なる地理条件を有する世界が舞台だ。主人公の竹原アキユキは母親とふたり暮らししている高校生で、友人たちと共に爆破事件に巻き込まれた際にザムド化してしまう。ザムド化したことで、暴走してしまうが、それを沈めたのが異国の少女ナキアミだった。ナキアミはザムドの暴走を抑えると、国際郵便船ザンバニ号へと連れて行く。ザムドの力を制御できるようになることと、いつか先端島に戻ることを目的に、アキユキはザンバニ号に乗船し、仲間と共に世界を巡っていく。

【キャスト】
竹原アキユキ…阿部敦
ナキアミ…三瓶由布子
西村ハル…折笠富美子

【スタッフ】
監督…宮地昌幸
アニメーションディレクター…奥村正志
キャラクターデザイン…倉島亜由美
ザムド・メカニックデザイン…橋本誠一
ヒトガタデザイン…水畑健二
メカデザイン…山根公利
アニメ制作:ボンズ

 それから、モンスターをメインとしながらも、要所でメカも登場する「CENCOROLL」も要チェック。マンガ家としても知られる、宇木敦哉氏が個人で制作している作品で、今年公開予定。

 平凡な町に突如出現した巨大モンスター。自衛隊が出動する大騒ぎとなるが、少女ユキは、同級生の少年テツがその巨大モンスターとよく似た生物のセンコをペットのように飼っているのを知ってしまう。その謎を追究する内に、巨大モンスターを操る謎の少年が現れ、戦いが勃発する。彼らの正体は? 戦いの目的は? 戦いに巻き込まれたナツの運命は? とてもひとりのクリエイターが描いているとは思えないクォリティーの作品。現在は、公式サイトでトレーラー映像を観ることが可能だ。


「忘念のザムド」のポスター ザムドの腕 「CENCOROLL」のポスター

ロボットと少女の交流を描く「アマナツ」を制作中の神風動画

 ミュージシャンとのコラボレーションによるPVのアニメや、各種ゲームのアニメシーンなどを手がけている神風動画。現在、同社所属のクリエイター横嶋俊久氏が監督を務めて製作中のフルCGアニメが、少女とロボットの交流を描いた「アマナツ」だ。今回は13分ほどのパイロットムービーが会場で流され、科学者で所属組織長でもある父親の逮捕などもあっていじめられ、自殺や世界の破滅を考えてしまう少女と、その父親が開発し、幼い頃から面倒を見てくれてきたロボットのコミュニケーションを見ることができた。まだ完成していないそうだが、すでに十分考えさせられる、余韻のある作品となっており、早期の公開が望まれる。現在のところ、作品の公式サイトはまだないため、特別に今回はスクリーンショットをいただいた。ロボットがどんなことがあっても少女を守ろうとし、思春期の難しい年頃となった少女はどことなくそんなロボットに甘えながらも、疎ましく思ってしまう。そして、自傷行為に走ろうとする。結構切ない感ある内容なので、ぜひ覚えておいてほしい。


ブースの主人公の少女と、背景に数十年先ぐらいと思われる未来世界が描かれたパネル 作中での少女 少女が幼い頃にやってきた、父親が開発したロボット

ロボットのアップ 小さい頃は似顔絵を描くなど、とてもロボットのことが好きだった少女 だが、いまでは疎ましく思ってしまう

クラスメートなどから送られたメールには「死ね! キモイ」。それをロボットにぶつけてしまう 自殺を考え、何度もカッターを手首にやってしまう そんな少女を常に見守り続けるロボット。少女に平穏は訪れるのか?

(C) Kamikazedouga


毎年必ずロボット系のクォリティーの高い作品を観られるクリエイターズワールド

 クリエイターにフォーカスを当てて、その作品を紹介している同展示会の毎年恒例のコーナー「クリエイターズワールド」。今年も、ロボットが登場する作品が観られた。牛山雅博氏の作品「R.S.」だ。牛山氏が2004年からフルCGで制作しているHD(1,280×720ピクセル)のハイビジョンサイズのSF作品だ。女性兵士エイジャの視点で、恒星間戦争が描かれていく。

 ストーリーは、とある惑星で科学探査船の惑星上陸班が原住生物によって全滅の憂き目に遭い、探査船から連絡を受けた地球軍が現場の惑星へ向かうところから始まる。地球軍は報復行動として惑星を軌道上からミサイル攻撃し、さらに攻撃機を突入させていく。また、地上戦用の兵器として、パワードスーツ型の人型兵器「アーマード エクソスケルトン タイプ1」と、同「タイプ2」が登場。そのほか四脚型の不気味な無人ロボット型兵器「リリー」も登場する。現在、ムービーはVol.1から4までが制作されており、牛山氏のサイトにおいて無料で視聴可能だ。ハイビジョンの4分の1サイズ(640×360ピクセル)のWMV形式から、MPEG1の192×144ピクセルの低画質まで、4段階の画質で用意されている。ちなみに、牛山氏と話をさせてもらったところ、パワードスーツに関しては、太ももの内側にまで装甲があると、人が装着してちゃんと歩くことはできないのではないか、というのが持論。そのため、アーマード エクソスケルトンシリーズは、太ももは外側には装甲はあるが、内側はスネの辺りまでインナースーツがむき出しになっている。またリリーに関しては、油圧シリンダで動かすところを描きたかったという。Vol.4では、リリーの動きを見ることが可能だ。


CGクリエイターの牛山雅博氏 上の女性が、主人公の女性兵士エイジャ。彼女のモノローグで物語は語られていく

パワードスーツ「アーマード エクソスケルトン」シリーズとそのパイロットなど 上の巨大メカが四脚型のロボット「リリー」

そのほかSF系の作品など

 フジテレビ系列の深夜アニメ枠「ノイタミナ」(ANIMATIONの逆さ読みで「アニメーションを覆す」の意)で4月9日より放送され、今度の冬には劇場公開も控えているのが、「東のエデン」。いまより少しだけ未来の2010年11月22日月曜日から物語はスタートする。この日、日本で11発のミサイルが炸裂し、奇跡的に死者は出さなかったが、建造物やインフラなどが大きな被害を受ける。結局テロなのか事故なのか何もわからないまま3カ月が過ぎ、ヒロインの大学4年生の少女の森美咲(もりみ・さき)は卒業旅行で訪れたアメリカのホワイトハウス前で、トラブルに巻き込まれてしまう。そんな彼女を救ってくれたのが、すべての記憶を失い、拳銃と謎の「ノブレス携帯」を持っているだけでなおかつ全裸という、日本人青年の滝沢朗(たきざわ・あきら)だった。

 ノブレス携帯は、100億円の電子マネーがチャージされており、「Mr.OUTSIDE」なる人物が選んだ12人の日本人=「セレソン」しか持っていない装置。電子マネーの残高と引き替えにセレソンの願いを何でも叶えてくれるという、非現実的な機能を持つ。セレソンはどう電子マネーを使おうが自由だが、日本を正しき方向に導かなければならず、義務を果たさないセレソンはサポーター(12人のセレソンの中のひとりで正体は不明)に消滅させられてしまう。こうした謎だらけの設定や人物により、2年ほど先の世界で物語は語られていく。なお、スタッフは以下の通りだが、声優はなぜか名前が現時点で公表されていない。公式サイトで第1話の冒頭などを中心としたトレーラー映像を観られるので、その声から主人公たちが誰なのかを類推してみてほしい。

【スタッフ】
原作・脚本・監督…神山健治
キャラクター原案…羽海野チカ
キャラクターデザイン…森川聡子
副官特…吉原正行
総作画監督…中村悟
アニメ制作…プロダクション I.G


東のエデンのポスター。滝澤朗と森美咲。11日間の物語らしい ノブレス携帯の1分の1モデル。NEC製。劇中のノブレス携帯は誰が造ったのか?

 NHKブースでは「エレメントハンター」を紹介していた。教育テレビで7月から放送予定だ。西暦2029年、地中海沿岸で巨大な地盤沈下が起き、その原因が直径3kmに渡る地殻から突然酸素が消失したというものだった。その後、次々とさまざまな元素が消失し、自然も人工物も動物も人間も次々と消し去られ、60年後には人類は最盛期の10分の1に減少。必死の調査の結果、消失した元素は、次元の壁の向こうにあるもうひとつの地球「ネガアース」に流れ込んでいることが判明した。地球の存亡をかけ、メンバーはすべて13歳以下の子供たちという「エレメントハンター」が組織される。ネガアースにアクセスできるのは、脳の組織が大人より柔軟な子供たちだけだったのだ。エレメントハンターには、カー博士のもとで結成された主人公の少年レンたちが所属する地球チームと、政府直轄のコロニーチームのふたつが存在し、ライバルとして競っていくことになる。

【キャスト】
レン…本城雄太郎
キアラ…榎本温子
ホミ…桑島法子
アリー…小林早苗
ロドニー…佐々木望
カー博士…真山亜子
ダン…小山力也

【スタッフ】
原案…伊藤和典
監督…奥村よしあき/ホン・ホンピョ
シリーズ構成…荒川稔久
キャラクター原案…奥村太吾
SF設定…金子隆一

 また、昨年夏に劇場公開されたアニメ「劇場版 スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」のテレビシリーズ「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」がBShiで3月31日から開始。映画「エピソード2/クローンの攻撃」と「エピソード3/シスの復讐」の間をつなぐストーリーだ。

【日本語吹き替えキャスト】
アナキン・スカイウォーカー…浪川大輔
オビ=ワン・ケノービ…森川智之
ヨーダ…永井一郎
パドメ・アミダラ…坂本真綾
アソーカ・タノ…伊藤静

【スタッフ】
原案総指揮…ジョージ・ルーカス
総監督…デイブ・フィローニ
ストーリー構成…ヘンリー・ギルロイ
アニメ制作…ルーカスフリム・アニメーション

 そのほか、NHK BSで放送され、第29回日本SF大賞を受賞した「電脳コイル」のNHK衛星第2(BS2)での再放送が4月7日から、田中芳樹原作の「タイタニア」のNHK総合での再放送が4月2日から開始される。


「エレメントハンター」のポスター 「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」のポスター

「電脳コイル」のポスター 「タイタニア」のポスター

 また、東北新社ブースでは、25年ぶりに劇場アニメとして復活する「宇宙戦艦ヤマト」の情報も公開されていた。まだビジュアル資料はなく、簡単な設定とヤマトのスケールモデルが展示されていた。今回は西暦2220年が舞台で、38歳となった古代進が新型宇宙戦艦ヤマトの艦長を務める(劇場映画「完結編」で復活した沖田艦長と共に宇宙で沈んだため、新型となる模様)。また、結婚した雪との間に生まれた娘・美雪も登場する。今回は、移動性ブラックホールの膨張で危機が地球に迫り、3億人の人類移民作戦が展開されるという展開。その移送船団が正体不明の敵に攻撃を受け、新型ヤマトが出撃するというものだ。

 最後に、まったくロボットと関係ないが、個人的に好きなので(笑)、僭越ながら「スポンジ・ボブ」の情報も掲載させていただく。この春から、新エピソードが放送されるので、ファンはCS放送ニコロデオンを要チェックだ。


旧宇宙戦艦ヤマトのスケールモデル スポンジ・ボブ。お子さんとも見られて、家族一家で爆笑できる作品

 今年はロボット系アニメのテレビシリーズよりも、劇場作品の年といえそう。ただ、10月の新作もあるだろうから、要チェックしておきたい。


URL
  東京国際アニメフェア2009
  http://www.tokyoanime.jp/ja/

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「東京国際アニメフェア2008」レポート
~今年はロボット系アニメ豊作の年!(2008/04/03)



( デイビー日高 )
2009/03/30 21:09

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